2019年     めにうへ

●2019年3月15日(金)晴れ

7時半に起きた。
いいお天気。
午前中に姉から電話。
母の具合が思ったより悪いので、明日帰省することになった。
私は今日、何をしておけばいいのだろう。
『帰ってきた 日々ごはん5』のゲラをお送りすること、美容院、図書館。
新聞連載の童話のゲラ(中野さんの絵が入っている)が、すべて送られてきた。
なんというありがたいタイミングだろう。
母にいいお土産ができた。
病院のベッドの上で、1枚1枚、紙芝居みたいに読んであげよう。
夜ごはんは、トマト焼き(豚ひき肉、玉ねぎ、酒、醤油、バター)、白菜の塩もみサラダ、ご飯。

●2019年3月14日(木)晴れのち曇り

5時にカーテンを開けたらまだ暗く、5時半に起きた。
オレンジがかった青白い空に、明けの明星が光っていた。
すぐに、『カゲロボ』の感想文のゲラ校正。
寝ながらずっと気になっていたので。
朝ごはんを食べ終わってからは、『帰ってきた 日々ごはん5』の最後の校正に向かった。
きのう、半分までやっておいた続き。
お昼前にはすべて終わり、木皿さんのゲラもお戻しした。
これは、新潮社の月刊誌4月号の「波」に掲載されます。
詳しくは「ちかごろの」をご覧ください。
そのあとしばらくして、病院にいる姉から電話があった。
母が急に入院することになった。
大きな病気ではないけれど、腰の骨の具合がよくない。
先々週も病院で診てもらつて、少しだけ覚悟はしていたけれど。
そわそわし、部屋のなかをうろうろと歩きまわってしまう。
ひとまず入院できただけでも、安心なのだけど。
教会や図書館に通っていろんな本を読んだり、まだまだやりたいことがたくさんあって、前向きで、童話のこともとても愉しみにしていた母のことを思うと、胸がふさぐ。
体が痛くて辛いだろうな。
まだ4時なのに、今日はずいぶん薄暗い。
海は灰色で、のっぺりと平らに見える。
どうしても心が落ち着かないので、ごはんの前に森の入り口までゆっくり歩き、ゆっくり帰ってきた。
夜ごはんは、春巻き(ピェンローの残りを煮詰め、片栗粉でまとめて包んだ)、ニラのおひたし、味噌汁(絹さや、もち麩)、ご飯(ふりかけ)。
夜、母のことで姉から電話があった。

●2019年3月12日(火)曇りのち晴れ

6時半に起きた。
昇ったばかりの太陽は、火の玉みたい。
厚い雲におおわれた空に、ぽっかり浮かんでいる。
いつもは、まわりの眩しい光ごと陽の出なのに、オレンジ色のころんとした玉だけ。
今が朝だと知らなければ、上ったばかりの大きな月のようにも見える。
窓を開け、尚ちゃんの毛糸の膝掛けを体に巻いて、しばらく見ていた。
朝風呂に浸かる前に、木皿さんの感想文の続きを書いた。
朝方、根っこがぬけて上ってきたので。
締め切りはまだ少し先なので、しばらく寝かせようか。
でも、もうできてしまったかも。
もういちど木皿さんの小説のゲラを読んでみよう。
木皿さんの感想文は、2時にはできた。
担当の編集者へお送りし、「コープさん」へ買い物へ。
海の見える公園でひと休みしたけれど、すいすい上れた。
今日は餃子を作る。
朝、再放送で見たコウケンテツさんの、おうちの餃子。
感想文を喜んでくださっているメールが、編集さんから届いた。
ああ、よかった。ほっとした。
いろいろ終わったので、餃子の具を作って、ビールを開けた。
海は薄い空色だ。
そしたら、毎日新聞の編集さんから、中野さんの絵が入ったゲラも届く。
わー。すごいすごい。
圧巻だ。
壁に張って、読んでみた。
夜ごはんは、コウさんの「おうちの餃子」、おにぎり。
コウさんの餃子は、とってもおいしいな。
大判の皮で包むのも新鮮だった。

●2019年3月11日(月)小雨のち晴れ

薄暗い朝。
お風呂から上がって窓を見ると、遠くの灯りがまだついている。
青みがかった灰色の海の、こちら側だけが毛羽立ったようになっている。
雨が降っているのだ。
朝ごはんを食べ終わったら、急に晴れ間が出てきた。
雲の流れが早い。
今日は、『カゲロボ』の書評を書きはじめよう。
木皿さんの本を評するなんて、そんな偉そうなことはとてもできないのだけど、感想文を書こう。
この間、とってもいいお天気の昼間に、ベッドの上で読んだときのことを書こう。
今、机に向かっていたら、急にわーっと明るくなったり、暗くなったりする。
シーツを洗濯したので、屋上に干しに行ったら、あんまり風が強くて、やっぱりやめた。
そのすぐあとに、ざーっと音をたて、雨が降ってきた。
お天気雨だ。
けっこう長いこと降っていた。
今日の天気は、目が離せない。
感想文を書きながら、なんども窓辺に立った。
昼ごろから晴れてきた。
窓を開けっ放しでも寒くない。
夕方、五目きんぴらを作って、りっちゃんのお母さんに教わった通りに扇風機で冷ました。
ふと窓を見ると、不思議な色をしたものが目についた。
2階段の窓から見たら、大阪のアベノハルカスの先あたりに、赤みがかった紫の靄の塊がある。
幻みたい。
じっと見ていたら、黄色や緑らしき色が現れた。
きっと、虹だと思う。
今日は、6時半になってもまだ暮れない。
いつの間に、こんなに日が長くなったんだろう。
『カゲロボ』の感想文は、ずいぶん書けた。
でも、まだ奥の方に書きたいことがあって、それが根が深く、簡単には出てこない。
明日もまた、続きをやろう。
夜ごはんは、五目きんぴら(レンコン、ごぼう、人参、コンニャク、ピーマン)、目玉焼き、ほうれん草とベーコン炒め(おとついの残り)、ごぼうの黒酢煮、ご飯。
今夜は夜景もぴかぴかだ。

●2019年3月10日(日)曇りのち雨

7時半に起きた。
どんよりした天気だけれど、心はどっかり落ち着いている。
「気ぬけごはん」は、きのうのうちにほとんど書けた。
よかった。ほっとした。
これでようやく、木皿さんの小説『カゲロボ』の書評にとりかかれる。
と、思っていたのだけれど、なんとなくまだ潮が満ちていない気がする。
もう少し体にためて、熟成させ、明日から書きはじめよう。
お昼ごはんを食べながら、「のど自慢」をのんびり見た。
いつものように、拍手したり、ほろっとしたり、笑ったり。
あとで買い物に下りたら、「MORIS」をのぞくつもり。
夜ごはんは、試作を兼ねてピェンロー(白菜たっぷりのお鍋。干し椎茸はきのうからもどしてある)を作ろうと思う。
『機関車トーマス』を見ながら食べる予定。

