2022年     めにうへ

●2022年5月14日(土)曇りのち晴れ

5時に目が醒めたので、珍しくコーヒーをいれた。
窓を開け放ち、ベッドで飲んだ。
雨は上がったけれど、海の上にはまだ灰色の雲がある。
綿を引きちぎったような薄い雲もあり、海面に触れている。
あそこだけ霧が出ているんだろうか。
それとも、雨?
コーヒーのあと、『ははとははの往復書簡』の続きを読んだ。
あともう少しで読み終わってしまうのが惜しい。
それでも、読まなければ。
書評を書く仕事をいただいているので。
これは5月の最後の宿題。
いちばんむずかしいのが最後になった。
その前に、息抜きをしよう。
午後から晴れてくるようなので、海を見にいこう。
行ってきました。
ぐずぐずしていて出掛けるのが遅くなってしまったけれど、12時半前には須磨海岸に着いた。
海を見ながらカレーを食べ、クラフトビールを呑んでいるうちに、ぱーっと晴れてきた。
暑いくらいだった。
苺、シフォンケーキ、りんごのバターケーキ、スナップエンドウ、ねぎなどを買って、六甲道で下りて図書館に寄り、軽く買い物して帰ってきた。
3時ごろに着いて、『ははとははの往復書簡』を読んでいるうちに、たまらなく眠たくなって昼寝。
海でビールを呑んだからだ。
目が覚めたとき、ぽかーんとした青空に雲が浮かんでいた。
まだまだ明るいけれど、もう6時。
私がいくら寝過ごしても、待っている人は誰もいない。
このよるべのない気持ちも、けっこう嫌いではなくなった。
さて、夜ごはんの支度をしようかな。
お昼のカレーをしっかり食べたし、帰ってからむぎちゃんのはちみつシフォンケーキも食べてしまったので、おだしを真面目にとって味噌汁を作った。
夜ごはんは、味噌汁(スナップえんどう、豆腐、ぶつ切りにしたねぎをたっぷり)だけ。
スナップえんどうは、ぷりっと膨らんで、噛むと中から甘い汁が出てきた。
ねぎもシュッとまっすぐに伸び、刻んでいるとき跳ね返るようだった。
ああ、みずみずしくておいしいなあ。

●2022年5月13日(金)降ったり止んだりの雨

朝から雨がしとしと。
それでも洗濯をして、干した。
窓の外が白い。
パソコンに向かいながら、ときどき止むと窓を開け、外を眺める。
きのうはアノニマから、『帰ってきた 日々ごはん』⑪と⑫のカバーまわりのデザインが届いた。
2冊とも素晴らしく、私はしばらく体が動かなくなった。
胸がいっぱいで。
スイセイはすごいなあ。
きのうと今日で、これまでにやったいろいろな仕事の校正紙が、次々に戻ってきた。
宮下さんから届いた荷物は、封を開けるときに、ふわーっと緑の濃い匂いがした。
ハッカみたいな、柑橘類みたいないい匂い。
青い山椒の実が入っていた!
庭で摘んでくださったのだそう。
さっそく塩ゆでにし、水にさらしているところ。
小さなパックに詰めて、冷凍しよう。
校正はメールで返事ができるものから、ひとつずつ向かう。
窓辺のテーブルでやった。
どれも最後の段階なので、落ち着いた気持ちでやれる。
いろいろな仕事がひとつ、またひとつと終わりに近づいていく。
粛々とした気持ち。
静かな雨だし。
今日は、電話もたくさんあったな。
原稿書きの宿題は、あとひとつを残すのみ。
締め切りは来週の水曜日だから、ちょっと息抜きをして、明日は街に下りようか。
須磨海岸でファーマーズ・マーケットをやっている。
どうしよう。
夜ごはんは、焼きそば(豚バラ肉、小松菜、ピーマン、目玉焼き)。

●2022年5月11日(水)雨のち晴れ

朝からずっと、グールドのピアノがラジオでかかっている。
静かな雨の日。
きのうも今朝も、「中学生の英語」が聞けた。
じつはテキストも買って、聞き逃した日には夕方の放送を聞いている。
主人公のココが元気でとてもいい子なので、今日は何が起こるかなあと、物語を楽しみにしている感じ。
小雨のなか、電線にツバメが2羽とまっている。
羽を広げたり、ぬぐったり。
今、1羽が片方の頭を軽くつついて、飛んでいった。
すぐにもう1羽も追いかけた。
つがいなのかな。
きのは、年にいちどの、マンション全体の排水溝の掃除の日だった。
流しの方で「トンタントンタン」と音がして、何かと思ったら、台所の天井から水滴が落ちているのだった。
すぐに管理人さんに知らせると、上の部屋の台所の配管に問題があるとのこと。
管理会社の方も駆けつけてくださり、天井を開けて、渡してある板を切ったり、配管のひび割れをボンドのようなもので覆ったり、朝から夕方までいろんな人が出たり入ったりしていた。
その間私は、パソコンに向かって仕事をしていた。
今はお昼休み。
『ちむどんどん』も見られた。
さて、今日から「気ぬけごはん」を書こう。
午後には業者さんがまたいらっしゃるので、それまで集中して向かおう。
夜ごはんは、冷やご飯(お弁当箱の)、ソーセージとアスパラ炒め、ひじき煮入り卵焼き、とろろ昆布の即席味噌汁。

●2022年5月8日(日)晴れ

ぐっすり眠って、6時半に起きた。
いいお天気。
朝からずっと、「あまから手帖」の原稿書き。
今日はなんだか肌寒く、足下がひんやりする。
あんまり冷えるので、途中で窓を閉めた。
洗濯物がすぐ乾いて、驚く。
朝9時過ぎに干したのが、一時半にはもう乾いていた。
気温が低くても、陽射しは強いということなのかな。
原稿は何度も書き直し、夕方、ようやく形になってきた。
これでひと安心。
それにしても海、青いなあ。
夜ごはんは、白パンサンド(塩麹鮭のグリル、クリームチーズ、ディル、粒マスタード)、小蕪の鍋蒸し炒め。
『サザエさん』を見ながら、どんなことも受け止める家族のゆるぎなさについて思う。

●2022年5月7日(土)快晴

ゴールデン・ウイークを中野さんの家で過ごし、きのう帰ってきた。
いろいろなことがたくさんあって、はじめから思い出していくと、もうずいぶん前のことのように感じる。
緑もわさわさ、昆虫もわさわさ、地面もわさわさ、子どもたちもわさわさ。
そんなところにずっといたから、なんだか部屋が殺風景。
私はなんて、静かなところにいるんだろうと思う。
六甲のこの部屋は海や空が近いけれど、ただ近くに見えるだけで、本当は自然界から遠いところにあったんだなあと感じる。
田んぼの草刈りを手伝ったり、水がたまっているところの土を掘り、泥だらけになって水路を作ったり。
さっきまで晴れていたのに、いきなり大粒の雨が降ってきて、ソウリン君とユウトク君と自転車で突っ走って帰ってきたのもすごく楽しかった。
その日の晩ご飯は、揚げ物大会。
オニオンリングフライ、えびとスナップえんどうのフリッター、空豆とチーズの春巻き、鶏の唐揚げ。
次の日のお昼には、残った揚げ物と新玉ねぎの薄切りを甘辛く煮て、卵でとじて天丼風にした。
玉ねぎがけっこう入っているから、子どもたちは食べてくれないかなあと気にしていたのだけど、「なおみさん、これなに? めっちゃおいしい。おかわりしたいくらいやで」とソウリン君にほめられたり。
「なおみさん、明日もまたカメの散歩しよな」とユウトク君に誘われたり。
そういうのがじんわりと嬉しかった。
クサガメを手の平にのせ、歩かせたとき。
草むらでつかまえたカナヘビが、手の平を歩いたとき。
小さな足がひたっと張りついて、生きている、と感じた。
私がいた5日の間に、池の水草は増え、花壇の若葉が大きくなり、沼ガエルが太った(毎朝夕、中野さんか子供たちが原っぱでバッタの小さいのをつかまえてあげていた)。
六甲の部屋に帰ってきて、いちばんよかったのは、姫白丁花の花がひとつだけ咲いていたこと。
この鉢は2年前くらいに買ったのだけど、いくら待っても花が咲かないから、そういう品種なのかと思ってあきらめていた。
大きな鉢に植え替えをしてから、ずいぶん元気になったなあとは思っていたけれど、留守の間には水をあげられなかったから、大丈夫だったかなあ……と、帰りの電車で安じていた。
なのに、まさか花が咲くとは!
小さな小さな、白百合みたいな花だ。
夜ごはんは、鮭の塩麹漬け(蕪の葉を炒めて添えた)、洋風みそ汁(新玉ねぎ、小蕪、人参、絹さや、ソーセージ)、ご飯。

●2022年4月29日(金)雨のち晴れ、嵐。

大雨が降って、水槽の中にいるみたい。
風も強く、窓がガタガタ揺れている。
そんななか「毎日のことこと」をずっと書いていた。 
ますます風が強くなってきた。
あれ?薄陽が差してきた。
お天気雨だ。
また、「毎日のことこと」。
次に窓を見たとき、枯れ葉が盛大に舞い上がっていた。
ピュルルルルルル〜〜〜〜!
カラスが乱舞しているのと同じ動き。
窓を開けると、笑けてしまうほど風が強い。
ゴーゴーと音がする。
猫森の木々が枝をしならせ、裏葉を見せながらものすごい勢いで揺れている。
葉っぱを揉んだときみたいな、緑の濃い匂い。
みどりのあらしだ。
と思ったら、 わ、虹だ!
嵐が去った夕暮れ、青い空に雲の行列。
西陽の当たった街や船が白く光っている。
そのうち雲に色が混ざり、移ろいゆく。
黄色、茜色、赤紫、バイオレット。
なんというドラマチックな空模様。
ごはんの支度をしながらも、食べながらも、目が離せない。
夜ごはんは、焼き肉味の春雨炒め(豚こま切れ肉、しめじ、新玉ねぎ、絹さや、自家製焼き肉のタレ)、水菜のサラダ(ごま、ミックスナッツ、ポン酢醤油、ごま油)、味噌汁(お麩、絹さや、ねぎ)、ご飯。

●2022年4月27日(水)曇りときどき晴れ

朝からずっと、『帰ってきた日々ごはん⑪』の「あとがき」を書いていた。
おとついあたりから書きはじめたのだけれど、夜中にいろいろと考えてしまい、ゆうべはよく眠れなかった。
そう。
ゆうべは大雨だった。
風も強く、船に乗って、大海原を航海しているようだった。
夜中に窓を開けたら、雨はもうやんでいて、真っ白な霧に包まれていた。
まるで、雲の中にいるみたい。
それからもなんとなく寝つけず、いつの間にか眠って、そして寝坊した。
ラジオをつけたら、「中学生の基礎英語」はもう終わっていた。
また、聞き逃してしまった!
「あとがき」はお昼には書き上がり、村上さんにお送りした。
「おまけレシピ」もきのうのうちに送ったし、『帰ってきた 日々ごはん⑪』の再校、『帰ってきた 日々ごはん⑫』初校も終わった。
ああ、これでひと段落。
しばらくこもっていたので、さすがに冷蔵庫には何もない。
塩麹を塗った鯖が1切れ冷凍してあったので、室温に戻した。
にんにく、新たまねぎ、春キゃべツを合わせ、何か洋風のひと皿にしようと思う。
さあ、ビールを呑もうかな。
明日は、阪急の十三(じゅうそう)に映画を見にいく。
『杜人』というドキュメンタリー映画。
そして、その足で美容院へ。
ひさしぶりに「MORIS」にも寄ろう。
ヒロミさんと今日子ちゃん、元気かな。
夜ごはんは、塩麹鯖のムニエル(粉をまぶして、にんにくで香りをつけたなたね油で焼き、器に盛ってからバルサミコ酢とオリーブオイルをかけた)、新玉ねぎと春キャベツのじりじり焼き添え(仕上げにクリームチーズを溶かし込んだ)。

