2023年     めにうへ

●2023年6月4日(日)晴れ

梅雨の晴れ間。
朝から、シーツやら布団カバーやら、大きな白いものを洗濯した。
今日は、「いたぎ家」さんの原稿を仕上げよう。
『帰ってきた 日々ごはん⑭』の3校ゲラも、きのう届いた。
私は文を書くことが楽しい。
私にとって書くことは、好きな世界を自分でこしらえ、その心地いい空気のなかで、ああでもないこうでもないといつまでも遊んでいるような感じなのかも。
4時。
書けた〜!
長い旅だった。
ようやくできたので、きのうのことを忘れないように書いておこう。
きのうは、「毎日のことこと」と、「いたぎ家」さんの原稿をせっせと書いていたら、文子さんからアペリティーボのお誘いがあった。
緑がさわさわとして、海も空も青く、それでもパソコンにずっと向かってがんばっていたから、文が途中でも行きたくなった。
冷凍しておいた黒豆と豚ロースの厚切り肉をもどしてあったので、即席塩豚を作り、フェイジョアーダみたいな煮込みにして、ひとりで食べようと思っていたのだけど。
煮込んでいるうちに甘みが出て、思っているのと違ってきたので、スパイスをたっぷり放り込んでカレーにした。
あと、ココナッツミルク入りのターメリックご飯。
文子さんとファビオの部屋は、本当にすごい。
夏みたいな光が広々と当たって、緑も海も空も、うちの部屋の何倍も光って見える。
私はビールを呑みながら、人の家なのにうっとりとしてしまう。
とちゅうで下りて、ご飯のスイッチを入れ、また戻ってきて、白ワインをごちそうになった。
ご飯が炊け、右腕に炊飯器の把手をハンドバックのように持ち、左腕には人参の塩もみサラダと、スイカの皮の塩もみ、香菜の入ったカゴをぶら下げ、階段をひとりで上っているとき、可笑しくなってきた。
そして、なんだか幸せだった。
ターメリックご飯は、ちょっと硬めに炊いたのが丁度いい具合だった。
文子さんがご飯の上にレーズンをのせ、デーツも添えてくれた。
黒豆、豚肉、ズッキーニの入ったサラサラのカレーと、ターメリックご飯、人参とスイカの皮のサラダ、みょうが&香菜のワンプレート。
ファビオが、「ベリーおいしい」と、何度も言いながら食べていて、嬉しかった。
そして、食べているときに、まん丸の大きな月が。
上に昇り、黄色く光るにつれ、月光の照り返しが、海にできた湖のようになっていた。
照り返しは、reflection。
夜景もいつもより光っていた。
大阪の方が宝石箱をひっくり返したみたいで、たまらなくなり、iPhoneで写真を撮った。
もうひとつ。
スイカの塩もみを食べたファビオから教わった、おじいさんがよく言っていたイタリア語。
ラングリア・ラ・サ・デ・スドラウン.
The watermelon's taste like cucumber.
「スイカはきゅうりと同じ味がする」
夜ごはんは、人参の塩もみサラダ(バルサミコ酢、オリーブオイル)、切り干し大根の味噌汁(落とし卵)、焼き納豆、ご飯。

●2023年6月2日(金)雨

ゆうべはけっこう雨が降っていた。
そして、何度もトイレに起きた。
朱実ちゃんが作った薬草茶がおいしくて、寝る前にも飲んだからだ。
体の中が洗われるようで、とてもいい感じ。
ピーピーマメ(カラスノエンドウ)、スギナ、ヨモギ……あとは、何が入っていると言っていたっけ。
北九州に行っていたとき、部屋の中に緑の髪の毛みたいなスギナが干してあり、清々しい匂いがしていた。
さて、今日も「いたぎ家」さんの原稿を書こう。
おとといから書きはじめたのが、いいところまできているので。
窓はまっ白。
雨と霧。
文を書く日和だ。
きのうは、夜ごはんを食べ終わって窓を開けたら、とてもいい匂いがした。
緑の葉の匂いに、六甲中で今咲いているジャスミンの香りが混ざり、海からのやわらかい風に運ばれてきているみたいだった。
そしてそのあと、めずらしく中野さんから電話があったのだった。
ツバメのヒナが巣から落ちるのをみつけ、中野さんが何度も巣に戻した話。
下に新聞紙を敷いているので、落ちたときにカサッという音がするのだそう。
朝かかってきた電話では、そこまでだったんだけど、電話を切ったそのあとで、また落ちて、巣に戻そうとした瞬間に飛び立ったこと。
まだ羽の生えそろってないヒナ。
尾羽も短くて、頭が大きく、雀みたいにぷっくりしたヒナが、パタパタと不器用に羽ばたき、風にも乗れずに飛んでいったときのこと。
電線に止まったツバメは、はじめて世界を見たように、キョロキョロと首を動かしていたそうだ。
中野さんは1時間ほど見守っていて、飛び立ったとたんに、向かいの家の隙間に落ちた。
探しにいったのだけど、みつからなくて、そのあと黒猫が出てきて。
学校から帰ってきたユウトク君とまた探しまわり、そしたら、お姉さんが「ツバメが私に何かを言いたがっているみたい」と言う。
2羽のツバメ(親ツバメだということがあとで分かった)のあとを追っていったら、中野家の雨樋にとまり、首を上下していて……中野さんが屋根に上るとヒナがいた。
羽がどこかに引っかかっているみたいだったのを、助け出したら、また飛び立ったこと。
今度は親鳥に挟まれて、必死で翼をバタバタさせて。
「飛び立ったときのヒナの顔が、忘れられません」
長い長い、ツバメ劇場。
私はそれを、ジャスミンの香りのなかで聞いていた。
さあ、私も自分の宿題をしよう。
まっすぐに雨が降っている。

ぐっとがんばり、七割方書けた。
あともう少し。
いちばん大事なところ。
小降りになってきたので、4時くらいに山の入り口まで散歩した。
薄い霧のなか、山から水がごうごうと流れていた。
夜ごはんは、鯖の糠炊き(北九州のスーパーで買った。おいしい!)、焼き茄子&焼きピーマン(ごま油、生姜、醤油)、スイカの皮の塩漬け、ホタルイカの沖漬け、グリーンアスパラ(アムとカトキチが送ってくれた)の味噌汁、ご飯。
7時。
霧に包まれた蒼の世界。
街はまったく見えない。

●2023年5月30日(火)雨のち曇り

ゆうべは雨の音を聞きながら寝た。
風もちょっと吹いていたみたい。
ガタガタして、子守唄みたいだった。
いろんな夢をみていた気がする。
6時に目覚め、「中学生の基礎英語1」。
今は小降りの雨。
霧も少し出ている。
それでも洗濯。
干すころにはすっかり上がっていた。
あちこちメールのお返事をして、歯医者さんへ。
雨上がりの坂を下りているとき、ムラサキシジミがふらふらと、前を行ったり後ろからついてきたり。
道案内をしているみたいだった。
薄紫色の、しじみの貝殻を開いたくらいの小さな蝶。
私は蝶のなかで、シジミチョウがいちばん好きかも。
緑が濃く濡れて、とても豊か。
今の時季は、あまり花を見かけない。
スズランみたいな釣り鐘状の、白い小さな花が枝にいくつも並んでいる木がある。
濃い緑の葉っぱ。
何の花だろう。
そしてこの季節の緑には、紫色がとてもよく似合う。
これは、吉祥寺に住んでいたころに、上水沿いの散歩道でよく思っていたこと。
この季節になると、毎年思い出すような気がする。
歯医者さんは、2ヶ月にいちどの歯石クリーニング。
ツルツルさっぱりとして、「コープさん」で軽く買い物し、汗をかきながらせっせと坂を上って帰ってきた。
ああ、お腹がすいた!
『らんまん』を見ながらお昼を食べ終わったら、『帰ってきた 日々ごはん⑭』の「おまけレシピ」。
残すところ、あと1品。
夜ごはんは、塩鯖のムニエル(ズッキーニ、トマト、バルサミコ酢)、かき玉スープ、太巻き(お昼の残り・「コープさん」の)。

●2023年5月29日(月)雨

ゆうべから雨。
私は8時に起きた。
大寝坊。
中野さんは6時半くらいに起きたみたい。
コーヒーをいれている音がしていた。
朝ごはんを食べ、雨が強くならないうちに、9時半くらいに帰っていった。
中野さんは金曜日から、車でいらしていた。
文子さんとファビオの部屋のカーテンができたので。
とりつけた夜は、ファビオがラグーを作ってくれた。
朝、ママに電話をしてレシピを聞いたのだそう。
スパゲティをゆでたのは文子さん。
ラグーは麺と合わせるのではなく、上にのせていた。
チーズもたっぷり。
おいしかったなあ。
文子さんが作ったレモンチキンと、鯵の南蛮漬け(紫玉ねぎ、トマト、スダチの輪切り)も、とってもおいしかった。
きのうはどこかにドライブに行きたくて、「神戸ゆかりの美術館」に行った。
帰りに、文子さんに教わった甲南漬けの小さな博物館へ。
お蕎麦を食べ、甲南漬けのお店に入ったら、ついこの間、転職したと聞いていた中野さんの友だちが働いていて、びっくり仰天。
買い物して帰り着き、4時くらいから窓辺でビール。
3泊だけだったけれど、なんだか1週間くらい一緒にいたみたいな感じがした。
今日からまた、ひとりの生活がはじまる。
まずは、『帰ってきた 日々ごはん⑭』の、「おまけレシピ」の原稿をひとつひとつ仕上げていこう。
午後になって、雨が本格的になってきた。
霧も出て、窓が白い。
近畿地方は、今日から梅雨入りしたのだそう。
夕方、今日子ちゃんから写真つきのメールが届いた。
うちのマンションは、霧に隠れて見えないのだそう。
夜ごはんは、サンラータン(ズッキーニ、トマト、おろし生姜、青唐辛子の麹漬け)、納豆そぼろのチャーハン。
窓を開けると、雨がまっすぐに、気持ちいいほど降っている。
緑は喜んでいるように見える。
こちらから見ると、街の方こそ霧に包まれ、オレンジ色の灯りだけがちらほらと透けている。

●2023年5月24日(水)晴れ、風強し

ゆらゆら眠って、7時に起きた。
よく眠ったのか、そうでもなかったのか分からないけれど、わりとスッキリ。
きのうは、日暮れ前に帰ってきた。
ああ、とても楽しい取材だったな。
龍神村は、想像以上に山深いところにあった。
大きな川の流れる渓谷沿いの山道を、うねうねと走った。
帰りは取材チームの車で、うちの前まで送っていただいた。
窓からいつも眺めている紀伊半島の海沿いを、西陽が光る海を眺めながら延々走って帰ってきた。
3時間半くらい?
家に着いたら、船に長いこと乗っていたみたいに、体がゆらゆらした。
とても遠いところから、帰ってきたという感じがした。
新幹線や電車とはまた違う移動。
車というのは、自転車の次に人の体に近いものなのかも。
移り変わる場を、景色を、体に取り込みながら移動していた。
取材原稿の締め切りはまだ先なので、ほかの仕事を終わらせてから、じっくり向かおうと思う。
あちこち掃除機をかけ、洗濯。
今日は、「きょうの料理」のエッセイを書こう。
4時過ぎに仕上げ、お送りした。
今は4時半。
海がやけに青いなあ。
今日は風が強かったからだろうか。
夜ごはんは、スパイシー・チキン(鶏肉から出てきた油でズッキーニとパプリカを焼き、器に取り出して、冷やご飯も炒めた。グリーンソース添え)。

●2023年5月23日(月)曇り

ゆうべは雨が降ったみたい。
道路が濡れている。
5時半に起きて、ラジオ。
「中学生の基礎英語1」。
朝風呂に浸かって、支度をする。
今日はこれから、和歌山県の龍神村に取材に出掛ける。
六甲道まではバスで、JRで大阪駅へ。
大阪駅から特別急行に乗って南部へ。
3時間くらいの道のり。
取材チームとは南部駅で合流し、そこからは車での移動。
今朝の天気予報も、萬木敏一さんだった。
気持ちがこもっているのに、風通しよく、爽やか。
森羅万象に対して、敬いの感覚を持ってらっしゃる。
そういうことが分かる声と言い方。
だから好きなんだな。
7時15分。
大阪駅での乗り換えが、なんとなくむずかしそう。
ちょっと早めに出よう。
では、行ってきます。
夜ごはんは、九州の棒ラーメン(小松菜、シナチク)。

●2023年5月21日(日)晴れ

7時半に起きた。
なんだかよく眠れなかったのは、きっと、新しいことが待っているから。
おとついは「きょうの料理」の撮影で、ちよじが泊まった。
中野さんも、つよしさんとの用事で木曜日から泊まりにきていて、金曜日はちよじと共に泊まった。
撮影のあと、廊下で山を仰ぎながらビールを呑んだり、窓辺に移ってからは中野さんがお肉やスッキーニを焼いてくれたり。
私は、ちよじに教わった体操をしているうちに、気持ちが悪くなったりもしたけれど(日本酒を呑んだあとだったので)、久しぶりに、3人で楽しい夜だった。
そしてきのうは、新神戸までタクシーでお見送り。
私と中野さんは、そのまま地下鉄で三宮に出て、元町やメリケンパーク、中華街まで歩いた。
土曜日の観光地はすごい人だったのに。
陽射しが強く、そのうちにふたりともクラクラしてきて、花隈公園で休み、中野さんは新開地方面、私は六甲方面へ。

今日は、ある雑誌の取材で、三宮の「いたぎ家」さんに行く。
長野君がご紹介くださった仕事。
「いたぎ家」さんは、「FARMSTAND」の小泉さんから「おいしくていい店ですよ」と薦められていて、ずっと前から行ってみたいと思っていたところ。
バスに乗って行けるのが、とっても嬉しい。
長野君とも久しぶりに会える。
あさっては、「いたぎ家」さん畑の取材で和歌山の龍神村というところに出掛ける。
原稿を書かなければならないから、緊張しつつもとても楽しみ。
これが、新しい仕事。
では、そろそろ出掛けよう。
今日も暑くなりそうだな。
日傘をさして行こう。

●2023年5月17日(水)晴れ

6時に起きた。
まだぼんやりしていたかったので、英語のラジオはつけない。
7時前、今朝の天気予報は、関西弁のニュアンスが残る、萬木(ゆるぎ)敏一さんだった。
気持ちがこもっていて、声も爽やかで、ラジオの天気予報士さんのなかでいちばん好きな方。
今日は夏日になるそうだ。
これまででいちばん気温が上がるのだそう。
「暑いようでしたら、ためらわずに、クーラーをつけてお過ごしください」
海には霞がかかっていて、空気まで白い。
朝から、小鳥たちがよく囀っていて、騒がしいほど。
今、あんまり大きな声が聞こえたので、2階に上ってみたら、もの干し台のてっぺんにとまっていた。
わ!窓から入ったんだ。
近くに寄ると、驚かせてしまうから、そっと踊り場からのぞいていた。
何の鳥だろう。
ヒヨドリくらいに大きいけれど、ヒヨドリではないみたい。
嘴が細く、長く、少し赤みがかっている?
尾羽が長めのスマートな鳥。
逆光でよく見えないけれど、翼の色は茶色?でも、お腹の方は違う色に見える。
あ、飛び立った!
向かいの建物の屋上のずっと先で、もう1羽が待っていた。
インターネットで調べてみた。
アカハラかも。
囀りは「キョロンキョロン チー。キャラン キャラン ツリー…と、2拍半の明るい声」と書いてある。
お腹はそれほど赤くなかったから、メスだろうか。
あさっては「きょうの料理」の撮影。
支度をひとつづつする。
クロスやエプロンのアイロンがけ。
仕入れのまとめ。
ビーなす(黄緑色の茄子)のイラストを描き、包丁も研いだ。
玄関を開けておけば、風が通るけれど、やっぱりこれまでで今日がいちばん暑いかも。
ちょっと、むわっとする暑さ。
4時を過ぎ、涼しい風が吹いてきた。
ふと窓を見ると、猛々しい緑。
もう、若葉ではない。
いつの間に、こんなに大人葉になったんだろう。
夜ごはんは、塩鯖のムニエル焼きトマト添え(にんにく、バルサミコ酢、バター)。

●2023年5月16日(火)晴れ

5時に起きた。
陽の出の前。
窓を開け、枕を窓の方に移動して目をつむっていた。
小鳥たちが騒がしい。
北九州から帰って、ようやく早起きできるようになった。
文子さんとファビオも言っていたけれど、このごろは陽の出の時刻がずいぶん早くなってきたのだな。
そしてもう、隣の建物に隠れてしまい、まったく見えない。
コーヒーを温め直し、またベッドに戻ってきて、「中学生の基礎英語1」。
ストーリーは去年とまったく違うのだけど、学習内容はほぼ同じなので、復習のつもりでただ聞いているだけ。
ふと気づいたのだけど、今日は、吉祥寺から神戸に荷物を送り出した日。
明日は、ここでの暮らしがはじまった日。
そうか、あの日からもう7年がたったのだな。
きのうで、『帰ってきた 日々ごはん⑭』の再校が終わったので、今日はアルバムのキャプションを書こう。
あと、買い物。
お昼の支度をしているとき、「ピチョピチョピチヨ」と囀りが聞こえた。
ラジオから聞こえているのかと思って、急いで窓辺に走ると、猫森に響くような大きな声。
そのあと、「ホーホケキョ」と鳴いていたから、ウグイスなんだと思う。
まだ鳴いている。
午後から買い物。
まず夙川に行って「成城石井」で軽く買い物、戻ってきて御影で下り、JAのお店で野菜を買い、阪神御影まで歩いてみた。
けっこう近いんだな。
阪神御影の「クラッセ」で、撮影の支度や「おまけレシピ」試作用の買い物。
バスに乗って六甲に戻ってきた。
「いかりスーパー」で足りないものを買い、タクシーで5時半に帰り着く。
ああ、お腹が空いた。
夜ごはんは、焼き厚揚げ(生姜醤油)、絹さやの薄甘煮、納豆(アカモク)、ゆかりおにぎり、切り干し大根の味噌汁。