●2019年3月8日(金)晴れ

7時に起きた。
カーテンを開け、目をつぶったまま腹式呼吸(体操のひとつ)を10回。
ゆうべは、木皿さんの新しい小説のゲラを、いつもみたいにまた1編だけ読んで寝た。
すごくおもしろい。
毎回、遠くまで連れていかれる。
その小説の書評を書くという、大きな宿題をいただいていている。
書けるかどうか分からなくて、どきどきするけれど、でも、とても書きたいと願っている。
ゆうべはひさしぶりにぐっすり眠れた。
「かもめ食堂」さんの取材も楽しかったし、終わってから「六珈」さんで打ち合わせをして、おいしいコーヒーとチーズケーキをいただき、「MORIS」にも寄った。
「かもめ食堂」のおふたりが、出たばかりの本にサインをするというので。
ふたりが真剣にサインをしている脇で、今日子ちゃんのアクションつきの、ひろみさんとの漫才みたいなのにも笑った。
そのあと、やっさんとりっちゃんが車で送ってくださり、三人でコーヒーを飲んだ。
なんだか、六甲村のみんなに会えたような日だったな。
とても楽しく、健全な日だった。
腹式呼吸をしながら、木皿さんの小説のことで、なんとなく書きたいことが上ってきた気がする。
階段を下り、すぐにメモした。
きのうは、「かもめ食堂」のおいしいごはんをいっぱいよばれた。
夜ごはんでも、いただいたおかずを食べたから、今朝はとてもいいうんちが出た。
そういえば、「かもめ」さんのごはんを食べた日はいつもそう。
ずっと前、佐藤初女さんのごはんを食べたときにもそうなった。
きのう、りっちゃんのお母さんから教わった五目きんぴらは、野菜がいっぱいで、れんこんもごぼうもにんじんもピーマンもコンニャクも、みんなそれぞれの歯ごたえと味がした。
ちゃんと火が通って、味もしみているのに薄味で、みなそれぞれがまだ生きていて、そっくりそのままお腹に入るみたいな感じがした。
だから、腸もよく動いて、元気になるんだろう。
『六甲かもめ食堂の 野菜がおいしいお弁当』という本は、「かもめ」さんのおかずがこれでもかとぎっしり詰まった本です。
お弁当のおかずというより、ちゃんとした一品料理が、簡潔なレシピで何品も紹介されているのです。
今、アマゾンで調べてみたら、炊き込みご飯を入れて139品だそう。
すごいなあ。
本屋さんで見かけたら、ぜひ、手に取ってみてください。
さて、私もがんばろう。
今日はまず、「気ぬけごはん」から書きはじめよう。
夜ごはんは、ワンタンメン(ほうれん草、もやし、味つけ卵)。

●2019年3月5日(火)曇りのち雨

ゆうべは頭のなかがぐるぐるして、よく眠れなかった。
でも、気持ちは元気。
しゃっきりしている。
7時半に起き、朝のストレッチ体操をしてお風呂に浸かり、朝ごはんを食べ終わってからは、『帰ってきた 日々ごはん5』の新しい「あとがき」をずっと書いていた。
やけにメールが多く、いつもは2、3通なのに、15通くらい届いた。
電話もあったし。
なんだか狂おしい春。
世の中が、動いている。
空気がかきまわされている。
でも、私のいるところは静か。
窓の外は、春霞におおわれ、海が白くけぶっている。
けども、私の内側はかきまわされている。
文を書くのはそういうことだ。
気づけば3時。
雨が降っている。
書けたかもしれない。
夜ごはんは、みそ汁雑炊(油揚げ、キャベツ、大豆、溶き卵のゆうべの味噌汁に、ご飯を炊いて加えた)、ほうれん草のおひたし。
なんだか今日は、くたくただ。目も痛い。
文を書いて、こんなにくたびれたのははじめてかもしれない。
明日は、「リンネル」の取材で、「かもめ食堂」さんに料理を教わりにいくので、早めに寝よう。

●2019年2月27日(水)曇り

7時に起き、カーテンを開けた。
ベッドのなかで目をつぶり、腹式呼吸(体操のひとつ)をやっているうち、気づけば眠りかけている。
体が、眠ろうとしている。
ゆうべは9時にはベッドに入った。
ベッドに沈み込むようにくたびれていたので、すぐに眠れるのかと思ったら、そんなことはなかった。
アイデアがあれこれ浮かんでは消え、浮かんではつかまって、眠りに落ちようとすると、意識がハッと目を覚ます。
の、くり返し。
体は眠りたがっているのに、寝ちゃいけないと、意識に起こされる。
寝ていいのに。
撮影は、めっちゃ楽しい。
おもしろくてたまらない。
朝ごはんを食べ、あちこち掃除をして清めた。
今日は、10時集合。
そろそろみなさんがいらっしゃる。
さーて、どうなることやら。
1回目の撮影は、今日が最後です。

●2019年2月26日(火)快晴

7時半に起きた。
春のように暖かい。
料理本の撮影が、たまらなく楽しい。
いろいろ、剥かれる。
えー、これでいいの?
と、思う。
そうか、これでいいのか。
とも、思う。
私がいつもやっていること、考えていることが、手の動きや体の使い方に出ているらしいのだ。
そうか。
窓の外で、ツクピーツクピーと愛らしい声で鳴く小鳥。
あれはシジュウカラだっけ?
電線にひとりでとまっている。
そういえばきのう、山の入り口まで上ったら、ウグイスが鳴いていた。
今年はじめてのウグイスだ。
さて、今は11時。
ぼちぼちみなさんがいらっしゃるころかな。
それまで、体操をして待っていよう。

●2019年2月25日(月)晴れ

6時半に起きた。
カーテンを開けて寝ころんでいたら、太陽が頭の先を見せた。
じりじりと姿を表す燃える玉。
強烈な光。
窓を開け、毛糸のひざかけ(高知の尚ちゃんが編んでくれた)を体に巻きつけ、じっと眺めた。
湿った地面から立ち上る匂い。
小鳥たちが騒がしい。
ああ、ひさしぶりに昇るところを見られたな。
そのあとで、体操を4種類やった。
さて。
今日からいよいよ料理本の撮影がはじまる。
詳しいことはまだ書けないけれど、みなさんきのうのうちに東京から神戸に来てくださった。
ほんとうに、ありがたい。
私は、出せるものを出しつくせるよう、体を緩めて向かいたいと思う。
さーて、どうなることやら。

●2019年2月24日(日)晴れ

7時に起きた。
ゆうべは、8時にはもうベッドに入っていたから、いったい何時間寝たのだろう。
夢もいろいろみて、すぐにまた深い眠りに落ちた。
このところ、いろいろなことがあり、私はちょっと心の調子が不安定だった。
きのうは、股関節の突然の痛みで、原因がまるで見当たらず、ただ驚いていた。
でも、私は、そういう内面の不調が、そのまま体に出る体質なのかもしれないと思い当たった。
お腹も壊したし。
体は、なんて確かなものだろう。
そのことが、私を支えてくれている。
ありがたいなあと思う。
夜ごはんは、ひろみさんのお好み焼き(長ねぎ、豚肉)(アスパラ、豚肉)(椎茸、白菜、豚肉、卵)
3種類ぜんぶを焼いて、「機関車トーマス」を見ながら食べるつもり。

●2019年2月23日(土)晴れ

朝、起きたら、左足のつけ根が痛い。
痛くてまっすぐに立っていられない。
足をひきづって歩かないとならないくらい。
きのうもおとついも、何でもなかったのに。
どうしてなんだろう。
お風呂でもんだり、ストレッチをしてもよくならないので、整形外科に行くことにした。
なんにもなければ放っておいて、様子をみるのだけど、あさってから料理本の撮影なので。
体の具合が悪いと、心も重く、暗くなる。
坂は下りられそうもないから、タクシーを呼んだ。
感じのよさそうな病院をネットで調べ、タクシーの運転手さんに連れていってもらったのだけど、そこは最近、買い物帰りに中野さんと立ち寄っていた公園の向かいにある整形外科だった。
ついこの間も、私はこの整形外科のことを、ぼんやり見ていた。
なんとなく、いい感じのするところだなと。
でもまさか、近々お世話になるとは思ってもみなかった。
レントゲンを撮ってもらったら、骨も関節も正常とのこと。
股関節のスジが、何かの理由で炎症を起こしているらしい。
それで、リハビリも受けた。
腹筋や、体幹の筋力が弱っているらしい。
坂を上り下りしているせいだったら、今の生活を変えなければならないんだろうか……と不安だった。
ああ、よかった。
年をとるって、こういうことだ。
ストレッチや体操を続けて、筋力をつけよう。
まだまだここに住んで、歩き続けられるように。
リハビリまでの時間があったので、お昼におうどんを食べ、図書館で2時間くらい過ごしたのも、なんか、よかった。
薬を飲んだら、痛みはどんどんひいていったし。
病院が終わって、撮影の買い物もできた。
明日は、ゆっくり支度しよう。
夜ごはんは、鶏そぼろご飯(いり卵)、ちぢみほうれん草のバター炒め、みそ汁(じゃがいも、青じそ)。