●2022年4月23日(土)晴れ

のほほんとしたいいお天気。
海は霞がかかり、空との境がない。
若葉が増え、どこもかそこも青々としているのが、もう当たり前のようになっている。
いつの間にこんなになったんだろう……という感じ。
水曜日に中野さんの実家に遊びにいって、一晩だけ泊まって帰ってきた。
束の間だったけれど、とても楽しい旅だった。
中野さんの家は、新開地から神戸電鉄に乗り換えて、1時間ほどのところにある。
六甲とはまたぜんぜん違った土地。
図書館、市役所、公園、大型スーパー、車でちょっと走れば温泉まであるとても便利なところなのだけど、丘みたいな低い山に囲まれ、ほとんどが田畑なので、空がとても広い。
季節の移り変わりがくっきりとして、今は生き物も植物もむんむんわんわん動いている感じがした。
ちょっと草むらを歩いただけで、バッタの赤ちゃんや、カエルがみつかる。
田畑にはレンゲが花盛り。
あとはクローバーと、キンポウゲのような黄色い花、そしてうちの近所にも咲いているツルニチニチソウ。
この間行ったときには、カラスノエンドウが最盛期だったけれど、すっかり背丈が伸び、豆のさやもいっぱいできていた。
会わなかった一ヶ月弱の間に、ユウトク君は小学4年生に、ソウリン君は1年生になった。
ふたりとも体つきが変わり、確実に大きくなっているのが分かる。
家の中でユウトク君が側転するのは前からだったけど、床と直角に、ピーンときれいにできるようになったんだ……と感心していたら、片手でもできるようになっていた。
アイスを食べながら、何でもなくやっていた。
中野さんも知らなかったし、本人もなんとなくできてしまったみたいで、何の感慨もないみたいだった。
多分、アイスを持ったまま側転したから、なりゆきでできたんだと思う。
次の日には、アイスを持たずにやっていた。
もう完璧!
なんか、すごいな。
さあ、私もがんばろう。
今日は「おまけレシピ」を書くのと、『帰ってきた 日々ごはん⑫』の初校の続き。
5月中旬までの締め切り原稿も1ついただいているので、連載の分と合わせたら4つ。
あと、『帰ってきた 日々ごはん⑪』の「あとがき」もあるから、全部で5つ!
食料はいろいろあるから、しばらく家にこもり、ひとつずつ向き合っていこうと思う。
夜ごはんは、そぼろ弁当(お昼に作った残り)、ひじき煮(いつぞやの)、キャロットラペ(ゆうべ作った)、筍とトマトとかき卵のサンラータン。

●2022年4月19日(火)晴れ

もう7時半かと思ったら、まだ5時半だった。
ラジオからはクラシック。
そして、「中学生の基礎英語レベル1」。
このところしばらく聞いていなかったから、また三日坊主になっちゃうのかなあと思っていたのだけど、まだ大丈夫。ついていける。
今朝は、主人公の中学一年生の女の子が、生まれてはじめてスクールバスに乗る場面だった。
「ココ」という名前のその子は、カッパと人間のハーフ。
お父さんがカッパで、お母さんは人間なのだそう。
そういうところが、とてもおもしろい。
1話目でココが、友だちになったばかりのエミリーと、ミネソタの湖の畔でおしゃべりしていたとき、バシャンと水の音がして、「ハーイ、ココー!」と叫びながらお父さんが突然飛び出してきたところ、最高におもしろかった。
レベル2でも、まあまあ大丈夫。
「中高生の基礎英語」になるとからきしだめだけれど、聞いているうちに耳慣れて、何について話しているのかなんとなく分かってくる。
そのうち窓も明るくなってきて、カーテンを開けた。
さて、今日は何をしよう。
きのうは、おすすめの絵本2冊の推薦文を書いた。
一日中ずっとやっていた。
締め切りがきのうだったので、ぎりぎり間に合った。
まだやらなければならないことは、いくつもある。
それがとてもありがたい。
まずは、『帰ってきた 日々ごはん⑪』の余韻が体に残っているうちに、『帰ってきた 日々ごはん⑫』の初校に向かおうと思う。
夜ごはんは、納豆(卵、粒マスタード)、ひじき煮(人参、厚揚げ、切り干し大根)、しじみの味噌汁、ご飯。

●2022年4月17日(日)晴れ

13日から2泊で、中野さんが来ていた。
14日は、日記を書くことについての取材。インタビュアーは宮下さん。
その日は中野さんも三宮で打ち合わせがあり、夕方に六甲のスーパーで待ち合わせた。
食べたり、呑んだり、よく喋ったりの3日間。
中野さんは15日の午前中に、帰っていった。
私も元町までお見送りがてら、夏のワンピースの生地を買って帰った。
そんなわけで、きのうからまたひとりの生活がはじまった。
今朝は5時半くらいに目覚め、ベッドの中で本を読んでいた。
本は『庭とイスキース』。
7時を過ぎたので、起きる。
猫森の若葉がいろんな緑色。それぞれの色がくっきりはっきりしている。
きのうの大風のせいで、空気が澄んでいるのかな。
きのうは一日中、めちゃくちゃに風が強かった。
窓を開けると紙が飛ばされそうだったし、花粉もずいぶん舞っていそう。
なので、閉めたり、開けたりしながら、『帰ってきた 日々ごはん⑪』の再校に向かっていた。
集中が途切れると窓辺に立ち、強風にもみくちゃされている猫森の裏返る若葉を見た。
粛々とした気持ちで向かっていたのだけど、途中で涙がふき出し、どうしようもなくなった。
それは、母の病室に泊まったあくる朝、もう何も分からなくなっているはずの母が、私の目をみつめたまま逸らさなかったときのこと。
赤ん坊のようでもあり、惚けた人のようでもあり、何もかもお見通しのようでもあったまっすぐな目。
母の前で泣いたことのなかった私も、あのときばかりは涙が噴き出した。
それは、あの部屋にあった空気としか言いようがないのだけど、日記を読んでいると、そのときの薄明るいような光や、湿気の感じ、匂いとか、いっぺんに立ち現れる。
母の目と、私の目。
空気というより、時間というのかな。
あのときにはまざまざと、そこに在った時間。
今はもう、なくなってしまった時間。
それが、たまらないんだろうか。
なくなってしまうのがたまらないから、私は日記を書くんだろうか。
『帰ってきた 日々ごはん⑪』の再校は、暗くなる前に終わった。
そうだ。
きのうのことで、もうひとつ思い出した。
日暮れどき、小鳥の黒い影が窓のすぐそばをなめるように飛び立ち、また急降下。
激しい風とつながっているみたいな、予想のできない動き。
「わっ、ツバメ?!」と思ってよく見ると、葉っぱなのだった。
生きているとしか思えないような、躍動感のある動きだった。
さて、今日は何をしよう。
『帰ってきた 日々ごはん⑫』の初校をやりはじめようか、それとも休日にしようか。
夜ごはんは、たまごサンド(コッペパンで作ったお昼の残り)、ホットドック、キャロットラペ(潤ちゃんの真似をして作った)、肉だんごと野菜の北欧風スープ(ディル入り肉だんご、新玉ねぎ、新じゃが、春キャベツ)の予定。

●2022年4月12日(火)曇りのち晴れ

5時半に起きた。
今日からまたいつもの生活に戻る。 
『帰ってきた 日々ごはん⑪』の再校正の続き。
だし昆布が冷凍庫にたまっていたので、小さく切って、今煮ているところ。
途中で干し椎茸も加えた。
頭が詰まってくると、開け放った窓辺に立つ。
一日の間にも、若葉がじわじわと伸びているのが、目で見て分かる。
『帰ってきた 日々ごはん⑪』は、4月までが終わった。
楽しかった土曜日のこと、少しだけここに書いてみよう。
対談のあとは、徳正寺の奥の間でささやかな打ち上げとなった。
メンバーは松田素子さん、渡邊良重さん、宮下さん、村上さん、潤ちゃんと私。
潤ちゃんの野菜中心の料理が、いつもながらおいしくて、おいしくて。
隣に座っていた良重さんが、腰を上げて何度もおかわりをしていて、私はとても嬉しかった(自分が作ったわけではないのに)。
あの日の献立も、思い出しながら書いてみよう。
キャロットラペ、新玉ねぎの甘酢和え(ピクルスよりずっとおいしい)、焼き万願寺唐辛子のカリカリじゃこのせ、ミニ帆立の酒蒸し、生ほたるいかと菜の花のオリーブオイル炒め、皮をむいた小さな茄子の蒸し物(すりごまと味噌のタレ)、水菜のサラダ(すり鉢ですったごまのドレッシング)、出し巻き卵(錦小路のお店の)、きのこ炒め(軽く干したきのこを、オリーブオイルで炒め、ロメインレタスをちぎった皿の上に盛りつけ、粉チーズをかけていた)、カレー(茄子の皮や豆など、細かな野菜がたくさん入っていた)&雑穀ご飯。
潤ちゃんが仕込んでおいた料理を、私が器に盛りつけたり。潤ちゃんが作っている横で洗い物を手伝ったり、ちょこっとだけ料理を手伝ったり。
そういうのもとても楽しかった。
夜ごはんは、ワカメたっぷりうどん(卵、天かす)。
7時ごろ、洗い物をしながら窓を見ると、どこもかしこも青の世界。
何色と言ったらいいんだろう。
濃い紫がかった青。
瑠璃色、ラピスラズリ?
とてもきれい。

●2022年4月11日(月)薄い晴れ、のち曇り

きのうおとついと、たくさんのおもしろい人たちに会ったし、その場にいられた。
楽しくてたまらなかった。
いろいろなことを反芻してしまうので、浅い眠り。
それでも7時には起きた。
朝から興奮覚めやらずで、あちこちにメールをお送りしたり、電話をかけたり、かかってきたり。
アノニマの新しい本のためのゲラを読んで、アイデアが閃いたり。
午後に、宮下さんからお電話をいただき、木曜日の撮影の打ち合わせが終わったら、急にくたっときた。
お腹があまり空かないのは、このところの食べ過ぎのせい。
だって、垂水のファーマーズ・マーケットでは、鯛うどん(ワカメ、筍、鯛の天ぷら)をおつゆまで残さずに食べ、しらすと筍の散らし寿司も今日子ちゃんと半分ずつたいらげた。
そしてきのうのお昼は、「FARMSTAND」のおいしいランチだけでなく、スパイスちりめんおにぎりも追加で買って、半分食べてしまったのだから。
ベッドにもぐり、しばしお昼寝。
夜ごはんは消化のいいものを。
生のり雑炊(筍ご飯、香菜)、ほうれん草とささ身のナムル(いりごま、塩、薄口醤油、ごま油、海苔、じゃこ)。
お風呂から上がると、空の真上に半月が。
ぼんやりと靄がかかっている。

●2022年4月9日(土)快晴

今朝も5時に起きた。
「古楽の楽しみ」ではなく、「音楽の泉」という番組をやっていた。
週末だから。
そして土曜日は、6時からの英語をやらないのだな。
これまでと同じように、合唱の番組。
音楽を紹介する人だけが、新しく変わっていた。
今朝はブルガリアの合唱曲の特集だ。
しばらくは、世界の合唱曲を流すらしい。
さて。
今日はお楽しみがふたつある。
ひとつは、垂水のファーマーズ・マーケットに今日子ちゃんと出掛けること。
もうひとつはその足で京都に行って、「メリーゴーランド」の潤ちゃんが企画するトークイベント。
『うたをうたうとき』という、まどみちおさんの詩の本を作った渡邊良重さんと松田素子さんの対談!
松田さんは絵本の編集者で、前からお話を聞いてみたいとずっと願っていた方。
良重さんは、『アンドゥ』のとき以来だから、15年ぶりくらいにお会いできる。
東京からアノニマの村上さんもいらっしゃる。
「メリーゴーランド」の潤ちゃんにも久しぶりに会える。
宮下さんにも会える。
嬉しいなあ。
徳正寺で開かれるイベントなのも、とても楽しみ。
ラジオの天気予報によると、今日は初夏の陽気だそう。
コートはいらないかも。
9時になったら出掛けよう。