●2023年5月14日(日)ぼんやりした晴れ、のち雨

きのうの夕方は、文子さんの焼いたパン(カンパーニュ・文子さんは「サワードゥ」と呼んでいた)と、芦屋のおいしいハム屋さん(今日子ちゃんに教わったところ)のプロシュートやパテ、コッパ・ディ・テスタ(いろいろな部位がモザイクみたいに集まった丸い大きなハム)、カリフラワーの丸焼きをごちそうになった。
ファビオが作ってくれたカクテルは、ルビー色のネグローニ(カンパリ、ベルモット、ジン、オレンジの皮)。
何もかもがおいしかった。
カリフラワーの丸焼きは、オリーブオイルを全体に塗って、オーブンで焼くのだそう。
丸のまま盛りつけてあるのを、食べたいだけめいめいナイフで切り取り、緑のソースをつけて食べた。
カリフラワーはやわらかすぎず、硬すぎず、芯のところまでおいしかった。
文子さんの緑のソースは、バジルやパクチーと、カシューナッツ、ヨーグルトをフードプロセッサーにかけて作るそうだけど、きのうのは、冷蔵庫に少しずつ残っていた緑の野菜を全部加えてみたんだそう。
セロリの葉、イタリアンパセリ、青じそ、パクチー、にんにく、カシューナッツ、ヨーグルト。
アンチョビも残っていたので、ちょっと。
すべてがうまく混ざって、ひとつになって、クリーミーでとってもおいしかった。
残りものは、英語で Left over(レフトオーバー)。
私はノートにメモをした。
小雨降るキッチンの窓からは、緑の青々とした匂いが入ってきていた。
リビングの大きな窓は、雨にけぶる白い街、海、空。
うちよりもはるかに、天上から見下ろしている感じ。
遠くの灯りが灯るころ、7時くらいに帰ってきた。
今朝はなんと、10時に起きた。
大寝坊。
朝ごはんを食べ、すぐに「あ」の絵本。
今、さわさわと音がして、お天気雨が降ってきた。
窓は真っ白。
本格的に降ってきた。
ちょっと寒い。
夜ごはんは、チキンコルマ(インドのカレーソースで)、茄子のなたね油焼き、卵焼き(チーズ入り)、塩トマト、豆苗。

●2023年5月13日(土)晴れ

7時ちょうどに起きた。
少しずつ、いつもの時間が戻ってきたみたい。
ゆうべは夜ごはんのあと、いい気になってポテトチップスを食べてしまったので、なんとなく胃が重たかった。
なので、朝ごはんはヨーグルトと紅茶だけ。
植物に水をあげていたら、タイムの鉢から、ムカデみたいなゲジゲジした虫が元気そうにはい出してきた。
慌ててシャベルとクマデではさみ、窓の外に放り投げた。
おお怖い。
でも、土の中には、そりゃあ虫がいるだろう。
洗濯物を干しながら、そよそよと風。
緑の葉が風にそよいで、裏返っている。
それで思い出した。
私たちは雨の日に、ひと晩だけ若松の街で外食をした。
やきとり屋さんから出てきたら、向かいの居酒屋の前で、おじさん、おばさんたちが20人くらい並んで、同窓会のあとの集合写真を撮っていた。
ガヤガヤと動いていた全員が、こちらを向いて、パッと花が開いたみたいな瞬間があった。
それは、撮影しているおじさんが、カメラのシャッターを押したときなのだけど、全員の顔から溢れ出ているものが、あまりにも同じだった。
それは、キラキラとした明るいもの。
陽の当たった、緑の葉っぱ1枚1枚がそよぎ、連なって、ひとつの大きな木になっているみたいだった。
その一瞬のあと、みんなバラバラになった。
私はとても感動した。
さあ今日は、きのうの続きの「あ」の絵本の仕上げをしよう。
ゆうべ、お風呂に入る前に、どうしてもやりたくなって、はじめてしまったのだ。

●2023年5月12日(金)晴れ

7時半に起きた。
まだまだ眠れる、と思いながら。
朱実ちゃんの家で過ごした時間は、どこかの国へ旅をしていたみたいだったから、時差ボケなんだと思う。
でも、やりたい仕事がたくさんあるから、エイッと起きた。
留守の間、フアビオと文子さんに世話をしてもらっていた植木が、元気になっている。
土もふわふわ。
なので、もっと陽当りのいいところに置こうと思い、きのうから2階の窓際へ移動した。
ここは本当に、サンルームのよう。
土もすぐに乾くので、朝と夕方の2回水をあげている。
これまで、かわいそうなことをしていたな。
あちこち掃除機をかけ、座卓を出して、今日からまた『帰ってきた 日々ごはん⑭』の再校正をはじめる。
樹君のCDをエンドレスで聞きながら。
午前中には、7月分が終わった。
窓を開けていると少し肌寒いけれど、よく晴れて風もなく、のほほんとした日。
小鳥の囀りのほかは、音がしない。
あとで、お昼ごはんを食べながら『らんまん』を見たら、アノニマの村上さんと、「きょうの料理」の千葉さんから電話がかかってくる予定。
4時ごろ、『帰ってきた 日々ごはん⑭』の校正は、9月までできた。
早めの夜ごはんは、絹さやの薄甘煮、納豆(あかもく、卵白、ねぎ)、味噌汁(茄子の皮、パプリカ)。
デザートは、ヨーグルトアイスクリーム(朱実ちゃんの友だちのマリリンに教わった)。
ごはんを食べ、2階の窓を開けた。
水色の空、水色の海、若々しい緑の葉。
チューイチューイと小鳥が鳴いている。

●2023年5月10日(水)晴れ

10時に起きた。
大寝坊。
ゆうべは11時には寝たのに、どうしても起きられなかった。
元気なのだけど、やっぱり体はくたびれていたのだな。
北九州からは、おとつい帰ってきて、中野さんはひと晩泊まった。
きのうは新開地までお見送りがてら、試作用の買い物をして帰ってきた。
楽しい、楽しい旅だった。
パソコンを持っていったのに、私はほとんど日記が書けなかった。
後半の2日間は、絵本のテキストをずっと書いていた。
朱実ちゃんとの絵本。
何年前にも日記に書いた、「あ」の絵本だ。
私がパソコンに向かっていると、隣の部屋では、樹君が延々とギターを練習していて、1階からは朱実ちゃんの笑い声が聞こえてきた。
いちど下りたら、中野さんがガラス戸の桟を塗ったり、ガラスに色を塗ったり。
朱実ちゃんはその様子を撮影していた。
しばらくしてまた下りたら、色を塗ったところに絵が削り出され、ステンドグラスみたいになっていた。
朱実ちゃんも描いたそう。
ほかにもいろいろな楽しいことがあったのに、やっぱり日記はほとんど書けなかったな。
私は、朱実ちゃんと樹君とあの家と、タヌちゃん(雌猫)、プリン(雄猫)、中野さんのおかげで、本当にゆっくりできた。
首の痛みがまったくないし、心も体もやわらかくなっている。
今日からようやく仕事モード。
連休前に提出した原稿の校正が戻ってくるので、それを、ひとつずつやっている。
来週の撮影の試作をしたいので、「コープさん」に足りないものを買いにいこうと思う。
風がそよそよ、とってもいい天気。
しっとりと汗をかいて帰ってきた。
夜ごはんは、ガパオとチキンカレーの合いがけごはん、塩トマト(若松の八百屋さんで買った)。

●2023年5月3日(水)快晴

7時15分に起きた。
朱実ちゃんと話していたら、朱実ちゃんが文子さんになっている夢をみた。
じわじわと変わるのではなく、声も体もパッと変わった。
朝ごはんは、樹食堂。
鯵の干物(樹君作)、鰯の丸干し、かぶおろし、ゆでブロッコリー、ハチクの木の芽みそ(朱実ちゃん作)和え、納豆、舞茸の味噌汁、玄米。
何を食べてもぜんぶおいしい。
3人でバスに乗って、戸畑駅へ。
街路樹は、ジャスミンだろうか。
シュロの木もある。
ここは、植物も暑さも神戸とはまったく違う。
南国の感じがする。
戸畑からは、電車で福津駅へ。
特別急行に乗ったら、東京の通勤電車のように混んでいた。
朱実ちゃんたちも、はじめてのことだそう。
恐るべしゴールデンウィーク。
赤間駅で、普通に乗り換えた。
電車は両方とも7分ずつ遅れていたけれど(九州では、電車の遅れはよくあることなのだそう)、ホームでアイスを食べたりしながら、のんびり向かった。
旅をしているみたい。
今日は、いよいよ「うらんたん文庫」で、中野さんの野外公開制作がある。
朱実ちゃんと樹君も参加するし、鎌倉から小野さんと洋子さんがいらっしゃる。
とても楽しみ。
公開制作は、「うらんたん文庫」の薮にできた、ぽっかりとした小さな広場のようなところで繰り広げられた。
入り口に、木の門が立ててあった。
門は観客の方を向いている。
そこに、中野さんが彫刻刀で彫りつけ、描く。
広場を取り囲む、少し低くなったところに、小野さんと洋子さんと3人で腰掛け、学さんが朝摘んでくれた、みずみずしいサクランボや、ヘビイチゴをつまみながら見た。
何が起こるか分からなくて、目を見張っていた。
小鳥の囀り、カラスの声、蜂の羽音、遠くから猫の鳴き声。
中野さんが彫る音。朱実ちゃんが薮を歩き、枝と遊ぶ音、こもったような歌声。
いろいろなところから届く、樹君のギター。
みかんの花の香り、蚊取り線香の匂い。
朱実ちゃんと樹君は、服装のせいもあるだろうけど……、熱帯雨林のどこかの国の原住民が、婚礼のための儀式を担っているみたいに見えてきた。
木の根元に朱実ちゃんが座って、ぐっと寄りかかった背中が見えたとき、木そのものになったみたいだったし。
そして広場は、がしゃむしゃの緑の屋根に覆われたお祈りの場のようでも、人の手で作られた、円形劇場のセットみたいにも見えた。
夜ごはんは、みんなで電車に乗って、隣の駅のうどん屋さんへ。
いろいろな日本酒と、いろいろなつまみ。
何を食べたのだっけ。
ぜんぶがとてもおいしかった。
最後は、うどんで〆。
明日もまた、公開制作の続きがある。
中野さんは「うらんたん文庫」の学さん、美由紀さんと、小野さんと洋子さんは博多のホテルに、私は朱実ちゃん、樹君と一緒に帰った。
同じクラスの友だちみたいに、「また、明日ね〜」といい合って、別れた。

●2023年5月2日(火)快晴

パソコンを持ってきたので、新幹線の中でこの日記を書いている。 
いいお天気。
窓からは緑の山が見える。
走っても走っても、どこもかしこも緑、緑。
小高い山、また山。
緑のなかに、ところどころ白っぽい色が見えるけれど、何の花が咲いているんだろう。
今、備前という文字が見えた。
きのう「MORIS」で偶然お会いした、陶芸家の森本さんは、この辺りに住んでらっしゃるんだろうか。
いいところだなあ。
いつか、行ってみたいな。
朱実ちゃんちの近所のバス停に着くのは、13時4分の予定。
前に、戸畑から若松まで、渡し船では行ったことがあるのだけど、バスははじめて。
さて、ひとりでたどり着けるだろうか。
それもまた楽しみ。
乗り遅れたら、また次のに乗ればいいんだから。
中野さんは今日、「うらんたん文庫」に移動するのだそう。
タッチ交替で、こんどは私が朱実ちゃんちに泊まる。
新幹線の窓からぼんやり景色を見ていると、昔のいろいろなことを思い出す。
暇だからというのもあるだろうけれど、行き過ぎる景色と、移動している体がそうさせるんだろうな。
情緒的というよりも、物理的なことでそうなるのかも。
広島を超えたら、山の色が変わった。
緑のなかに黄土色のような、茶色がかったぼわぼわとした植物がある。
きっと、生態系が違うのだ。
小倉からのバス停が分からなくて、スーツケースを持ったままうろうろし、予定のバスを逃してしまった!
けれど、次のバスで、3時前には朱実ちゃんちに到着した。
樹君はギターの練習。
せっかくいいお天気なので、朱実ちゃんとぶらぶら海の方まで歩く。
古い市場をのぞき、八百屋で長なすと空豆を、アーケードのベトナム食材店で生のピーナッツを買った。
海岸通りで、海を見ながらビール&ナッツ。
風が強くなってきたので、日暮れ前に帰ってきた。
夜ごはんは、囲炉裏を囲んで、焼き鳥などなど。砂肝、ささみ(ターメリック、コリアンダー、カルダモン、ヨーグルトで樹君がマリネしておいたもの)、椎茸、ししゃも、空豆、ベトナムのピーナッツ(鉄のフライパンを囲炉裏の端にのせ、箸でときどき炒りながらつまんだ)、ひよこ豆のディップ(文子さん作)&ゆでブロッコリー、ビール、赤ワイン。
何をしても、何を食べても、何を喋っても楽しくて、おいしい。

●2023年5月1日(月)晴れのち雨

5時過ぎに目覚め、「古楽の楽しみ」。
「中学生の基礎英語1」は、先週の再放送だった。
復習の復習のつもりで聞きながら、カーテンを開けると、ものすごくいいお天気。
白い橋のところに、サンフラワー号は到着しているけど、ファビオのフェリーはまだ見えない。
6時半くらいに窓を開けたら、文子さんがちょうど下の道を歩いていて、お迎えにいくところだった。
手を振り合う。
「おはよう〜」
「見える〜?」
「ううん、まだ。サンフラワー号は見えるんだけど」。
そのあとで、ファビオのフェリーをみつけた。
遠くの湾を通り過ぎていく。
ファビオはきっと、甲板に出ているだろうな。
早起きして、朝陽を見ただろうか。
私も明日から、北九州。
今日はまず、「気ぬけごはん」を仕上げてお送りしなければ。
あと、「六珈」さんにコーヒー豆を買いにいこう。
街は初夏の陽気だった。
うちの方とは、3度か4度くらい違うんじゃないだろうか。
帰りのタクシーの中で、灰色の雲が見えた。
帰り着き、しばらくすると雨。
あっという間に窓がまっ白。
天気予報の通りになった。
ゴールデンウィーク前にやらなければならない仕事は、すべて終わったのだけれど、パソコンを持っていこうかどうか迷っている。
日記も書きたいし、朱実ちゃんと絵本のことをしたいので。
夜ごはんは、大きな卵の海苔巻き(「いかりスーパー」の)、アボガド(文子さんにいただいた・ワサビ醤油)、ほうれん草のおひたし、ゆで大豆の味噌汁(缶詰のコーン)。

●2023年4月28日(金)晴れ

5時半に起きて「古楽の楽しみ」。
久しぶりに早起きができた。
このごろの陽の出は、隣の建物に隠れてしまっていてもう見えないのだな。
でも、ベッドに立ち上がって覗いたら、オレンジの光のすそが見えた。
このところ書き物仕事が忙しく、そしてなんだかやたらと眠たくて、二度寝の習慣がついていた。
きのうは9時まで寝ていた。
そして、カーテンを開けるといつも、緑のきらめきにハッ!と驚くのだ。
霧に包まれていた朝もあったし、雨の朝もあったけれど、緑はいつもみずみずしく、溌剌としていた。
文子さんがうちに来たときに聞いたのだけど、雨上がりの夕方、真っ正面の空に大きな虹が出たこともあるんだそう。
太くてまっすぐな虹は、海と繋がっていて、海に落ちる七色の滝のようだったそう。
私はその日、「毎日のことこと」をずっと書いていて、夕方に書き終え、ふと見ると西陽の当たった街が白く光っていた。
雲も茜色で、対岸に西陽が当たった建物があって、そこだけ線香花火みたいに光っていた。
その光がなくなるまで、2階の窓から見ていたのだけど、虹には気づかなかった。
海のまっ正面に出ていたんだそう。
「写真を撮った?」と聞くと、文子さんはそういうとき、じっと見ているだけで、写真のことなど忘れてしまうんだそう。
そうだよねえ。
気づけばもう金曜日。
今週はまったく日記が書けなかった。
あちこち緑、緑で、私は浮かれてしまい、毎日があっという間に過ぎていった。
ゴールデンウィーク前までに仕上げないとならない、書き物の宿題に向かっていたせいもあるけれど、日記のことを忘れていた。
ちょっと思い出して書いてみよう。
ハンカチを落とした次の日は、文子さんとファビオと「FARMSTAND」でランチを食べ、そのまま車で「コーナン」へ。
屋上の駐車場から私たちのマンションを眺め、「関西スーパー」で買い物をした。
帰ってきて、うちの冷蔵庫にあるものを持って文子さんたちの部屋におじゃまし、西陽の眩しい時間から、またアペリティーボ。
買ってきたばかりのオレンジワインを3人で。
次の日から私は、「毎日のことこと」を書きはじめたんだった。
明日から、福岡の「うらんたん文庫」で、中野さんの展覧会「はじまりのうた ぼくはうたう」がはじまる。
中野さんは今朝、新幹線で旅立った。
そして今夜、ファビオが六甲アイランドから阪九フェリーに乗って向かう。
日本語をほとんど話せないファビオが、展覧会を見たくて、ひとりで出かける。
はじめての日本ひとり旅。
私まで、どきどき。
でも、向こうに行けば中野さんもいるし、あさってはオープニングで朱実ちゃんと樹君が演奏するから、ふたりにも会える。
「うらんたん文庫」の美由紀さんは、福津駅からの言葉の道案内を、ファビオのために中野さん経由で送ってくださった。
船は8時出航だから、早めにお風呂に入って、六甲アイランドの白い橋のところを双眼鏡で見守ろうと思う。
夜ごはんは、アスパラガス、しいたけ、空豆のフリット、中華風アボガド奴、ひじき煮、ハイボール、おせんべい。
お風呂から出て窓を開け、うちの前を通り過ぎるまで見ていた。
阪九フェリーは、サンフラワー号みたいに出航のときに大きな汽笛を鳴らさないけれど、細長い光が、夜のなかを静かに進んでいく様子は厳かな感じがした。
前に、今日子ちゃんとひろみさんが大分に行ったときにもそうだったけれど、さっきまで一緒にいた人が、あの船のどこかの窓にいると思うと、もう、その人のことを懐かしんでいるような、愛しいような、胸が温かくなるような。