●2019年2月18日(月)晴れ

7時に起きた。
太陽は雲に隠れていたけれど、オレンジと水色に染まった明け方の空だけ見れた。
6時過ぎには目覚めていたので。
今朝も、中野さんに童話を1話お送りした。
朝ごはんのあと、壁に貼り出した赤字をもういちど確認しながら、直したり、もとに戻したり。
のんびりやる。
お昼を食べて、ついに新聞の編集者にお送りした。
中野さんから、「もう1話送ってください」とのメール。
残すは、最終回の1話を明日お送りするだけ。
この童話は、毎日新聞(掲載誌面の地域が決まっているので、詳しくは「ちかごろの」にてお知らせします)の朝刊に、4月のひと月間だけ、毎日連載されます。
どうか、愉しみにしていてください。
さて。
いよいよ来週から料理本の撮影がはじまる。
今日は、その支度をぼちぼちはじめよう。
夜ごはんは、アジフライの卵とじ丼(おとつい揚げた小アジフライ、玉ねぎ、卵)、いんげんと椎茸の炒め煮、わかめのサッと炒め、具だくさんみそ汁(豆腐、椎茸、小松菜)。

●2019年2月17日(日)曇り

9時ちょっと前に起きた。
また、寝坊した。
窓の外が白い。
今朝も、童話を1話だけ中野さんにお送りした。
そしてまた、続きをやる。
お昼を食べて、「のど自慢」を見ながら、まず裏紙をA4サイズに切った。
そして、これまで書いた分をすべてプリントし、壁一面に貼ってみた。
ゆうべの電話で、中野さんも絵を貼り出しながら描いているとおっしゃっていたので。
全部貼り出してから、あちこち掃除機をかけ、玄関を出て外の空気を吸ってきた。
コーヒーもいれた。
体ごと離れているので、全体の姿が見られるのが、とてもいい。
予測が溶け、はじめて読んだみたいになる。
読みながら、イメージがつまずくところを、少しだけ赤を入れた。
さて。
これで、明日の締め切りに間に合った。
夜ごはんは、温豆腐(オリーブオイル&塩)フリッジのトマトソース炒め(玉ねぎ、プレスハム、かぶ、かぶの葉、溶けるチーズ)。

●2019年2月16日(土)曇り一時晴れ

7時に起きた。
ようやくいつもの時間が、体に戻ってきたみたい。
朝からまた、童話の続き。
きのうにひき続き、中野さんに1話だけ送った。
午後2時。
あれ? もしかして、できたかも。
これ以上、悪くも、よくもならないところまできたみたい。
明日また、はじめから読み直してみよう。
夜ごはんは、アジフライ(きのう買っておいた小アジで)、ワカメのサッと炒め、手羽元の黒酢醤油煮(ゆうべの残り)、具だくさんのみそ汁(かぶ、椎茸、かぶの葉、小松菜)。
『昨日のカレー、明日のパン』の撮影で、小アジのフライを、これでもかといっぱい作って揚げたっけ。
あのときは、しおりちゃんにずいぶん助けてもらったなあ。
もう、何年前になるんだろう。

●2019年2月14日(木)曇り

9時ちょっと前に起きた。
また寝坊した。
海の光っているところが、スケートリンクみたい。
太陽が高いからだ。
このところ、東京と実家でついてしまった、夜型の生活がまだ戻らない。
いかんなあ。
窓を開けたら、雪の花が舞っていた。
ちょっと寒い。
朝ごはんを食べ、すぐに童話。
中野さんに3話分をお送りした。
それからも、ずっと童話。
でこぼこしていたところが、なめらかになってきた。
というより、地面に埋まっていた、もともとの肌が見えてきた。
まだ、直すべきところがあるような気がするけど。
このままねかせて、明日、新しい目で眺め、また直そう。
夜ごはんは、たぬき蕎麦(天かす、ねぎ)、レンコンとごぼうのきんぴら、白菜のくたくた煮。
夕方、6時半過ぎ。
空気が蒼い。
窓を開けたら、真上に、膨らみかけた半月が出ていた。

●2019年2月13日(水)ぼんやりした晴れ

「気ぬけごはん」の校正をお送りし、朝からずっと童話を書いていた。
きのうの夕方、実家から帰ってきたのだけど、新幹線のなかでもずっとやっていた。
もう、ほとんど完成したつもりで、母に朗読してもらったら、まだまだなことが分かったので。
母は、はじめのうちは、「うーん、情景が浮かぶねえ」などと上機嫌だったのだけど、途中から声がくもってきた。
はっきりは言わないのだけど、道に迷ったような顔をしている。
むずかしいのだ。
90歳のおばあちゃんだから分からないんじゃないかな……と、心のなかで思っていたら、「私はいつも、子どもの目線で読んでるの」と言われてしまった。
なんでもお見通しだ。
それで、ちょこちょこと直しはじめたら、ダメなところが見えてきた。
中野さんには、今朝から3話ずつお送りすることになった。
もしかしたら、絵が進んでいるのかな。
追い越されてしまいそうだ。
うーん。私も、ぎりぎりまでがんばろう。
東京では、川原さんの家に2泊させてもらった。
斎藤陽道さんの「感動、」の写真展。
トークのなかで、スライドを見せてくれたのがとてもおもしろかった。
次の写真に移り変わるとき、前の写真と何秒か重なり、溶け合う瞬間。
そこに、見えないものが見えてくる。
ボクサーの額の血のあとが、一輪の赤い花になった。
自分の目が、透明になったみたいだった。
もっともっと、見たかった。
言語脳科学の大学の先生との筆談トークも、ぎっしり書き込まれたノートも、ものすごくおもしろく、興奮した。
昔の私だったら、感動してびーびー泣いたろうけれど、心は静かなまま。
見たことも聞いたこともないものが、見え隠れしながら光っていて、ただただおもしろくてたまらない現場にいる! という感じだった。
このところ、私は毎晩『異なり記念日』を読み返していた。
陽道さんも、奥さんのまなみさんも、思った通りの方だった。
姿も、表情も、なのだけど、生きている体のなかにある、勢いみたいなものが……だろうか。
次の日は、興奮覚めやらず、朝起きぬけにパジャマのまま川原さんとおしゃべりした。
絵や文(「キチム」で開いた展示会に飾ったもの)を、じっくり見せてもらったのも、とてもおもしろかった。
あちこちに話が飛びまわり、ふたりとも、とまらなかった。
雪が降りそうな日で、薄いカーテンを引いたまま、ウイスキーのお湯割りを呑んだりして。
ごはんも食べずに。
お腹がすくと、クッキーやらチョコやらつまみながら、寝床で話し続けた。
時間の流れ方が伸びたり縮んだりして、山小屋にいるみたいだった。
そして、その日は夕方から牧野さんのトークに行った。
すべてが牧野さんらしく、くすくす笑いが漏れてくるような、なんだか、あたたかい会だったな。
そのあとで、川原さんと青きみと4人で「ミロ」に呑みにいったら、立花君にも会えた。
シミズタとケイスケも、元気そうだった。
雪のなか、4人で吉祥寺駅まで歩いて帰った。
なんだか不思議だったなあ。
その次の日に、実家へ帰った。
実家では、みっちゃんが呑み屋に連れていってくれて、はじめてふたりでサシで呑んだり。母と、こちょこちょおしゃべりしたり。
童話は、パソコン画面の文字を追いながら、最初から最後まで母が朗読した。
よくもまあ集中力が続くものだと感心していたら、やっぱりそうとうくたびれたみたい。
神戸に帰ってきて、ゆうべは、「きょうの料理」を見た。
私は元気そうに映っていて、ほっとした。
時間内に、たくさんお伝えしなければならないことがあって、早口になっていたし、フライパンがなかなか温まらず、玉ねぎとひき肉を炒めるのに、木べらをかちゃかちゃ動かしすぎていたけれど。
あと、語尾が関西弁のニュアンスになっていたのが、自分でも可笑しかった。
そのあとで、陶芸家のご夫婦の台所の番組を見た。
きのうは母と、有元さんの回の再放送を見たのだけど、おもしろい番組だなあ。
じつは、最終回で私も出ます。
Eテレの、『趣味どきっ!」の「人と暮らしと、台所」という番組です。
詳しくは、「ちかごろの」をご覧ください。
長い日記を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
夜ごはんは、春雨炒め(豚コマ切れ肉、干し椎茸、絹さや、焼き肉のタレ)、ワカメのサッと炒め(ごま油、生姜、かつお節)、大根のみそ汁)、ご飯。