●2022年4月7日(木)晴れ

今朝は5時半くらいに目覚めた。
「古楽の楽しみ」のクラシック音楽のあとは、英会話。
中学生のレッスン1と2までがちょうどいい。
今日はきのうよりさらに暖かいな。
久しぶりに坂を下りる。
美容院と図書館、そして「MORIS」にサインをしに。
桜はどうなっているだろか。
暗くなる前に帰ってきた。
うちの近所の桜はちょうど満開で、花弁がちらほら舞っているくらいだったのだけど、坂の下では歩いていると桜吹雪。
道路の端に薄桃色の花弁がたまっていた。
サツキの蕾も、もうピンクに膨らんでいた。
うちの坂の途中のは、蕾がまだ白い房のようなもので包まれている。
夜ごはんは、カレイの煮付け、きのこ(しめじ、えのき茸)の酒蒸し煮、塩味のひじき(ちりめんじゃこ、しょうが)、菜の花炒め、筍ご飯(いつぞやのをセイロで温め直した)。

●2022年4月6日(水)晴れ

きのうに比べ、ずいぶん暖かい。
海も空も霞がかかって、白っぽい。
ピチュピチュと、鳥の声。
なんだか静かな日だな。
このところ私は5時に目覚める。
ラジオの「古楽の楽しみ」が、5時からになったので。
そしてそのままなんとなく、中学生向けの英語講座も聞いている。
ベッドの中でぶつぶつつぶやいたり、繰り返したりして。
朝ドラ(『カムカムエブリバディ』)の影響もあるに違いない。
今朝は、起きてすぐに、絵本のテキストを書き直した。
誰にも頼まれていないけれど、忘れないうちに。
そして、おとついから書いていた「毎日のことこと」の仕上げ。
10時にはお送りできた。
ダンボールを片付けたり、台所の掃除もした。
朝6時台に起き出すと、午前中にいろいろできる。
今、ピンポンが鳴って、アノニマから『帰ってきた 日々ごはん』11巻と12巻の書類一式が届いた。
しばらく休んでいたけれど、またはじまるぞー。
夕方、窓を開けると、
この間まで枯れ木だったところに、若葉が。
きのよりも、おとといよりも、伸びているのが分かる。
夜ごはんは、牛肉とキャベツのハーブ塩麹(パセリ、ディル)炒め&バター炒めご飯。

●2022年4月3日(日)曇りのち小雨

お昼ごはんを食べ、中野さんは帰っていった。
さて、今日は何をしよう。
「毎日のことこと」の締め切りを伸ばしていただいたので、少しでも書いておこうと思うのだけど、ぽかんとしてしまって何もできない。
きのうまで毎日、よく遊んだなあ。
春休みのような日々だった。
おとついは、はちみつ農家のしんちゃん、むぎちゃんのところに行った。
家で飼っているニワトリを締めてさばくという、家族のイベントに誘ってくださった。
締めるのは庭でやった。 
合鴨のときと同じように、しんちゃんは左手でニワトリの体をしっかり抱え、手の平で目を覆う。
首の毛をゆっくりとむしっている間も、よく研いだ包丁で首にそっと切れ目を入れたときにも、ニワトリは静かにしていた。
お椀に血を落としているとき、少しの間羽をバタバタさせ、足で蹴ったけれど、すぐにおとなしくなった。
羽の下に手を入れたら、ニワトリも合鴨と同じようにやっぱり温かく、穏やかで、眠っている猫みたいだった。
羽はつやつやとして、張りがあり、触った感じがとてもきれい。
血は、合鴨のときよりも多く、こと切れるまで長い時間がかかった気がした。
子どもたちが見にきたり、来なくなったり、好きなようにしていた。
むぎちゃんが運んできた熱湯のお鍋は、ニワトリの体が半分しか浸からない小さいものだったけど、お尻を浸けたり、背中を浸けたり、順番に浸けていくだけで充分にゆきわたり、簡単に羽根が抜けた。
ああ、これでいいんだなあと思った。
しんちゃんとむぎちゃんがしているのを見ていると、本当にいつか、私にも、ニワトリを締めることが何でもなくできそうな気がしてくる。
でも、鶏小屋の中にしんちゃんが入り、足をぐっとつかまえた瞬間、ニワトリは聞いたことのないような叫び声を上げた。
生き物の最後の声。
私は押し黙り、胸に力を入れた。
少し辛かったのは、そのときだけだった。
さばき方は家の中で教わった。
まず、ボンジリについている小さな脂壺を切り落とす(ここを傷つけると、肉にイヤな匂いがつく)。 
次は、肛門を傷つけないようにしながら包丁を入れ、手でひねってももをはずす。
もも肉の骨のまわりに包丁を入れ、骨をきれいにはずす。
これで、1枚のもも肉ができる。
そのあとは、しんちゃんがやるのを見ていた。
首の皮をはがす。
左側から手羽を離す(右側に内臓が入っているので、傷つけないようにするため)。
胸肉、ササミ、内臓。
中野さんはその間、子どもたちと将棋をしたり、近所の駄菓子屋さんに行ったり、餃子の皮を伸ばしたりしていた。
しんちゃんがさばきながらひと口大に切ってくれる皮や肉、レバーや心臓を、私はフライパンで焼き鳥にした。
焼きたてを立ったままつまんだり、みんなに出したり。
子どもたちはご飯にのせて食べたり。
そのあとで鶏鍋(くず肉とノビルの餃子、白菜、椎茸、ねぎ)にし、みんなで食べた。
いいお天気の日で、外は寒いけれど部屋はぽかぽかと温かく、なんだかすべてのことが穏やかで、普通で、おいしく、楽しかった。
夜ごはんは、すき焼きうどん(いつぞやの「ひとりすき焼き」の残りに椎茸と春菊を加え、溶き卵)の予定。山椒と七味をふって、『機関車トーマス』を見ながら食べよう。

●2022年3月30日(水)晴れ

のどかなお天気。
チ、チ、チ、チと小鳥。
海も穏やかに光っている。
中野さん宅から帰ってきた日、六甲も寒くて驚いたのだけど、桜は出掛ける前よりもずいぶん咲いていた。もう七分咲きくらい。
中野さんちの庭は、春の花がいろいろ植えてあった。
ムスカリ、ルピナス、マーガレット、いろいろな種類のミント、フェンネル、チャービル。
中野さんち、楽しかったな。
1日目は「めっちゃ夕陽が見える」という丘に、自転車で連れていってもらった。
そこは、いつものあぜ道を抜け、道路の下のトンネルの坂を超特急で下り、また上ったところにあった。
一面の田畑の向こうには低い山が連なり、大きな空が広がっている。
ふり返ると、自然のままの池。
ユウトク君は、自分で作ったフクロウを自転車に乗せてきていた。
とても大切にしている様子。
夕陽には、まだまだ時間が早かったので、帰ってから缶ビールを持って家の裏の空き地へ。
厚い雲に隠れてしまって、けっきょく夕陽は見られなかったのだけど、自然と演芸会みたいになった。
私と中野さんはあぜ道に座っていて、ユウトク君とソウリン君が順番にステージ(空き地のこと)に立ち、おもしろいことをする。
私は大笑い。
そして私は、ビール1缶だけで酔っぱらうようになってしまった。
ピロリ菌がいなくなったせいもあるんだろうか。
雨の日にドライブした「へそ公園」のプラネタリウムも、とてもよかった。
規模が小さく、心がこもっていて。
帰り道、ものすごい大雨になった。
車窓から見える、風にゆらめく雨のことを、誰かが「雨のカーテン」と言った。
帰る日はいいお天気だったので、電車の時間ぎりぎりまでサイクリングをした。
私の好きなあぜ道(どこまでも真っすぐ)を自転車で通り抜けようとしていたとき、「なおみさん、競争せえへん?」とソウリン君が誘ってきた。
「いいよー」とその気になっていたら、「ユウトクは競争なんかせん。ゆっくり走らんと、景色がよう見えんから」とユウトク君が言った。
けっきょく、ソウリン君は中野さんと競争することになり、私とユウトク君はふつうのスピードでそれぞれ走った。
走りながら私は、目に入ってくる花の名前を唱えていった。
オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、カラスノエンドウ、スミレ、菜の花、レンゲ、タンポポ、キツネノボタン、ペンペングサ、シロツメクサ、ハクモクレン、ユキヤナギ……
桜はまだだったけれど、地面も木も花盛りだった。
毎日のごはんを記録していたので、書いておこう。
25日(金)夜ごはん。 チキンとじゃがいものカレー(お姉さん作)、淡い色のサフランライス、ブロッコリーのサラダ(かつお節、レタス)、レバーの醤油煮(私作)。
26日(土)昼ごはんは大皿弁当。じゃがいものお焼き(冷凍しておいたのを持ってきた)、チキンカレーの残り、いかなごの釘煮(お姉さん作)、レバーの醤油煮、ご飯、。夜ごはんは、酢豚(お姉さん作)、エビチリ&子どもエビチリ(私作)。食後にレモンクッキー(お姉さん作)。
27日(土)昼ごはんはチーズクリーム・スパゲティ(牛乳を温め、ゴルゴンゾーラとカマンベールを溶かし込んだ。庭のフェンネルとチャービル入り。私作)、ゆうべの酢豚&エビチリ、ご飯。夜ごはんは、ノブさんの手打ちうどん、温かいつけ汁(おろし生姜)、南瓜の煮物(私作)、小さなおにぎりいろいろ(塩昆布とごま油、うま塩、焼きおにぎり。お姉さん作)。
というわけで、今日は夕方から中野さんがいらっしゃることになった。
西脇にある、アンティーク村みたいなところで買った電気のカサなどを、車で運んでくださる。
夜ごはんは、サヨリとアオリイカのお刺身、ワカメ、ホタルイカのオリーブオイル炒め(にんにく)、ご飯、焼きおにぎり、ビール、焼酎水割り。

●2022年3月22日(火)雨のち曇り

ゆうべは雨がひと晩じゅう降っていた。
しとしとしとしと、音を聞きながら寝た。
このところ、寝る前に『ムーミン谷の十一月』を読み続けていて、ゆうべが最後の章だった。
本の中でも雨が降っていたから、ちょうどよかった。
今朝は6時半に起き、ラジオをつけて、フセンの貼ってあるところをまた読んだ。
「ムーミン」シリーズに出てくる言葉について、小さな原稿を書く仕事をいただいたので。
「ムーミン」には好きなセリフやフレーズがたくさんあるから、迷ってしまうのだけど、なんとなく決まってきたかも。
起きて、すぐに書きはじめた。
今朝は寒いな。
ほかほかルームソックスに、冬のセーターに逆戻り。
それでも首もとがスースーする。
東京も今日、とても寒いらしい。
お昼前には書け、お送りした。
さて、今日は何をしよう。
「気ぬけごはん」の校正と、あさっての撮影のレシピ書きだ。
午後、晴れ間がでてきた。
少しずつ気温も上がってきたような。
今週私は忙しい。
あさっての木曜日は撮影で、東京のちよじがカメラマン。
ちよじはひと晩泊まり、翌朝に伊勢に行くのだそう。
私も一緒に家を出て、ひさしぶりに中野家に泊まりにいく計画。
ゆうとく君も、そうりん君も春休みだから。
夜ごはんは、厚切り豚ロース肉(塩麹を塗って冷凍しておいた)の陶皿焼き、出てきた脂で焼いた椎茸と蕪、ご飯はなし。食後に回転焼き。
毎晩楽しみに読んでいた『ムーミン谷の十一月』が終わってしまい、ちょっと淋しい。

●2022年3月19日(土)曇りのち雨

ゆうべの風は、ものすごかった。
ひと晩中、窓を揺らしていた。
明け方にもまだ吹き荒れていた。
怖かったわけではないのだけれど、なんだかよく眠れなかった。
それでも6時半にはラジオをつけ、7時に起きた。
さあ今日も、続きをやろう。
『帰ってきた 日々ごはん⑪』の初校。
とちゅうでやめることができない。
きのうも、買い物から帰ってきてすぐに続きをやり、あとひと月分のところまできた。
ピロリ菌の薬も今日で6日目。
粛々とした気持ちで飲んでいる。
なんか厳か。
なんとなく、母の病床日記の校正に向かう気持ちと対になっている。
夜ごはんは、アサリとズッキーニのフジッリ(にんにく、ディル)、南瓜のサラダ(ねり辛子、フレンチマスタード、マヨネーズ)。
7時半ごろ、オルガンみたいな汽笛が鳴り響いた。
「ヴオーーーーーォ」
霧笛だ。

