2009年     めにうへ

●2009年6月28日(日)曇りのち雨

ぼんやりした曇り。
窓を開けたら、向こうの道を小学生の姉妹が絡まりながら歩いていくのが見えた。
妹は両手を大きく振り上げ、大股歩きでふざけている様子。
お姉ちゃんは図書館の黄色い袋を持っている。
今日は日曜日だから、朝ごはんを食べ終わって、午前中の空いている時間にふたりだけで図書館に行くんだな。
お母さんは掃除でもしているのかもしれない。
曇ってはいるけど、夏休みみたいな景色。
午後、雨の中をスイセイの散歩についてゆく。
緑がみずみずしく、傘をさして歩くのもまた気持ちがいい。
向こうから歩いてきたお母さんと小学生の女の子が、すれ違いざまに、私とスイセイのことをかわりばんこにジッと見ていた。
それで気がついたのだけど、今日の私たちの格好は、上下が色違いのペアルックだった。
紺色のランニングに黒い短パンのスイセイと、黒のTシャツに紺色の短パン姿の私。
ネイビーブルーといおうか、紺色の色あせ具合もそっくりだった。
帰ってシャワーを浴び、もうひと仕事する。
『日々ごはん11』のおまけレシピを書いたり、原稿の校正をやったり。
夜ごはんは、まぐろと真鯛のヅケ(ゆうべの残り)、つる紫のオイスターソース炒め、冷や汁(炒りごま、おぼろ豆腐、みそ、だし汁、みょうが、青じそ)、しらす、トマト(リーダーの実家から送ってきたのをもらった)、茄子の丸煮とモロッコいんげん煮(ゆうべの)、玄米。

●2009年6月18日(木)小雨のち曇り

最近、私は自転車を買った。
今まで15年以上乗っていた自転車が、丈夫な作りで、まだまだ乗れそうだったんだけど。
ちょうどリーダーの自転車が壊れたそうで、無事もらわれていったので。
ここ何日か、いくつか自転車屋さんをめぐっていろいろ追求していたら、最後に西荻にある手作り自転車のお店のことが気になった。
それでこの間、西荻までスイセイとてくてく歩いていったのだけど、そのとちゅうにあった自転車屋さん(本当に自転車が好きそうなおじいちゃんがやっていた。でもとりたてて何のヘンテツもないお店)で、すごく希望にピッタリのものをみつけたので、けっきょくそこで買った。
手作り自転車のお店まで、いちおうは行ってみたんだけど。
外に並べてある自転車も、じっくり見てみたんだけど。
どうも私にはおしゃれすぎるような気がして。
その自転車が、とても調子いい。
きのうも、買い物にいった帰り、スイスイスータララッタ と帰ってきた。
電灯だって、スイッチを入れなくても、暗くなるのに反応して自然につくのだ。
タイヤに当たらないから、音もしないし。
変速機が簡単に入るので、坂道でも楽勝だし。
自転車がスイスイ走ると、いろんなことがうまくいくような気がする。
というわけで、今日から『日々ごはん11』の校正を始める。
『チクタク食卓・下巻』の作業が、ようやく終わったので。
ちょっと肌寒いので、スパッツをはいて長い靴下も履いて、ぐっと集中してやる。
きのう、本まぐろのお刺身をヅケにしておいたのがあるから、しらすとたらこを混ぜて、今夜はちらし寿司にする予定。
うちの近所のスーパーは、最近とてもがんばっている。
もともといい魚屋さんが入っていて充分満足していたけど、近ごろは、まぐろの解体までして、店頭に並べている。