●2019年2月8日(金)曇り

7時半に起きた。
この日記は今、新幹線のなかで書いています。
斎藤陽道さんの写真展と、トークを見に、東京へ。
どうしても行きたくて。
言語脳学者の方と、筆談トークをなさるみたい。
浜松町の「東京人権プラザ」という展示会場には、陽道さんが書き込んだノートもあるみたいだから、ゆっくり読めたらいいなと思って。
それで、トークは7時からだけど、うんと早めに行くことにした。
新幹線のなかで、肉巻きおにぎりを食べた。
ゆうべ、しょうが焼きがとてもやわらかく、おいしくできたので、今朝、おにぎりに巻いてみた。
ラップできっちり巻くと、即席の肉巻きおにぎりみたいになる。
なかなかいいアイデア。
そろそろ、京都と名古屋の間の、いつも雪が降っている地帯を通るはずなのだけど、まだなのかな。
そこを通過するとき、今日子ちゃんのクッキーと、水筒の紅茶でおやつにしようと思う。

●2019年2月4日(月) お天気雨のち曇り

晴れていたので、屋上にシーツを干しに行ったら、細かな雨が降っていた。
ミストのようにとても細かな雨。
それで気がついた。
お天気雨だ。
慌てて下りてきて、布団を入れた。
目をこらしてみても、細かすぎて雨粒は見えないのだけど、道路にある水たまりに、小さな波紋ができている。
空の高いところは晴れていて、太陽も当たっている。
でも、下の方だけぶ厚い雲に覆われていて、高い山の上から、雲海を見ているみたい。
海も空も、白く発光している。
今日で、この世が終わってしまうような、あるいは何かを祝っているような天気。
とても珍しい天気の日。
そして、暖かい。
掃除機をかけていたら、汗が出た。
今日は立春。
春が立った日。
「立つ」という言葉には、「はじまり」という意味が含まれているのだそう。
お天気雨は、そのあとも午後2時くらいまでずっと降り続いていた。
中野さんが急にいらっしゃることになった。
三宮の「大丸」で待ち合わせ。
日陰がとても寒く、陽が当たるところは暑いくらい。
お刺身など買って帰る。
今日は、冬と春が拮抗しているような日だったな。
夜ごはんは、剣先イカのお刺身(ごま油&塩、わさび醤油、しょうが醤油)、わかさぎの唐揚げ、冷や奴(ねぎ醤油)、柚子大根、日本酒。
お酒のしめに、牛肉の甘辛煮のせご飯(中野さん作)。

●2019年2月3日(日)曇り一時晴れ

7時過ぎに起きた。
このごろ私は、夕方になると目の奥が痛くなるのだけど、もしかしたら、陽の出を見すぎなんだろうか。
朝から夕方までパソコンにかじりつき、童話に夢中になっているせいもある。
今朝も、朝ごはんを食べてからずっと童話をやっていた。
もしかして、書けたかも。
締め切りはまだ先だから、しばらく寝かせておいて、忘れたころにまた見よう。
ゆうべは、湯上がりに絨毯に寝そべり、電気ストーブを近くに寄せて「地球ドラマチック」を見た。
スカンジナビア地方の熊の親子の話だった。
小熊の兄弟が愛らしくてたまらず、手をたたいたり、笑ったりしながら見た。
そういえば、吉祥寺にいたときには、「地球ドラマチック」を毎週愉しみにしていたっけ。
これからも、ときどき見てみよう。
午後、牛乳がなくなったので、雨が降る前に「コープさん」に行った。
今日は節分祭で、龍の神社の社に、紫色の垂れ幕がしてあった。
果物や野菜もお供えしてあった。
帰り道、雨が降り出した。
小雨のなか、濡れながら坂を上った。
あたたかな雨。
しっとりと汗をかいて帰ってきた。
夜ごはんは、鰆のみそ漬け(鮭を漬けたあとのみそ床に、甘酒を加えてみた)、ほうれん草のバター炒め、五目きんぴら、柚子大根(「かもめ食堂」さんの真似をして作った)、わかめのみそ汁、ご飯。

●2019年1月31日(木)曇りのち雨

まだ暗いけど、いいことを思いついたので、紙に書いておこうと思って起きた。
夜中だと思ったら、6時半だった。
なので起きてしまう。
この時間のラジオは、いいなあ。
パソコンに向かっているうちに、空が白んできた。
でも、7時になっても明るくならない。
ぶ厚い雲に太陽が隠れているのだ。
今朝の閃きは、光っているかも。
まず、「かもめ食堂」さんの、春に出るお弁当の本のための帯文を書いた。
そして、校正を2本。
あとはずっと、童話をやっていた。
今朝の閃きを抱いたまま書いていたら、最後の情景が見えてきた。
夕方になって、雨が降り出した。
雪に変わってもおかしくないくらいの、冷たい雨。
私はお腹をこわした。
童話は、いつかは書き終えないとならないのだけど、終わってしまうのがなんか淋しい。
夜ごはんは、天ぷら(レンコン、ごぼうと人参のかき揚げ)、ご飯、みそ汁。
お腹はこわしているけど、朝から決めていたので、めげずに天ぷらを揚げた。

●2019年1月30日(水)曇りのち晴れ

ぐっすり眠って、8時少し前に起きた。
いろんな夢をみた。
夢というより、イメージの雲みたいなのがぷかりぷかり。
起きたら、左の背中が痛い。
きのうのテレビ収録は、楽しかったのだけど、どこかがずっと緊張していたんだろうな。
朝から雑誌のコラムの校正。
そして、次のリンネルのための写真選び。
それからはずっと、『帰ってきた 日々ごはん5』にまつわる原稿書きをやっていた。
ああ、背中が痛い。
一瞬だけ外に出て、そこらを歩きながら、腕をぐるぐる回してきた。
夕方、洗濯ものをたたんでいたら、あまり聞いたことのない小鳥の声がする。
窓を開けてみた。
お腹がオレンジ色の、小さな小さな鳥が、ひとりきりでいる。
透んだ声で、かすかに鳴く。
ヒッ ヒッと、ひとつづつ区切って。
この小鳥のことを、私はずっとヤマガラかと思っていたのだけど、ジョウビタキかも。
夜ごはんは、サーモンのみそ漬け焼き(白みそ、みりん、酒、ごま油を合わせ、おとついから漬けておいた)、粉ふきいも、ほうれん草と油揚げの煮浸し、五目きんぴら、納豆、ご飯。
つよしさんにお借りしている、チェコのアニメを見ながら食べた。

●2019年1月29日(火)ぼんやりした晴れ

7時に起きた。
このところ毎朝、向かいの建物にうっすらと雪が積もっている。
ゆうべはよく眠れなかったな。
夢をひとつみたけれど。
緊張しているんだろか。
いやだなー。
でも、とってもいいお天気。
太陽の下の海の金色に、「今日は、がんばりな」と言われている。
10時にタクシーのお迎えがきたら、行ってきます。
アナウンサーは大好きな岩槻さんなのだし、いつも作っている料理なんだし、リラックスしてがんばろう。
6時半に帰ってきた。
ああ、くたびれた。
急いで夜ごはんを作って食べ、お風呂。
夜ごはんは、チャーハン(豚そぼろ、卵)、ほうれん草と油揚げの煮浸し、豚汁。 

●2019年1月28日(月)曇りのち雨

ゆうべは、明け方少し前に、ぐっと冷え込んだときがあった。 空気がしんとして、外もしんとして、何の音もしない。
こういうときは雪が舞っているのかもしれないな、と思いながら目をつむっていた。
7時前にカーテンを開けた。
雲に覆われていて、陽の出は見られなかったけど、太陽が昇る前、すぐ上の雲が茜色の山脈みたいになっていた。
あれは、きのうだったっけ。
やっぱり陽の出は見られなかったのだけど、雲の切れ目から、茜色の光のカーテンが山に垂れていた。
幅広の透き通ったカーテン。
オーロラみたいで、しばらく見とれていた。
明日は、「きょうの料理」の収録で大阪のスタジオに行くので、その支度をする。
台本を読んだり、VTR(この間、うちで間撮影したもの)を見直したり。
あとで、お昼ごはんを食べたら、電車に乗って牛肉を買い物に「大丸」へ行こうと思う。
せっかくなので、生地屋さんのバーゲンものぞいてみようかな。
「大丸」デパートの牛肉は、目玉が飛び出そうに高かった。
なので、六甲に戻ってきて「いかりスーパー」で買った。
「いかり」さんのも、充分にいいお肉なので。
これは、明日のテレビで使う用。
帰りは冷たい雨。
夜ごはんは、ねぎとろ巻き(「大丸」の地下で買った)、ほうれん草と油揚げの煮浸し、豚汁(白菜と豚バラの鍋の残りに、大根、人参、白菜、ごぼう、コンニャクを加えた)。
お風呂に入る前に、もういちど台本とVTRを見て、練習しておこう。