●2022年3月16日(水)晴れ

このところ、とてもよく眠れる。
眠たくてたまらず、目覚めるともう7時前という感じ。
陽の出もしばらく見ていない。
朝からパソコンにかじりつき、『帰ってきた 日々ごはん⑫』の粗校正。
母が亡くなったのが2019年の7月で、その年の暮れまでの日記だ。
母との濃厚な日々を過ごしているうちに、何もかもが新鮮に感じられ、目に映っていたんだと思う。
なんだかこの巻の私は、いろいろなことごとに感動していて、自分でも恥ずかしい。
でも、本当にそうだったんだから仕方がない。
そういえば、しばらく外に出ていないなあと思って数えてみたら、4日間だ。
先週の土曜日にファーマーズ・マーケットに行ってから、坂を下りていないので。
その間ずっと、『帰ってきた 日々ごはん⑫』に向かっていた。
4時ごろ、ようやく終わり、村上さんにお送りした。
海が青いな。
貨物をいっぱい積んだ、宝船みたいな船が向こうからやってきて、ゆっくりとカーブした。
白い波の跡が光っている。
こんな夕方はビールでも呑みたいのだけど、がまんの日々。
ピロリ菌の薬を飲んでいるので。
薬は今日で3日目、ようやく慣れてきた。
明日からは、紙の原稿の『帰ってきた 日々ごはん⑪』初校に向かう予定。
夜ごはんは、鯖の塩麹漬け(冷凍しておいた)のフライパン焼き、皮をむいた茄子の甘酢炒め、トマトソース、じゃが芋餅。
鯖の塩麹漬けは、冷凍してから焼いた方がだんぜん旨みが濃くなることが分かった。
甘みとコクが出て、塩鯖とはちょっと違うおいしさ。
冷凍している間に熟成されるんだろうか。

●2022年3月14日(月)曇りのち晴れ

ゆうべはとても楽しかった。
寝る前に、「ああ、楽しかった」とつぶやいて、ベッドに入った。
自然に声が出てきた。
そして今朝も、ベッドから起き上がるとき、「楽しかったなあ」とつぶやいていた。
まだ余韻に浸っていたくて、テーブルはそのままにしてある。
台所に立って、海や空を遠くから眺めたり。
どんな味が好きだろうかと思いながら、いろんな料理をみんなのために支度して。
お客さんを待つのも、もてなすのも、やっぱりとてもわくわくする。
それに私は、今日子ちゃんの3人家族が好き。
ヒロミさんと今日子ちゃんが似ていないのは前から知っていたけれど、佐知子さんもまた誰にも似ていなくて、みんなぞれぞれ。
でも、どこかが同じ。 
一緒にいると、おもしろい。
今日は3人で、お父さんのお墓まいりに出掛けるのだそう。
私は、今朝からピロリ菌の薬を飲みはじめた。
飲んですぐは、なんとなく目の前がもわっとしている。
何種類も飲まなければならないし、除菌のための抗生物質だからきっと強いんだろうけれど、そのうち慣れるだろう。
それでも『帰ってきた 日々ごはん⑫』の粗校正を、1ヶ月分やった。
夜ごはんは、オムレツ(トマトソースの大根入りフジッリとピーマンの具)、蒸しブロッコリー。

●2022年3月13日(日)晴れ

今、間違えて4月と書きそうになった。
本当に、そのくらい暖かい。
春というよりも初夏の気候。
海は靄がかかっている。
今日は、今日子ちゃん一家が夜ごはんを食べにいらっしゃるので、朝からいそいそと支度をしている。
佐知子さんがはるばるイギリスから帰ってきているし、ヒロミさんと今日子ちゃんにはお世話になりっぱなしなので。
掃除をしながら料理の仕込みをするのって、楽しいな。
あんまり暖かいので、冬のマットも片づけた。
テーブルをふたつつなげ、クロスもかけた。
メニューは、人参の塩もみサラダ(米酢、バスサミコ酢、フレンチマスタード、オリーブオイル、ディル)、切り干し大根煮(ちくわ、干し椎茸、昆布)、蕪の間引き(ファーマーズ・マーケットで買った)の鍋蒸し、じゃがいものお焼き(クリームチーズ、ディル)、豚肉と大根のベトナム風煮込み(豚肩ロースブロック→塩麹を一晩まぶしておいた。ゆで卵、大根、梅干し、にんにく、生姜、オイスターソース、薬味の香菜&青ねぎ)小松菜の間引き(セイロで蒸した)添え、ご飯の予定。
夕方になって、肌寒くなってきた。
もしかして暑苦しいかなあとも思ったのだけど、主菜を煮込みものにしてよかった。

●2022年3月11日(金)晴れ

6時半に起きた。
今週の「古楽の楽しみ」は関根敏子さんだったのだけど、ほとんど毎朝聞くことができた。
今朝はずいぶん暖かいな。
朝、姉からメールがあった。
きのうの明け方、父の夢をみたのだそう。
私が父の看病をしていて、「なーみが来てくれた」と嬉しそうに言っていたらしい。
若いころの母も出てきたのだそう。
お彼岸が近いから、そんな夢を見たのかも。
ひさしぶりに私の日記を読んだら、胃カメラ検査を受けることになっていたので、心配しているとのこと。
胃カメラの結果はピロリ菌。
逆流性食道炎ではないらしい。
月曜日から1週間、除菌の薬を飲み続けることになった。
のんびり返事を書いていたら、今日は、歯医者さん(歯石のクリーニング)だ!
11時に予約をしているので、支度をして「気ぬけごはん」の続きを書こう。
30分ほどで終わり、「コープさん」で軽く買い物をし、坂を上って帰ってきた。
荷物が少ないので、スーイスーイと上れた。
寒くもなく暑くもなく、とてもいい陽気。
春はもうそこまできている。
帰ってから「気ぬけごはん」に集中して向かい、4時には終わって、お送りした。
明日は休日にして、ファーマーズ・マーケットに出掛けよう。
野菜もないし、今年は苺をたくさん食べたいので。
夜ごはんは、トマトソースのフジッリ(にんにく、ベーコン、カマンベールチーズ)、人参の塩もみサラダ。

●2022年3月8日(火)晴れ

よく晴れている。
窓を開けていても寒くない。
きのうは、「神戸サンボーホール」に行った。
ホールはとても広く、つい立てで分かれたラインごとに、100人くらいの人たちが申告をしていた。
分からないことだらけで、最初私は緊張していた。
間違えたらいやだし。
でも、オペレーターの方たちはみんなとても親切だった。
マンツーマンというわけではないけれど。
私は書類をもういちど書き直し、それを持ってパソコンのブースに行って、また別のオペレーターにひとつひとつ教わりながらキーボードに打ち込んだ。
9時半に予約して、終わったのは11時を過ぎていたと思う。
出てきたら、両手に杖をついた小さいおばあさんが声をかけてきた。
「お尋ねしたいのですが……向かいのあのバス停で下りて、申告に来たんですけど、反対側のバス停がないんです。ひよどり台に帰るにはどこから乗ればいいのでしょうか? 66番のバスに乗れば、1本で着くんです」
とても困っている。
おばあさんにはそこで待っていてもらって、私は向こう側の道を見にいったり、警備員さんに尋ねてみたり。
どこにもバス停はない。
iPhoneで調べようとしても、ちっともうまくいかない。
郵便配達のお兄さんに尋ねると、「上りのバスが停まったら、運転手さんに聞くのがええんちゃいますか?」
バスがやってきた。
運転手さんに尋ねてみたら、終着駅なので、またここから発車するとのこと。
私は喜び勇んでおばあさんに伝えにいった。
おばあさんは横断歩道を渡るにも、ひと足ひと足杖をついて、ゆっくりとしか進めないので、ものすごく時間がかかる。
一緒に歩きながら、「ひよどり台というのは、電車だとどの駅なんですか?」と聞いたら、おばあさんはすぐに「しあわせ村の近くです」と、ひときわ高らかな声で言った。
このおばあさんは、自分の住んでいるひよどり台が大好きで、誰かに伝えるときにはいつも、「しあわせ村の近くです」という言うんだろうなと思った。
バスの後ろの掲示板には、「しあわせ村」と書いてあった。
おばあさんとはそこで別れたのだけれど、ひとりでバスに乗り込めるだろうかと気になって、しばらく遠くから見ていた。
そしたら杖を2本合わせ持った右手で、バスの手すりをぐっとつかみ、ちゃんと体を持ち上げタラップを上っていた。
私は安心し、帰ってきた。
確定申告は大変だったけど、おばあさんに会えてよかった。
おばあさんの言う「しあわせ村」は、バスの終点だろうか。ひよどり台は、どんなところだろう。
なんだか、「ムーミン谷」にありそうな村だ。
それにしても、ああいうおばあさんがバスに乗ってはるばるやってきて、混雑に混ざって申告をしなければならないこと、なんだかへんてこりんだと思う。
申告の会場には車いすの方もいた。
灘区民をひとつところに集めるんじゃなくて、ひよどり台の公民館とか学校の体育館とか、近所でも申告ができるようにすればいいのに。
今日は朝からあちこち掃除。
午後から、3度目のワクチンを受けにいくので。
それまで『帰ってきた 日々ごはん⑫』の粗校正の続きをやろう。
夜ごはんは、オムライス(三宮の名店の。ヒロミさんがテイクアウトし、ごちそうしてくださった)、浅蜊のみそ汁。
食後に紅茶とチョコ・デニッシュ。
おいしかったー!
オムライスは均一の厚さの卵できっちりと包まれ、とても丁寧に作られていることが分かった。
ヒロミさんが三宮まで行って、私の分まで買ってきてくださったんだなあと思いながら食べた。
ひと匙ひと匙食べながら、私はものすご幸せだった。

●2022年3月6日(日)晴れ

陽が昇るとき、小雪が舞っていた。
窓を開けて布団をかぶり、梅干しみたいな太陽(きさらちゃんがそう言っていた)を見た。
それほどには寒くないけれど、また冬が戻ってきたような朝。
きのうは、散歩がてら「MORIS」に行った。
ボルシチがおいしくできたので、イギリスから帰ってきている佐知子さん(今日子ちゃんのお姉さん)と、ヒロミさん、今日子ちゃんの分を抱えて。
佐知子さんはお出掛けてしていて会えなかったけれど、お客さんを交えての楽しいおしゃべり。
そして、今日子ちゃんのおみかんジャムをお湯で溶いた、ホットおみかん。
軽く買い物をして帰ってきた。
今日からまた、母の病室へ飛ぼうと思う。
村上さんにお願いし、『帰ってきた 日々ごはん⑫』のテキストを送っていただいたので。
2時半、母が息を引き取った日までの粗校正が終わった。
途中、いちどだけ涙がにじんだけれど、大丈夫だった。
なんだか母のお葬式をもういちどして、この部屋に帰ってきたみたい。
「お母さん、終わったよ」
窓を開けたら、すーっと冷たい風が入ってきた。
途中で小雪が舞ったりもしていたけれど、今は青空がのぞいている。
海も青い。
ゴミを出しにいくついでに、山の入り口まで走って上った。
けっこう寒かったけれど、爽快だった。
夜ごはんは、ボルシチ(もち麦ご飯添え)、ほうれん草のオリーブオイル炒め。

●2022年3月4日(金)ぼんやりとした晴れ

朝から「毎日のことこと」を書いている。
窓を開けてしばらくすると、寒くなる。
暖かいのか寒いのか、分からないような日。
うちの前の木を、きのうから切っている。
ウィーンという電気ノコギリの音を聞きながら、ひたすら書く。
ビーツやじゃがいもを、ゆっくりゆでながら。 
ボルシチを作ろうと思って。
台所から窓を見ると、海が白い。
空との境がない。
きさらちゃんはきのう、「船が空に浮かんでいるみたい」と言っていた。
あと、街がぼんやりとして、「幻みたいに見える」とか、「あるけどないみたい」とも。
きさらちゃんはよく外を見ていたっけ。
「いつまででも見ていられる。ぜんぜん飽きない」と、ひとりごとを言いながら。
きのうは(泊まった翌朝)、陽の出を見たらしい。
私が起きたとき、下で絵本を呼んでいた。
「柱時計の音がいいなあと思って。ひとりでいると、よく聞こえます」
きさらちゃんといるの、楽しかったな。
一緒にいると、もう何十年も前からの友だちみたいに、あとからあとから話したいこと聞きたいことが湧いてきた。
そして、姫路でもよく歩いたし、帰りは六甲道までてくてく歩いて、スーパーをはしごした。
地元らしいスーパーでお土産を買いたいというので、ふだんはあまり入らないスーパーをひさしぶりに覗いたのだけど、関西ならではのめずらしいものがいろいろ目についた。
きさらちゃんの目が移ったのかな。
知らない街で、小さな旅をしているみたいだった。
夜ごはんは、ボルシチ(シチュー用牛肉、玉ねぎ、人参、蕪、白菜、じゃがいも、ビーツ)、ご飯。
ボルシチがとてもおいしくできた。
小さなビーツをふたつ入れただけなのに、濃い薔薇色で。
やっぱりビーツの甘みが、たまらなくおいしい。
しんちゃんの蜂蜜をほんのちょっと加えたのも、よかった。
キャベツのかわりに白菜を入れるのも、いいな。
途中からご飯にかけて食べた。
さらさらとしたこういうシチュー、大好き。

