篠部 藍
生年:1977年
住所:神奈川県川崎市
職業:主婦
自己紹介:食べることは生きること。それを支える料理のなんと奥深いこと。
自分の手で料理ができることはほんとうに幸せと思います。


年に一度の丸焼きクリスマスチキン



材料

鶏(にわとり) 1羽
※にわとりさんの大きさは本当にいろいろありますが、おうちのオーブンの大きさに入るサイズがいいです。
教室で作ったのは中ぐらいで<1200g〜1300g>と思われます。
両手手のひらをほわっと広げたぐらいの大きさです。
頭と手は肉屋さんが取ってくれました。
首はついています。

ニンジン  小1本
じゃがいも 中2個
玉ねぎ   中1個
にんにく  2片

砂肝    100g
レバー   100g
※本当は「にわとりさん一羽分すべて」という感じで内臓一羽分入れたらいいのですが、お肉屋さんではもうすでに解体されているのでここでは砂肝とレバーを入れました。うちの母はハツ(心臓)や卵も入れていました。

塩     大さじ1弱
胡椒    少々
サラダ油  大さじ1
醤油    大さじ1
月桂樹の葉っぱ(ベイリーフ) 中2〜3枚

つくり方

にわとりさんは下準備の間、冷蔵庫から出し、室温に置いておきます。
「オーブンのとの温度差が少ないほうがおいしくできる。」と母は教えてくれました。
この段階でにわとりさんをサッと水洗いし、キッチンペーパーなどで水気をよく拭き取り、にわとりさんの全身に塩を擦り込んで、置いておく。

1 じゃがいもをたっぷりのお湯でゆでる(高山さん方式でゆでました。)
皮が割れて竹串をさして、いいかんじになったら熱いうちに皮をむきます。(やけどに注意!)
ここでは擂り鉢を使わず、お皿のうえにじゃがいもを乗せ、そっと手で押さえ、フォークの先でほっこりと潰します。あまり潰し過ぎないのがコツです。あとで内臓や他の野菜のうまみを吸ってやわらかなクッションの役目をしてくれます。

2 ニンジン、玉ねぎをみじん切りに。

3 私の手に入れた砂肝はこうもりが翼を広げるように肉のかたまりが3ツつながっていました。その連結部分がとてもかたいので包丁で取り除きます。レバーは中にある血のかたまりのような部分(2、3ミリのちいさいの)を取り除ます。両者をサッとゆがいて(血の赤さが取れてグレーっぽい色に変る程度)、みじん切りにします。

4 ニンニクをみじんにし、鍋に油をいれ、弱火でじっくり香りを引き出す。そのなかに1+2+3を入れ、中火で炒めます。よく混ざりあったところで弱火にして(焦げ付かないように注意です。)最後に塩、胡椒、月桂樹の葉っぱをいれ、じゃがいもが他のもの達のうまみを吸って全体がよく混ざりあった所で火を止めます。

5 4が冷めて、人肌ぐらいになったら、にわとりさんのお尻から4を詰めていきます。大きめのスプーンで詰めてゆくとやりやすいです。ピローンとのびるお尻の皮が指1本ぐらいの隙間になったら、その皮をつまようじで止めます。最後に、手のひらに500円玉ぐらい、醤油をとり、とりさんのからだにぴたぴたと塗る。同様にその上からサラダ油も塗る。(これで醤油の香ばしさと焼きあがったときの肌の黄金色を付けてくれます。)

6 220度のオーブンで30分焼きます。
(ご家庭にあるオーブンによっても焼き上がりにかなり差が出てくると思うのでこの数字はあくまでも今回の場合です。目安はとりさんの中までしっかり火が通っていることと、表面がいかにもおいしそうな焼き色の仕上がっていればいいと思います。)   ※ちなみに電子レンジについている「オーブンレンジ」でももちろん作れます。ガスレンジよりもかなり火力は弱めなので、その場合はとりさんのお腹から焼いたり、横向きにして焼いたり、途中でひっくり返したりして、最後に背中がくるように焼きあげればいいです。
時間は1時間半ぐらいかけてじっくり焼いてもおいしくできます。途中、背中がこげてしまいそうになったら、アルミホイルをかけてやってください。そうすれば真っ黒こげにはなりません。よくよく覗いて、焼き色をチェックすると安心です。