●2019年1月27日(土)晴れのち曇りのち小雪

6時前からカーテンを開けていた。
今朝は、朝焼けはなかった。
朝、お風呂から出たら鼻血が出た。
ゆうべ夜中に目が覚めて、考えごとをしたり、『帰ってきた 日々ごはん5』のゲラを読み込んだりしていたからだ。
朝ごはんを食べ、まず中野さんに今日の分の童話を送った。
そのあとで、スイセイにメールの返事。
書く前に心を落ち着けようと思い、あちこち掃除した。
きれいになったところで、書く。
夢中で書いていて、気づけば4時を過ぎている。
海が青い。
青いのを通り越して、青紫黒い。
夕暮れどき、小雪が舞いはじめた。
どうりで寒いはずだ。
夜ごはんは、洋風そぼろご飯(玉ねぎ、合いびき肉、ディル、菊菜)、白菜と豚バラ肉のくったり煮(ポン酢醤油)、みそ汁(お麩、青じそ)。

●2019年1月25日(金)晴れのち曇り

7時に起きた。
今朝の陽の出は、控えめな美しさ。
雲に隠れた太陽のオレンジ色が、海にそのまま映っていた。
太陽が顔を出したらぐんぐん暖かくなった。
それまで、ベッドのなかでぬくぬくしていた。
太陽の威力はすごいな。
朝ごはんを食べ、いつものように童話。
このところ毎朝、これまで書いたものをメールで中野さんにお送りしている(挿絵を描いていただくので)。
毎日、一日分ずつ。
それが小さな励みになっている。
個人的な書き物(へんな言い方だけど)を、誰かに読んでもらえるのは、とてもありがたい。
感想を何も言われなくても、誰かの目が間に入るだけで、ささやかな客観性が生まれる。
『まんぷく』を見ながらお昼を食べ、今日が締め切りの原稿書きに没頭。
これは、今年に入ってから少しずつ書き進めておいた、小さなコラムが多数集まったもの。
夕方4時くらいにぶじ仕上がり、お送りした。
編集さんは、とても喜んでくださった。
ああ、よかった。
今は5時なのだけど、急に冷え込んできた。
今日は、太陽の威力を感じるのではじまり、終わった一日だった。
夜ごはんは、野菜スープ(大根、白菜、長ねぎ、玉ねぎ)、ミートソースとマッシュポテトのグラタン。

●2019年1月23日(水)晴れ

雲が多いけれど、晴れている。
暖かい。
このところずっと私は、ばななさんの古い小説を読んでいた。
『王国』の4冊からはじまって、『アムリタ』も、この間読んだ。
寝る前にベッドのなかで読むのだけど、ひと晩に1冊。
『アムリタ』は長い物語なのに、2日で読んでしまった。
なんか、もぐり込んだようになって。
『アムリタ』を読んでいたとき、登場人物のひとりひとりが纏っている空気ごと覚えていて、懐かしい人たちに再会したような気持ちになった。
現実の私は誰にも会わず、昼間は童話を書くのに夢中になって、夜になると早めに寝室に上って、読書の日々。
気づけば12時を過ぎていて、はっ!となって眠る。
夢にも出てきたし。
なんだかちょっとだけ、自家中毒のようになっていたから、おとつい中野さんがふらりと尋ねてきてくださったのが、とても嬉しかった。
中野さんは、きのう帰られた。
人と一緒に過ごせる時間は、ほんとうにありがたく貴重だ。
今日は、宮下さんが打ち合わせでいらっしゃるので、きのう三宮に中野さんをお見送りがてら、「大丸」の地下でおいしそうなエビを買ってきた。
さて、どう料理してお出ししようかな。
宮下さんとは、去年からご相談していた単行本の打ち合わせ。
ずっと待っていただいていたのだけど、今年こそ、はじめようと思う。
そうだ。
ゆうべは、『日々ごはん』の1巻を寝る前に読んだ。
半分くらいまで読んで、トイレに行こうとしたとき、自分がどこにいるのか分からなくなった。
脳みそがぐらりとなって、そうか、神戸にいるんだっけ、と思った。
読んでいる間私は、完全に吉祥寺の家にいたのだ。
そのころ私はまだ「クウクウ」で働いていて、りうも家にいて、スイセイと3人家族だった。
どんな日々を過ごしていたか、景色つきでありありと思い出していた。
ばななさんの小説といい、『日々ごはん』といい、このところ私は過去に戻って、何かを検証しているんだろうか。
自分のことを、確かめようとしてるのか。
さて、そろそろ宮下さんがいらっしゃる。
この単行本で何ができるのか。
宮下さんに半分体を預け、やわらかな心で意見を出し合おうと思う。
チーズトースト、血のソーセージ&タルト・タタン&マッシュポテト、大根のアルザス風マリネ、白菜サラダ(玉ねぎドレッシング)、水菜のナムル、ひじき煮の白和え(豆腐、ごま、ねりごま、白みそ)、海老のオリーブオイル焼き(にんにく、パセリ)、舞茸の炒めもの(オリーブオイル、アンチョビソース、ケッパー、白ワインビネガー)、赤ワイン。
お土産の赤ワインをちびちび呑みながら打ち合わせした。
夕方、宮下さんと一緒に坂を下って「MORIS」に行き、ひろみさんのピエンロー(鍋もの)と、今日子ちゃんのぜんざいをごちそうになった。
夜ごはんは、ピエンロー(くたくた白菜、干し椎茸、豚肉、鶏肉)、ぜんざい(あずき、白玉だんご、おみかんジャム)。

●2019年1月17日(木)快晴、風強し

10時半まで寝ていた。
くたびれていたので。
わざと寝坊した。
そして、へんな夢もみたので。
知らないレストランの厨房で働いていて、とても忙しく、追われている夢。
知らない人のもとで、知らない料理を作らなくてはならないし、とにかく急がなくちゃならなくて、私はひどくあたふたしていた。
その人の考えや規則を、私はちっとも理解できていなくて。
分かってないから、何をやってもうまくいかない。
自分のペースでできないことが、私はとても苦手だというのを確かめたような夢だった。
朝ごはんの支度をしていたとき、海全体が金色にさんざめいていた。
長い時間、光っていた。
窓辺に立ち、お祈り。
きのうは、撮影が終わってから、撮影の残りのグラタンを「MORIS」に持っていった。
今日子ちゃんは夕方から電車に乗って、お好み焼き屋さんに行くことになっていて、急きょ私も参加させてもらった。
今日子ちゃん、ひろみさん、「MORIS」のお客さんふたりと。
そこは、灘駅にある、ずっと行ってみたかったお店。
何を食べてもおいしくて、お腹いっぱい食べた。
何を食べたのだっけ。
ニラのベーコン巻き(キャベツ炒め添え)、小エビの塩焼き、豆腐を焼いたの(青ねぎがたっぷりのっていた。ポン酢醤油で)、キモ焼き(もやし、にんじん、キャベツ、ニラ)、えのきと菊菜のバター炒め、カキのバター焼き、椎茸焼き(ものすごい肉厚なのを、重しで押さえて焼いていた)、ねぎ焼き(すじコン入り。醤油味)、カキと豚肉のお好み焼き。
食べ過ぎたので、今日はお昼を抜いた。
そして今日は、一日中童話を書いていた。
ずいぶん進んだ。
夜ごはんの前に窓を開け、夜景に向かってもういちど祈った。
私がここで暮らせていること。
ありがとうございます。
夜ごはんは、お腹にやさしいノブさんのおうどん。
あんかけうどん(ねぎ、おろし生姜)、菊菜のおひたし、白和え(ひじき煮で)。