●2022年3月2日(水)雨のち曇り

今朝も雨。
窓が白い。
6時前に起きてカーテンを開けたのだけど、朝焼けも陽の出も見られなかった。
雲が厚い。
でも、午後から晴れるみたい。
今日は「ポレポレ坐」のきさらちゃんが東京からやってきて、1晩泊まる。 「姫路文学館」というところで、長谷川集平さんの展覧会をやっているそうなので、私も見にいくことになった。
きさらちゃんのメールには、「集平さんの絵本は体にしみ込むほどに読んだので、展示を見ておきたく、スケジュールとにらめっこしていました。とりあえず行くことだけ決めて、あとはまだ何も決めてなくて」とのこと。
それで、急に決まった。
きさらちゃんはひとり旅が好きそうだし、私もひとりが好きだから、現地集合にした。
展覧会はひとりで見てまわるのがいちばん。
めっちゃ方向音痴だけれど、iPhoneがあるからきっと大丈夫。
ちょっと早めに出て、三宮で毛糸を買って、姫路行きのJRに乗ろう。
きさらちゃんに会えるのはひさしぶり。
姫路に行くのもはじめて。
うれしいな。
あ、空が明るくなってきた。
夜ごはんは、蕪&ミニトマト&生チーズ(「共働学舎」のが、「いかりスーパー」に売っていた!)小エビのスペインバル風(ミニトマト、パエリアミックススパイス、にんにく、オリーブオイル)、じゃがいものお焼き、ブリの塩麹焼き(大根おろし)、ビール、白ワイン、焼酎お湯割り。

●2022年3月1日(火)曇りのち雨

霧に包まれている。
窓の外が真っ白。
「毎日のことこと」を朝から書いている。
こんな日は、文を書くのにぴったり。
窓を開けると、霧が立ちこめ、木々が透けているのが見える。
山の中にいるみたい。
小鳥が鳴いている。
きのうはふと思い立ち、朝早くから支度して、確定申告の書類を提出しに、バスに乗って「神戸サンボーホール」というところに行った。
9時45分に着いたのに、建物の外は長蛇の列。
私の整理券は、253番だった。
しかも、予約をしている人がこれから80人やってくるとのこと。
予約をするには、ラインで申し込まないといけないらしい。
並んで待っている人たちの動きがないようなので、私はあきらめ、帰ってきた。
現金出納帳をあんなに真面目につけてきたのに。
ようやく、申告の書類を書くことができたのに。
スマートフォンを持っていない人や、私みたいにラインの意味さえ知らない人はどうすればいいんだろう。
おいしいパン屋さんがあったら買って帰ろうと思っても、道すがらには何もない。
がっくりと肩を落として六甲に帰り着き、今日子ちゃんに会いにいった。
「MORIS」は定休日で、今日子ちゃんは床掃除をしていた。
事情を伝えると、「やってあげますよ」と言うのだけれど、ラインの設定をするのにも、パスワードを書いたノートはうちに置いてある。 「じゃあ、今から私もなおみさんのところに行って、一緒にやりましょう」と言われたとき、ありがたくてありがたくて、目の前がパーッと明るくなった。
今日子ちゃんは、自分がお昼に食べようとしていたじゃがいものドフィノアの残りと、カリフラワーを蒸したものを器ごと持って、ふたりでタクシーに乗った。
うちの冷蔵庫には、ポルトガル風に鰯を焼いたのと人参の塩もみサラダがあったので、ドフィノアをオーブンで温め直し、小蕪とまほろばほうれん草のオイル蒸しを添え、ぜいたくなお昼ごはんとなった。
私がお昼の支度をしている間に、今日子ちゃんはラインを繋ぎ、「神戸サンボーホール」の予約もしてくれた。
なんとかショットというので、画面の写真も撮ってくれた。
当日の受付で、これが必要なのだそう。
あっという間にできた。
そのあと私は、宮下さんと電話でゲラの校正。
今日子ちゃんは2時半から取材があるそうで、「じゃあ、また」と言って爽やかに帰っていった。
そんな、ありがたい日だった。
夜ごはんは、おでんカレー(いつぞやの。ゆで卵添え)、塩もみ人参とワカメのポン酢醤油。

●2022年2月27日(日)ぼんやりした晴れ

朝の寒さはずいぶん緩んだような気がする。
床の冷たさが違う。
今朝は、ほかほかルームソックスをはかなくても、充分に暖かいもの。
霞がかかって、春の海みたい。
きのうは、旧居留地最後のファーマーズ・マーケットに行った。
いいお天気で、お客さんたちも多く、なんだか春の匂いがした。
亜由美さんとあちこちゆっくり見てまわり、お昼ごはんに竹と野菜の田舎寿司を買った(細い竹を煮含めた中に、混ぜ寿司が詰めてある。コンニャクに包まれたのや、椎茸、菜の花がのったお寿司も詰め合わせてあった)。 
帰ってから即席味噌汁を作り、お昼ごはんに食べた。
おいしかったー!
買った野菜は、小さい種類のほうれん草(「まほろば」)、ルッコラ、ベビーリーフ、小蕪。
はっさく、淡河竹の子と牛すじのカレーパン、ねぎと干しえびのチーズパン。
亜由美さんとふたりでいたから、「テレビを見ました」と、声をかけてくださる方が何人もいた。
私の肩に指で軽く触れ、「見たわヨ」と微笑みながら通り過ぎていった、年配のおしゃれな奥さん。
そのとき私は、とても嬉しかった。
私のファンというわけではなく、たまたまテレビを見た方だ。
なんだかとっても普通で、親密な感じ。
遠い親戚のおばさんに、褒められたような感じ。
今日はベッドに腰掛け、青い空を見ながら川原さんと長電話して(気づいたら1時間たっていた)、「毎日のことこと」のタイトルまわりの絵を描いたら、一日が終わってしまった。
川原さんはとても元気そうだった。
夜ごはんは、ポークソテー(ゆうべから塩麹をまぶしておいた。ベビーリーフ添え)、長茄子のオイル蒸し、ハーブ味噌、スンドゥブチゲ(いつぞやの。落とし卵、生のり)、ご飯。

●2022年2月22日(火)曇りがちの晴れ

眠たくて、眠たくて。
8時に起きた。
太陽はとっくに昇り、部屋中光がいっぱいで眩しかったけれど、布団をかぶって寝ていた。
きのうの胃カメラ検査は、寝台に仰向けになって、どの麻酔をし、麻酔注射を打って左側を向いたところまでは覚えているのだけれど、そのあとのことはまったく記憶がなかった。
気づいたら、クリーム色のカーテンに囲まれた寝台の上で寝ていて、ここはどこ? 状態だった。
検査室から休憩室まで、手を引かれて歩いたようなのだけど、覚えていない。
夢の中で「もう、終わったんですか?」と、誰かに向かって聞いたような気もする。
詳しい検査結果は2週間後に分かるのだけど、どうやらピロリ菌がいるらしい。
組織を採ったので、アルコール、コーヒー、紅茶は2日間控えるようにとのこと。
先生からピロリ菌の話を聞いているとき、画像がちらっと見えた。
粘膜に覆われたピンク色。
私の胃って、あんななんだ。
ゆうべは胃の上に手を当てて寝た。
63年間ご苦労さまです、と思いながら。
今朝は何でもよく噛んで、ゆっくり食べている。
さて、『帰ってきた 日々ごはん⑪』の粗校正に向かおう。
4時。
終わった。
締め切りはまだ先だけど、村上さんに今お送りしたところ。
明日が祝日だから、ちょうどよかった。
夜ごはんは、煮込みうどん(ゆうべの残りを温め直した)、ゆでワカメ(亜由美さんにいただいたもの・大根おろし、ポン酢醤油)、厚揚げと白菜の甘辛煮(鰈の煮つけの汁で煮た)。

●2022年2月21日(月)晴れ

5時半に目が覚めた。
黒い山並みに沿って、濃いオレンジ色の帯。
陽の出は6時40分。
ひさしぶりに見ることができた。
お白湯をゆっくり飲みながら見た。
朝風呂から上がって窓を開けたら、風花が舞っていた。
海は金色。
さあ、いよいよ胃カメラだ。
朝ドラを見たら、出掛けよう。
夜ごはんは、鰈の煮つけ(焼きねぎ)、めかぶ(かつお節、薄口醤油)、ご飯。

●2022年2月20日(日)晴れ

8時半に起きた。
部屋の中はすでに光でいっぱい。
5時から目醒めていたのに、ラジオを聞きながら目をつぶっているうちに寝てしまった。
なんか、おもしろい夢をみていたような。
明日は、朝から胃カメラの検査を受けにいくので、食べ物に注意しないと。
乳製品がだめらしい。
野菜、海藻、きのこ類も控えめにとのこと。
なので、朝ごはんは果物(伊予かん、りんご)と紅茶だけ。
今日は、亜由美さんが須磨海岸で収穫したてのワカメを届けてくださるのに、あまり食べられない。
始末して、冷凍しておこうと思う。
そういえば、日記に書くのをずっと忘れていたけれど、今私は塩麹を作っているところ。
麹は「FARMSTAND」で買った。
3日後くらいに仕込んだから、12日目くらいだろうか。
麹の粒を指でつまむと、すぐにつぶれるようになったので、ゆうべのうちに「コープさん」で買ってきたサーモン(お刺身用)のサクを漬けておいた。
今夜、焼いてみよう。
「夕食は消化のいいものを20時までにすませてください」とのこと。
冷やご飯があるから、お粥にしようかな。
卵は食べてもいいんだっけ。
食べていいもの、悪いものが決められているのって、緊張する。
さっき、風花が舞った。
午後からあちこち掃除。
絵を描いたり、アイロンがけをしたりしているうちにもう4時だ。
これは来週の撮影の支度。
今日は、『帰ってきた 日々ごはん⑪』は休もう。
海が青いな。
5時過ぎに、亜由美さんがワカメを届けてくださった。
よく洗って、メカブをゆでてみた。
茎ワカメもゆでてみた。
ちょっとつまんでみたら、ぷりぷりしこしこ。
あんまりおいしくて、ワカメも少しだけゆでて食べた。
香りがあって、歯ごたえもあって、なんともいえないやわらかさもあり、生きている感じ。
たまらなくおいしかった!
夜ごはんは、採れたてワカメ(大根おろし、ポン酢醤油)、塩麹サーモンソテー、お粥(卵、だし汁)、ハーブ味噌。

●2022年2月19日(土)曇りのち雨

今朝も寒い。
木曜日からまたひとりの暮らしに戻り、『帰ってきた 日々ごはん⑪』の粗校正の続き。
6月1日に母が再入院してからは、私の付き添いも本格的となり、頻繁に帰省して病院に通っている。
1日1日の日記がとても長い。
毎日違う母の様子。
ひとつひとつを思い出しながら、ゆっくりと向かっている。
思い出すというよりも、パソコンに向かっている間は病室に飛んでいっている。
さて、はじめる前に、「コープさん」に行ってこようかな。
野菜はたくさんあるけれど、牛乳も卵もないので。
帰り道で雨がぽつぽつ。
途中まで坂を上っていたのだけど、たまたま来たタクシーに乗った。
お昼ごはんは、「コープさん」の白身魚のフライと、「ポエム」の白パンでサンドイッチにした。人参サラダ(塩もみしてフレンチマスタードで和えたもの)もたっぷり挟んだ。
雨が静かに降っている。
しめやかに、という感じ。
さて、はじめようかな。