気持ち

こんばんわ、篠部です。
先日は本当においしく、楽しかったです。
みなさんかなりの料理上手で、こころがこもってて、幸せでした。
こんな素敵な体験ができたのも高山さんが教室を始めて下さったからだと思 います。
私など、あかんぼとダンナ連れで、いつもいつもお騒がせでした。 高山さんが「一緒に来ていいよ。」とおっしゃってくださったとき本当にうれしかったです。
産後の体もこころもハチャメチャな時、慣れない育児でちょっとノイローゼぎみだった私のこころが急に明るくなりはじめたのです。
「まだまだ自分の好きな事をやっていいんだ」
「好きな世界の空気を吸えるんだ」
ということがどれだけ自分の魂の芯を立て直してくれたことか・・・。
この御恩は忘れません。ありがとうございました。
*食事中のあかんぼ(月音)。



鮨やの小僧習わぬいくら漬ける      こっちは:篠部ダンナ



手順

<生筋子>
1 ぬるま湯に塩を一掴み入れ、その中で「ひとつひとつが鮭になるんだもんな」とつぶやきながらおおざっぱにほぐした、白っぽくなるが気にせずともよい。
2 すこしうっとりしつつ「ありがとう、きれいだね」とささやきながら、手のひらで丁寧にカスを取りのぞき、ざるにあけた。
3 ざるで水気をしばらく切った。(日持ちをよくするため)さらに白っぽくなるが気にせずともよい。

<漬け汁>
1 醤油、味醂、水、に昆布を一切れ、煮切る。途中でしまりがなかったので塩を加えた。
2 冷ます

<いくらの醤油漬け>
両者の頃合いを探りつつ、容器であわせる。いくらはどんどん透きとおってゆく。冷蔵庫で保管。一晩漬ければできあがり。

気持ち

2年程お鮨やさんでアルバイトをしていました。
おやじ、おかみ、弟子、バイトの4人という環境の中、鯵の骨抜き、折詰めのしきりの熊笹洗い、甘海老の頭取りなどがメインの仕事でした。
ある宴会が2回転した忙しい夜、23時をまわり、まかないは宅配ピザ。
目の前をうまそうな握りが何十貫と通り過ぎて行ったのに・・・ぴっピザっすか?と思った矢先、味噌椀にあふれんばかりのいくら丼を弟子の星山さんは差出してくれたのです。
「おやじにみつかんねぇうちに、さっさと食え」と。



先生のひと言

とても家庭的な感じがしました。料理上手のお母さんの温かい味。
子供の頃から庭にある、ベイリーフの葉っぱを使うというのがとても良かったです。
私の母は料理が嫌いな人だったので、クリスマスには肉屋で買ってきた油っぽい鷄の唐揚げだったけど、それはそれで私にはご馳走でした。
だけど、料理上手のお母さんを持っている友だちというのは、当時涙が出るほど(よだれは実際に出ていた)羨ましかったのを思い出しました。
篠部さんは、ちゃんと受け継いでいるのですね。
・篠部さんの旦那さん
スジコの下処理をサッカーを見ながらやって、サッカーが終わってから漬けたから、乾かす時間も入れてトータルで2〜3時間と言っていたのが、これこそ体感的に分かりやすいレシピだと思いました。
いちど白くなるけれど、つけ汁につけると色がもどるというのも、経験者は語る的レシピで、やはり体感的で素晴らしい。
料理上手の旦那さん、羨ましい・・。


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