●2019年1月16日(水)曇りのち晴れ

6時半くらいからカーテンを開けていたのだけど、今朝は雲におおわれて、朝焼けはなし。
陽の出もまったく見られなかった。
7時に起きた。
部屋が薄暗い。
朝ごはんを食べているうちに、だんだん晴れてきた。
9時半からテレビのロケ。
そろそろみなさんがいらっしゃる。
今は、とってもいいお天気。
海もぴかぴか。
光っているところに、「がんばりな」と応援されているような。
あ、いらした。

今は、オーブンのなかを撮影中。
チーズがぐつぐつするのを待っているところ。
夜ごはんは、今日子ちゃんたちとお好み焼き屋さんで。

●2019年1月14日(月)晴れ

気持ちよく晴れている。
今日は、童話はやらない。
テキストファイルを開くとやりたくなるから、開かない。
あさって、テレビの撮影がうちであるので、朝ごはんの前に台所をしっかりめに掃除した。
続いて、「気ぬけごはん」の続き。
4時くらいに書き上がった。
洗濯ものを取り込みにいったら、空の真上に白い半月。
2階の窓を開けて深呼吸。
外に出たいな。
ちょっと、森の入り口まで散歩してこよう。
そういえばきのう、仕事机の方まで陽が入ってきて、あまりに眩しいので、吉祥寺時代に使っていた白いカーテンを出してきて、吊るしてみた。
20センチほど丈が短いのだけど、重たくならなくて、かえっていい感じ。
ぜんぜん関係がないけれど、もしかしてラジオの電波が入りやすくなったのは、カーテンのせいもあるんだろうか。
夜ごはんは、雑炊(かぶ、百合根、かぶの葉、柚子皮)、塩鯖、大根おろし。

●2019年1月13日(日)快晴

8時に起きた。
眩しい朝。
きのうは、とても楽しかった。
「nowaki」で中野さんの展示を見て、閉店してから、寒いなかてくてく歩いて恵比寿神社にお参りに行った。
筒井君は「絵本塾」があったので、みにちゃんと中野さんと3人で。
期せずして、京都の有名な神社で初詣ができた。
私は、2月からはじまる料理本作りのお祈りをした。
商売繁盛というよりは、いい本ができて、たくさんの人に届けられるように。
中野さんと私は笹を買った(みにちゃんは、きのうのうちに買った)。
京都の冬は、空気がしんとして、神戸の冷たさとはまた違う。
川が近いからだろうか。
鴨川べりに立ち並ぶ飲食店の、オレンジ色の光が、夜の黒い水面に細く長く映っていた。
いっぱい着こんで、マフラーもぐるぐる巻きにして、川沿いを3人で歩いていたとき、「ここに、光が映っているところも好きなんです」と、みにちゃんがぽつんと言った。
観光地だから人はたくさん歩いているし、話し声も聞こえてくるのだけど、みんな黒いシルエットで、どーどーと流れる川の音しかしなくて、なんだか空気が澄んでいた。
私たち3人は、前になったり後ろになったりしながら、自分の歩きたいように歩いていた。
そのときの感じ、私は忘れないだろうな。
保育園の脇道を歩いていたとき、中野さんが働いていた保育所で飼っていたうさぎの話を聞いたのも、よかった。
静かな話だった。
今思うのだけど、童話を書いていると、その世界に関係のあることが向こうから寄ってくる。
集中すればするほど、そうなる。
どこかの器官が開いて、張りついてくる。見落とさないようになる。
それは前に、『押し入れの虫干し』や、『料理=高山なおみ』の文を書いていたときと、同じ感覚。
それから、「nowaki」に戻ってきて、もういちど中野さんの絵を見て、おいしいごはんを4人で食べにいった。
ブリ大根(お通し)、カキの天ぷら、寒ブリのお刺身、平目のお造り、小芋の唐揚げ、生だこのワサビ和え、生麩とお餅の揚げびたし、生ゆばのサラダ、きつねうどん(みんなで分けた)、焼酎のお湯割り(中野さん)、熱燗(筒井君、みにちゃん、私)。
中野さんは、明日もあさっても展示が控えているので、「nowaki」に泊まり込んでらっしゃる。
なので、私はひとりで帰ってきた。
笹を大事に抱えて。
京都は遠いし、終電間際にひとりで帰ってくるのは淋しいだろうと思っていたのだけど、ちっともそんなことはなかった。
なんだか、電車に乗っている人たちひとりひとりと、一緒に帰ってきている感じがした。
ひとりの部屋も親密な感じ。
お風呂に入って、すぐに寝た。
というわけで、今朝も朝ごはんを食べ終わってから、ずっと童話を書いている。
もう3時だ。
そろそろ、「気ぬけごはん」の仕上げをしなければ。
夜ごはんは、牛スジカレー(冷凍しておいたのに、大根を蒸して加えた)、かぶの塩もみサラダ(玉ねぎドレッシング)。

●2019年1月12日(土)曇り

まだ、薄暗いうちにカーテンを開けてみたのだけど、今朝は雲が空をおおっていて、朝焼けはなかった。
やっぱり、この間のは特別だったんだ。
朝ごはんを食べ、すぐに童話。
夢中でやる。
午後から街へ下りる予定なので、それまでがんばろう。
あとで、美容院と図書館へ行き、電車に乗って、京都へ出かける予定。
宿題の原稿書きは、あとひとつを残すのみだし、童話もずいぶん進んでほっとしたので。

●2019年1月11日(金)曇り

朝から、童話。
きのうの続き。
さっき洗濯をして、屋上に干してきた。
山は、木の葉がほとんど落ち、茶色く透けたところがずいぶん増えていた。
今朝の陽の出は見逃してしまったのだけど、きのうのがものすごかった。
6時半になる前にカーテンを開けたら、まだ暗いなか、黒い山々のシルエットの上に、強烈なオレンジの帯が伸びていた。
帯の上には青灰色の雲。
台所に下りて、ミルクティーをいれて戻ってきたら、空の高いところは水色で、オレンジとのだんだら模様になっていた。
青灰色だった雲は、7時には茜色になった。
しわの陰影がくっきりし、雲全体が赤土の大陸のよう。砂漠のよう。
海にも、雲の色が映っていた。
見とれている間に、輝きが増し、それからようやく太陽のおでましとなった。
こんなに厳かなことが、毎朝行われているとは。
今日は、午後をまわってからも、童話をずっと書いていた。
さて、次は「気ぬけごはん」をやろう。
コーヒーをいれて。
夜ごはんは、煮込みうどん(いつぞやの、かぶのみぞれあんのうどんにだし汁を加えてのばし、かぶの葉を加えて煮た)、フライパン焼き餅(焼き上がりに溶けるチーズをのせ、醤油をちょっと。海苔で巻いて食べた)、かぶのフライパン焼き、にんじん塩もみ(ポン酢しょうゆ、ごま油、ひねりごま)。

●2019年1月9日(水)雪のち晴れ

朝、7時を過ぎても薄暗い。
と思ってカーテンを開けたら、小雪が舞っていた。
そのうち、どんどん降ってきた。
上ったばかりの太陽に反射して、雪の粉が金色に光っている。
早くしないとならないのだけど、しばらく窓辺に佇んでいた。
さあ、てきぱき支度をしないと。
今日は、大阪のNHKに、スタジオに見学に行く。
9時前には家を出ないと。
支度をするうちに、雪が激しくなってきた。
傘をさして坂を下りる。
下から風で巻き上がってくる。
ポストのところまで歩いて、ちょうど来たタクシーに乗った。
電車に乗り遅れたらいやなので。
でも、六甲駅に下りたら、まったく降っていなかった。
大阪のNHKは新しく、すっきりした建物だった。
ひろびろとして、清潔で、とてもいい空気が流れていた。
「きょうの料理」のスタジオは14階にあるので、大阪城のお堀も、川も、すっかり見渡せる。
景色が大きい。
フードさんたちもみんな感じがよくて、私はとてもほっとした。
また、梅田まわりで、阪急電車に乗って帰ってきた。
夙川で下りて、お昼ごはんのパンを川べりで食べた。
水面を見ながら。
童話の続きが、出てきたがっている。
早く集中して向かいたいのだけど、その前にやらないといけない原稿書きが、ふたつかみっつある。
夜ごはんは、厚揚げのじりじり焼き(ねぎ醤油)、春巻き(「阪急梅田」のデパ地下のお総菜)、めかぶ(ねぎ、かつお節)、菊菜のおひたし(柚子のしぼり汁、ごま油、醤油、ごま)、納豆、みそ汁(豆腐、絹さや)、ご飯。
ひさしぶりの白いご飯が、たまらなくおいしかった。