もうじき4時半。
6月の日記は、あと3日を残すところまできた。
途中で胸が詰まり、涙がにじんだ日もあったけど、だんだん大丈夫になっていった。
日ごとに変わる母の変化を、じわじわと受け止められるようになっていく、日記の中の私みたいに。
窓を開けると息が白い。
ピーツク ピーツク ピーツク ピーツク……
雨のなか、シジュウカラが鳴いている。
夜ごはんは、煮込みハンバーグ(「気ぬけごはん」に書いた緑さんのレシピをもういちど試作した)、ほうれん草のなたね油炒め、人参サラダ、ご飯。

●2022年2月16日(水)晴れ、ときどき雪

おとついから中野さんがいらしている。
綿をちぎったような雪が風に煽られ、山の方からやってくる。
お天気雪。
午後から、六甲山上にある山荘へ見学にいく。
「ROKKONOMADO ロコノマド」”泊まれる森のシェアオフィス”というところ。
大きな海が見渡せ、朝焼けがものすごくきれいだそう。
「コープさん」の前で待っていたら、亜由美さんが車でビューンと連れていってくださる。
もうしばらくしたら、坂を下りよう。
けっきょく、亜由美さんはうちの前まで迎えにきてくださった。
「ROKKONOMADO ロコノマド」は、標高780メートル。
空気がきーんと冷たくて、澄んでいる。
木造の建物にはいろいろな部屋があって、昔、夏休みになると住み込みでアルバイトをしていた八ヶ岳の山小屋を思い出した。
眼下に横たわる大きな海と空。
目の前は森。
広々としたウッドデッキ。
海と空と森に抱かれているような感じがする。
霧が出ると、この建物は雲の中にいるみたいになるのだそう。
ここで暮らしながら山荘の管理をしている3人家族が、とっても気持ちのいい人たちだった。
キッチンは厨房みたい。
窓から海も見える。
こんなところにパソコン持参で泊まり込んだら、私の書くものはどんなふうになるんだろう。
ベランダで飲むコーヒーも、おいしいだろうな。
すぐにどうこうというわけではないけれど、ロープーウェイに乗って訪ねたら、楽しいかもしれない。
六甲山のロープーウェイ乗り場は、うちから歩いて30分もかからないところにあるんだから。
帰り際、2棟あるコテージを見学しているとき、雪が降ってきた。
けっこうなぼたん雪。
あれよあれよと降ってくる。
ついさっきまで陽が差していたのに。
山の天気は本当に変わりやすいんだな。
帰りは亜由美さんがまた車で、家の前まで送り届けてくださった。
なんだか北国に行って、帰ってきたみたいな、束の間の小旅行だったな。
夜ごはんは、ビール、ふぐヒレ酒(去年の11月、朱実ちゃんと樹君が小倉駅でお土産に買ってくれたもの)、あるものすき焼き(牛の切り落とし肉、豚の薄切り肉、丹波しめじ、岩津ねぎ、白菜、ミニほうれん草、豆腐、もやし、お麩、生卵)、〆はうどん。
中野さんが鍋奉行をしてくれた。
すき焼きにもやしなんか合うのかなあとはじめは半信半疑たのだけど、最後、肉や野菜のエキスが染み出た煮汁にもやしだけ加え、ふたをしてシャキッと仕上げたのがおいしくてびっくり。

●2022年2月12日(土)晴れ

6時前に起きて、朝焼けを見た。
明けの明星が光っている。
2本の煙突の煙はまっすぐに上り、相似形。
風がないのだ。
空の高いところは青く、黒い山々のシルエット、そして濃い茜色。
この時間がいちばん美しい。
陽の出の時刻が近づくと、空は明るんで、いちどすべてが白っぽくなる。
そうしてまた昇る直前には、山の上の雲が薔薇色に染まる。
今朝の雲は、盛り上がっているところとへこんでいるところの陰影が皺になり、ピンクの大地のようになった。
そのなかに強烈なピンクのところが1箇所あって、あそこから昇るのだなと分かる。
眩しい玉の端っこが、顔を出した。
雲の間からなので、縞模様の光。
さて、今日子ちゃんとファーマーズ・マーケットだ!
てきぱきと支度しよう。
朝ごはんは、ヨーグルト(八朔、バナナ)と紅茶だけ。
9時になったら出掛けるつもり。

ああ、楽しかった。
ビーツ、小さい種類のほうれん草、菜の花、ブロッコリー、岩津ねぎ、生のり、味噌などを買ってきた。
岩津ねぎの黒焼きも、ぬるっと甘くておいしかったな。
スンドゥブチゲも、本場の味でたまらなくおいしく、ボリュームたっぷりで、体がぽかぽかした。
最後はご飯を混ぜ、落とし卵をくずしながら食べた。
帰り道、「マスクの下は、ねぎとチゲの香りがこもってます」と今日子ちゃん。
今日子ちゃんとの買い物は、やっぱり楽しい。
朝のマーケットは、やっぱりいいな。
お昼前に帰ってこられるなんて。
買ってきた野菜の始末をしたり、ビーツをゆでてマヨネーズを作ったり。
生のりは、夜ごはんで使う分をのぞいて冷凍した。
仕事の電話もふたつかかってきたので、今日は『帰ってきた 日々ごはん⑪』はお休み。
明日は雨のようだから、またじっくりと勤しもう。
夜ごはんは、切り干し大根煮(いつぞやの)、茹でたビーツと蒸しブロッコリーの茎のサラダ(手作りマヨネーズ)、蒸しブロッコリー(何もつけずに)、生のり雑炊(白菜、ほうれん草、卵)。
ファーマーズ・マーケットで買ってきたスパイスクッキーが、とてもおいしい。

●2022年2月11日(金)曇りのち晴れ

朝ごはんを食べ終わったころ、晴れてきた。
太陽が顔を出すと、とたんに暖かくなる。
今日も朝から、『帰ってきた 日々ごはん⑪』のパソコン校正。
忘れかけていたことを、きのうのことのように思い出す。
母の体が、近くに戻ってくる。
きのうは、校正をしながら涙が吹き出したりして、このまま私は進めていけるんだろうかと不安だったのだけど、なんだろうこの感じ。
1日、また1日と、読み込みを進めていけばいくほど、あのころに起こったすべての出来ごとに、今ここにいる私があたたかく包まれる。
母の病気はどんどん進行し、悲しい言葉や切ない言葉もたくさん出てくるというのに。
今日はなんだか静かな日だな。
連休の初日だからかな。
明日は、今日子ちゃんと「ファーマーズ・マーケット」に行く約束をした。
朝から出掛けるのが、とても楽しみ。
さあ、もう少し、できるところまでがんばろう。
2ヶ月分が終わった。
あとは、5月と6月。
ここからが正念場。
入退院を繰り返す、大変な日々に入っていくので。
今は4時半。
海が青い。
窓を開けると、地面が濡れている。
なんとなく春の匂いもする。
あ、ジョウビタキだ。
夜ごはんは、じゃがいも入りフジッリ(にんにく、ちりめんじゃこ、海苔)。
フジッリがとてもおいしくできた。
じゃがいものゆで加減もどんピシャ。

●2022年2月10日(木)小雨

曇っているのかと思いきや、目をこらすと小雨が降っている。
寒いなあ。
東京は今日雪が降るのだそう。
きのうニュースを見ていたら、食料品をいっぱい買い込んでいるお母さんが映っていて、なんだか嬉しそうだった。
雪が積もったら川原さんやリーダーはきっと、井の頭公園に散歩にいくんだろうな……と思いながら、私はなかなかベッドから出られない。
ふわふわぬくぬくの敷き毛布を買ってから、朝のラジオを聞きながらうとうとする時間が至福となった。
今朝は、ベッドの中で読書。
それでも9時には起きた。
今読んでいるのは、奥山淳志さんの『動物たちの家』。
ゆうべからまた読みはじめた。
「&premium」に書評を書いたときには、3分の2しか読めていなかった。
後半もまた、ぐんぐんと引き込まれる。
やっぱりものすごくいい。
きのうは、美容院の帰りに図書館と「MORIS」に寄った。
本にサインをし、よく喋り、よく笑い、今日子ちゃんが焼いてくれた苺のケーキをひろみさんと3人で食べた。
おいしかったなあ。
帰りがけ、今日子ちゃんとふたりで買い物にいった。
「100ショップ」で小さな買い物をして出てきたとき、「なおみさん、1位になってます」と今日子ちゃんが教えてくれた。
それは、六甲駅の書店「ブックファースト」の週間ランキング。 『帰ってきた 日々ごはん⑩』が、ショーケースに立てかけられていた。
いちばん近所にある、馴染みのある本屋さんで1位になれたことがとても私はとても嬉しく、写真を撮った。
こういうとき、スマホはありがたい。
上手に撮れるし。
撮っている私を、今日子ちゃんが後ろから撮影。
そのあとで植物屋さんに行って、私はサイネリア(マーガレットを小さくしたような白い花。花芯が紫と紺の間の不思議な色をしている。「MORIS」に飾ってあるのを見て欲しくなった)を買い、今日子ちゃんはプラムの枝ものと、アネモネの蕾、緑色の丸い花のような植物を1輪ずつ買った。
ケンちゃんに「どんなの(状態)がいいですか?」と聞かれたとき、今日子ちゃんは「何気ないのを」と言った。
白い包装紙に包まれているアネモネは、ブルーベリーのような濃い紫色だったので、プラムの花の蕾が赤いベリーの実みたいに見えた。
今日子ちゃんの花の選び方、いいなあ、素敵だなあ。
そしてそのあと、「いかりスーパー」にも寄ったのだった。
私はおでんが食べたかったので、入り口近くにあるおすすめのショーケースに並んでいた牛スジ(ゆでてある)と、絹厚揚げ、串に刺してあるお団子みたいな3色さつま揚げ(白、ピンク、茶色)を買った。
今日子ちゃんは豚肉の薄切りだけ。
「今夜は飾りつけが遅くまでかかりそうだから、「MORIS」で白菜の塩漬けとお鍋にするんです」とのこと。
今日子ちゃんと買い物をするのは、とても楽しい。
なんだかこういう日常が今、私はたまらなく楽しい。

地面が濡れている。
さあ、やりますか。
今日からまた、『帰ってきた 日々ごはん⑪』のパソコンでの粗校正。
今巻は2019年1月から6月分の日記。
今はまだ、病気のことを知らない元気なころの母が出てくる日々なので、切なく、ゆっくりとしか進まない。
それでもがんばって、夕方には2ヶ月分が終わった。
夜ごはんは、豚の生姜焼き(蕪のフライパン焼き&蕪の葉とニラのサッと炒め)、塩むすび、味噌汁(切り干し大根、豆腐、ワカメ)。

●2022年2月4日(金)晴れ

6時半に起きた。
朝焼けを見ながら、「古楽の楽しみ」。
7時に陽の出。
今朝は大阪の山の上から、朱い果物みたいな太陽が顔を出した。
じりじりと燃えている。
天気予報の次は、「今朝のニュース」。
ああ、ようやくいつもの朝が戻ってきた。
背中のコリもなく、すっきりしている。
ぐっすり眠れたし、おもしろい夢もみた。
太陽の真下の海は、金の池。
池の畔でちかちかと小さく光っているところは、小魚が跳ねているよう。
やっぱり早起きはいい。
たまには誰かと思い切りおしゃべりしたり、遊ぶのも楽しいのだけど、早寝早起き快食快便。
洗濯物を干しているとき、ツクピー、ツクピーと盛んにシジュウカラが鳴いていた。
シジュウカラは春を呼ぶ小鳥。
そういえば今日は立春だと、ラジオの天気予報で言っていた。
さて、「MORIS」にサインをしに出掛けよう。
銀行や買い物も。
そのつもりで、もう朝ドラも見ておいた (福引きでラジオが当たった!)。
3時くらいに帰ってきた。
今日子ちゃん、ヒロミさんとたっぷりおしゃべりし、思う存分買い物をして帰ってきた。
早めに出かけるのって、いいな。
帰ってからひと仕事。
「天然生活」の最終校正を、目を皿にして。
夜ごはんは、焼き穴子と蒸しの穴子のお弁当(「いかりスーパー」の)、菜の花のおひたし(薄口醤油、ごま油、炒りごま)、かぶとかぶの葉の味噌汁、たくあん。
残さず食べて、お腹いっぱい。

