2002年2月中

●2002年2月20日(水)

クウクウの今日のおとうしは、星丸くんが作ったタプナードの残りがあったので、 クリームチーズに混ぜました。アンチョビソースと黒胡椒も加えて。
にんにくも入れようかと思ったけれど、パンの方ににんにく入りオリーブオイルをかけることに。
夜帰って来たら、スイセイが玄米を炊いていた。
おかずは?と聞くと「なんにもないけえ、大根おろしをしようおもうて」と言うので気の毒になり、鮭を解凍して焼きました。みそ汁も。
風呂から出たそのままの格好で、窓を開けて風を味わったり、ストレッチなどできるこの家が私は好き。3階なので。向かいに住宅がないので。
そういえば、おとといぐらいの新聞で、島尾敏男の日記が出てきたので公開されるという記事が出ていた。「死の棘」のもとになったと推測される日記らしいが、 そういうのってどうなんだろう?と思う。
研究している人たちには、とんでもなくありがたいことなのだろうとは思うが、 なんだかいやだなあという気がする。
あの世にいる島尾さんは、いやなんではないだろうか。
なんとなく。

●2002年2月19日(火)

軽いふつか酔いだが、さわやかに起きました。
けどもう2時だ。晴れわたっている。
明日の打ち合わせのスープと鍋のレシピをまとめる。
スイセイがひさびさに飲み会に出かけるので、 今夜はうどんでもしようかと思う。卵でとじた甘じょっぱいやつ。
そして、きのうみどりちゃんに借りた「シマノホホエミ」をふとんの中でゆっくり読もう。
今、お腹がすいて目がまわってきたので、 サッポロ1番のみそラーメンを作っています。
かぶの葉っぱを入れて。
ハルタさんからひさびさに電話がかかり、近況を報告し合う。
そしてホームページの誤字脱字などを直す役について質問。
やっぱり私が自分でやるんだろうなと、結論を出した。
そんなことまでスイセイに頼むのは、妻として申し訳ないから。
けっきょく夜になってりうが帰って来たので、ちゃんとごはんを作ることにした。
冷蔵庫には何もないので、玄米を炊いて、かぼちゃの(カビが生えかけていたのをよくけずった。
ごめんよかぼちゃと思いながら)おかか煮と、山菜と菜の花の中間のような緑紫の野菜の炒めもの、 切り干し大根の味噌汁と納豆。ねらわずしてベジタリアンになってしまった。
おいしく食べました。
りうの幼馴染みが、絶交していたはずなのに、5年ぶりぐらいに急に電話がかかってきて、 何もなかったみたいにどんどん話し始めてきた話などを聞きながら。
デザートは、ブルーベリーにグラニュー糖をまぶして凍らせたやつ。
「シマノホホエミ」はすばらしかった。
写真はもちろんだが、文章がすごくいい。泣きました。
長野さんの、被写体に対しての愛情ようなものが伝わってくる。それは、人物に対してだけでなくこの世の中というもの全部が被写体という意味で。
愛情はべたべたとしたものでなく、色白の少年のようなシャイで乾いた感じ。

●2002年2月18日(月)