●2009年6月11日(木)雨のち晴れ

朝、曇っているのかと思ったら、窓を開けてよく見ると、細かい雨が降っている。
緑がサワサワ濡れている。
ピチピチチーチーに混じって、ときおり「ホーーー ホケキキョ…」。
厳かに鳴いている。
こんな季節にほととぎす?  その声が、こだまみたいに響いている。
曇り空の日は、音が遠くまで響く。
雲に音が反響するからというのを、何かの本で読んだことがあるけど、ほんとなんだな。
みずみずしい窓辺。
涼しいジャングルみたい。
11時から、「暮らしの手帖」の打ち合わせ。
新しく始まる連載のことを、思いつくままにいろいろ話し合った。
スルスルといいアイデアが湧いてきて、終わった。
続きはこんどまた、松浦さんがいらしてから。
楽しみだなあ。
原稿の続きを書いて、美容院へ。
ひさしぶりに、「紀ノ国屋」でおいしいものをいろいろ買って帰ってきた。
夜ごはんは、生うに、ながらみ(生きていた)の塩ゆで、レバニラ(ゴーヤとピーマンも加えた)、人参の塩もみ(きび酢&薄口醤油&いり胡麻)、なすのくったり煮、キムチ、玄米。
さいきん、スイセイも私も食欲がいまひとつで、お粥やうどんが続いていた。
なので、なんとなしにパンチのあるものが食べたくなって、キムチの盛り合わせを買って帰ったんだけど、スイセイもジープで出かけた帰りに、キムチ屋さんで白菜キムチを買ってきてくれた。
スイセイのキムチは、すごくおいしかった。
白菜漬けの味がちゃんとして。
最近のキムチって、まわりの赤いところがやけに濃くて、甘くて、ごまかされてるみたいな味がするけど。
立川の道路っぱたで、おじさんがやっているキムチ屋さんだそう。
道を聞こうとして立ち寄って、味見をしたらおいしかったし、いいおじさんだから買ってみたそう。
スイセイは、めったにお土産を買ったりしないから、嬉しかった。
うちのお父さんも、日曜日にたまに散歩に出ると、果物屋さんでりんごやナシを買ってきてくれた。
夜ごはんを食べ終わってからも、原稿書きの続き。
〆切が明日なので。

●2009年6月7日(日)快晴

ひさしぶりにきれいな晴れ。
朝から、エバ子が杏とりにきた。
庭の垣根に咲いている、やまほろしの白い花を持って。
今年もまた、杏の季節がやってきたなぁ。
スイセイはフリーマーケットに行っているので、エバ子ひとりで杏の木に登り、枝をゆすって下に落としていた。
きのうのうちに、大家さんが緑色のネットをはってくれてあったので。
私は掃除機をかけたり、洗濯物を干したり、杏酒用の保存ビンを日光消毒したり。
風がよく通るベランダにしゃがみこみながら、雑巾がけもした。
ゲラの校正をみっちりやったら、今日の仕事はおしまい。
スイセイが帰ってきて、エバ子の杏を体重計で計ってみたら、13キロくらいあった。
これからアパートに帰って、エバ子はジャムを煮るそうだ。
夕方、図書館へも行った。
トーベ・ヤンソンの『少女ソフィアの夏』を借りてきた。
「人生の扉を開けたばかりの少女ソフィアと、人生の出口にたたずむ祖母。七十も年齢の違うふたりが、思うままを対等に、率直にぶつけ合いながらも、互いにさりげなく思いやる一。北欧の魅力にあふれる書」と、扉に書いてある。
パラパラとめくってみても、なんとなく、こういうのを今まさに読みたかったような気がする。
スーパーで青梅も買ってきた。
あとで『まる子』を見ながら、梅酒と杏酒を漬けよう。
夜ごはんは、もんごういかとヒラメのお刺身、ししゃも、新じゃが(りうの嫁ぎ先のおばあちゃんが育てた)のあっさり煮、小松菜のおひたし(おかか醤油)、ぬか漬け(パプリカ、茄子、きゅうり、大根)、大根のみそ汁、玄米。
新じゃがは、堀りたてのをりうがきのう送ってくれたんだけど、土がきれいに洗ってあって、ビニール袋に入っていた。
ばあちゃんは、土がついているのが恥ずかしいからと、きれいに洗ってしまったそうだ。