●2019年1月7日(月)快晴

朝風呂から上がって、身支度をしているとき、太陽の真下の海が金色だった。
何度見てもいつも違う。
せっかくなので、見ながら2階だけ掃除機をかけてしまう。
日焼け止めを塗って。
朝ごはんのヨーグルトを食べていたら、ラジオでマーラーの「アダージェット」がかかった。
鏡のようになっている手前の海が、ちらちらちらちらきらめいている。
あまりに音楽にぴったりで、ぽーっとした。
午後から、「きょうの料理」のテレビの打ち合わせがある。
そのあと3時には小野さんがいらっしゃって、5時からつよしさんも加わって、「つ」の絵本の打ち合わせ&新年会。
小野さんがおいしい日本酒を持ってきてくださる。
とても愉しみ。
打ち合わせがはじまる前に、きのうの続きの「リンネル」の原稿を書こう。
きのうは日食だったようだけど、ちょうどその時間は雲に隠れていて、見ることができなかった。
今朝は、雲が下の方にあるので、すっきりとまん丸な太陽。
風もなく、窓を開けていても暖かい。
新年会のメニューは、かぶと大根のアルザス風マリネ(塩もみして、おろしにんにくを少し。レモン汁、ディル、オリーブオイルで和えタ)、人参の塩もみサラダ(玉ねぎドレッシング)、じゃがいものドフィノア、ひじき煮(干し椎茸、コンニャク)、めかぶ(だし汁、醤油、かつお節、ねぎ)、牡蠣のバター焼き(小麦粉をまぶして、オリーブオイルとバターでカリッと焼き、醤油を少し落とした)、とさか海苔の炒めもの(にんにく、にぼし、ごま油、酒、醤油)、地鶏の塩焼き、白菜の薄味煮(土鍋で煮て、だし昆布を細く切って加え、薄くとろみをつけた)、牡蠣とセリの炊き込みご飯、白ワイン、日本酒。

●2019年1月3日(木)快晴

7時の時報にまったく気づかず、8時に起きた。
ゆうべの『岸辺の旅』の空気の夢をみたみたい。
なんか、不思議な夢だった。
朝ごはんはみっちゃんと。
チーズトースト、サラダ。
かんでもかんでも鼻水が出る。
体にたまっていた悪いものが、出切ろうとしているんだ。
今回はほとんど薬を飲んでいないから、そうやって、確実に恢復していっているのがよく分かる。
もうこれで、ぶり返すことはないだろう。
今日神戸に帰るので、あちこち掃除した。
布団も干す。
母に言われ、玄関のススキを刈る。
みっちゃんも台所に掃除機をかけている。
床収納のなかも、床を上げて掃除機をかけるよう母に頼まれたらしい。
ぶつぶつ言いながらやっている。
母は、ホウキを手に持ったまま、椅子に座ってポカンとしていた。
その姿が、幼い女の子に見えた。
自分もお掃除を手伝おうとしているのだけど、邪魔になるからどうしていいか分からなくて、お父さんのことをぼんやり見ている女の子。
なんだかとても愛らしかった。
入れ歯をはずしていると、子どもみたいに見えるのかな。
それともおばあちゃんになると、子どもに近づいていくのか。
母が私の部屋におしゃべりしにきた。
童話のなかで気がついたこと(直した方がいいところ)があったらしいのだけど、忘れてしまったみたい。
母「読めば読むほど、ますます情景が見えてくるだよ。いやあ、おもしろい話だね。お母さん、愉しみだよう。どうやったら読める?」
私「うん。まだまだ完成じゃないから、頑張って書くね。新聞の連載がはじまったら、コピーをしたのを1週間にいっぺん送ろうか」
母「ああ、嬉しい。愉しみにしてるね。ファックスでもいいだよう」
昼ごはんは、磯部巻き、ちらし寿司の残り(母と私)、はんぺんと三つ葉のすまし汁(母と私)、ざる蕎麦(みっちゃん)。
さ、布団を取り込もう。
母の部屋の鏡が曇っていたのが気になっていたので、セキス水で磨いた。
ピカピカになった。
私の部屋の鏡台も磨いた。
この鏡台は、祖母が長年使っていたもの。
私が高校生のとき、部屋にあったのは、この鏡台のような気がする。
だとすると、十代後半から六十歳までの私の遍歴を映してきた鏡なんだ……と、思いながら磨いた。
今の私のことを、どう感じているだろう(鏡が)。
さ、そろそろ帰ろう。
新富士駅までみっちゃんが送ってくれる。
3時11分発の新幹線。
静岡で乗り換え、6時半くらいに神戸に着いた。
帰りの新幹線は自由席だったけど、ちゃんと座れた。
夜ごはんは、豚まん(新神戸駅で買った)、ほうれん草のおひたし(豚まんを蒸したあとに、セイロで蒸した。なたね油、醤油、ひねりごま)、かき卵スープ(豆腐、豆苗)。
窓の夜景が、やけに眩しい。
新聞の連載が4月にはじまったら、童話を切り抜いて、毎日母にファックスで送ってあげるのもいいかもしれない。