●2023年4月22日(土)快晴

今日もまた、風が強い。
朝から『帰ってきた 日々ごはん⑭』の校正の続き。
あと2ヶ月で終わる。
3時には終わり、ポストまで散歩。
そのまま「コープさん」へ。
若々しい緑でいっぱいだ。
帰り道、サツキの花の蜜を吸ったり、山を仰いだり。
坂の途中の家の白い壁に、木漏れ日が映って、きらきらしていた。
部屋に帰り着き、ハンカチを落としたことに気づく。
バスケットの上にかぶせておいたのが、風で飛ばされたんだと思う。
私は慌てて外に出て、今来た道をたどってみた。
すぐにみつかるかと思ったのだけど、ない。
けっきょく「コープさん」まで引き返し、また坂を上って帰ってきた。
どこにもない!
Disapper(ディサピアード)!
それにしても、風で飛ばされたときに、どうして気づけなかったんだろう。
サツキの花とか、緑の山とか、木漏れ日とかばかりに夢中になっていたからだ。
大好きなハンカチだったので、がっくり。
そして、とてもくたびれた。
海が青いな。
風が強いから、空気が澄んでいるのかな。
夜ごはんは、ちらし寿司(「コープさん」のばら寿司を買ってきて、ねぎとろをのせて食べた)、はんぺんのすまし汁、塩もみ人参のじゃこのっけ(酢、ごま油、薄口醤油)。

●2023年4月19日(水)降ったりやんだりの雨と霧

ゆうべは3時くらに目が覚め、カーテンを開けたら、糸のように細い三日月が出ていた。
太陽が昇るくらいの位置に。
空のずいぶん下の方だから、とても大きく。
そして、よく見ないとわからないくらいの細さ。白さ。
しばらく見ているうちに薄らいで、空にまぎれてしまった。
でも、もういちどよく見ると、やっぱりある。
新月が近いんだと思う。
今朝は、6時過ぎに起きた。
「中学生の基礎英語1」を聞き逃してしまった。
続きのレッスンを一通り聞いて、天気予報もニュースも聞いて、ようやく起きた。
パジャマのまま窓を開け、ぼんやり猫森の緑を見ていた。
すると、笑い声が聞こえ、中学生の男の子とギター(多分男の子が学校で使うものだと思う)をかついだ元気なお母さんが下の道を通り過ぎた。
ずいぶん遅れて、小学1年生(多分)の女の子が、重そうなランドセルをしょって、下を向きながらしぶしぶとついてきた。
そしたらお母さんが、女の子に向かって笑いながら声をかけて……その様子が可愛らしく、上からこっそりのぞいていた。
男の子も女の子も、この4月に入学したんだろうなあと思って。
そしたらなんと、ファビオが左側から登場し、ゆっくりと歩いてきた。 「ファビオ!」と声をかけたのだけど、小さな声だったから、届かなかったみたい。
ファビオはジョギングの帰りだろう。
ファビオもきっと、マンションに向かって歩きながら、この親子の様子を見ていただろうな。
そう思うと、とても嬉しかった。
きのうは、今日子ちゃんがレッスンで焼いたというケーキを、ホールで持ってきてくださった。
山羊のチーズで作ったチーズケーキ。
なので、ヒロミさんと3人で夜ごはんを食べた。
今日子ちゃんと一緒にハリッサを作り、ハーブのフリット&カリフラワーのフリット、鶏の中華風おかゆ(春キャベツを大きめに切って、一緒に煮た)。
山羊のチーズは、私ひとりでは食べきれないので、文子さんとファビオにおすそわけ。
メールをしたら、すぐに私の部屋に取りにきてくれた。
クリーム色のモッコウバラ(今日子ちゃんの庭の)もおすそわけ。
文子さんと話しながら、窓の向こうの霧が、風で流れていくのが見えた。
ふたりとも目が離せないのだけど、おしゃべりもしたくて。

さて、今日は2時から神戸新聞のインタビュー。
霧が晴れて、緑が見えてきた。
3時半くらいに終わって、大豆をゆでながら、「きょうの料理」の次回のメニューをまとまた。
霧がまた出てきた。
静かな夕方。
夜ごはんは、目玉焼き納豆(きのうヒロミさんに教えていただいた)のせご飯、ブロッコリーのじゃこ醤油(ごま油)、ゆで立て大豆とゆで汁の味噌汁、ふきの葉の自家製佃煮。

●2023年4月17日(月)晴れ

ゆうべは雨が降っていたみたい。
なんとなしに音を聞きながら寝ていた。
6時に起きて、英語のラジオ。
ほかの番組のレッスンも聞いて、7時に起きた。
10時半からは、裁縫箱の小さな撮影。
写していただいている間に、私は「となりのオハコ」レシピの仕上げ。
おかげで、宮下さんにお送りできた。
カメラマンと編集さんのタクシーに便乗し、六甲へ。
しばらく見ない間に、といっても、部屋にこもっていたのは3日くらいだと思うのだけど、さらにまた緑が増えていた。
このごろは日に日に伸びているんじゃないかな。
サツキも満開。
銀行や、コンビニでの支払いを済ませ、切らしているのにずっとがまんしていたヨーグルトと牛乳も買うことができた。
「MORIS」に向かおうと、踏切を渡り、甲南の方の山を見たら、ものすごく黄緑色。
こんなに黄色っぽい緑は、よっぽどの若葉だっていうこと。
今だけなんだろうと思うと、いてもたってもいられないような気持ち。
「MORIS」に着くと、今日子ちゃんとヒロミさんがちょうど出掛けるところで、本のサインを1冊だけし、3人で六甲道に向かって歩いたのも楽しかった。
ちょっと会わない間にも、おしゃべりしたいことがたまる。
目は痒いし、鼻もぐずぐずしてたいへんだけど、今は一年の間でいちばん気持ちのいい季節。
見ている間に伸びていく若緑。
目が離せない。
ウグイスの囀りもずいぶん上手になってきて、毎朝、涼やかな清水のような声が緑に響き渡る。
たっぷり買い物をして、帰りのタクシーの窓から六甲の山を仰いだ。
本当に、今しかない景色!
帰ったらまだ1時半だった。
遅いお昼ごはんを食べ(スーパーのコロッケ、おにぎり(おかかを混ぜたもの)、ブロッコリー(ごまダレ)、ふきと豆腐の薄味煮、ふきの葉の佃煮、切り干し大根の味噌汁)、先月分のレシートをまとめ、現金出納帳をつける。
そうだ。
今日はじめて見たのだけれど、六甲駅の巣にもツバメが帰ってきた。
夜ごはんは、ラーメン(ほうれん草、ゆで卵、ワカメ、シナチク、ねぎ)。

●2023年4月15日(土)雨のち曇り

ゆうべは目がかゆくて、夜中に目が覚めた。
黄砂のせいかな。
それからはなかなか寝つけず、二度寝して、寝坊した。
もう8時半!
きのうは、「となりのオハコ」の原稿を書き上げ、ビニールゴミを出しにいこうとしたら、トン、トンと階段を下りてくる音がして、ファビオにばったり会った。
これから文子さんと、「JA兵庫御影店」でお買い物し、お好み焼きを食べにいくとのこと。
私はさっき、また文子さんと一緒に「JA兵庫御影店」買い物したいなあと思ってメールをし、お返事を待っていたところだった。
「うちのリフリジエーターは今、カラッポ」と言うと、ファビオが「カラッポ、カラッポ」と繰り返し、気に入ってくれた。イタリア語みたいなんだそう。
そのあとでけっきょく、私も一緒に車に乗せてもらって、買い物&お好み焼きを食べにいくことになった。
住吉の住宅街にあるお好み焼き屋さん。
元気なお姉さん二人が、目の前で焼いてくれた。
豚天(塩で食べた)とねぎ焼きがおいしかったな。
ちょっと食べすぎたので、今朝はヨーグルト(甘夏、いちご)だけ。
そして今日はまた、夕方から文子さんとハリッサを一緒に作ることになっている。
4時半くらいにうちにいらっしゃる。
それまで、「となりのオハコ」の続きをがんばろう。
3時過ぎ、ひとまず書き上げ、宮下さんにお送りしたところ。
雨上がり、窓を開けるとみずみずしい緑の匂い。
さ、文子さんがいらっしゃるまで、レシピを書こう。
夜ごはんは、文子さん、ファビオと3人で。ハーブとラディッシュのフリット、しいたけのフリット、スパイシーシチュー(文子さん作・豚肉、玉ねぎ、じゃがいも、いんげん)&クスクス&ハリッサ、ハイボール、ワイン。

●2023年4月12日(水)雨、一時晴れ

6時に目覚めて英語のラジオを聞き、二度寝。
まだまだ寝ていられそうだったけど、8時に起きた。
小雨のなか、ウグイスが鳴いている。  
澄んだ水のような声。
とても上手に鳴いている。
窓を開けると、いろいろな色の若葉が雨に濡れながら揺れている。
葉っぱに水がしみ込んで、葉っぱの方から青々とした香りの粒を発散している。
ああ、いい匂いだな。
長袖のTシャツだけでは肌寒いので、カーディガンを羽織った。
さあ、今日から「となりのオハコ」の原稿を書きはじめよう。
お昼ごろに晴れ間が出てきた。
そしてまた、雨。
「となりのオハコ」は半分くらい書けた。
夜ごはんは、焼きそば(白菜、牛コマ切れ肉、きのこのオイスターソース風調味料)。

●2023年4月11日(火)薄い晴れ

ぐっすり眠って、7時半に起きた。
旅の洗濯物をたっぷり干していたら、強い風。
肌寒いけれど、海が青い。
小鳥たちが盛んにさえずっている。
聞いたことのない澄んだ声。
若いウグイスかな。
中野さんちからは、きのう4時15分の電車で帰ってきた。
タクシーがなかなか来なかったので、家に着いたのは6時過ぎ。
どうも顔がひりひりすると思ったら、私は陽に焼けていた。
ユウトク君たちが始業式から帰ってくるのを待って、お宮さんでまた野球をしたり、自転車で池に行ってサッカーをしたり。ぎりぎりまで遊んだから。
中野さんとソウリン君がふたりでサッカーをしている間、私はユウトク君と池の畔で遊んでいた。
遊ぶといっても、ふたり並んで池の中をのぞきこんでいただけ。
「小さい魚がおるなあ」とか、「5匹になった」とか、「あ、1匹になった」とか。
私「カメが首を出してる」「あ、また出した」とか。
私「水、冷たいかな」
ユ「触ってみてもいいで」とか。
ただそれだけなのに、いつまでもそうしていられそうだった。
楽しかったな。
中野さんちのまわりは今、生きものでいっぱい。
子どもたちはもちろん、セキセイインコのピー助もぐんぐん成長しているし、空き地にはクローバー、シロツメクサ、アカツメクサ、カラスノエンドウ、キツネノボタン、タンポポ、レンゲ。
親ツバメは夜になると、巣にかぶさって眠る。
部屋の中もまっ暗で、とても静かなのだけど、かえって生きものに囲まれている感じがした。

今日は、あちこち久しぶりに掃除機をかけた。
たまっていたメールのお返事と、思い出しながら日記を書いているうちに、もう5時。
うちの窓も、気づけば若緑でいっぱいだ。
夜ごはんは、肉じゃが(いつぞやのを温め直し、ゆでた絹さやを加えた)、ひじき煮とじゃこのすりごま和え、茎ワカメの佃煮(ヒロミさんにいただいた)、お粥。

●2023年4月9日(日)晴れ

明日から新学年なので、春休み最後の日。
6時45分に起きた。
(中野さんちは、生きものに囲まれているなあ)と思いながら寝ていた。
朝方に、いろんな夢をみた。
朝ごはんを食べ、9時半に中野さん、お姉さん、ソウリン君と4人でお肉屋さんへドライブ。
今日は庭でバーベキューをするので。
いろんな種類の牛肉、豚肉、レバー、味つけされたお肉、骨付きソーセージなどたっぷり買った。
揚げたてのコロッケも。
お昼ごはんのあと、お宮さんでサッカー、野球。
私はバットが苦手だと思い込んでいたのだけれど、以外と球が当たり、けっこう遠くまで飛んだ。
ボールがやわらかいから、気が楽。
なんだ、こんなに楽しいんじゃん。
3時くらいから炭を起こし、庭でバーベキュー。
お肉いろいろ、椎茸、長ねぎをタレにつけながら食べ、焼きおにぎりも食べてお腹いっぱい。
夕陽が沈むまで、ユウトク君、ソウリン君は、空き地で演芸会(変な顔をしたり、変な動きをしてふざけているところを私たちに見せる)。中野さんと私はビール。
大きなまん丸が、屋根に隠れるまで見ていた。
帰りのあぜ道で、「やさしい色のアマガエルがおるで」とソウリン君。
つかまえて、庭の池に逃がしてやった。 
カエルのつかまえ方で思い出した。
きのう、私が上から手をかぶせてつかまえようとしたら、「なおみさん、生きものをつかまえるときは、上からしたらだめです。下からそっと手を出すと、自分から乗ってきます」と中野さん。
何度教わっても、すぐに私は忘れてしまう。
このことは、人や物、出きごとに対しても同じだよなあと思うのだ。
夜、お風呂の前に、ユウトク君とお義兄さんとピー助に餌付け。

●2023年4月8日(土)晴れ

雨上がりの朝。
6時に起きて、英語のラジオ。
お昼過ぎの電車で、中野さん宅へ。
急に泊まりにいくことになった。
選挙は、木曜日のうちに不在者投票に行っておいたし。
ユウトク君とソウリン君の春休みに、すべり込みセーフ。
セキセイインコのピー助の餌付けが終わってしまう前に、ユウトク君があげるところを見たかったので。
週明けの月曜日が始業式で、ユウトク君は5年生、ソウリン君は2年生になる。
神戸電鉄の車窓は、青空に雲がぽっかり。
夏の雲みたいにくっきりしている。
淡いピンクの山ツツジが、とてもきれい。
電車の中は陽当りがよく、志染駅に停車していたとき、ふと、どこか外国を旅しているような気分になった。
とことこと、ゆっくり進む。
ユウトク君、ソウリン君、中野さんが車でお迎え。
スーパーでお姉さんに頼まれた買い物をした。
ココナッツミルクの缶詰がどうしてもみつからず、うろうろ。
二組に別れて探し、私とユウトク君がみつけた。
家に着いて、今年植えた庭の花やハーブを見ているとき、ピーちゃんのお墓の前にかがんでいるとき、お天気雨がぽつぽつ降った。
そして、裏口からいつものように入ろうとしたら、親ツバメが飛んできてエサをあげていた。
ツバメの雛は、孵ったばかり。
どうして分かるかというと、親がエサをやるたびに、ヒナがピャアピャア鳴くから。
台所の窓から声が聞こえるので、「いつの間に卵を生んだんやろ。ぜんぜん分からんかった」と、お姉さん。
「あ、あの子(親ツバメのこと)がまた来てる」と言っていたから、中野さんだけは気づいていた様子。
ゆうべ、孵ったのではないかとのこと。
ピー助は水色。
思ったよりもずっと大きくなっていた。
26日に鳥屋さんで買ったと聞いていたから、まだ2週間くらいしかたっていないのに、日に日に育っていったのだそう。
薄力粉と炭酸水を買いに、近所のスーパーへ。
寒いけれど、陽射しはたっぷり。レンゲ畑、クローバー畑に挟まれた道を自転車で走り抜けた。
きのうの取材のあと、北野のスパイス屋さんで買ったパパドを揚げたら、みんな大好きだった。
ユウトク君、ソウリン君は、揚げたてパパドを紙に包んで、私と中野さんは缶ビールを持って、沈みかけた夕陽をいつもの空き地に見にいった。
夜ごはんは、キーマカレー&タイカレー(お姉さん作。茄子、ゆで筍、しめじ、ミニトマト。お姉さんはいつも水1カップ分増やし、トリガラスープの素、砂糖、はちみつも少し多めに加えて作るのだそう。サラッとしているのにコクもあり、とてもおいしかった)、ディル、ルッコラの花、春菊のかき揚げ風フリットと椎茸のフリット(私作)。
夜、ピー助の餌付け。
ユウトク君の指にとまって、とても小さな声で鳴く。
ふだん鳴いているのとはまったく違う声。
甘えているのだそう。
お義兄さんがエサをあげると、カカカカと首を動かしてよく食べる。
私の肩にもとまって、なつっこい。
首筋の生え際あたりにもぐって、つついたり、噛んだりしている。
ピーちゃんは噛むと痛かったけれど、ピー助のはちっとも痛くない。
つかまっている足の指の温かさ、頭や体のほの温かさ。
小さくて儚いけれど、すごく生きている。

