2020年     めにうへ

●2020年1月10日(金)快晴

きのう1泊だけして、中野さんは北九州に旅立った。
いよいよ明日から、「オペレーション・テーブル」で展覧会がはじまるので。
朝、私も一緒に坂を下り、お見送りがてら「コープさん」へ。
まっ青な空。
旅の空だ。
帰りはゆっくり足もとだけ見て、小股で坂を上った。
セーター一枚だったのに、春のようにあたたかく、しっとりと汗をかいた。
まだ少し咳は出るけれど、ずいぶん体が動くようになった。
風邪が治ったんだな。
帰ったら、りうからメールが届いていた。
午後いっぱいかかって返事を書き、送る。
夕方、りうから返事が届いた。
胸が苦しくなる。
また返事を書いて、送った。
夕闇に夜景のオレンジが瞬いている。
夜ごはんは、カラスガレイのみそ漬け焼き(かぶの厚切り焼き添え)、青じそふりかけのおにぎり(お昼の残り)、じゃがいものみそ汁。

●2020年1月1月7日(火)雨

ゆうべも咳でよく眠れなかった。
もしかしたら、気管支炎にかかっているかもしれないと思って。
それで、朝の受付時間に間に合うように、タクシーを呼んで病院に行ってきた。
ただの風邪だった。
薬をもらったから、もう大丈夫。
熱もないし。
帰ってきてすぐ、きのう作ったかぶの鍋蒸し煮の鍋に、カツレツに添えたゆでじゃがいもと人参、ささ身を加えてクリームシチューを作って食べた。
きっと私は、母の遺品の片つけや掃除を、がんばりすぎたんだと思う。
お正月は休むためにあるのに、ごちそうもいろいろ作って、ふだんよりうんと動いていたから。
今日は薬を飲んで、おとなしく寝ていよう。
静かな雨が降っている。
夜ごはんは、クリームシチュー(お昼の残り)、いちご。

●2020年1月6日(月)晴れ

7時半に起きた。
おとついもきのうも、咳でよく眠れなかった。
寝ようとすると気管が詰まって、息がしにくくなる。
枕を3つ重ねて上半身を斜めにし、膝を曲げると少しはいいので、その姿勢のまま目をつぶっていた。
うとうとしながら私は、新しい絵本の言葉を考えていた。
くり返し、くり返し。
まだ覚えていたので、朝起きてすぐに書き出した。
お昼ごはんを支度しながら外を見ると、窓いっぱいに海が光っている。
金色にさざ波立っている。
ああ私、やっと神戸に帰ってきた。
実際に帰ってきたのは、4日の夜。
お正月に私がやりたかったことは、みっちゃんの孫たちと遊ぶのと、母の遺品を片づけること。
主には衣類の片づけだ。
3日は姉とふたりでやったので、とてもはかどった。
2階の和室が母の衣装部屋になっているのだけど、タンスにも、衣装箱にも、バザーで買ったらしい見慣れない化繊の服がこれでもかと詰まっていた。
しかもたたまずに。
どうしてこんなにため込んでいたんだろう。
父が生きていたころには、もっとずっと質素で、お気に入りの同じ服ばかり着ていたのに。
母が介護ベッドで寝ていたころ、そのなかから私がホームに通う服を選んできて見せると、「ううん、それは首が苦しいからいや」とか、「派手すぎるからいや」とか、「肌ざわりがよくないの」とか言っていた。
多分、いちども袖を通したことのない服がほとんどだったんだと思う。
まだ着られそうなのはリサイクルのゴミ袋に。肌着やくつ下、スカーフ、手編みのマフラー、ハンカチはゴミ袋に。
けっきょく全部で20袋になった。
着られるかどうかも分からない服をため込んでは、また新しく買っていた母。
おしゃれをすることに憧れがあったんだろうか。
もしかしたら母には、何か充たされないものがあったのかな。
母の部屋はできるだけそのままにしておきたいので、目についたところだけ片づけた。
教会用(二カ所)、図書館用など、どこかに出かけるための手提げがいくつも分けてあり、ペン入れや室内履きがそれぞれに入っていた。
靴下の上に履く分厚い靴下や、ティッシュ、使いかけのマスクまで。
教会の手提げには、父の写真と私の若いころの写真が、賛美歌に挟まれていた。
本に書き込まれた棒線、押し花のしおり、おすすめ本の新聞の切り抜き。
割り箸が入っていた袋に、造花やシールが貼つけてあるのも大量に出てきた。
教会学校の子どもたちと作ったんだろうか。
うちわや花火のシールのもあったから、季節に合わせて食事会をしたときのをもらってきて、集めていたのかもしれない。
紙風船、バラの花のロウソク、カルタ、おはじき、ひ孫からの手書きのカード。
母の部屋は壁の上から下まで、うっすらと埃をかぶっていた。
私はマスクをして掃除機をかけながらやった。
呆れたり、ほろっとしたり、笑ったりしながら。
私の知らない母が、荷物のなかに見えてくる。
そこに生きていた母の、確かな記録。
遺品の片づけはおもしろい。
姉は、母の服をずいぶんもらって帰った。
私がもらってきたのは、教会のクリスマス会など外出のたびに着ていたウールの懐かしいワンピース。
ちょうど今の私くらいの歳に着ていたのかな。
どこも痛んでいないし、今の私に似合いそうだったので。
あと、クリスマスツリーの小さな飾りと、サンタがいるスノーボールも。
夜ごはんは、鶏ひき肉のカツレツ(粉ふきいも、ゆで人参)、かぶとかぶの葉の鍋蒸し、たくあん、昆布の薄味佃煮、ご飯。