●2009年5月28日(木)明るい雨

朝からずっと雨。
部屋の中が百合の匂いでいっぱいだ。
きのう、りうの結婚式でもらった花束です。
茨城の小さなホテルで、結婚式と披露宴をやった。
うちは、りうのお母さんとスイセイと私の3人が親として出席した。
お母さんの友だち1人と私たちで、りうの身内は4人だけ。
あとは、彼の方の親族が30人ばかり集まって、友だちも呼ばずに、ささやかな会だった。
カラオケで4人くらいが歌ったけど、親戚の人たちの歌が上手いこと。
北島三郎なみに上手なおじいちゃんもいた。
ただ上手いんでなく、歌に真心がこもっていて、私はこのおじいちゃんのことを大好きになった。
感動して、笑って、涙がにじんだ。
料理もおいしく、親戚の人たちも温かく迎えてくれて、皆や隣のスイセイの様子を見ているだけでとても楽しく、あっという間に時間が過ぎていった。
披露宴の最後に私も呼ばれ、お母さんとスイセイの間に立った。
なんだか、不意打ちだった。
りうがひとりづつに手紙を読んでくれて、花束を手渡された。
こんなことがあるなんて、私は想像していただろうか。
子供を産んだこともない私が、本当の親みたいにしてもらえて。
私なんか、誰とも血がつながっていないのに、りうが結婚したことで新しい家族ができた。親戚もできた。
りうのお母さんにも会えた。
今朝は、余韻を抱きながら、ひさしぶりに12時まで寝てしまった。
りうはめったに泣かない娘だけど、手紙を読んでいる時に泣いていた。
スイセイも、挨拶の手紙を読む前、ボトボトと涙の粒が落ちていた。
始めて会ったのは、りうが小学校4年の時だった。
スイセイに出会ったら、りうがおまけでついてきた。
あれから20年、スイセイの子供がりうで、私はほんとによかったなあ。
夜ごはんは、もやしとニラの塩炒め、ラーメン(ゆで卵、メンマ、ねぎたっぷり)、新しょうがの炊き込みご飯(「のらぼう」のお土産)。

*じつは、2008年11月に書きとめておいた日記(21日〜30日)が見つかったので、それもいっしょにアップします。

●2009年5月24日(日)小雨

サワサワと明るい雨が降っている。
サバンナの雨みたい。
そんな中、チュパチュパと鳴き声が沁みわたる。
シジュウカラだ。
最近は、9時には起きてゆっくり掃除をしたり、身支度をしたりしながら朝ごはんの支度をして、12時にのんびりごはん。
午後からは集中して書き仕事。
そんな毎日。
今日は、昼前に「百年」君がサイン本をとりに来てくださる。
エバ子のジャムが、ものすごくおいしかった。
国産グレープフルーツとブンタンの皮のジャム。
えらそうなことは言えないが、ローズマリーとタイムも入っているみたいだけど、ほとんど香らないくらいにうまくまとまっている。
「苦みも、酸っぱみもちょうどようて、甘みがぜんぜん浮いてなくて、はちみつみたいになめらかでうまいのう」と、スイセイはパンにこってり塗っていた。
お昼を食べて、小梅を漬けた。
それからは、『まる子』が始まるまでずっと原稿を書いていた。
スイセイも大テーブルでポップ工作に熱中していたので、なんとなしに、部屋の中に漂う、もの作り密度が濃くなっていたもよう。
とちゅう、雨が上がって光が射したけど、今はまたもとにもどった。
たまには、こういうしっとりした日もいいもんだな。
夜ごはんは、真鯛の味噌漬け(ゆうべ漬けておいた)、ほうれん草とわかめのおひたし(ゆうべの残り)、にんにくの芽とピーマンとセロリの中華炒め(シュウマイのあんの残り入り)、よせ豆腐と三つ葉のみそ汁、玄米。

●2009年5月23日(土)  晴れ、夜になって一時雨

3時前に散歩に出る。
中央公園のグラウンドは、クローバーの花がいちめんに咲いていた。
その上を走る小型犬、紙飛行機を飛ばしているおじさんたち、サッカーボールを蹴り合う子供たち、木陰でギターをつまびきながら、控えめに歌っているおじさん。
そして、水道の近くにはバーベキュ−のグループもたくさん来ていた。
帰ってから、近所の3人娘たちがバラバラに来た。
リーダーがスカートの仮縫い合わせに来てくれた。
その後、三ちゃんが原宿の豆大福を持ってきてくれた。
三ちゃんが帰ったら、すぐにエバ子から電話があり、ブンタンの皮(このあいだ、冷凍しておいたのをあげた)のマーマレードと、おいしそうな田舎パンを持ってきてくれた。
今日私は、キムタクの新しいドラマが始まる時間に合わせて、一日を過ごした。
夜ごはんは、親子どんぶり(スイセイのリクエストで)、ほうれん草とわかめのおひたし(しらすのっけ)、ぬか漬け(ゴーヤ、大根、茄子、きゅうり)、エシャロットの即席塩漬け。
スーパーに小梅があったので買った。
今、水に浸けているのだけど、すごくいい匂いがする。
甘酸っぱい花のような、南国のフルーツのような香り。
黄緑色にところどころ赤みがさし、とてもかわいらしい。