●2023年4月7日(金)雨

ゆうべから降り続いている雨。
しっかりとした雨。
6時に起きてラジオをつけた。
「中学生の基礎英語レベル1」「レベル2」、そして、英語だけしか話さない「中高生の基礎英語」。
クラシックの小さな番組、天気予報を聞いて、ニュースを聞くのがこのところの日課。
そのあと、これまではクラシックの好きな番組をやっていたのだけれど、4月から時間がずれた。
そのかわりに、ビジネスマン向けの英会話の番組がふたつある。
むずかしいので、この時間にお風呂に浸かって、身支度しながらまたラジオをつけて聞いている。
うすぼんやり分かったり、まったく分からなかったり。
なんとも英語三昧の朝。
それにしてもしっかりとした雨。
雨粒が窓に当たって、水族館みたいになっている。
霧も出ている。
雨の音しかしない。
いろいろな音がこもって聞こえる。
今朝いただいた文子さんからのメールには、「海の中にいるみたい」と書いてあった。
本当にその通り。
今日はこれから、「となりのオハコ」の取材で、三宮に出かける。
バスで行こうと思うのだけど。
雨雲レーダーで調べたら、そろそろ小雨になるようなのだけれど……10時を過ぎたら、家を出ようと思う。
夜ごはんは、味噌スープ(いつぞやのショートパスタ、ブロッコリー、豆腐、牛乳)。

●2023年4月5日(水)曇りのち雨

朝から「毎日のことこと」。
北九州でのことを書いている。
きのう、りうと風子に洗濯物を干してもらっている間、1時間ほど集中したおかげで、10時半には仕上げ、お送りすることができた。
締め切りに間に合った!
風子は4月から4年生。
大きな声で騒いだり、はしゃいだりしない子だった。
興味のあるものをじっとみつめ、淡々としている。
そして、言うことがおもしろい。
私の『神戸だより』の番組が気に入って、何度も見ているそうで、好きなシーンのナレーターの口まねをしたりして。
ほとんど暗記していて、びっくり。
朝ごはんに、ヨーグルトをクリーミーにするのをやりたいとか、ヤカンをのせて焼いたはちみつトーストが食べたいとか。
窓辺にちんまりと腰かけ、同じようにして食べていた。
りうによると、学校の成績はオールAとのこと。
お風呂から上がって、「風子の髪の毛は、いつもくしゃくしゃなの」と自分で言うので、からまっているところをクシでといてからドライヤーで乾かしてあげたら、シャンプーのCMみたいにサラサラになった。
それをすごく喜んで、きのうも出かける前に髪をとかし、ゴムで結んであげた。
ふたつで結んで髪飾りをつけたりするよりも、下の方でひとつに結ぶと、すごく可愛らしい。
あごと頬っぺたの線が出るからだろうか。
それに、生え際の初々しさといったら!
りうは、子どもたちに何でも自分でさせていて、あまりかまわない。
そういうのもいいなあと思うのだけど、私は自分の娘の髪をとかしたり、結んであげたりするのが夢だった。
そして、いちばん驚いたのは、りうも風子もものすごくよく食べること。
一日に5食。
うんちも日に3回出るんだそう。
よく食べ、よく笑い、体を動かし、ぐっすり眠る。
くったくのない母と娘。
誰に似たんだろう。
きのうは、六甲駅までバスに乗り、JRで須磨海岸に行った。
駅前で揚げもの(りうはざっくりしたパン粉のミンチカツ、風子はチーズコロッケ、私は玉ねぎ串カツ)を買い、海を見ながら揚げたてを食べた。
おにぎり(いかなごの釘煮)、白パンの卵サンド、ハンバーグの残りもぺろりと食べていた。
靴下をぬいで、私もりうも風子も砂浜で遊んだ。
りうと私が話し込んでいる間も、風子はひたすらきれいな貝殻を集めていた。
2時間くらい。
帰りもまたJRに乗って、私は三宮で下り、ふたりは新大阪に向かっていった。 「楽しくておいしくて気持ちのいい、むちゃいい旅だった!やば ありがとうみい。お弁当、ちょーいいの買った。牛タン弁当塩味 わたしと風子に1個ずつ。ウニカニいくら弁当、じーじ家と、とーとにお土産で1個づつ。あとは、本屋でわたしは流行の恋愛小説を 笑、風子は心理テストとポケモンのクイズを買ってゆっくりしてるとこー」と、りうからメールが届いたのだった。
今日は、海に霞がかかっている。
窓を開けると肌寒いけれど、閉めていれば長袖のTシャツで充分過ごせる。
ああ私、ようやくいつもの暮らしに戻ってきたみたい。
夜ごはんは、醤油ラーメン(ゆで卵、ちんげん菜)、ゆで小松菜(ひじき煮を和えた)。

●2023年4月3日(月)曇りのち晴れ

朝起きて、ラジオをつけたら、「中学生の英語講座レベル1」がちょうどはじまったところだった。
6時に起きることができた。
とても久しぶり。
今日から、新しいストーリーがはじまった。
今年もまた、最初のステップに戻って、復習のつもりで英語の学習を続けよう。
朝ドラも、今日が1回目。
そして今日は、りうが風子と茨城からやってくる。
風子に会うのも、はじめて。
どんな子だろう。
楽しみでならない。
さっき、神戸空港に着いたとメールがあったけれど、私は10時半に家を出て歯医者さんに行かなければならない。
そのあと八幡さまで落ち合い、「MORIS」へ。
なんと、今日子ちゃんがランチをごちそうしてくれる!
出かける前に、「毎日のことこと」の続きをがんばってやってしまおう。
今日子ちゃんのランチは、ベビーリーフと文旦のサラダ(梅酢)、コッテージパイ(マッシュポテトの下には合いびき肉と刻んだ牛肉、小さなレンコンもたくさん入っていた)、ノンアルコールの白ワイン。
コッテージパイは、お肉の部分がしつこくないのにこくがあり、マッシュポテトもふんわりねっとり。
いくらでもおかわりしてしまいそうだった。
ああ、おいしかったなあ。
軽く買い物をして帰り、夜ごはんを作りながら、窓辺でりうとビールを飲んだ。
そんな気はちっともしないのだけど、私たちは5年ぶりに会ったのだそう。
つもる話があちこちに飛びまわり、つまみはポールウィンナー、塩豆、「いかりスーパー」の海苔巻き2種(マグロ、鯛と大葉)。
夜ごはんは、煮込みハンバーグ(緑さんのレシピで)、ゆでブロッコリー、ご飯をひと皿盛りに。
今日子ちゃんのところで、ナイフとフォークをはじめて使った風子は、夜ごはんでもまた挑戦していた(主にフォークで食べていたけれど)。
順番にお風呂に入って、10時には寝た。
風子に「みいばあ」と呼ばれることが、うれしくも、いやでも、恥ずかしくもない普通の気持ち。
多分、スイセイと別れても、りうの子どもたちには、これからもずっと「みいばあ」と呼び続けられることだろう。
そのことは、じんわりとうれしいような。

●2023年4月2日(日)晴れのち曇り

きのうはひと月ぶりの整体。
早めに夜ごはんを食べ、顔だけ洗って、6時半にはベッドに入った。
ごはんのあと片づけをしている辺りから、体が熱っぽく、動くのがたいへんだった。
そのまま熱を帯びながら、沈み込むように眠り込んだ。
夜中に何度か目覚めたけれど、そのたびにまた眠りの方に引き込まれた。
今朝起きてみたら、体がやわらかくなっている。
北九州でちょっと無理をしてしまったので、首がカチカチだったのも、膝が痛かったのも、とても楽になった。
ほとんど治った。
すごいなあ。
さ、今日から「毎日のことこと」を書かないと。
明日は、りうが次女の風子を連れて泊まりにくるので、今のうちにもぐっておかないと。
窓辺に立つたびに、若緑が伸びていて驚く。
季節の方が早く、とてもついていけない。
でも、中野さんがいる間に、夙川にお花見に行けたし、その日の夕方には、文子さんとファビオと4人で、山桜を見ながらアペリティーボもできた。
楽しかったなあ。
夜ごはんは、フジッリ(ブロッコリーも一緒にゆで、文子さん作のラグーで和えた、パルミジャーノ)。

●2023年3月30日(木)晴れ

春爛漫。
桜も満開。
北九州ではいろいろな、たくさんの楽しいことがあって、向こうにいる間はまったく日記が書けなかった。
メモもとれなかった。
写真も、ほとんど撮れなかった。
帰ってきたのは、一昨日の夜だったのだけど、翌朝起きてみたら体がばらばらになっていた。
あちこち痛くて、大量の洗濯物を洗って干したらパタンと力つき、お昼寝。
そのあと、朱実ちゃんと作ろうとしている絵本のテキストに向かっていた。
はじめて書いたのは2015年(テキストに記録があった)。
この絵本が、また動き出した。
今日あたりからようやく、神戸に帰ってきたなあという感じがする。
荷物が届いたり、たまっていたメールのお返事を書いたり、掃除機をかけたり。
ひとつひとつやっている。
春は、なんだかめまぐるしい。
「オペレーション・テーブル」でのこと、忘れないうちに少しずつ書いていこうと思うのだけど、まだ無理みたい。
まわりの方が早くて、追いついていけてない。
今日はこれから、中野さんがいらっしゃる。
文子さんとファビオも、大阪のご実家から帰ってきたみたい。
夜ごはんは、穴子丼(森本さんが送ってくださった、備前の焼き穴子。ゆで小松菜、紅ショウガ、のり)、スナップえんどうの味噌汁。

●2023年3月22日(水)晴れ

6時半に目覚め、ラジオ。
もうとっくに明るくなっている。
このごろの陽の出は、6時くらい。
海の光もずいぶん変わってきた。
今日は、初夏のはじまりみたいな日。
これから気温がぐんぐん上がり、23度くらいになるのだそう。
ラジオからは邦楽が流れていて、それがぴったりののんきさ。
さて、少し早いけれど、美容院と図書館へ出かけよう。
桜はどんな具合かな。
神社のあたりで、小学生が坂を上ってきた。
工作がはみ出した袋を持ったりして、なんとなしにみんな荷物が多い。
明日から春休みなんだろうか。
マスクをはずしている。
大人たちも、マスクをはずして歩いている人の方が多い。
私もそのひとり。
こんな日がやってくるとは、去年はとても思えなかった。
桜は一分咲きくらいだった。
ユキヤナギが満開、レンギョウの黄色い花も満開、コブシも満開。
帰りに「MORIS」に寄った。
今日子ちゃんもヒロミさんも、とっても元気そうだった。
夜ごはんは、炊き込みご飯(油揚げ、しめじ、鶏胸肉)、味噌汁(スナップえんどう、油揚げ)、鶏胸肉のオイル焼き、出てきた油で小松菜を炒めた、人参サラダ(バルサミコ、オリーブオイル)。

●2023年3月21日(火)曇りのち雨

肌寒い朝。
今日は春分の日だそう。
しばらく坂を下りていないけれど、桜は咲いているだろうか。
なんとなく、静かな感じのする日。
でも、嵐の前の静けさのような感じもする。
きのうは、『帰ってきた 日々ごはん⑭』の粗校正をがんばり、あとひと月を残すところとなった。
早い夕方に、赤澤さんとのトークイベントのアーカイブ動画を見た。
窓辺でワインを飲みながら、にやにやしながら。
赤澤さんと会話が噛み合っていないところがあり、ぷっ!と吹き出したところがいくつかあった。
これは、いつもの私たちの感じ。
画面の中の私は、鼻水をすすってばかり。 「花粉症なので、鼻がぐずぐずしていてごめんなさい」と挨拶しておけばよかったな。
でも、私は思っていたよりも早口でなく、安心した。
今日もまた、『帰ってきた 日々ごはん⑭』の粗校正の続き。
23日(木)の朝に、北九州へ旅立つので、ゆるりゆるりと支度をしながら動こうと思う。
なんとなくお腹を壊しているみたい。
窓の外は霧で真っ白。
『帰ってきた 日々ごはん⑭』の校正は、4時くらいに終わった。
冬の日記がとてもよかった。
コロナのせいもあり、神戸に残ってひとりで迎えることになった大晦日の日記で終わる。 
大晦日の日記を読み終わったがとき、このところのいろいろな出来ごともぶじに着地し、しめやかに幕を閉じようとしているみたいな気持ちになった。
夜ごはんは、かき玉お粥(百合根、干し椎茸、おろし生姜)。

●2023年3月19日(日)晴れ

10時ちょっと前に起きた。
まだ眠れる、まだ眠れると思いながら、いくらでも眠れる感じだった。
朝風呂にゆっくりと浸かり、身繕いをして窓を開けると、文子さんが縦長の紙袋をふたつ抱え、どこかから帰ってきたところだった。
なんというタイミング。
嬉しくて、「おはよう〜」と手を振り合う。
文子さんは、焼きたてのバゲットがあったからと、「トレプチ」で私の分まで買ってきてくださった。
まだ温かいパンを受け取り、 バターをつけて朝ごはん。
ああ、おいしい!
きのうのトークイベントは、楽しかったな。
なんだか東京を思い出した。
赤澤さんといると、いつも小さな竜巻が起こる。
面食らいながらも、私はぐるぐると巻き込まれるままを楽しんだ。
トークのとき、私は少し、早口になっていたんじゃないだろうか。
イベントが終わって、阪急梅田の駅中の飲み屋さんで、ビール&ハイボール。
おいしいお刺身やレバ刺し、鰻の肝の炙り焼き、白子の天ぷら、カキフライ、ワサビ菜の甘酢和えなどいろいろいただいた。
阪急電車のホーム近くのカフェで、コーヒーとケーキを食べ、10時には六甲に帰ってきたのだけれど、週末の大阪は溢れんばかりの人の多さだった。
夜遅くに出歩くことも、めったになくなった私。
六甲駅に着いたら、静かで、暗くて、ほっとした。
ああここは、私の居場所だなあと思った。
お風呂に浸かってすぐに寝たのだけど、なかなか寝つけなかったのは、どこかが昂っていたんだと思う。
今日はすみずみまでよく晴れ、小鳥たちも盛んにさえずっている。
ツクピーツクピーとシジュウカラ。
風はひんやり、海が青い。
どこかから、花の香りが漂ってくる。
ああ、六甲はやっぱりいいところだなあ。
今日の仕事は、「となりのオハコ」と、「気ぬけごはん」の校正。
あとは何もしないことに決める。
夜ごはんは、ほうれん草の炒め物、味噌味のインスタントラーメン(白菜、ゆで卵)。

●2023年3月18日(土)小雨のち晴れ

ゆうべは3時くらいにいちど目が覚め、うとうとしながら雨の音を聞いていた。
また眠って、起きたら7時半だった。
寝坊した!
でも、今日のトークイベントは3時からだから、ゆっくり、ゆっくり。
雨だから洗濯もしないぞ。
10時くらいに朱実ちゃんから電話。
久しぶりにいろいろ話す。
主には北九州「オペレーション・テーブル」での3日間のイベントについて。
ああ、がぜん楽しみになってきた。
まだ席が空いているようなので、詳しくは、アノニマ・スタジオのHPをご覧ください。
『帰ってきた 日々ごはん⑭』の粗校正をやっていたら、晴れ間が出てきた。
雨の予報だった気がするけれど。
赤澤さんは、強力な晴れ女なのかも。
久しぶりに会えるのが、じんわりと嬉しい。
お昼を食べたら、のんびりと坂を下りよう。

●2023年3月17日(金)曇りのち雨

6時前に目覚め、「古楽の楽しみ」。
そして、英語のラジオ。
今朝は曇っていて、陽の出が見えない。
カーテンを開けたら、ファビオと文子さんが下の道を歩いていて、ちょうどうちの窓を見上げたところだった。
「おはよう〜」と、手を振り合う。
ふたりは朝のお散歩。
と、ここまで日記を書いていたら電話があり、文子さんがみりんを持ってきてくださることになった。
灘の酒粕で仕込んだ本みりんなのだそう。
お茶をしながら、30分ほどおしゃべり。
文子さんは車で出掛けていった。
そうそう。
きのうは、4時まで『帰ってきた 日々ごはん⑭』の粗校正をして、郵便局まで散歩した。
坂の途中の桜は、ほとんどの蕾がほころんで、ピンク色がのぞいていた。
龍の神社でお参り。
大きい方のお社で祈っているとき、ぽつん、ぽつんと雨が頭に当たった。
お天気雨が降ったということは、私の願いは天につながったということ。
ここにはまだ書けないけれど、おとついもきのうも神社でお祈りしていることがある。
そうか、叶いますように。
帰りは往きよりもさらに蕾が割れ、ピンクがたくさん。
ゆうべは雨が降ったようだけど、今日あたり、もしかしたら開きはじめているかも。
さて、今日もまた『帰ってきた 日々ごはん⑭』の粗校正の続きをやろう。
この巻は、2020年の7月から12月までの日記なのだけれど、いろいろなことを忘れていて驚く。
とくに、ひとりでいるときのことをすっかり忘れている。
中野さんの家族や、東京の友人たちと一緒にいたときのことはよく覚えているのだけど。
どういうことなんだろう。
明日は、赤澤さんとのトークイベントなので、今日は早めにお風呂に入って寝よう。
なんだか肌寒いし。
夜ごはんは、ひじき煮の白和え、人参の塩もみサラダ(ファビオのバルサミコ、オリーブオイル)、ごぼうと人参のサラダ(玉ねぎドレッシング、ねり辛子、マヨネーズ、ディル)、卵サンド(コッペパン)、豚汁スープ(いつぞやのに牛乳を加え、黒こしょう)。
夜になって雨。とても静かな雨。
今夜は、雨の音を聞きながら眠ろう。
文子さんとファビオも聞いているかな。