●2022年2月3日(木)晴れたり曇ったり

9時に起きた。
わざと寝坊した。
起きたときには海も街も靄に覆われ、白一色だった。
ベッドの上でぼんやり眺めているうちに、雲に太陽が透け、だんだん明るくなってきた。
それで、ようやくエイッと起きた。
煙突の煙が金色に光っているのを見たのは、きのうだったっけ。
煙の後ろから陽が差し、光った綿をひきちぎったみたいになっていた。
「おおー」と思わず声が出た。
今朝は、首や背中がコリコリ。
このところいろいろな仕事がいっぺんにやってきて、ぱたぱたとしていた。
打ち合わせに、原稿書き、校正などなど。
その上、遊ぶのもしっかりやっていた。
日曜日にはひさしぶりにつよしさんに会い、散歩がてら芦屋のソーセージ屋さんとパン屋さんに行ったり、三宮に出てレストランのテラスでワインを呑んだり。
おとついは、打ち合わせのあと、宮下さんとワインを1本開けてしまったし。
「毎日のことこと」は、早めに書きはじめていたので、きのう仕上げてお送りできた。
そしてきのうは、新しくはじまるかもしれないテレビのお話もいただいた。
東京時代からお世話になっている、信頼しているディレクターさんだし、楽しみな気持ちもたくさんあるのだけれど、大丈夫なんだろうか私。
そんなこんなで、しばらく日記が書けなかった。
気づけばもう木曜日。
さあ、ぼちぼち仕事をしよう。
夜ごはんは、大根入りフジッリのトマトソース和え、ほうれん草とビーツの葉のじゃこバター炒め。

●2022年1月28日(金)晴れ

7時半に起きた。
太陽は雲で隠れていたけれど、海が丸く光っていた。
あたり一面白く霞み、そこだけ金色に発光しているのだった。
しばらく眺め、エイッと起きる。
今朝は、目が腫れている。
父親ゆずりの瞼の下のたるみ、それでなくても大きいのに。
ゆうべ寝る前に、『エール!』というフランス映画を見たからだ。
(昼間いちど見て泣いて、お風呂から出て、もういちど見た)
聾唖の家族と、健聴者の娘の話。
明るくて、哀しくて、大笑いしながら泣けてくる。
娘の歌声が胸に残り、忘れられない。
今日は、あちこち掃除機をかけ、部屋を清めた。
『帰ってきた 日々ごはん⑩』のサイン用の本が届く日なので。
『日々ごはん』と『帰ってきた 日々ごはん』は、今年で20周年を迎える。
全国のいくつもの本屋さんで、記念のフェアをしてくださるのだそうで、たいへんありがたい。
だから私もがんばって、サインをしている。
すでに130冊をしたのだけど、追加で50冊することになった。
どんまい、どんまい。
今巻の表紙カバーは、ぱっと見ると、影が薄暗く映り込んで、もしかすると古い本のように見える方もいるかもしれない。
でも私は、それがとってもいいなあと思う。
小さな人が無垢な心で描いたみたいな花の絵と、影と、にじみ。
この世界はいいことばかりではない、綺麗なことばかりではないという、日々ごはんの芯のようなものが見え隠れしているから。
こんなアート・ディレクションは、スイセイにしかできない技だと思う。
20周年という記念の巻でこういう本を出せることが、私はとても嬉しく、誇らしい気持ち。
そういえば、この間みっちゃんから電話があり、『帰ってきた 日々ごはん⑩』の感想を言ってくれた。
週末の読書がみっちゃんの楽しみなのだけど、原田マハさんの本をすべて読み尽くしてしまったので、たまたま読んでみたら、止まらなくなったらしい。
「いやー、一気に読んじゃったよ。いいねえ、おもしろかったなあ」
今巻は2018年の大晦日の日記で終わるのだけど、「1冊の本としても、最後に相応しい終わり方だね」と言っていた。
あと、「高山なおみ 日記もの(いつの日記が、どの本になったか)年表」にも、いたく感じ入っていた。
「方眼紙で、あんなふうになっていて、あれはスイセイさんにしかできないね!」と。
みっちゃんはふだんから、建築の製図と向き合っているから、細かな目盛りの大切さ、ありがたさが分かるんだと思う。
『日々ごはん』のシリーズは、いつも、姉や子どもたちが途中で借りにくるので、1冊を通してちゃんと読んだのがはじめてだったんだそう。
私のささやかな日常を綴った、つましい日記を読んでくださっているみなさんへ。
いつも、楽しみに見守り、買ってくださる方々のために、心をこめて、1冊1冊サインをしよう。
夜ごはんは、おうどん(白菜、ほうれん草、さつま揚げ)。

●2022年1月25日(火)曇り

6時半に起きた。
ラジオを聞きながら、うとうとしているうちに陽が昇り、みるみる部屋が光でいっぱいになった。
眩しい!
きのうは鈴木さんとの打ち合わせのあと、散歩がてら一緒に坂を下りた。
鈴木さんは阪急電車で帰られ、私はそのまま歩いて六甲道へ。
このところの胃もたれが気になるので、病院に行ってみた。
去年の11月(だったかな?)の市の健康診断で、胃炎という結果が出ていたし。
何も症状がなければ、来年まで放っておいても大丈夫とのことだったのだけれど、近いごろ朝起きると、みぞおちのあたりがなんとなくむーんとしていた。
先生の見立てでは、逆流性食道炎かもしれないとのこと。
「いちど、胃カメラで調べてみましょう。膵臓も見ておいた方がよいので、エコーもしましょう」ということになった。
ヒロミさんにも前から薦められていたので、胃カメラ、飲んでみることに決めた。
「予約していただくんですが、胃カメラ検査は今、めっちゃ混んでいます」と、看護婦さんが真剣な表情でおっしゃった。
「めっちゃ」と、確かに言った。
ここの病院、私は大好き。
ヒロミさんも今日子ちゃんも、たいへん信頼しているお医者さん。
帰りに「MORIS」に寄って、盛り上がる。
主には胃カメラの話と、ジョーとサッチモちゃんについて。
今日は、美容院。
六甲道まで歩いて、バスで阪神御影にも出掛ける予定。
「無印」で文房具の買い物があるので。
みぞおちは、ずいぶんいい感じ。
いただいた薬が効いているみたい。
そういえばきのう、病院の待合室で待っていたら、ヒサコさん(ヒロミさんのお友だち。前に、天ぷらをごちそうになった、〆鯖名人)が入ってきて、私はとても嬉しく、コショコショと小声でおしゃべりした。
ヒサコさんのマフラーの巻き方が素敵だったので、やり方を教わった。
教わったというより、巻いているところを見せてもらった。 「えー、こんなんでいいの?」とヒサコさんは言っていたけれど、私はこの年まで生きてきて、マフラーのうまい巻き方をはじめて取得した。
コツは、巻きはじめの布を短すぎるくらいにとっておくこと。
首に巻いたら、長い方をくぐらせて、適当に結ぶ。
そうすると、ゆったりとできる。
これまでいろいろな人に教わってきたような気がするのだけど、いまいち理屈が分からなかった。
そのあとに寄ったスーパーで、またバッタリお会いし、ヒサコさんはバスに乗って帰られた。
ひとりで坂を上り、「MORIS」に向かっていたら、こんどはふたば子ちゃんに会えた。
ふたば子ちゃんは、『みそしるをつくる』のころよりずいぶん背丈が伸び、顔も小さく、足も長く、全体的にシュッとした、伸びやかで可愛らしい少女に成長していた。
面影が残っていたので、もしかしたら……と思って声をかけたのだけど、やっぱりふたば子ちゃんだった。
それがとってもうれしく、別れてから涙がにじんだ。
六甲という小さな町での出会いや、ささやかなできごと。育まれ、重ねてきた時間。そういう目に見えないものたちが私の人生を支え、確かにしてくれている。
夜ごはんは、スーパーのお寿司、ほうれん草のかき卵汁。

●2022年1月19日(水)晴れのち曇り、一時雪

朝焼けはいつも素晴らしい。
今朝は、陽の出前の雲がバラ色に染まった。
そして海も、染まった。
にゅうっと顔を出した太陽は、まん丸の大きな鏡のようだった。
ずっと見ていたら目に悪いんだろうなと思いながらも、目が離せない。
ベッドに寝そべり、壁を見ると、窓柵の影が青く見える。
はじめは黒いのだけど(脳みそでは、黒いものだと思っているから)、だんだんに紫がかり、そのうち青に。
もう、青としか見えない。
そしてこのごろの朝はいつも、小さな粒のような雪がふらふらと舞い、朝陽に照らされている。
とてもきれい。 
さて、今日はいよいよ「天然生活」の撮影。
11時になったら、宮下さん、鈴木さん、カメラマンのよしこさんがいらっしゃる。
夜ごはんは、みなさんと。撮影したおかずいろいろ&ビール。

●2022年1月18日(火)降ったり止んだりの雪

起きて、カーテンを開けたら、粉のような雪が舞っていた。
太陽が上るまで、もう少し。
台所に下り、インスタントコーヒーをいれて戻ってきたら、綿をちぎったような雪になっていた。
ずっと見ていると、天に上っているみたいに見えてくる。
太陽は雲の上から。
眩しいのでまた布団にもぐった。
天井のガラス玉が、燃えるようなオレンジ色になった。
ものすごく寒いので、部屋が光でいっぱいになってから起きる。
雪はいっときやんで、また降ってきた。
ヒマラヤスギの葉に、積もっている。
白くて眩しい窓。
台所から眺めながら、明日の撮影の支度をゆっくりやった。
夕方、暗くなってきたころ、屋上で走ろうかどうしようか迷った末、帽子をかぶってポストまで散歩。
小雪が舞うなかを山に向かって坂を上り、夏休みの坂道を下り、遠回りして。
夏休みの坂道は、葉が枯れ落ちてすっかり冬景色。
角を曲がったとき、海が見えた。
何度も通っている道なのに、こんなところから海が見えるって知らなかったな。
枯れ木だらけになったから、見通しがよくなったんだろうか。
そして帰りの坂道は、お尻の上の筋肉が痛かった。
走っているのと関係があるんだろうか。
帰ってきて、手を洗うときに鏡を見たら、まつ毛が濡れていた。
ここよりもっともっと寒い地方では、これが凍るのだろう。
六甲の寒さなんか、大したことはない。
夜ごはんは、洋風お粥(ゆうべの残りにトマトソースとほうれん草を加えて、粉チーズ)、蒸し南瓜のサラダ。
風呂上がり、晴れ渡った夜空に、ぽーんと放り投げたみたいな満月。

●2022年1月17日(月)曇り

ゆうべはぐっすり眠れた。
このところのテレビ祭り(自分が出ている番組の放送が続いた)で、いつもより夜更かししたり、普段見ない時間にテレビをつけたり。
楽しみな気持ちは大きいのだけど、テレビの音や、時間の流れに取り込まれそうになって、落ち着かなかった。
きのうでそういうのもようやく終わり、いつもの生活が戻ってきた。
『帰ってきた 日々ごはん⑩』のサインを、1冊1冊書いているうちに、心が平らになってきた。
いちど、背中が固まってきたので、屋上ランニング。
戻ってきて、続きをやった。
全部で100冊書いた。
だからかな、明け方の夢に母が出てきた。
私は何かの用事で実家に帰っていて、母は私の縦縞スカートと、緑色のセーターを着て、昔の家の居間で本を読んでいた。
私は『帰ってきた 日々ごはん⑩』が出たばかりだったことを思い出し、「本を持ってくればよかったな」と言った。
すると母は、「そう。『日々ごはん』はもう、22冊にもなるのね」と微笑んだ。
私は実家に泊まろうかどうしようか迷っていて……「でもお母さん、消えちゃうんでしょ?」と聞いてみた。
そしたら、「そうねえ。もうしばらく、いようと思うのよ」と言ったのだった。
(そうか、まだここにいるんだ)と思って、起きた。
今朝は、母が着ていたのと同じスカートと、緑のセーター。
タートルネックの襟もとを、多めに折り込んでいたのを真似してみた。
今日は、阪神・淡路大震災の日。
雲が厚く、街は白っぽい光に覆われている。
9時に「口笛文庫」さんが、古本やCDを引き取りにきてくださった。
いつものように1冊1冊じっくりと見て、鉛筆で紙に書き込んでらした。
静かな時間。
その間私はパソコンに向かって、日記を書いていた。
ちょうど晴れ間が出て、海が光っているときでよかったな。
アパートの玄関までお見送りをしたとき、「次の方に、ちゃんとお渡しするようにします」と静かにおっしゃって、帰っていった。
「口笛文庫」さんに任せておけば、安心。本もCDも幸せだ。
お楽しみの朝ドラを見ながらお昼ごはんを食べ、さあ、そろそろ買い物に出掛けよう。
夜ごはんは、お粥(ほうれん草、卵、生姜)、浸し豆(黒豆)。