●2009年5月15日(金)晴れ

「暮らしの手帖」の撮影2日目。
きのうが1日目だったんだけど、今日もきのうもたっぷり時間をくださったので、ひとつずつのんびり作っていった。
のんびりというか、頭の中が風通しよく。
そういう中での集中というのは、プツ、プツと、細々したことに気がまわって、いいアイデアがわいてくる。
作ってくれる人がどんなことを難しいと思い、どんなことをやりやすいと思うかなど、編集さんとひとつひとつ確認しながら、ヒロセに写真を撮っていってもらった。
試作も重ねたし、打ち合わせの段階でも万全だったけど、さらにその場で気がついたことを流動的にはさんでいけた。
さすがは「暮らしの手帖」だ。
おかげでくたびれもなく、何をやっても充足した感じだった。
とちゅうで「百年」君が『チクタク食卓・上』のサイン本を受け取りにきてくれたので、試食をしていってもらった。
ちょうど松浦さんもいらっしゃって、「百年」君を紹介できたのもグットタイミングだった。
ふたりとも本が大好き同士だし、松浦さんは古本屋さんの大先輩だから。
スイセイも、ゆうべからめずらしくハイテンションで、すごく楽しそうだった。
なんでテンションが高いかというと、スイセイは今、本屋さんに置いていただく『チクタク食卓』用の立体ポップを作っているから。
もう、「え? うわ〜〜〜!」っていうくらい、見たことないものを作っているのです。
川原さんはポスター担当で、全体のADでもある。
ふたりとも、もちろんボランティアで。
川原さんは今忙しいのに、この間もアノニマで終電まで作業していたらしい。
すごいなあ。ありがたいことだ。
スイセイは、「チクタク熱の伝染病じゃけえ」なんて言っている。
撮影が終わって、布団を入れたり洗濯ものを入れたりしていたら、今日ってすごくいい天気だったことにようやく気がついた。
空気が乾いていて、風がスーッと軽やかで。
「え、今いつだったっけ? っていうような空ですね」ってリーダーが言っていたけど、言われてみれば本当に、天高い秋のような空だった。
リーダーが撮影の残りでなんとなくつまみを用意してくれて、ふたりはなんとなくビールを飲み始め、私は畳の部屋で『チクタク食卓』のサイン本を100冊作った。
終わって、カンパイ!
スイセイは絶好調で、ギャグを飛ばしながら、話もピョンピョン跳ねながら、みるみる酔っぱらっていった。
リーダーのお刺身の切り方が、豪快でおいしそうだったな。
ひとつのお皿に2種類をいっぱいに盛るのが、瀬戸内っていう感じだった。
海辺の食堂の刺し身定食みたいな。
夜ごはんは、撮影の残りのご飯もの&つまみ&ビール。
お刺身盛り合わせ(スズキ、ホタテ)、枝豆(塩、ごま油、すだちを小皿に合わせ、つけて食べるのをリーダーが発明した)、キムチの残りにみょうが、ゴーヤ、塩らっきょうを刻んでまぜたもの、ぬか漬け。

●2009年5月10日(日)快晴

いい天気だなあ。
風もなく、穏やかな日曜日。
「真夜中」の原稿が、どうして書き進められないのか、ゆうべ寝ながら考えていた。
明け方、そのことにハッと気がついた。
今朝は、スープを火にかけながらそのことを実践して、書いていた。
気がついたら、スープは焦げていた。
焦げくさい匂いもしなかったし、朝ごはんを食べずに書いていたこともすっかり忘れていた。
私は、ここでない場所に行っていた。
おーし。
ようやく分かった気がする。
今日は、夕方からリーダー、三ちゃん、川原さんを呼んでごはん会をやる。
ごはん会といっても、私の試作を食べてもらう会。
ごはんものばかりなので、スイセイひとりで食べさせるのが気の毒だし、そういうことを気にしながらだと、どうも勢いのある料理ができないので。
みんなにはお弁当箱持参できてもらう予定。
まだ明るい夕方に集まって、この間「ダ・ヴィンチ」の岸本さんにいただいた、スペインのおいしい白ワインを飲もう。
では、これから仕入れに行ってきます。
メニューは、撮影ものなのでここにはまだ書けません。
ごはんものの他には、大根と青じその塩もみ、塩らっきょう、ぬか漬け(大根、きゅうり、にんじん、ゴーヤー)、冷やしトマト。