●2023年3月15日(水)晴れ

7時15分に起きた。
このところすっかり夜型になってしまい、朝寝坊が続いていた。
陽の出は見ていないけど、それでも少しずつ早起きできるようになったきた。
ゆうべは夜中に目が覚めてしまい、柱時計が1回から4回まで聞こえていた。
明け方、寝室に黒い煙が渦巻いていて、「出ていけー」「出ていけー」と私は叫んだ。
寝言を言うときの、言い方で。
ものすごく低い声が出ているのを自分で知りながら、大声で何度も、何度も。
怖かったけれど、それは私の不安の影だと分かりながら。
黒い煙はツヤがあり、長い毛を持った動物の尻尾みたいにうねっていた。
半分は夢うつつだったけど、多分本当に見え、声を出したのも現実だと思う。
消えていったのが分かり、疲れ切って、コトンと寝てしまった。
今朝はすみずみまでよく晴れ、窓を開けていても暖かい。
海は霞がかかり、洗濯物を干しているとき、太陽の下の海が広く平らに光っていた。
さざ波立って、細かく細かく光っている。
いつのころからか、もう鏡のようには光らなくなった。
季節は確かに動いているのだな。
さ、今日こそは、『帰ってきた 日々ごはん⑭』のパソコン内での粗校正をはじめよう。
そして午後からは、もしかしたら「MORISS」へ。
次の展覧会の設営のお手伝いに、馳せ参じるかも。
きのうのうちに眼科に行って、目薬をもらってきたおかげで、目の痒みが治まっているのもとてもありがたい。
「MORISS」から、6時くらいに帰ってきた。
坂の途中の桜の蕾はまん丸、六甲の交差点のハクモクレンの大木は、満開だった。
紫色の方は、ぼちぼち。
今日子ちゃんのお手伝い、さんざんおしゃべりし、そのあとで集中しながらひとつひとつの器を取り出していった。
口も体も思い切り動かして、楽しかったな。
作家さんの器を見ていたら、どうしても豚汁が食べたくなったので、ごぼうとコンニャクだけ買って帰ってきた。
夜ごはんは、豚汁(豚バラ肉、大根、人参、ごぼう、コンニャク、さつまあげ)、即席塩鮭、手作り昆布の佃煮、大根のキムチ、ご飯。

●2023年3月13日(月)曇りのち晴れ

ゆうべは雨と風の音を聞きながら寝た。
春の嵐のようだった。
今朝届いた文子さんのメールには、雷がゴロゴロ鳴って、稲妻も白く光っていたのだそう。
私は気づかなかったのだけど、冒険チックな夢をみていたのはそのせいだったのかも。
朝には雨が上がっていて、窓を開けたら寒くて驚いた。
コーヒーをひと口飲んで、ハーッとしたら、息が白かったもの。
そのうちに晴れ間が出て、中野さんは朝ごはんを食べ、10時半くらいに帰っていった。
お見送りしながら坂を下り、久しぶりに夏の小径を通って帰ってきた。
最後の坂が、ものすごく急に感じた。
文子さんにメールを送る。
「今日は、JA御影のキャベツで、ロールキャベツを作りたいなあと思います。ディルもあるし。
文子さんとファビオは、ロールキャベツが好きですか?
私のは、キャベツを2重に巻いた、あっさりめ。
少なめのスープ&キャベツから出る水分でコトコト煮ます。
残ったら、ホワイトソースとチーズでグラタンにしてもおいしいんです。
今日、夕ごはんでこしらえるので、よかったら、おしそわけします。
でも、うちには今、チキンブイヨン(私はマギーブイヨンを使っています)とバターがありません。
もしも文子さんのキッチンにあるようでしたら、お借りしてもよろしいですか?」
文子さんは、淡路島の玉ねぎや人参、セロリ、キャベツ、にんにくなどが入っている神戸産のパックのおだしと、バター(バターケースのまま)を持ってきてくださった。
2時半からは、アノニマの村上さんと『帰ってきた 日々ごはん⑭』についての打ち合わせ。
ロールキャベツを久しぶりに作った。
今、煮込んでいるところ。
6時前に、ファビオと文子さんがお鍋を持参でやってきた。
しばしおしゃべり。
夜ごはんは、ロールキャベツ、ひじき煮(いつぞやの)、納豆(卵)、切り干し大根の味噌汁。
ロールキャベツがとてもジューシーに、おいしくできた。
お肉がふわふわなのは、豚ひき肉150gに、牛コマ切れ肉を細かく切ったのを150g加えたからかも。
ディルを刻み、スタッフィングに加えて練ったのもよかった。

●2023年3月11日(土)晴れ

今朝はきのうよりも、さらに暖かい。
そして私は、一昨日あたりから鼻がぐすぐす、目も痒い。
今年もまた花粉症の季節がやってきた。
もしかして治ったのかも……と楽観していたのだけど、そんなことはなかった。
さて、今日から私は、『帰ってきた 日々ごはん⑭』の粗校正をはじめよう。
夕方には中野さんがいらっしゃる予定。
けれど、『帰ってきた 日々ごはん⑭』はファイルを正しく開けられず、けっきょく校正はできず仕舞。
週末なのだから休みなさい、ということかも。
きのうは「Happy Friday!」だったのだし。
あちこち掃除をし、文旦の皮で今、マーマレードを作っているところ。
部屋じゅうがいいにおい。
今日は初夏のように暖かく、玄関を網戸にしているくらい。
早い夕方に、「スペース草」から中野さんが帰ってらした。
夜ごはんは、ポークソテー(ワサビバター醤油ソース)、ルッコラ(ファビオの実家のバルサミコ、オリーブオイル、塩)、かぶと油揚げの甘辛煮、大根キムチ。

●2023年3月10日(金)晴れ

午前中は「となりのオハコ」のデザインが上がってきたので確認し、宮下さんとお電話。
そして、「毎日のことこと」の校正。
2時にピンポンが鳴って、文子さんとお買い物。
「JA兵庫御影店」というところに、車で連れていってくださった。
そこは、小さな「道の駅」みたいなところ。
兵庫県産の野菜や果物はもちろん、神戸ポークや神戸牛もある。
私はルッコラ、蕪、ニラ、ほうれん草、キャベツ、玉ねぎ、じゃがいも、苺、神戸ポークの厚切りロース肉を買った。
ステーキ用の赤身もとてもおいしそうで、値段も手ごろなものがあったのだけど、ぐっと我慢。
そのあとで「MORIS」に寄り、ひろみさんと今日子ちゃんに文子さんをご紹介した。
「六珈」さんにも寄った(文子さんとファビオは、すでに何度かコーヒーを飲みにきていたそう)。
帰ってからつまみをささっと支度して、お盆にのせ、またふたりの部屋でアペリティーボ。
玄関のドアを開けた途端、文子さんはスマホを手にすごく真剣な顔をしてらした。
「なおみさん、早く早く、入ってください。夕陽が沈むところやから、今ちょうど電話しようとしていたところやねん!」と迎えてくださった。
キッチンではレモンチキン&ポテトの焼けるいい匂い。
コンロの前に立って窓を見ると、山だけでなく神戸の湾まで見渡せる。
私はそこに腰掛け、ビールをごちそうになった。
「Happy Friday!」と乾杯。
文子さんのサラダは、新たまねぎ&セロリの薄切りとラディッシュの細切りの甘酸っぱいサラダ(米酢とメープルシロップで和えたそう)。
私が持っていったのは、大根とかぶのアルザス風サラダ(おろしにんにく、ディル、レモン汁、オリーブオイル)、ワカメのだし浸し(生姜のせん切り)、甘くないひじき煮(いつぞやの)、ゆうべ作っておいた牡蠣の酒炒り(器に盛りつけてから、オリーブオイルをかけた)。
ブリーチーズ&バゲットと、メインは文子さんのレモンチキン&ポテト。
手羽元6本はレモン汁2個分を搾って、朝のうちからマリネしておいたそう(搾り入れたレモンの皮もいっしょに、塩もしっかりめに)。
皮つきのじゃがいも(セイロで蒸したものを、皮ごとくし型切りに)と共に、オリーブオイルをたっぷり敷いた深めのフライパンでホイルをかぶせながら、じりじりと蒸し焼きしてらした。
チキンもじゃがいもも、まわりがカリッと焼けて、すっごくおいしかった。
みんな手羽元の軟骨まで、きれいにかじって食べた。
私は小さなノートを持っていき、聞いたことのない単語や、忘れたくないフレーズをメモした。
そして、8時に帰ってきた。
楽しかったなあ。

●2023年3月8日(水)ぼんやりした晴れ

今、気づいたのだけど、日めくりカレンダーが7日のままになっていた。
祭壇の水も替えていなかった。
ごめんね、お母さん。
きのうの朝、中野さんが帰ってから、「気ぬけごはん」をずっと書いていた。
本当は今日が締め切りだったのだけど、明日に伸ばしていただいた。
奇数の月は連載の原稿が3つ重なるから、早め早めに書きはじめていたのだけれど。
でも、「となりのオハコ」も「毎日のことこと」も、ぶじに仕上げることができてよかった。
中野さんが泊まっている間、朝ごはんを食べたら、10時過ぎに中野さんは出かけ、私は家でずっと原稿を書いていた。
夜になると帰ってきて、遅い夜ごはん。
1日目はハンバーグを作り(私は先に食べておいた)、2日目は寒かったので、白菜のミルフィーユ鍋にした。
6日はちらし寿司をこしらえて、10時すぎに私も一緒に出かけ、「スペース草」の陽子さんと3人でお昼に食べた。
ファビオと文子さんにも、おすそわけした。
その日は、鎌倉から小野さんと洋子さんがいらっしゃり、「スペース草」で待ち合わせをして、夕方から梅田にある和食のお店でごはんを食べた。
丁寧にこしらえられた料理が、ひとつひとつ出てきて、小野さんが見立ててくださったおいしい日本酒といただいた。
ああ、本当においしかったな。
小野さんたちがいらっしゃる前、「スペース草」の周辺を、あてもなく散歩したのも楽しかった。
あちこちで椿の花が咲いていた。
大きな池のある公園には鴨や亀がいて、コンクリートの橋桁のところで、子亀が3匹甲羅干しをしているのを中野さんがみつけたり。
その亀は、首のところに赤いスジのある、ミシシッピーアカスジガメだそう(ユウトク君に教わったらしい)。
もうじき5時。
「気ぬけごはん」は、ずいぶん書けたみたい。
明日、仕上げをして、島崎さんにお送りしよう。
さっき、アノニマの村上さんから連絡があったのだけど、去年の11月に銀座の無印良品で開いた、スイセイとのトークイベントの動画の公開が、今日からはじまったそうです。
私とスイセイの現在の境地。
みなさんに見ていただけたら、とても嬉しく思います。
詳しくは「ちかごろの」をご覧ください。
夜ごはんは、スナップえんどうの卵焼き、ベーコンとアンチョビとブロッコリーのフジッリ(いつぞやの残りに菜の花と牛乳を加え、温め直した)。

●2023年3月2日(木)

ゆうべはベッドに入った途端、ことんと寝てしまった。
夜中に目が覚めたら、ものすごい大風だった。
びゅーびゅーごーごーがらがらびゅんびゅん。
ずっと止まなかった。
私は半分寝ぼけたまま眠っていて、首の痛みがなく寝返りを打てるのを、あれ?あれ?と思いながら、柱時計の音は1回から4回まで聞こえていた。
朝起きたら、首の張りがまったくない。
痛みもない!
朝から「となりのオハコ」のレシピの仕上げ。
10時半に税理士さんがいらっしゃった。
小1時間ほど説明を聞いたり、分からないことを質問したり。
今年の確定申告は、税理士さんがパソコンで書類を提出してくださることになった。
間違えて覚えていたことや、記録をしておくべきことなどいろいろ教わったので、紙にまとめた。
また、新たな気持ちで、ひとつひとつ記録をしておこう。
新年度から、間違わないようにしなければ。
午後からは、えんどう豆をゆでながら、レシピの続きを仕上げ、宮下さんにお送りした。
今は、にんにく、しょうが、粒こしょう、カルダモン、赤唐辛子(はちみつ屋さんのしんちゃんの出店で買った)をすり鉢でつぶし、クミンと共にみじん切りの玉ねぎと炒め、カレーを作っているところ。
赤唐辛子は小鍋でゆで、やわらかくしてからすり鉢でつぶした。
コリアンダー、ターメリック、チリパウダー、パプリカ、クミンパウダーしか加えてないのに、驚くほど辛い。
辛いスパイスは何も入れてないのに。
多分、赤唐辛子のせいだと思う。
3本だけで、こんなに辛くなるのか。
ゆで汁も加えたから? 
パプリカも加え、煮込んでいるところ。
めちゃくちゃいい香り。
ファビオはお豆のカレーが好きだと言っていたから。
おいしくできたら、おすそわけしようと思う。
夜ごはんは、えんどう豆のカレー(パプリカ、ミニトマト)、ゆで卵、かぶの甘酢漬け。
夜、文子さんがお鍋を手にカレーをもらいにきてくださった。
お茶をいれ、しばしおしゃべり。
お互い普段着のまま。いろんな話を。大笑いしながら。
こういうの、夢だった。
明日から中野さんが泊まりにくるのも楽しみ(豊中の「スペース草」で、展覧会が開かれるので)。
そうだ。
料理本を長年一緒に作ってきた編集者の赤澤かおりさんと、それぞれの新刊発売を記念して、トークイベントを開くことになりました。
3月18日(土)15時から16時半。「MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店」。
詳しくは、「ちかごろの」をご覧ください。

●2023年3月1日(水)晴れ

今朝の陽の出は、昇りはじめ、光がふたつあった。
どうしてだろうと思いながら見ていたのだけど、多分、枯れ木の小枝に挟まれるように出はじめたから。
このごろは、陽の出時刻がずいぶん早くなった。
そして場所も、移り変わった。
今朝は「古楽の楽しみ」の後半を聞き、ラジオの英語学習も聞くことができた。
どちらもものすごく久しぶり。
冬の間は暗くて起きられなかったから。
今日から3月。
薄めのセーターで、窓を開けていても寒くない。
おとついは、文子さんから「今日もいいお天気。17時辺り、もしもお時間よろしければ一緒に夕陽を見ながらアペリティーボいかがです?」とメールが届き、キッチンで赤ワインをごちそうになった。
つまみはスペインの生ハム&サラミとブルスケッタ(パンににんにくをすり込み、オリーブオイルを塗ってフライパンでカリッと焼いてあった)。
国産チーズの盛り合わせ(ファーマーズ・マーケットで買ったのだそう)。
あと、グリーンピースとじゃこの小さくて丸いおにぎり。
軽い食前酒のつもりが、文子さんとファビオとのおしゃべりが楽しく、気づけば9時。
夜でもすぐに部屋に帰ってこられる幸せ。
楽しい人たちが引っ越してきて、私は本当にうれしい。
今日は、整体。
ちょっと早めに出て「MORIS」に寄り、今日子ちゃんとひろみさんに会ってから、隣町の図書館に行こうと思う。
きっと整体を受けたあとは、体がふわふわとして、何もしたくなるだろうから。
それにしてもいいお天気。
なんだか空気が軽やか。

4時くらいに帰ってきた。
ほわ〜んというより、ふわふわしている。
体が大きくなり、ぼんやりと広がっているような感じ。
前のときよりも動けるので、あちこち寄って買い物をして帰ってきたのだけれど、夜ごはんの支度をしていたら、熱で包まれているような感じになった。
眠たい。
ゆっくりとしか動けない。
それでもごはんを食べ、顔だけ洗って、8時半にはベッドへ。
夜ごはんは、あなご寿司(「コープさん」の)、小松菜とじゃこの鍋蒸らし炒め(いつぞやの)、蕪の甘酢漬け(いつぞやの)、味噌汁(切り干し大根、コーン)。