●2020年1月1日(水)晴れのち曇り

あけまして、おめでとうございます……と、言っていいのかどうか分からない。
喪中なので。
でも母は、そういうことに頓着なかったから、いいんだと思う。
なんだか日記がまったく書けない。
自分の用事ではない、いろいろなことのために動くのが楽しくて。
買い物やごはんの支度をしたり、みっちゃんの孫たちと遊んだり。
その喜びといったら。
咳は出ているけど、わりかし元気だ。
帰省したのは30日。
大掃除をする気満々で帰ってきたのだけど、みっちゃんがすでにやってくれていた。
玄関も、台所も、お風呂場も。
二階の和室も、母がいたころよりずっと整理され、きれいになっていて驚いた。
リビングの祭壇には母の遺影が飾ってあった。
まだ、髪を染めていたころの母。
おしゃれして、にっこり笑っている。
写真というのはやっぱりすごいな。
母がそこに座っているような気がして、何度も振り返ってしまう。
きのうはお昼から、姉の家の餅つき大会に行った。
搗き立てのお餅をちぎり、大根おろしやきなこ、煮切った酒とだし醤油を合わせたタレにつけるのを手伝った。
とてもいいお天気で、眩しくてたまらないなか、庭先で炭焼きの鶏肉や魚(タイやマアジ。朝釣ったのだそう)の頭の塩焼きをつついたり、生ビールをごちそうになったり。子どもたちの成長に驚いたり。
洗い物を手伝って、3時くらいに帰ってきた。
夕方からは、みっちゃんの子供たちとの忘年会。
今年はミホ(次女)の家族と、リカ(長女)の夫の紳君が来られなかったので、リカと娘のリコ、生まれて3ヶ月のアンナちゃん。
ヒロキ(長男)と奥さんのヒロミさん、ユリ、サキ。
ごちそうは、豚の角煮(ゆで卵、にんにく、しょうが)、モツ煮込み(白モツ、コンニャク、大根、人参、ごぼう、豆腐)、 キャベツときゅうりの塩もみ(いりごま)、赤大根の柚子香漬け、たたきごぼう、ごまズケ(ブリ、サーモン、万能ねぎ)、ちらし寿司(自家製おぼろ、干し椎茸の甘辛煮、錦糸卵)、じゃがいものお焼き。
じゃがいものお焼きは、ヒロキに手伝ってもらいながら、子どもたちと作った。
丸ごとゆでたじゃがいもをすり鉢でつぶすのも、クリームチーズを加えて混ぜるのも、もうじき7歳になるユリはとてもうまくやる。
ころころ転がしておだんごにし、コロッケよりも薄くて小さい楕円形に丸めるのは、リコとサキもやりたがった。
リコは今年で3歳、サキは4歳。
小さい子でもなかなかうまいことできるもんだな。
手につかないのがいいみたい。
ふたりとも食べながらやっていた。
おいしいんだ!
これは新発見。
フライパンで焼いてあげたら、喜んで食べている。
ユリは「焼くとこ見たーい!」と言って、私にはりついていた。
いつか子どもたちを集め、「じゃがいものお焼き教室」をしてみたいな。
ゆうべは、なっちゃん(兄の長女)が姉の家に子どもたちを預け、忘年会に参加してくれたのも嬉しかった。
おばあちゃん(遺影)に会いにきた。
そのときだったかな、ヒロミさんがねずみの帽子をかぶった写真をスマホで撮ってくれた。
私もユリたちに混ざって唇をとがらせ、両手を顔の前で握り、「チュー」と言いながら。
そしたらなんと、遺影の母もねずみの帽子をかぶって映っていた。
ちょっと首をかしげ、笑っている。
スマホのこの写真は、実際よりもかなり若く映るので、私も20代くらいになっていた。
遅くなってからだけど、舞美(三女)が来れたのも嬉しかった。
紅白が終わり、「ゆく年くる年」を3人で見て、新年の挨拶をした。
私が寝たあとも、みっちゃんとふたりで積もる話をしたらしい。
今日は、夕方から紳君が来るので(リカたちは泊まった)、ヒロキの家族もまた遊びにくることになった。
ヒロキはきっと、男同士で呑みたいんだと思う。
今夜のごちそうは、帆立のお刺身、しめ鯖、ごまヅケ(細かく刻んで青じそとねぎを混ぜ、なめろうのようにしてみた)、数の子、なます(大根、人参、柚子)、たたきごぼう、赤大根の柚子香漬け、じゃがいものお焼き、大根煮(豚角の残りの煮汁で煮た)、モツ煮込み、ほうれん草のおひたし、鶏の塩焼き(フライパンで表裏を下焼きし、仕上げはグリルで。こうすると皮がパリパリに焼ける)、牛ステーキ(リカ作)、サラダ(リカ作)、炊き込みご飯(干し椎茸、鶏肉、人参)の予定。

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