●2022年1月15日(土)晴れ

ゆうべは眠くてたまらなかったけど、がんばって起き続け、11時30分からのテレビ「ビーツとゆずの手作りマヨネーズ」を見た。
5分なので、あっという間に終わってしまい、でも私は、とても安心して寝た。
今日は朝から、いろいろなことをした。
主には部屋の中の整理整頓。
古い書類をどんどん片づけた。
棚に並べてあった前の箱は、きのう「無印」で買ってきた新しい箱に取り替えた。
月末に税理士さんが指導にいらっしゃるので、12月分の現金出納帳の記録をエクセルに入力した。
「天然生活」の試作と、レシピ書き。
鈴木さんと電話でお打ち合わせもした。
お昼のテレビ、「焼きしいたけのスパイスちりめん」も見た。
すごくよかった。
4時を過ぎたころ、屋上に走りにいった。
夕陽に向かって走り、コーナーを曲がって、こんどは白い月に向かって走った。
20周。
ちょっと前まで、この時間は太陽が山に沈みかけていたのだけど、ずいぶんと日が長くなってきたな。
そのまま1階まで下り、郵便を見て、4階まで駆上がった。
ランニングしたあとは、関節に油を差したみたいにスイスイ上れる。
夜ごはんは、野菜たっぷりスープ餃子(白菜、人参、ごぼう、切り干し大根、ワカメ、香菜)、いなり寿司(きのうの残り)。
さて、いよいよ9時半から「高山なおみの神戸だより 海の見える小さな台所から”六度めの冬”」の放送がはじまる。
大丈夫かな、私。
ちゃんと写っているかな。

●2022年1月14日(金)晴れのち雪

まだ暗いけど、カーテンを開けたら朝焼けだった。
6時半。
オレンジと青の、見ている間にも動いていく空、ひさしぶりに見られた。
7時に起きて、朝風呂にゆっくり浸かって戻ってきたら、太陽はもうとっくに昇っていた。
今朝は、8時からの朝ドラを見なくちゃ。
歯医者さんの日なので、お昼には見られないから。
今日子ちゃんとひろみさんにも会いにいきたいし、あちこち買い物にもいこう。
火曜日に中野さんが帰られてから、いろいろな宿題に包まれている感じがして、ずっと日記が書けなかった。
「早くあれをやらないと……」というような気持ち。
締め切り間際だったので、とにかく「気ぬけごはん」をずっと書いていた。
柱時計は中野さんが直してくださった。
私はネジをいっぱいに締めすぎてしまったようで、そうするとゼンマイも硬くなり、振り子がうまく動かないことがあるそうだ。
振り子がひっかけてある小さな針金を、指でカチカチ動かして、少し休め、また動かし、それを2日ほど続けているうちに、動きがなめらかになった。
音もやわらかく、前よりも静かなくらい。
日曜日には、清荒神さんに初詣に行き、月曜日にはリビングを大きく模様替えした。
壁に貼っていた大きな板絵をはがし、床に敷いていたベニヤ板もはがし、絵本の本棚を真ん中に移動させ、絵の道具は引き出しに全部しまった。
絵を描くための板は、これまでの半分の広さになったけれど、なんだか絵本がとても近くなった。
これまではリビングがアトリエのようだったけど、落ち着く部屋がもうひとつできたみたいな感じ。
2022年の幕開けっていう感じ。

さっき、盛大に雪が舞っていた。
気づかずに日記を書いていて、慌てて布団を入れたのだけど、今はもう晴れて、小鳥たちが盛んにさえずっている。
それで、また布団干した。
ほどなくまた雪。
お天気雪だ。
歯医者さんに出掛ける前には、やんだ。
ありがたいことです。
夜ごはんは、助六寿司(スーパーの)、きのうの白みそのおみそ汁(里芋、しめじ、春菊)。
今日の11時過ぎからのテレビ、はじまるまで起きていられるだろうか。

●2022年1月8日(土)快晴

今朝の陽の出は、厚い雲の上から。
寒いけれど、7時20分くらいにエイッと起きたら、太陽の真下の海に金色の太い道ができていた。
洗濯物を干し、布団を干し、あちこち掃除。
今日は中野さんがいらっしゃる。
いろいろ運びたいものがあるので、車でいらっしゃるとのこと。
それまでにひと仕事してしまおう。
小さな試作をしながら、「天然生活」のレシピを書き。
海のちょうど中央に太陽の光が反射して、きらきらぴちぴちちかちか。
そこに、大きな船が一艘。
あそこから海は、どんな風に見えるんだろう。
窓を開けていてもちっとも寒くない。
なんだか、お正月みたいに清々しいお天気の日だ。
4時くらいから、窓辺でビール&フライドポテト(アムとカトキチが送ってくれたじゃがいもで・亜衣ちゃんの本を見て作った)。
夜ごはんは、焼き肉(山椒塩、島さんの焼き皿で中野さんが焼いた)とご飯だけ。
ビールを呑んでいるとき、大阪の阿部野のあたりで小さな花火が揚がっていた。
冬の花火だ。
ここで、お知らせです。
来週の土曜日(15日)に、関西のNHKで「神戸だより 海の見える小さな台所から”6度めの冬”」が放送されます。
同じ日の朝には、去年9月に放送された夏編が放送されるそうです。
今回もまた、濱田英明さんのカメラで、ディレクターも技術さんもみな同じスタッフです。
詳しくは、「ちかごろの」をご覧ください。

●2022年1月6日(木)曇りのち晴れ

まだ暗いけようだったけど、ラジオをつけたら6時半だった。
久しぶりの「古楽の楽しみ」は、関根敏子さん。
カーテンを開け、ヨーロッパの少年少女合唱団の歌声を聞きながら陽の出を待った。
厚い雲が空全体を覆っており、けっきょく太陽は少しも顔を出さなかった。
それでも確実に明るくなっていった。
朝ごはんのヨーグルトの果物は、ボンタンとキウイとバナナ。
小雪が舞っている。
寒いけれど、窓を開けて食べた。
キウイがものすごく酸っぱくて、凍えそうだった。
でもそれが、とても気持よかった。
さあ今日は何をしよう。
「天然生活」の撮影のメニュー案もきのうお送りしたし、「毎日のことこと」もほとんど書けたので、1日早いけれど推敲をしてお送りしよう。
あとは、現金出納帳をつけるつもり。
お昼の支度をしていたら、晴れてきた。
太陽が出て、暖かくなってきた。
ポストに手紙を投函しにいきがてら、「コープさん」に行こってこよう。
「コープさん」の隣の小さな洋菓子屋さんで、モンブランをひとつだけ買った。
仕事はじめの原稿書きが終わったご褒美として。
坂道をがんばって上って帰り着き、紅茶をいれて、おやつの時間。
ああ、おいしい〜。
夜ごはんは、蒸しちらし(お正月のお刺身をヅケにしたものと伊達巻きなどで、3日に作ったちらし寿司をセイロで温め、カニカマをのせた)、かき玉汁(えのき、溶き卵、ねぎ)。
お風呂上がり、西の空に三日月が光っている。

●2022年1月4日(火)晴れのち曇り、一時雨

7時過ぎに起きた。
このごろは、とてもよく眠れる。
シーツの上に、タオルケットを敷くようになったせいかな。
暖かさに包まれ寝ていると、「ねぐら」という言葉がぴったりくる。
きのうは「MORIS」の壁塗りを手伝いにいくので、新年になってはじめて坂を下りた。
朝10時半くらい。
歩いている人もほとんどいなかったし、よく晴れ渡り、海がきらきら。
坂の途中のいつもの神社で、年はじめのお参りをした。
駅前のスーパーをのぞいたら、新鮮なお刺身や魚の切り身がピチッと並べられていて清々しかった。
まだ3日なのに、漁場が近いからなのかな。
棚まわりも掃除がゆき届き、白い光で満ちていて、いかにも新らしい年という感じがした。
「MORIS」では、展示用の壁に空いた釘の穴を今日子ちゃんがパテで詰め、その上から白いペンキを塗っていった。
ヒロミさんは窓の方から、私は入り口の方から。
ローラーにペンキをしみ込ませ、体を伸ばしたり縮めたりしながら。
角の細かいところはハケで。
気持いい〜!
今日子ちゃんがとってもおいしいお昼ごはんを作ってくれた。
ヒロミさんと集中して壁を塗っていると、トントンと包丁の音が聞こえてきたり、いい匂いがしてきたりした。
ガテン作業をしているときに、誰かがご飯を作ってくれているのって、いいもんだな。
おやつには、お善哉(小豆、白玉、おみかんジャム)もいただいた。
そして、誕生日プレゼントに、今年もまたおみかんジャムの大きな瓶をいただいてしまった!
今日は朝から「毎日のことこと」。
書きたいことが上ってきていたので、ぎゅっと集中した。
おかげで4時には、いいところまでできたみたい。
外の空気が吸いたくなって、屋上に上ってみるも、小雨が降っている。
ちょっと走ってみたのだけど、床が濡れていて滑ったり転んだりしたらいやだし、寒いので、ゆっくり歩いて2周だけ。
夜ごはんの前、ふと窓を見ると向いの建物の屋根に雪がうっすら積もっていた。
いつの間に?!
夜ごはんは、ロールキャベツのカレー、サラダ(白菜、人参、きゅうり、青じそ、ちりめんじゃこ、黒酢ドレッシング)。

●2022年1月1日(土)晴れ

新年、明けましておめでとうございます。
ゆうべは6年ぶり(7年ぶりかな?)に、「紅白歌合戦」をしっかり見た。
興味のない人が出てきたときだけ、チャンネルを変えたりしながら。
まったく知らない歌手やグループもたくさんいたのだけど、バンドの人たちが真面目に音楽をやっていて、とてもよかった。
朝早かったから眠くてたまらず、福山雅治さんの曲の途中でベッドに入った。
眠りこけないよう電気をつけたまま。
多分、12時ちょうどに、教会の鐘の音が本当に聞こえてきた。
カランコロンカランコロンカランコロン……
飛び起きて窓を開けると、「ヴォーーーーー」と、長くて太い汽笛が1回だけ響き渡った。
お腹に響くような低音。
おお!
今日子ちゃんとひろみさんが去年言っていた通り。
鐘の音も、汽笛もすぐに終わって静寂が戻った。
神戸の年越しは清々しいな。
枕もとのオレンジ色の絵に、「お母さん、明けましておめでとう」と声をかけ、安心して眠った。
今朝は6時半に起きた。
空の真ん中に細い細い三日月が光っている。
小雪が風に舞っている。
陽の出は厚い雲の間から。
小雪が舞い、光の粒がちらちらきらきら。
窓を開け、部屋に入れた。
朝ごはんはヨーグルト(ポンカン、バナナ)と紅茶だけ。
お昼を早めにして、元旦のごちそうを食べようと思うので。
お雑煮(白菜、大根、里芋、ほうれん草、焼いた丸餅)、帆立お刺身(柚子の絞り汁と薄口醤油でヅケにしておいた)&甘海老のお刺身、黒豆の薄甘煮、銀ダラの西京味噌漬け、伊達巻き、大根の紀ノ川漬け。
テレビを見たり、とりとめもなく掃除したり、暮れの日記を思い出しながら書いたりしている間に、もう暗くなってきた!
夜ごはんは、お正月のサラダ(白菜、人参、きゅうり、ハム、ホワイトアスパラの水煮、手作りマヨネーズ)、月見蕎麦(ゆうべの残りのかけ蕎麦に卵を落とした)。

いままでの日々ごはん

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