●2023年2月26日(日)晴れたり曇ったり、ときどき小雪。

今朝も陽の出を見ることができた。
6時40分くらいだったかな、山と雲の間からオレンジの光が見え、じりじりと昇って雲の上から顔を出した。
朝陽に照らされ、雪の粉が光りながら舞っていた。
きらきらちかちか。
そのうち風花になった。
きのうの朝、洗濯物を干しながら、6階に引っ越してきたご夫婦のことを考えていた。
一緒にファーマーズ・マーケットに行きたいなあ、でも突然誘いにいったりしたら、おかしいだろうか……するとピンポンが鳴って、ふたりが挨拶にいらしたのだった。
ちゃんとお会いするのはじめて(下見をされているとき、私から声をかけた)。
彼らは先週の金曜日に引っ越してきた。
私はそれを、心待ちにしていたのです。
ああ私、日本語がおかしくなっている。
ゆうべも寝ながら、頭の中は英語でいっぱい。ぐるぐるしていた。
ニューヨークに長いこと住んでいた、大阪出身の文子さんと、イタリア人のファビオ。
きのうの朝は、おふたりを招き入れて部屋の中を案内し、お茶をし、そのあと私はひとりで六甲道のファーマーズ・マーケットへ(彼らは先週行ったそうなので)。
帰りに「MORIS」に寄って、彼らが挨拶にきてくださったことを報告。
帰ってきて、心を落ち着かせるためにあちこち掃除機をかけた。
太陽が傾きはじめ、空の色が移り変わって、いてもたってもいられずに文子さんにメールをした。
「よろしかったら、晩ごはんを一緒にいかがですか?」
「うわ〜 ぜひ、晩ごはんをご一緒させてもらいたいです」
「わー やったー!今、上に上ってもいいですか?」
「Yes!Please!! 夕日が綺麗です!」
私はすぐに階段を駆け上り、今にも山に沈もうとしている夕陽をキッチンの窓から見せていただいた。
わあ、こんなふうに見えるんだ!
裏山がとても近く、いい匂いがする!
文子さんがハイボールを作ってくださり(レモンの皮が浮かんでいた)、おふたりの引っ越しと、夕方の空に乾杯し、私の部屋に3人で下りた
何を作ったか、思い出しながらここに書いてみます。
豆苗のクミンシード入りタヒーナソース(サンのお店「ホーキ星」のオリジナル・ビン詰め)和え、生ゆば(ファーマーズ・マーケットの。ワサビ、塩、オリーブオイルをつけて食べた)、かぶとかぶの葉のオイル蒸し(米油、塩・ファビオの実家で作っているバルサミコを、ちょっとつけて食べてみた)、枝豆入りさつま揚げ(ファーマーズ・マーケットで買ったのをフライパンで炙った。ふたりは「フィッシュケーキ」と呼んでいた)、ビール。
そして、スパゲッティ・マーレ・エ・モンティ(海と山のスパゲティ・アンチョビ、ベーコン、にんにく、唐辛子、野性的な菜の花)。
この名前は、ファビオがつけてくれた。
ファビオの英語はとても分かりやすく、聞いているとほとんど意味が分かる(気がする)。
文子さんは日本語が混ざった英語を話し(多分私のために)、ときどき通訳をしてくれる。
私の口(体)は、英語を話したくてたまらないのに、脳みそが混乱し、日本語さえもカタコトになり、英単語と日本語でしゃべった。
でも、楽しかったなあ。

さて、今日はこれから宮下さんがいらっしゃり、「となりのオハコ」の打ち合わせ。
エッセイの原稿とレシピをもとに、写真を選んだり、ページづくりをしたりする予定。
お昼を一緒に食べよう。
サフランライス(無農薬の柚子の皮をむき、加えて炊いてみた)、ガパオ(合いびき肉、玉ねぎ、トマト、カレーリーフ、赤唐辛子、ナンプラー、オイスターソース、砂糖、バジルペースト)、チキンカレー(いつぞやのに蕪をゆでて加えた)、赤玉ねぎ、イタリアンパセリ。
夜ごはんはなし。
お昼が遅かったし、宮下さんのお土産のりんごのタルトと、タルトタタンをいただいたので。
それに、夕方にまた文子さんをお呼びして(サフランライスとガパオとカレーをおすそわけした)、3人で軽くビールを呑んだので。

●2023年2月24日(金)曇りのち雨

朝は雲が厚く、太陽が見えなかった。
空も海も街も白灰色。
今は雨、霧も出てきたみたい。
街から見たらうちのマンションは、霧の中に隠れているんだろうな。
こんな日は、書き物日和。
「となりのオハコ」のエッセイの続きに向かおう。
午後にはだいたい書けた模様。
よしこさんの写真を見ながら、レシピ書きもした。
雪が降りそうに寒い。
上着を着、足下にストーブをつけて頑張る。
3月の初旬は、連載原稿の締め切りが3つ重なるから、集中して頑張った。
おかげで、背中と首がこりこり。
4時には終わり、しばらく休んでいた現金出納帳をつけた。
今日は、7時から『おさるのジョージ』だ。
夜ごはんは、リガトーニ(小松菜とソーセージをオイル蒸しにして、イイダコのトマトソース煮の残りを加え、ピザ用チーズと共に和えた)、白菜とコーンのサラダ(玉ねぎドレッシング)。

●2023年2月21日(火)快晴

朝、窓を開けたら、向かいの建物の屋上の隅に、雪の粉の吹きだまりができていた。 
ほんのちょっとだけ。
目をこらすと、そこかしこに光の粉が舞っている。
ちらちらちかちか。
雪の粉だ。
先週の土曜日の夕方から、中野さんがいらしていた。
とっても久しぶり。
窓辺でスペインのワインを呑んだり、カキフライを作って食べたり、イイダコのトマトパスタを作って食べたり。
日曜日の朝、ユウトク君のインコのピーちゃんが死んでしまったという連絡が届き、きのうの朝、中野さんは帰っていった。
ユウトク君とソウリン君が学校から帰ってきたとき、家にいられるように。
私は、その日の朝から、稲葉先生とのトークイベント(去年の夏に青山で開いた)のテキスト校正の続き。
そして、「となりのオハコ」の原稿も書きはじめた。
今日は、またはじめから新しい気持ちで続きを書こう。
まずは掃除機をかけて、部屋をすっきりさせてから。
宮下さんからメールをいただいたのだけど、京都は今日は、雪景色なのだそう。
ぼた雪が降っているのだそう。
そうか、そんなに陽気が違うんだな。
洗濯物を干しているとき、お天気雪が舞っていた。
風花なのかな。
盛大に舞っていた。
海もまた銀色にさざ波立ち、盛大に光っている。
さ、そろそろ向かおう。
夜ごはんは、しめ鯖のお寿司(柚子こしょう)、白菜と油揚げの煮物、味噌汁(豆腐、油揚げ、豆苗)。

●2023年2月17日(金)快晴

7時半に起きた。
ゆうべはカーテンを少し開けて寝たから、光が入ってきて、自然に目が覚めた。
このごろは暗いし、寒いしで、ちゃんと起きられない日が続いていた。
そうすると自然と夜更かしになって、夜型の人みたいになっていた。
図書館で借りた『シェル・コレクター』という本がおもしろくて、気づくと12時になっていたり。
このとところ、毎朝胃がもたれていたのも、関係があるのかな。
今朝はすっきり。
そして、暖かい。
『シェル・コレクター』は、『すべての見えない光』と同じ著者の短編集。
言葉がとても多く、読んでいると早口になる(声に出しているわけではないから、早読み?)。
でも、ひとつひとつの物語の世界が色濃く、何度も繰り返し読みたくなる。
今朝は午前中に出掛けるので、「朝ドラ」を見ておいた。
今、いいところなので。
舞ちゃんとタカシくん、よかったなあ。
あちこち掃除機をかけ、そろそろ出掛けよう。
図書館にも行くつもり。
またホウジロに会いたくて、「コープさん」の近くの民家まで遠まわりしてみたのだけど、家の人が玄関先で立ち話をしていて、小鳥はいなかった。
図書館ではまた英語の絵本を借りてきた。
今度は、ジョン・バーニンガムスの『ALDO』。
『シェル・コレクター』も延長で借りてきた。
続きを読んでみて、どうしても欲しくなったら、アマゾンに注文しようと思う。
夜ごはんは、いつぞやの春雨炒め(豚コマ切れ肉とセロリ)にほうれん草を加えて炒め直した、玄米おにぎり(スーパーの)、鯵フライ(スーパーの)、味噌汁(蕪と蕪の葉)。
明日は3回目の「おはこレシピ」の取材。
朝早いので、早めにベッドに入ろう。

●2023年2月14日(火)曇り時々晴れ、一時雪

ゆうべはものすごく風が強かった。
ちょうど寝る前の時間、竜巻なんじゃないかというような風が吹いて、ちょっと怖かった。
ぐるぐるびゅーびゅーごーごーがらがらーと、ひとしきり吹いたら、急に静かになった。
そんなのが2回あった。
そのあとで、夜のラジオの英語。
つよしさんが絵本『しろいゆき あかるいゆき』を送ってくださったので、半分くらいまで読んだところでぐーっと眠りに誘われ、寝た。
お正月に実家で読んだ母の絵本『ゆき』にも重なり、どちらがどちらか分からなくなった。 
かこさとしさんのは、日本の雪。
アルビン・トレッセルトさんのは外国の雪だけど、どこか、同じ匂い。
絵本の中に流れている、風情のようなもの?
雪って外国も日本も、みんな同じような大変さや歓びがあるんだな。
おもしろいなあ。
雪が積もるとどこもかしこも真っ白で、しんとして、天がくださった贈り物みたいに美しいけれど、大変なこともたくさんある。
だからこそ、次にはじまる何かを楽しみに待つ心があったかい。

今朝もまた大寝坊、8時に起きた。
カーテンを開けると、海は白銀のスケートリンク。
きのうは、税理士さんがいらっしゃって、1年間やってきた宿題の結果報告みたいな時間になった。
計算が合わないところが出てきてしまい、書類を持ち帰っていただいた。
今朝確認してみたら、表計算のパソコン入力の位置がひとつずれていて、「あちゃー!」となる。
私の注意力散漫は、脳みその悪さも関係していると思う。
子どものころから、算数が苦手だったから。
算数というより、数字。
数字の並びを見ると、必ず間違える。
それで、午前中は税理士さんにメールしたり、書類の画像を送ったり。
今日の空はいろいろに変わる。
曇りかと思っていたら、パーッと晴れ、急に冷えるなあと思ったら、粉雪が舞っていたり。
2階を掃除しているとき、海の広い範囲がちかちかとさんざめいていた。
さて、ようやくお昼ごはん。
朝ドラの再放送を見ながら食べたら、今日こそは落ち着いて『帰ってきた 日々ごはん⑬』にサイン本をしよう。
80冊!
サイン本を半分終え、坂を下りて買い物へ。
「コープさん」から出て、てくてく歩いていたら、桃の木に小鳥が集まっていた。
雀よりも小さい、お腹からお尻にかけて、ぷっくりと丸い小鳥。
下から見上げると、お尻のふくらみがたまらなく可愛らしい。
帰って、インターネットで調べたら、ホウジロだった。
ホウジロ、私ははじめて近くで見たかも。
夜ごはんは、サーモンのムニエル(生クリーム、粒マスタード、パセリ)、小松菜とかぶのオイル蒸し、金美人参の塩もみサラダ(いつぞやの。レモン、パセリ)、ご飯はなし。

●2023年2月12日(日)晴れ

ぐっすり眠って、まだ眠れる、まだ眠れると思いながら起きたら、なんと10時だった。
大寝坊。
ゆうべの「バー高山」が、楽しくて、楽しくて。
きのうの日記に書いておいた予定のメニューは、ずいぶん変わった。
まず最初にお出ししたのは、ルッコラと紫の茎の水菜のタヒーナソース和え。
みな口々に「おいしい〜!」と言い、渡辺さんは「うーん、クミンがパチパチしてます」とおっしゃった。
南瓜の塩蒸し(玉ねぎドレッシング)も好評で、次はじゃがいももちを今日子ちゃんに手伝ってもらいながら焼いて出した。
米油が多めだったので、思ったより表面がカリッと焼け、中はもちもち。
小さなガレットみたいになった。
お皿に残っていた玉ねぎドレッシングをじゃがいももちにつけると、「プリングズのポテトチップスのサワークリーム&オニオンの味になる」と渡辺さん。
そのころから私は、楽しくてたまらなくなった。
気づけば渡辺さんがカウンターのこちら側に立って、ワインを呑んだり食べたりし、何でもなく洗い物をしてくださっている。
流しはいつもピッカピカ。
食器も拭き上げ、きれいに重ねてある。
それで、小ぶりの椎茸は渡辺さんに焼いてもらうことにし、私はじっと見ていた。
近くで見たり、遠くから見たり。
なたね油を多めにしいたら、タークのフライパンの縁の方まで椎茸をぎっしり並べ(笠の表側を下に)、すぐに塩をパラリ。
私だったら先に塩はしないし、アルミホイルをふんわりかぶせて焼きそうなのに、「ううん、ふたはしません」。
塩を先に振るのは、椎茸の水分をじりじり引き出すためなのだ。
渡辺さんは首を直角に曲げ、真上から椎茸の様子を見ている。
大きな体をくの字に曲げ(腰を曲げているのではなく、上体はまっすぐで、首がかくっと前に折れ曲がっている)、コンロにも、フライパンにも、椎茸にも近い。
そして、菜箸でよく触れ、ひとつひとつの焼け加減をていねいに見ていた。
私だったら放っておくのに。
「なおみさん、練り辛子はありますか? 椎茸と辛子醤油はけっこう合うんです」
焼き上がった椎茸はまわりがじっとりと香ばしく、中はものすごくジューシーで、椎茸の濃い味がにじみ出てきた!
辛子醤油も、驚きの味の組み合わせだった。
なんか、高級な中華料理のレストランで食べているみたいな味。
次は私が、鶏レバーと厚切りベーコンとにんにくを米油とバターで炒め、白ワインで蒸し焼きにして、バジルペーストをちょっと(レバーはぷりっと焼けたけど、ほんとはもうちょっとレアにしたかった)。
金美人参の塩もみサラダには、レモンを搾って、粗く刻んだパセリをたっぷり加えた。
次は、かぶの葉とスナップえんどうで、渡辺さんにオイル蒸しをしてもらった。
スナップえんどうのスジを、ふたり並んで取った。
私はヘタを折って、まず片側のスジを取り、さやのお尻の尖っている方のも折って、もう一方のスジを取るのだけど、渡辺さんは両側のスジを取っても、お尻の先についたヒラッとしたものはちゃんと残していて、可愛らしい。
オイル蒸しは、最後にレモンをちょっと搾ってらした。
食べると甘くとろりとし、口の中で乳化するみたいになった。
おいしい〜〜!
作り方はまず、ル・クルーゼの鍋にざく切りにしたかぶの葉(6、7センチくらいの長さ)を盛り上がるくらい入れ、上から米油をたっぷりかける。塩もふる。
トングでふんわりていねいに混ぜながら、全体的にからまるようにし(葉っぱの表面がつやっとするくらい)、ようやく火をつける。
ふたをしてからも放っておかずに、何度かトングで混ぜ、様子をみて……スナップえんどうは、かぶの葉がくたっとしてから加えていた。
かぶの葉は、洗ったあとの水気を残しておくのもポイントみたい。
残りのスナップえんどうは、斜め半分に切って軽くゆで、卵焼きに。
タークのフライパンを熱くし、米油をたっぷりひいて、溶いた卵2個(塩をひとつまみ)を流し入れ、フライパンのまわりから泡立って焼けてくるのを、ゴムベラを使って中へ中へ入れ込むようにして手早く焼いていた。
でき上がった卵焼きは、半熟ともまた違うふんわりさ。
多めの油が、卵の成分の中にうまく取り込まれているからだろうか。
私は本物を食べたことがないのだけど、イタリアのフリッタータってこういう感じ?
スナップえんどうの歯ごたえも甘みも、卵のふんわりとはまたぜんぜん違うおいしさで、ふたつの独立した料理を同時に食べているみたいだった。
そして、最後にふりかけた塩の味が切り立って、そこもまた一段とおいしいところだった。
卵がおいしい!と思ったもの。
塩って大事なだあ。
素材の味を大切にとか言って、何でもかんでも控えめにすればいいってもんじゃないのだ。
もうみんな、お腹がいっぱいになりかけていたので、私のボルシチ(大豆は入れずに、ゆで汁だけ加えた)は、炊き立ての真っ白なご飯と共に軽めに。
そして最後、デザートのプリンアラモード(苺、はっさく、バナナ、やわらかく泡立てた生クリーム)が、それはそれはなめらかで、濃厚で、夢のようなおいしさだった。
考えたら私は、料理家さんとこんなふうにごはんを作って食べたことがない。
生まれてはじめて。
なんて、おもしろいんだろう!!
渡辺さんは、料理をするために生まれた、繊細さと、鋭さと、科学者みたいな集中力と、ねばり強さと、可愛らしさを持った心優しい力持ちの男の子が、体に棲んでいるみたいな方だった。
今日はまだ興奮覚めやらず、忘れないうちにレシピを記録しておこうという気持ちだけで、ここまで書いてしまいました。
気づけばもう3時。
『帰ってきた 日々ごはん⑬』のサインをしなくっちゃ。
夜ごはんは、ゆうべの残りのボルシチ&ご飯、金美人参のサラダ(ゆうべの残り)、小振り椎茸のオイル焼き(渡辺さんが作っていた通りにやってみた)。