●2019年1月2日(火)薄曇り

今朝は富士山は見えない。
三分の二が雲をかぶっている。
朝、なんとなしにひとりになりたくて、わざと寝坊した。
布団のなかで絵本を読んでいた。
ゆうべはみっちゃんも、姉のところの忘年会で遅かったから、まだ寝ている。
8時半に起きた。
寝ているときにはそうでもないのだけど、朝起きると、タンと鼻水がびっくりするほど出る。
塊みたいに濃いのが出る。
きのうもそうだった。
11時過ぎに、みっちゃんと朝ごはん。
パンを焼いて、サラダとコーヒー。
コーヒーは毎朝みっちゃんが淹れてくれる。
お昼が近いので、母も自分の食べたいものをお盆にのせて一緒に食べはじめた。
きのうだったかな、布団を干していたときに、母が買い物に出かける後ろ姿を2階のベランダからたまたま見かけた。
背筋を伸ばし、足取りも軽く、すいすいとけっこうなスピードで歩いていた。
後ろから見たら、70代くらいに見えた。
ひとりでいるときには気が張っているから、案外こんな感じなのかもしれない。
普段は私たちに甘えているのかな。
それとも、歳を意識すると急に気弱になって、おばあちゃんになってしまうのか。
でも、夢中で何かをしていて、気づくと疲れているというのは本当みたい。
私「どういう感じ? 腰や背中は痛い?」
母「ううん。痛いところはない。ただ、すごくかったるいさや。背中から足から、全部が、重たーくなるような感じ」
午後、私の部屋にやってきて、おしゃべりをしたい様子だったので、去年のお正月の日記(「日々ごはん」の)を開いて見せた。
パソコンの画面を見ながら、母は声を上げて読みはじめた。
おもしろいらしく、ちっともやめようとしない。
前屈みの同じ姿勢で、ずっと。
母の集中力には驚いた。
夜ごはんは3人で。
残りもの整理を兼ねたちらし寿司(カニのほぐし身、数の子、しめ鯖、マグロの中落ち、錦糸卵、ゆで三つ葉、青じそ)、ハムの厚切りソテー(出てきた脂で水菜を炒めた)、ほうれん草のおひたし(柚子の絞り汁、醤油、かつお節、海苔)、鶏と大根の煮物(オイスターソース、だし昆布、インスタントの和風だしをほんの少し、生姜、にんにく)。
すし飯を炊飯器のなかで作ったら、べったりとした感じになってしまった。
やっぱり、合わせ酢をご飯に吸わせると同時に湿気を飛ばすには、木の器でないとだめなのかな。
今夜は、「ツタヤ」でみっちゃんが借りてきたDVDを一緒に観るつもりなので、母と先に入ることにした。
入れ歯をはずした母は、湯舟のなかで手を動かしながら、数え歌のように「四季の歌」を歌っていた。
なので、私が先に体を洗った。
「♪春を愛する人は こーころ清き人 すーみれの花のような ぼくの友だち 夏を愛する人は こーころ強き人〜」 
4番まで歌詞を間違えずに歌い終わると、「あ、歌えた」と言って、次は賛美歌。
今度は私が湯舟に浸かる。
母は体を洗いながら、賛美歌を歌っている。
ときどきゴシゴシする手を止め、歌に熱中。
背中を流してあげている間も、まだ歌っている。
私が先に上がろうとしたら、歌いながら、びっくりしたような目でこちらを見上げた。
あの目つき、私はしばらく忘れられないと思う。
小さい子どもみたいな目だった。
もっと、長く入っていてあげればよかったな。
せめて、賛美歌が終わるまで。
31日だっただろうか、私の書きかけの童話を見せたら、母はとても喜び、すぐに声を出して読みはじめた。
「いいねえ、なあみちゃん。情景が浮かぶねえ」なんて言いながら。
場面が変わるところでは、指揮をするみたいに手をひと振りし、声色を変えて。
今夜もまた、もういちど読み返したいというので、ベッドの枕もとに置いておいた。
みっちゃんとDVD鑑賞。
『岸辺の旅』という映画。
湯本香樹美さんの原作だし、主演が浅野忠信と深津絵里だから、なんとなく気になっていた。
湯本さんの物語には、死がよく出てくる。
この世とあの世が入り交じったような、不思議な場面もたくさん出てくる。
それを映像で見せようとすると、どうしてもホラーみたいなタッチになってしまうんだろう。
たぶん、原作の方が私は好きだろうな……という気もしたけれど、おもしろかった。
実家の居間で、みっちゃんとふたりで観ているというシチュエーションも、新鮮だったし。
みっちゃんはウイスキーを呑みながら、芋カリントウをポリポリやっていた。
まだ、起きているみたいだったので、私は先に10時半くらいに布団に入った。
みっちゃんが借りてきていたもう1本の映画は、『しあわせの絵の具』。
この映画も、なんとなく気になっていたもの。
もしかしたらみっちゃんは、私の好きそうなのを選んで借りてきてくれたのかな。
芋カリントウを開けてくれたのも、もちろん自分も食べたかったんだろうけど、ちょっとは私のためもあったかも。
私はまったく食べなかった。
いくらお腹がいっぱいでも、ちょっとくらい食べればよかった。

●2019年1月1日(火)晴れ

あけまして、おめでとうございます。
7時半に起きて1階に下りたら、みっちゃんが居間でシュラフに包まって寝ていた。
フードをかぶっていたから、最初、誰だか分からなかった。
なんか寒そう。
床に当たって背中も痛いだろうに。
みっちゃんの部屋には、ヒロキ(みっちゃんの長男)と娘のユリが泊まっていたらしい。
自分の部屋なんだし、広いんだから、3人で寝たらよかったのに。
私はゆうべ、9時過ぎにはお風呂に入り、先に寝てしまったので知らなかった。
おととしの大晦日には、ヒロキの家族は来られなかったのだけど、今年は奥さんのヒロミさんと、娘ふたりを連れてきた。
私は、長女のユリに『どもるどだっく』をプレゼントしようと思って、神戸から持ってきていた。
あげたらすぐに読みはじめた。
とつとつと、読む。
平仮名がほとんど読める。
ユリは今年の4月から小学生なのだそう。
今朝も、『どもるどだっく』を胸に抱え、私の方を見てにやにやしたり、開いてみたりしている。
パジャマの上にピンクのジャンパーを着て、胸に絵本を抱えている姿が、たまらなく可愛らしい。
ユリは髪が真っ黒のおかっぱで、目つきが表紙の子に似ている。
下の娘のサキ(3歳)は、自分の思いのままにのしのし歩く、図太い子。
『たべたあい』の女の子に似ていたな。
きのうの会では、ミホ(みっちゃんの次女)が作ってくれたごちそうの数々がとってもおいしかった。
仕込んだものをタッパーに入れ、器や調味料、オーブンまで持参して、ケイタリングみたいなことをしてくれた。
お腹が大きいのに(3月に生まれるのだそう)、何日も前から少しずつ支度をしていたらしい。
メニューは、なます(柚子の香りがした)、鯛の昆布じめ、ごぼうの肉巻き、カニの甲羅焼き(カニ味噌を甲羅に入れ、殻から出した身をきれいに並べて重ねたものを、グリルで香ばしく焼いていた)、サザエのつぼ焼き、ブリカマ焼き、ゆでたカニ、牛スジ大根煮(青ねぎ)、ほうれん草のおひたし、ピザ(マヨネーズ、ケチャップ、トマト、玉ねぎ、ピーマン、チーズ、生地もミホが練ったもの)、年越し蕎麦。
ヒロキは薫製卵や、珍しい漬け物をいろいろ持ってきてくれた。
私が作っておいたのは、おでん(大根、ゆで卵、厚揚げ、さつま揚げ、ちくわ、牛スジ)だけ。
私はミホや母に風邪をうつしたくなくて、マスクをしたままずっと洗い物ばかりしていた。
みっちゃんを中心に、男連中が呑んでいる食卓に、ミホが盛りつけたつまみを次々運んだり。
ビールを1杯呑んだら、もういい気分になってしまったので、あとは孫たち(みっちゃんの)やテツ(ミホが飼っている柴犬)と遊んでいた。
リカと紳之介君は、ずいぶん遅れて来た。
私は咳がゴホゴホなので、顔だけ見て、お風呂に入って先に寝た。
今朝は、朝ごはんを軽く食べ、元旦のごちそうはお昼に。
あまりに何もないので、「西友(すぐ向かいにある)」に買い物に行った。
甘エビお刺身、しめ鯖、数の子(きのうのうちに、私が仕込んでおいた)、ハムと野菜の盛り合わせ(白菜の塩もみ、きゅうり、ホワイトアスパラ、玉ねぎドレッシング、マヨネーズ)、お雑煮(ほうれん草、かつお節、海苔、大根と里いもは母が下煮をしておいてくれた)。
私があと片づけをしている間、みっちゃんと母は年賀状の返事を書いていた。
無言でやっていた。
ふたりとも、ものすごい集中していた。
私は2階の自分の部屋で、こうして日記を書いたり、書きかけの童話を読み直したり。
姉がお赤飯と自家製たくあん、畑でとれたブロッコリーを届けにきてくれた。
しばしおしゃべり。
姉の家では、夕方から新年会がある。
みっちゃんだけ出かけた。
夜ごはんは、母とふたりで5時ごろに。
おでん(ゆうべの残りにハンペンを加えた)、甘エビお刺身、しめ鯖、ほうれん草のおひたし(柚子、醤油、鰹節、のり)、大根おろし(ちりめんじゃこ)、お赤飯。
母は、よく食べる。
私もお腹いっぱい食べた。
私が洗い物をしている間、母は床に足を投げ出し、お風呂前のいつものヨガをやっている。
冷蔵庫に手をついて、背筋を鍛えるような体操もしていた。
来年90歳になるおばあちゃんとは思えないような動き。
でも、ちょっと動くとすぐに疲れるらしい。
「ああ、かったるい」が口癖になっている。
私も早めにお風呂に入り、布団のなかで本を読もう。
この読書タイムが、今回の帰省の何よりもの愉しみ。
『おわりの雪』が、たまらなくよかった。
今の私が、いちばん好きな本。
この感動をいつか何かに書けたらいいな。
もう何年も前に読んでいて、そのころにも大好きだったのだけど、出会い直した感じがする。
2005年の刊行のを買っているから、46歳くらいのときに読んだのだ。
「パルコ」の地下にあった本屋さんで買ったときのこと、どの辺りに平積みにされていたかも、よく覚えている。
本との出会いは、人に出会うのにも似ているかも。

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