コンビーフとトマト缶でパスタのソースを、スイセイ(夫)たちの晩ごはん用に作り、 「ここにキャベツかほうれん草も入れな」と言い置き、メディアファクトリーで打ち合わせ。
丹治さんはきょうも襟のつまったシャツで、文学青年のようなかわいらしさ。
アシスタントの女の子を、なっちゃんのコマーシャルに出てくる子に似ているので、 みどりちゃんは「なっちゃん」と迷わず呼んでいた。「はい」と答える素直ななっちゃん。
打ち合わせが終わって、丹治さんが連れて行ってくれたのは中目黒の大衆居酒屋「藤八」。
おやじ度が高い、というかおじいちゃんサラリーマンでいっぱい。
つまみはどれもうまく、自家製はんぺんという、ごはんのかたまりのようにもかほかと蒸した白身のかたまりは、おかわりしたくなる。
いかの丸焼きは焼きかげんもわたのとろけかげんも上手。
ヘルシーサラダはイタリア風。腸詰めまである(帰りがけに見たらカウンターのところにつるしてあった)。
チャンジャも450円で小鉢にぎっしり入って出てきた。
なんで、こんなに安くしかもひとつひとつしっかりおいしいのだろう。
皿とかはてきとうなのに、盛り付けもてきとうな気もするのに、 素材が良いことと、(素材の)さわり方?が適正なことで、ひとつひとつ満足する。
いかのかき揚げは、体に悪そうだけどうまいんだよという味と揚げ加減。
うーん、人間の食の好みをよくわかってるなぁと感心していたら、 グラスを倒し割ってしまいました。
スカートの中までぬれた。
片づけているおねえさんに聞こえるように、「まだ酔ってないのにねー」とみどりちゃんが2回も言ってくれた。
そして、お決まりのコース「太陽」へ。
尊敬するデザイナーの立花君に会えました。
しかも、いっしょにお仕事できるかもしれない?
みどりちゃんのおかげです。
私は酔っ払っているのと感激で、うれし涙をこぼした。
帰りのタクシーに乗る時、丹治さんにしっかり抱きしめられ、抱き返した気がするが、 なんとなく女同士の包容って感じになるのはなんでだろう。
吉祥寺駅でタクシーを降り、てくてくと気分よく歩きながら、とちゅう感きわまって「みどりちゃーん」と夜の空気に向かって小さく叫ぶ。

●2002年2月17日(日)

今日のくうくうは日曜日なのに暇でした。
早めに終わったので、3月からのおすすめワインの試飲会。
どれもイタリア産。
去年からお世話になっている、やまもと酒店のおすすめ春向きワインの数々。
ここの山本さんは、現地に自分で出向いて行って味見をしたおいしいワインを、 買い取って来るのだそうだ。しかも自家用コンテナーで運ぶらしい。
だから、おいしいワインを安く仕入れることができる。
クウクウのみんなで勝手にのびのびと意見を言い合う。
これは木の味がするとか、のどのこのへんで味がして広がるんだけどキレがいいとか、 こっちの方が好きとか。「私、赤ワインてだめなのにこれはだいじょうぶピーッてなんなくておいしい」と、ちいちゃんはまじめな顔をして2回ぐらい言っていた。
そのうちにみんな酔っ払ってきて、鉱物の標本をみんなで見始め、これがきれいとか言っている。
なんで鉱物の標本が?
私は先に帰って来た。
自転車をこぐ風に、暖かさがもう混じっている。

●2002年2月16日(土)

自宅で打ち合わせ。
ドキュメンタリージャパンの煙草谷さんの目は、 らくだに似ていると思いながら、打ち合わせはどんどん進んでゆく。
しゃべりべたの私の言葉を、煙草谷さんがちょうどよく翻訳しながら、どんどんメモしてくれる。
その時にふと思いついて出したお茶が、思いのほかおいしかった。
「ふるさと万年茶」という名前のいろいろ混ざっているお茶に、三年番茶を混ぜて 沸かすまではやっていたが、 しょうがのかけらと、レモングラスと、 前に撮影用にと作った、ゆず皮の干したのを混ぜてみた。
これがなかなかいけました。和風ハーブティーという感じ。
こんどは、シナモンスティックも少し混ぜてみようと思う。
いま、台所に行って「ふるさとまんねん茶」の袋を見てきました。
あまちゃずる、ハトムギ、プーアール茶、とうきび茶、はと麦、熊笹茶、 はぶ茶、くわ茶、霊芝、おおばこ・・・その他全18種類調合。
和風ハーブティーはしかし、番茶としょうがとレモングラスだけでもいけると思う。
夜は、新ごぼうがあったので、「太陽」のをまねして「ごぼうハンバーグ」を作る。
太陽のは、なんであんなにあぶらっこいうまさなのだろう。マヨネーズが入って いるのだろうか。
赤ワインの残りがあったので、バルサミコ酢としょうゆも加えて煮つめソースを作った。
けれど、赤ワインのせいで酸っぱすぎた。入れない方がよかったな。
夫のために、ブロッコリーとにんじんを山ほどゆでて添える。
りう(娘)はきれいに食べてくれました。


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