●2023年2月11日(土)曇りのち晴れ

7時半に起きた。
今朝は、海の光っているところのまわりが、ちらちらちかちか。  銀色の小魚が跳ねているみたいに。
首の痛みがほとんどないのは、きのう編み物をしなかったから?
きのうは、朝から出掛けていた。
歯医者さん、郵便局、バスに乗って「FARMSTAND」ヘ。
ビーツを買おうと思って。
亜由美さんとランチを食べながらおしゃべり。
朝穫れ野菜をいろいろ選び、「酪と酵母」でおいしそうなワインも買えた。
今日は、「MORIS」で料理教室を開いている渡辺康啓さんを、今日子ちゃんとヒロミさんが連れてきてくださる。
メインはボルシチ。
大豆のゆでたのがあるから、ゆで汁ごと加えてみようかな。
あとは、ルッコラと紫の茎の水菜のタヒーナソース和え(タヒーナは、サンのお店「ホーキ星」で出しているオリジナル)、金美人参の塩もみサラダ(レモン汁、ディル)、小振り椎茸の丸まる焼き(鉄のフライパンで)、じゃがいももち、かぶとスナップエンドウの鍋蒸らし炒め、レバーとベーコンのワイン炒め(にんにく)、ボルシチ(牛肉、玉ねぎ、人参、かぶ、キャベツ、ビーツ、大豆)&炊き立てご飯、南瓜の塩蒸し&セロリ(玉ねぎドレッシング)の予定。
『帰ってきた 日々ごはん⑬』も届いたので、あちこち掃除をしてからサインをしようと思う。
ボルシチを煮込みながらやろう。
サイン用の本のダンボールの中に、去年11月に「無印良品 銀座」で開かれた、スイセイとのトークイベントの映像が入っていた。
内容を確認するだけのつもりで見はじめたのだけど、どきどきしてすっかり夢中になってしまう。
自分が話しているときには、スイセイの顔をちゃんと見られなかったのだけど、スイセイはあんな表情をして聞いてくれていたんだな。
村上さんの進行も、気づかないくらいにすっと入って、新しい話の世界に私たちを連れ出してくれている。
なんだか村上さんが、スイセイと私を乗せた小舟の船頭さんのように、ゆるやかな川の流れに乗せてくださり、お客さんたちの間を巡っているような。
そういう案内をしてくれていたことにも、改めて気づいた。
あのときには、体をひと巡りして出てくるスイセイの言葉に耳を澄ませ、正面から向き合い、応えるだけでせいいっぱいだったから。
思えば、しっかりとした雨降りの日に集まってくださった熱心なファンの方たちも、カメラや音声機材を回している制作スタッフたちも、みんなで船に乗り込み、ゆらゆらと熱気に包まれながら大海原を進んでいっているようだった。
村上さんが船長さんだ。
笑ったり、驚いたり、泣いたり、切なくなったり。
すべて見終わったとき、長編の物語を読んでいたような気持ちになった。

ここで、お知らせです。
去年の夏に、神戸・北野の「KITANOMAD(FARMSTAND 2階)」で開かれた渡邊良重さんとのトークイベントの動画が、来週から30日間限定で公開されるそうです。
スイセイとのトークイベントは、渡邊さんとの会の次に配信。
どちらも有料ですが、オンラインで視聴できるので、よろしかったらぜひみなさんに見ていただきたいです。
詳しくは「ちかごろの」か、アノニマ・スタジオのHP(日々ごはん20周年特集ページ内)をご覧ください。

さあ、渡辺さんたち!
7時くらいにいらっしゃる。
ボルシチだけ途中まで煮込んでおいて、ビーツをゆでながら、その場でいろいろ作ってお出ししながら、久しぶりに「バー高山」をしよう。

●2023年2月8日(水)曇り時々晴れ

6時前に起きて、カーテンを開けておいた。
ラジオの英語。
朝の回を聞くのは久しぶり。
空が曇っているから、陽の出は見られないだろうなと思っていたら、7時ちょうど、靄越しにじりじりと姿を現した。
靄のベールをかぶった、赤い透明の大玉。
この色を、何と言おうと思いながら見ていた。
分かった!
芯まで燃えた炭の、白い灰をよけたときに現れる色だ。
揺らめく赤。
奥まで赤。
触りたくなるほど美しい。
そして海も、同じ色に光っている瞬間があった。
ほどなくして、太陽はまた靄の後ろに隠れた。
朝ごはんを食べているときの海は、一面の白に銀のすじ。
『暦レシピ』の表紙の色合いだ。
そうかと思えば急にピカーッと晴れ、金色になったりもする。
でも、一瞬でもとに戻る。
そんな日。
今日は、台所の大掃除。
食器棚の掃除をした。
去年は大掃除をしなかったから、けっこう埃が積もっていた。
いつも使う器を手前にしたりして、配置も替えた。
自分にしか分からないくらいに。
埃を吸い取って拭いただけなのに、食器棚の角がすっきり立っている。
ようやく新しい年がやってきた感じ。
明日も続きをやろう。
夕方、窓辺で柿ピーをポリポリしながらビール。
ほろ酔いで夜ごはんの支度をし、ぽつりぽつり灯りはじめた夜景を眺めながらワインも1杯。
ちよじから電話で、一瞬だけ仕事モードになって返事をした。
今の時期、こんなにのんびりしているのは私だけかも。
夜ごはんは、油揚げと水菜とルッコラのサラダ(お昼の残りに、サンのクミンシード入りタヒーナソースをかけた)、南瓜の塩蒸し(玉ねぎドレッシング)、焼きカレーパン、白ワイン。

●2023年2月7日(火)曇り

6時半に目覚めて、ラジオ。
地面がしっとり濡れている。
ゆうべ、雨が降ったみたいだけれど、気づかなかったな。
今日は何も仕事がない。
窓辺で編み物をしたり、確定申告の書類の支度をしたり。
手紙を書いて、荷物を作ったり。
なんだか静かな日。
雨は降っていないのだけど、降っているみたいな空の色。
海はうっすら霧に覆われている。
こんな日もいい。
そうだ。
先週土曜日の日記で、アマゾンで取り寄せた英語の絵本を『JAST NE』と書いてしまったけれど、『JAST ME』の間違いです。
失礼いたしました。
このごろ誤字脱字が多いのは、老眼のせいでよく見えなくなったからなのかもしれないなあ。
あと、注意力散漫のせいもある。
きのうは郵便局とパン屋さん、「コープさん」に行った。
軽く買い物し、リュックをしょって坂を上って帰ってきた。
春みたいな陽気で、汗をかいた。
坂の途中で、どこかから花の匂いもしてきた。
そうなるとまた、寒いのが恋しくもなる。
暖かいけれど、今夜はお鍋にしようと思って、昆布を浸けているところ。
このごろはひとり用の小さな鍋でなく、普通の大きさの土鍋で鍋ものをするようになった。
夜ごはんは、豚バラとニラたっぷり鍋(えのき、豆腐。醤油とオリーブオイルと黒こしょうのタレ、ポン酢醤油とかぶらおろし)、ご飯はなし。

●2023年2月5日(土)晴れ

7時に起きた。
もう陽は昇っていたけれど。
ゆうべはとてもよく眠れた。
夢も、長くておもしろいのをみた。
おとといの晩は、なんだかよく眠れなかった。
その日は整体に行って、前よりももっとふわふわとして、海に浮かんでいるみたいになって帰ってきた。
すごくいい気持ちで、眠たくもあるのだけど、自分では計り知れない体の奥のどこかが目覚めているみたいだった。
帰りに寄った図書館では、英語の絵本をまた1冊借りた。
『Rain Rain Rives』という、雨の物語。
そして、『JAST NE』の日本語版をアマゾンに注文していたのも届いた。
『あるあさ、ぼくは…』というタイトル。 
ゆうべ、寝る前に読んでみたら、男の子の家の豚が泥にまみれて昼寝をしているところ our pig,was taking a bath-and-nap in some mad. が、「どろのなかで いねむりぎょうずいを していました」となっていた。
「いねむりぎょうずい!」
私は吹き出した。
なんておもしろいんだろう。
この絵本は、男の子がおんどりの歩くのを真似したり、豚がいねむりぎょうずいをしているのを真似したり、うさぎや牛やガチョウやヤギやリスやカメの真似をしたりする。
「どうゆうふうにあるくのか やってみせてくれない」「どういうふうにするのか やってみせてよ」。
そして最後、ぼくがお父さんに向かって夢中で駆け出すところ、「JAST NE」が出てくるあたりの訳は、「こんどは ほかの だれみたいでもなく はしりました。ぼくは ぼくらしく はしりました」。
最高!
いい訳って、なんておもしろくて、広がりがあるんだろう。
『JAST NE』という題名だったら、たとえば『ただのぼく』とか、『ぼくだよ』とか、ちょっと哲学的なのをつけたらいいのにと私は思っていた。
でもそれじゃあ、お母さんも子どもたちも、何が何だか分からないもの。
今日は、これから六甲道の広場へ「ファーマーズ・マーケット」に出掛ける。
今日子ちゃんもヒロミさんも行くみたい。
いいお天気でよかったな。
帰りにまた図書館で、英語の絵本を借りてこようと思う。
「ファーマーズ・マーケット」では、蜂蜜(もちの木の花と栗の花)、椎茸、寒じめほうれん草、さつま揚げ(浅蜊、玉ねぎ、生のり入り)、えごまクッキー、キムチを買った。
大根と生のりのお粥が、とってもおいしかった。
そのあと図書館に寄って、モーリス・センダックの『MR.RABBIT and the LOVELY PRESENT』を借りた。
そして「MORIS」へ。
着いて早々、今日子ちゃんが同時通訳で読んでくれた。
うーん、楽しい!
日本語版は『うさぎさんてつだってほしいの』。
この絵本も、私は大好き。
夜ごはんは、豆乳鍋(椎茸、水菜、おろし生姜、ねぎ)、炙りさつま揚げ、キムチ、生のりの佃煮、ご飯。

●2023年2月1日(水)晴れのち曇り

今朝も陽の出を見ることができた。
少しずつ、少しずつ、時刻が早くなってきているみたい。
そして、昇る場所もずいぶん動いた。
太陽が顔を出す瞬間ももちろんいいのだけど、このごろはその前の曙の空があまりに美しく、毎朝違って、見とれてしまう。
今日から2月だ。
きのうは、電車に乗って隣町の産婦人科に行った。
乳ガンの再検査をしに。
そこは、今日子ちゃんに教えてもらった病院。
とてもいい病院に出会えた。
超音波のエコーをされているとき、私はぎゅっと目をつぶり、仰向けになっていたのだけど、「(画面を)見てください。何でもよく見たら、いいんです」と、女医さんがぽつりとおっしゃった。
何でもよく見れば、怖いものはなくなりますよ、と言われているような気がした。
けっきょく、悪いところは見当たらず、これからも年にいちどか二年にいちどマンモグラフィーで検査をしていけば大丈夫でしょうと言われた。
10数年前、吉祥寺にいたころにもやっぱり再検査をしたことがあったけれど、同じ見立てだった。
このことは、ずっと前に「日々ごはん」に書いたかもしれない。
きのうは美容院にも行った。
そして、ふと思いつき、図書館で英語の絵本を借りてきた。
マリー・ホール・エッツの『JUST ME』。
寝る前に読んでみたら、なんだか意味が分かる。
知らない単語もよく出てくるけれど、絵があるからストーリーが分かる!
そのあとで、今日子ちゃんがイギリスで買ってきてくれた絵本『The Tiger Who Came to Tea』を読んでみた。
声を出して。
読める!分かる!
この絵本は、何年か前のお誕生日プレゼント。
なんと、今日子ちゃんが訳してくれたテキストつき(絵本のページに沿って、小さな白い紙に活字が打ってある)。
英語を読んでから訳を読み、また英語に戻った。
とても勉強になる。
私は、4回くらい声を出して読んだ。
いいお話だなあ。
私は特に、お茶にやってきたトラのことをソフィー(小さい女の子)が大好きになり、喜んでいるらしいところ(絵が物語っている)が好き。
そして、お父さんが帰ってきて、ソフィーはパジャマの上にコートを着せられ、お母さんも普段着の上にコートを羽織り、街灯のついた夜の街を、晩ごはんを食べにカフェに向かっているところが大好き。

SO they went out in the dark,and all the street lamps were lit,and all the cars had their lights on,and they walked down the road to a cafe.

今日子ちゃんの訳はこう。

暗い外に出ると
すべての街灯が点灯していて
カフェまで歩いて行きました。

フィヤッホ〜!
「中学生の基礎英語レベル1」の学習は、3月で1年になる。
朝聞けなかったら、夜寝る前に聞いたり、声に出したりしているだけのラジオ。
毎月楽しみにテキストを買うだけで、とりたてて勉強などしてこなかったけれど。
アルファベッドがすっと目に入り、しどろもどろながらも声に出せるようになった。
いつの間にやら、英語が体に入ってきていのかな。
そんなことってあるんだ。
フィッヒュ〜!
試しに今朝、旅行のたびに買い集めた英語の料理本を開いてみた。
なんか、読めるみたい。
すごいなあ、英語のラジオ。
さ、今日は「毎日のことこと」の続きに向かおう。
夜ごはんは、カレーライス(いつぞやの大豆のゆで汁のスープに、カレー粉とルウを加えた)、ゆで卵、ルッコラと白菜のサラダ(玉ねぎドレッシング)。

●2023年1月29日(日)晴れ

久しぶりに陽の出と共に起きた。
このところ、雪や曇り空だったし、私も寝坊助だったから。
朝ごはんを食べ、ふと思いついて御影に出かけることにした。
「無印」で欲しいものがあって。
坂道を下るとき、海が広い範囲でキラキラチカチカ。
なんだか久しぶりの景色。
坂の途中で、お腹がオレンジの小鳥が1羽、木立から飛び立った。
頭は白と黒。 わ、ヤマガラだ!
バスに乗って、阪神御影駅へ。
「無印」の欲しいものは、セールになっていた。
ラッキー!
帰りもバス。
坂を上って帰り着いた。
ヤマガラを見かけたのは一瞬だったけど、綺麗だったな。
バスに揺られている時間ものんびりとして、小さな旅のようだった。
ああ、行ってきてよかった。
夜ごはんは、太刀魚のムニエル(表面だけ焼いて、あとはオーブンで蒸し焼き・レモンバターソース)、ミートソースとマッシュポテトのグラタン(いつぞやのをオーブンで温めた)、かぶとルッコラの塩炒め、ご飯はなし。

●2023年1月28日(土)雪が降ったり、止んだり

朝起きたら、また雪がうっすらと積もっていた。
今日こそは、坂を下りようと思っていたのだけど。
きのうは、大豆をことことゆでながら、ひたすら『暦レシピ』にサインをしていた。
心静かな時間。
夕方には、すべて終わって梱包した。
「かもめ食堂」の律ちゃんにいただいた、兵庫産(粟生市のものだと言っていたような)の大豆は大粒で、とてもやわらかかった。
大豆のゆで汁で作ったシチューもおいしかったな。
水をいっさい加えず、スープの素も加えず、塩だけなのにとても濃厚な味になった。
鶏肉、かぶ、小粒じゃがいも、玉ねぎ。
小粒じゃがいもはすっかりひねこびて、芽も出てしまっていたけれど、それがまた栗みたいにねっちりとして煮くずれず、濃い味がした。
去年の暮れに、アムとカトキチが送ってくれた平沢のじゃがいもは、これで最後。

午後、小雪が舞うなか、坂を下りた。
窓から見たら、三宮の方は青空で、こちらに向かっているのが見えたので。
『暦レシピ』を持って、今日子ちゃんとヒロミさんに会いに。
歩いているうちに晴れてきた。
道路の雪はすっかり溶け、すべらずに歩いていけた。
途中でばったり会った今日子ちゃんと、「植物屋」さんにも行った。
私は、水栽培の小さな球根がついた、ムスカリと八重のチューリップを買った。
ふたりとも元気だったな。
思い切って出かけてよかった。
帰るとすぐに、白いムスカリは母の祭壇に、赤いチューリップを桃ちゃんの祭壇に飾った。
夜ごはんは、ねぎとろ巻き(「いかりスーパー」の)、ほうれん草のお浸し、切り干し大根と大豆のゆで汁の味噌汁、昆布の薄味煮。

●2023年1月26日(木)晴れ

きのうは雪が積もった。
近所の子どもたちは学校が休みになったみたいで、朝から声がしていた。
窓からのぞくと、雪の玉を大事そうに抱えて山の方の道から下りてくるのが見えた。
うちの坂は急だから、雪が積もるとすべって下りられない。
だから、一昨日のうちに、「コープさん」で買い物をしておいた。
今朝は、バスが止まってしまったので、今日子ちゃんは歩いて「MORIS」に通勤したのだそう。
歩きながら撮った写真を送ってくれた。
雪化粧した摩耶山に抱かれるように、うちのマンションが小さく映っていた。

今日は朝から快晴。
道路の雪はすっかり溶け、体育館の屋上の雪もずいぶん少なくなっている。
それにしても、このところ私はとてもよく眠れる。
肩の張りは治まったし、首の痛みも、日を追うごとに軽くなってきている気がする。
整体の先生がおっしゃっていた通りだ。
さて今日は、『暦レシピ』のサイン本を作ろう。
あちこち掃除をし、きれいにしてからとりかかろう。
92冊!
おとついの夜、寝る前に『暦レシピ』を読んでみた。
ひとつひとつのレシピが、とつとつと綴られている。
伝えたい一心の言葉で。
なんだかもう、自分の書いたものという感じがしない。
読んでいると、心があたたまるような。
懐かしい気持ちになるような。
それは、道を歩いているときに、ふとどこかの台所から漂ってくる煮物の匂いとか、鍋から上る湯気とか、肉がジュージュー焼ける音とか。
料理自体が持っているあたたかさ、懐かしさ。
本の世界を目に見えるものとして表してくれたのは、川原さんのデザイン。
カバーの色合い、本の厚み、ページをめくるときの手触り、紙の色、文字の佇まい、白い割烹着や布巾のような余白。
すべてがなじんでいる。
いい本ができたなあ。
さ、1冊1冊サインをして、送り出そう。
夕方までには1箱分ができ、梱包も終わった。
夜ごはんは、いつぞやのかき揚げ(むき海老、レンコン・甘辛く煮て卵でとじた)、ワカメのきんぴら、切り干し大根の味噌汁、生のりの手作り佃煮、ご飯。

●2023年1月21日(土)曇り一時雪、のち晴れ

今朝の陽の出は、同じ大きさで海にも映り、オレンジの太陽が2つ。
それを見届け、カーテンは開けたまま目をつぶっていた。
しばらくして起き上がると、小雪が舞っている。
この冬はじめての雪。
灰色の空に、羽毛のような雪。
きのう届いた、『帰ってきた 日々ごはん⑬』の校正をすることにした。
ラジオを聞きながら、ベッドの上で、1月、2月と読み進む。
最終校正なので、ほとんど直すところはないのだけれど、それでもどうしてもというのが、ぽつりぽつりとみつかる。
目を上げると、まだ降っている。
そのうち晴れてきた。
お天気雪だ。
太陽の真下の光は、海から空に向かって発光しているみたい。
窓を開けても、寒くない。
校正を終え、確定申告の支度も終え、「となりのオハコ」の校正も終わった。
3時半ごろ、亜由美さんが「EAT LOCAL KOBE」の季刊誌と生ノリ、フォカッチャ(キクイモ入り)を届けにきてくださった。
窓辺でハーブティーを飲みながら、しばしお喋り。
2021年秋に、亜由美さんたちと神戸市の農家や牧場をまわった小さな旅の記録が公開されました。
来月には、2022年の分も公開される予定だそう。
詳しくは「ちかごろの」をご覧下さい。
夜ごはんは、白菜と生ノリの韓国風スープ、お揚げさんと干し椎茸の甘辛煮、白菜のサラダ、蓮根のきんぴら、卵かけご飯。
炊き立てのご飯がおいしくて、おいしくて。 

●2023年1月20日(金)晴れのち曇り

ゆうべは8時にはベッドに入った。
整体の先生が、湯舟に浸からない方がいいとおっしゃったので、顔だけ洗って。
私はもう何十年も、仰向けの体勢では寝られなかったのだけど、ゆうべはなんなくでき、そのままぐっすり眠ってしまった。
気づいたら、夢のなかという感じだった。
夜中にいちど目が覚めて、トイレに行って、またコトンと寝てしまった。
夢も長いのをふたつみた。
そして、目覚めたら8時半だった。
あんなに痛かった首の痛みは、ほとんどない。
肩こりもない。
というわけで、今日は確定申告の支度。
11月分の現金出納帳をパソコンに入力し、12月分も取りかかった。
整体の先生に教わった、リセットの体操をしながら。
曇ってきたので2階へ。
洗濯ものを取り込みながら眺めると、沖の海がさざ波立っている。
あそこは雨が降っているんだろうか。
さ、もうひとがんばり、続きをやってしまおう。
夜ごはんは、秋鮭のソテー、じゃがいものお焼き、味噌スープ(きのうの味噌汁に牛乳を加えた)、ご飯はなし。

●2023年1月19日(木)曇りのち晴れ

とてもいいお天気。
チイ、チイと、とぎれとぎれに鳴く小鳥の声が、小さく聞こえる。
遠くでカラスがカーア、カーア。
あとは、何の音もしない。
もう木曜日か。
今週は、あっという間だった。
日曜日は撮影で、そのあとは宮下さんと「となりのオハコ」の写真選びやレイアウトのご相談、レシピの修正。
きのうは、ようやくオハコレシピの試作ができた。
とてもとてもおいしくできた。
それで、レシピの細かいところを直したり、しばらく休んでいた現金出納帳の記入をしたり。
今日は、午後から電車に乗って隣町の整体に出かける。
帰りに図書館に寄ろうかな。
出かける前に、あちこち掃除機をかけた。
海は真ん中へんがきらきらしている。
さ、早いけれど、そろそろ出よう。
3時半くらいに帰ってきた。
整体院は、とてもいいところだった。
畳の部屋で、石油ストーブの音だけがしていた。
今は、ぽやーんとして、気持ちがいい。
夜ごはんは、ちょっと早いけれど5時前に食べてしまう。
自分で詰めたお弁当(鯛の煮つけ、干し椎茸の甘煮の白和え、蓮根のきんぴら、スーパーの鶏の唐揚げ、ご飯、たらこ)、かぶと油揚げの味噌汁、かぶの葉のおひたし。

●2023年1月14日(土)雨

ゆうべは雨の音を聞きながら寝た。
ドラマ仕立てのおもしろい夢をみた。
でも、寝坊した。
7時半。
霧でまっ白になった窓を眺めながら、部屋干ししていた洗濯物をたたんだ。
さて、いよいよ明日は「きょうの料理」の撮影なので、仕入れをしに街へ下りないと。
窓を開けると、かすかに花の香りがする。
どこかで梅の花が咲いているんだろうか。
とても暖かい。
さて、ちょっと早いけれど、霧のなか、坂を下りよう。
そして、今日子ちゃんとヒロミさんに会いにいこう。
クリスマスの前に会ったきりだから、とっても久しぶり。
夜ごはんは、いかりさんのお魚弁当、味噌汁(油揚げ、ねぎ)。

●2023年1月12日(木)晴れ

今朝の陽の出の太陽は、やけに大きかった。
きのうとはまた全然違う。
どういう具合でそうなるのかな。
きのうの曙は、それはそれは素晴らしかった。
薔薇色の空というのは、ああいうのをいうんだろうと思った。
見ている間にも色が変わって、水色とのだんだらとなり、またいろいろに移ろって……それからようやく太陽が昇った。
その間ずっと目が離せず、ベッドの上に起き上がって眺めていた。
枕元にiPhoneを置いてあったので、写真も撮った。
どうして枕元にあるかというと、このところ夜寝る前に、ラジオ番組「生きていくための現代短歌」の聞き逃し配信を聞いているから。
まっ暗な部屋に届く東直子さんの声が心地よく、聞いているうちに眠気がやってくる。
さて、「気ぬけごはん」はきのう書き上げてお送りしたので、今日から『帰ってきた 日々ごはん⑬』の再校正をはじめよう。
その合間に、「きょうの料理」の試作をするつもり。
それにしても、今日はぽかぽかと暖かい。
春のよう。
海も霞んで、春霞のよう。
夕方、暗くなってから『暦レシピ』のことで、村上さんからメール。
1点だけ修正があるとのこと。
間違いではないけれど、私の方からも少しだけ気になっていたことがあり、でも、もう間に合わないだろうと思っていたこをお伝えしてみた。
「はい、はい」と聞いていた村上さんの声は、さすがにちょっと揺れていたけれど、ひとつの閃きをくださった。
ふたりで知恵を出し合い、けっきょく2カ所の修正が間に合った。
これで正真正銘、『暦レシピ』はおしまい。
これから印刷所にまわり、製本が成され、2月の頭には本屋さんに並ぶそうです。
18年分の『日々ごはん』を生きてきた私のレシピ、どうかみなさん楽しみにしていてください。
夜ごはんは、レバー料理の試作。鶏レバーとベーコンとしめじの白ワイン炒め、鶏レバーとしめじとじゃがいものバルサミコ炒め、白菜の塩もみサラダ、ご飯はなし。

●2023年1月9日(月)曇りのち雨

窓を開けていても温かい。
朝から、「気ぬけごはん」を書きはじめた。
合間をみて、『暦レシピ』の最終確認。
お昼ごはんは「気ぬけごはん」の試作。
続きを書き、また『暦レシピ』の確認。
3時からは、アノニマの村上さんと電話ですり合せ。
村上さんは一冊分の読み込みが深く、すべてを把握してらっしゃる。
最後の最後まで、小さな修正や確認があるのに、電話の声はとても落ち着いていて、ゆるぎがない。
それがどれだけ助かることか。
私も相当しつこいけれど、こちらなど足下にも及ばないほど、粘り強い。
打たれ強く、そしてやわらかい。
そういう編集者と本作りができていること、感謝の気持ちでいっぱいになる。
ああ、これで『暦レシピ』は、ようやく手が離れたかもしれない。
あとは野となれ山となれ。
日が暮れて、寒くなってきた。
でもまだ、窓を開けていていられる不思議。
今日は東京も、春のような暖かさだそう。
夕方からは、窓辺で編み物。
これは、このところずっと頑張っている原稿書きのご褒美。
夜ごはんは、干し椎茸の甘辛煮、水菜とベーコンの炒め物、オムレツ(鶏レバーとしめじとじゃがいものバルサミコ酢炒めで)、みそ汁(豆腐)。
知らない間に雨が降っている。
染み入るような雨。
炭を焼いているみたいな匂いがする。
もしかして、久しぶりの雨なんだろうか。

●2023年1月6日(金)晴れ

カーテンの隙間が明るくなって、ラジオをつけたら天気予報をやっていた。
そして、7時のニュース。
陽の出は、雲の間から。
半分だけ顔を出し、すぐにまた雲の中へ。
ゆうべは、ゆらゆらとよく眠った。
今朝は熱もなく、気分もすっきり。
いつもの私に戻った感じがする。
きのうまでとはまったく違う。前よりも元気なくらい。
きっと、コロナではなかったんだと思う。
はりはりと動き、洗濯、掃除。
朝ごはんのあとすぐに、『暦レシピ』の確認をして村上さんにメールを送った。
続いて、「となりのオハコ」のエッセイとレシピの仕上げ。
ちょっと早いけれど、宮下さんにお送りした。
さて次は、「毎日のことこと」。
書きたいことはもう決まっているので、午後からとりかかろう。
午前中にコロナの抗原キッドが届いたので、あとで念のために調べてみるつもり。
郵便局の配達の方は、1階にあるマンションのポストではなく、玄関先まで届けてくださった。
ありがたいことだ。
熱が出たときには、これから先のことがまったく予測できず、ものすごく不安になったけれど、神戸市のHPを開き、抗原キッドの申し込みをしたら安心した。
私はひとりではなく、すでにある仕組みの中に収まった感じがした。
外出をせず、家にあるものでごはんを作り、とにかくよく眠って休んでいればいいんだと分かった。
熱が下がらなかったら、うちには解熱剤もあるのだから。
ひとりでいても、自分のしなければならないことが分かっていれば、心は落ち着くのだな。
今、抗原キッドで調べたら、陰性だった!
ああ、よかった。
夜ごはんは、リングイネ(きのう作っておいた玉ねぎと合いびき肉をバターで炒めたもの、水菜、バジルペースト、パルミジャーノ)。

●2023年1月5日(木)快晴

きのうは1階だけ掃除機をかけたのだけど、体が怠いような気がして、ゆっくりとしか動けなかった。
お昼になっても食欲がなく、お粥さんを炊いた。
梅干し以外は食べたくなかった。
夜ごはんもお粥。
干し椎茸の煮たのをひとつ食べ、海苔の佃煮もとてもおいしかった。
夜、熱を計ると8度2分。
念のため、神戸市にコロナの抗原キッドの申し込みをした。
のども痛くないし、発熱だけなので、コロナではないことを願いつつ。
ぐっすり眠って起きた。
今朝は、7度1分。
割合に気分がいい。
「となりのオハコ」の原稿の仕上げをしてしまう。
きのうよりは食欲が出てきたみたい。
ハムエッグを作り、パンを焼いて食べた。
それにしてもいいお天気。
海が光っている。
そういえば今朝の陽の出は、昇ったばかりの太陽が同じ大きさで海に映り、ふたつの太陽が光っているみたいだった。
今は10時半。
みなさんは、仕事はじめの日だろうか。
私はもうしばらく、ベッドに戻ろうと思います。
ゆうべから『小さな国のつづきの話 コロボックル物語⑤』を読みはじめたので、続きを読もう。
お昼ごはんに、冷凍庫から出しておいた合いびき肉1パックを3等分し、白菜とひき肉と春雨のスープを作った。
そのあと、レンコン(りうが送ってくれた)との炒り煮。
残りは、玉ねぎのみじん切りとバターで炒めておいた。
味つけは塩、こしょう。オムレツにもパスタにもできるから。
熱は、微熱と平熱を往ったり来たり。
食欲も少しずつ出てきた模様。
夜ごはんは、白みそのお味噌汁(白菜、大根)、レンコンとひき肉の炒り煮、干し椎茸の甘辛煮、ご飯。
炊き立てのご飯がおいしくて、おかわりした。

●2023年1月2日(月)快晴

8時半に起きた。
ゆうべは、『どですかでん』がとてもよかった。
この映画は、20代のころにいちど見たことがあるのだけど、あのころにはよく分からなかった。
『寅さん』もよかったなあ。
若いころの大地喜和子が色っぽく、元気で可愛らしかった。
私は2本だけでお風呂に入って寝たのだけど、みっちゃんは『寅さん』の1作目、2作目も見たのだそう。
「あれだけ見てたら、口調がそっくりになりそうさや」と、朝言っていた。
神戸に帰る前に、母の本やノートなどの片づけ。
お客さんがあるようだったのに、姉が急に手伝いにきてくれた。
絵本の勉強ノート、聖書の研究ノート、NHKテレビの講座のテキストブック、新聞の切り抜き記事、原発のこともいろいろ勉強していたみたい。
母はすごいな。
私ひとりでやっていたら、いちいち感心してしまい、なかなか進まなかったと思うのだけど、姉のおかげでどんどん整理されていった。
姉は「メルカリ」というのをやっているらしく、いるものといらないものを次々仕分けしていく。
まるで、片づけられない人のところにやってきた、プロの人みたいだった。
私は母の描いた絵や、よく家に呼んで可愛がっていた、自閉症の男の子の作文や詩、絵をまとめてあるのを袋ごともらってきた。
あと、部屋に飾っていた、お祈りをする女の人の絵の額縁。
姉は、「メルカリ」で販売できそうな本や、母が晩年に履いていたスニーカーをもらった。
紙や雑誌の束は、みっちゃんにヒモでくくってもらい、車に乗せて、帰りがてら紙ゴミの収集場に運ぶのだそう。
おかげで12時には片づいた。
みっちゃんとお昼ごはんを食べ、新富士駅まで送ってもらい、2時8分発の新幹線で神戸へ。
この日記は今、新幹線の中で書いています。
夜ごはんは、おにぎり(ゆうべの牡蠣ご飯の)、椎茸の卵とじ、たくあん(姉作)。

●2023年1月1日(日)静岡は快晴

明けまして、おめでとうございます。
元旦はみっちゃんとふたりで。
神戸を出る日から、私は口外炎ができていた。
そしておとといの晩、イタリアンを食べている最中に、舌の上に水泡があることに気がついた。
姉に見せると、ヘルペスじゃないかのこと。
このところずっと肩こりがひどく、首も痛かった。
今朝は、首の痛みがほとんどない。
口の端のヘルペスも、腫れが引いて小さくなっている。
リカがゆうべ、首や背中を触って、リンパマーサージをしてくれたおかげだ。
ゆうべは7時にはお風呂に入り、もう寝ようかと思っていた。
みっちゃんたちが帰ってきたのは8時過ぎで、リカとリコも30分ほどで帰り、私は9時には布団に入った。
教わったマッサージをして(鎖骨の下と、腕)、母の絵本の本棚から『ゆき』を読んで寝た。
『ゆき』はとてもいい絵本だった。
「それでは みなさん、おやすみ さようなら」で終わるところも、すごくよかった。
そんなわけで、ぐっすり眠って7時半に起きた。
みっちゃんは少し前に起きていたみたい。
朝、台所に下りたら、コーヒーをいれていた。
私はいつものように朝風呂に浸かり、お風呂の掃除と洗濯。
元旦のささやかなごちそうをゆっくりしたくして、10時ごろにみっちゃんと。
姉の手製の伊達巻の切れ端、菜の花のおひたし(手作り柚子マヨネーズ)、ブリのお刺身、生ハム&クリームチーズ、鮪の中落ち(青ねぎ)、里芋の煮物(柚子皮)、白菜の塩もみ(昆布、柚子皮、柚子の搾り汁)、ほうれん草のおひたし、お雑煮(大根、白菜、ほうれん草)、灘の純米酒。
去年の暮れ、みっちゃんは幼なじみの山出君と車で淡路島、姫路、神戸を旅したそう。
たつの市というところでは、醤油工場でいろいろな醤油を買ってきてくれたので、味くらべをしながらお刺身を食べた。
うちの窓からも見える、「白鶴」の酒蔵にも行ったんだそう。
そんな旅の話を聞いているうちに、たつの市の龍野町の街並の一角が、『男はつらいよ』の舞台になったらしく、マドンナは大地喜和子だ。
じゃあその映画を「TUTAYA」に借りにいって、一緒に見ようということになった。
お散歩がてら、あとで出掛けよう。
あるといいな。
近所の「TUTAYA」には、『男はつらいよ』のすべてが揃えてあった。
黒澤明の『どですかでん』も借りてきた。
帰り道、みっちゃんとあちこち散歩したのもとてもよかった。
歩いたことがないというので、母が入院していたころに、私が毎日通っていた川沿いの道も案内した。
そこは、図書館の裏手にある、澄んだ水に水草がそよぐ川。
どこを歩いていても、富士山の姿があるのも、とてもよかった。
夜ごはんは、『男はつらいよ 寅次郎 夕焼け小焼け』を見ながら。
蓮根じりじり焼き、里芋の煮物、ブリのヅケとアボガド和え(青じそ)、白菜塩揉み、冷や奴、豚と大根とゆで卵の中華風煮込み、日本酒、ハイボール。

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