●2009年5月8日(金)曇り時々晴れ、時々雨

朝から「真夜中」原稿書きの続き。
試作をしながらやった。
ごはんものを2種類やったので、三ちゃんのところにいるリーダーに電話した。
今日は、三ちゃんはパン屋さんだから、お弁当にして届けてもらおうと思って。
夕方、天気雨があった。
空はところどころ水色に晴れているのに、点々が見えるほど大粒の雨。
ベランダに出ると、栗の花の匂いもむわ〜〜っとする。
遠くに見えるビルの窓から、人ふたりばかし、こっちの方をずっと見ている。
え?
と思って、見ている方向を見てみたら、虹が出ていた。
とても大きく、完璧な半円形。
昼間から「ホノカアボーイ」のサントラを繰り返しかけていて、ちょうどキョンキョンが歌っているところだった。
すごい。
三ちゃんにすぐ電話した。
スイセイに知らせたいけど、留守。
この虹は、都心の方でも見えているんだろうか。
武蔵野でしか見られないんだろうか。
などと思いながらじーっと見るが、そわそわしてきて、見るのに飽きるような感じにもなる。
何度もいったりきたりしながら見た。
最後に見た時、虹はほとんど消えかっていた。
20分か30分くらい長持ちした。
夜ごはんは、まぜごはん2種、おでん(筍、かぶ、こんにゃく、厚揚げ、フランクフルトソーセージ)、鯖の照り焼き。

●2009年5月3日(日)晴れ

ゆうべは、『ホノカアボーイ』の高崎さんと、「ダ・ヴィンチ」の対談だった。
おもしろすぎて、気がもっていかれてしまい、料理があんまりうまくできなかったけど、すごーく楽しかったのでよしとする。
カメラも、『ホノカアボーイ』でいっしょだったまなべちゃんにお願いしたし、三ちゃんが手伝いにきてくれたので、ハワイ島の気分が蘇ってきた。
撮影の休みの日は、コンドミニアムの私と三ちゃんの部屋が「バー高山」になった。
みんなでおいしいごはんを食べ、そのうち酔っぱらってくると、たいした話もしないのに、いっしょにいるだけで楽しかった。
悪ガキたちが集まって、ふざけ合っているみたいな感じ。
高崎さんが変な顔をしたり、人のしゃべり方を真似したりするのがすごいおもしろくて、ばかばかしくて。
ゆうべ、最後のころ、気がついたら、コンドミニアムの四角い部屋のそういう空気だけ切り取って、ボカンと高山家に運ばれてきたみたいな感じになっていた。
そんなハワイの家族たちに、ゆうべはスイセイも加わって楽しんでいた。
そういえば昼間、窓をいっぱいに開けてハワイアンをかけながら掃除をしている時から、すでにコンドミニアムにいる気分になっていた。
夕方から集まるみんなのために、料理の下ごしらえをしたり、床をぞうきんがけしたり、洗濯物をたたんだりする感じが。
三ちゃんが来て、台所に入ったとたん、そのレベルはキューーッと上がった。
ああ、ほんとに楽しかった。
ハワイでなくても、コンドミニアムごっこは日本でできるんだなあ。
というわけで、今日はひさびさの二日酔い。
ゆうべのちらし寿司を食べて、お茶をいっぱい飲んで、寝たり起きたり。
夜ごはんは、そうめん、小松菜の茹でたの、白うりとみょうがのカリカリ和え(ゆうべ、出すのを忘れた)、ぬか漬け。

●2009年4月29日(水)快晴

ポッカポカ。
あちこち緑がわんわん伸びてきた。
大家さんの垣根のジャスミンの花が、今年も咲き始めた。
白いのではなく、ピンクが混じった、上品な甘い匂いの方のジャスミン。
昔、「クウクウ」のシタ君が、シロップ漬けにしようといろいろ実験していたのを、花が咲くたんびに思い出す。
時間がとまったみたいに、静かだ。
今日は、祝日だから、車が少ないのかな。
思い出したように、遠くでカラスが鳴いているくらい。
干してある布団の毛布のところに手をはさんで、深呼吸する。
さあて、今日は読書の日にしよう。
きのうから読み始めた本が、とてもおもしろい。
堀江敏幸さんの『未見坂』。
2年ほど前、『雪沼とその周辺』を読み終わってから、堀江さんのずっとこういう小説を待っていました。
もう1冊、『ブロデックの報告書』も、とても楽しみ。
こちらは、『リンさんの小さな子』の、フィリップ・クローデル著。
ちょっと前、新刊の紹介が新聞に出ていて、なんとなく気にしていたら、おととい編集の方が偶然くださった。
玄関のところで、帰り際に、「もしよろしかったら…」とサラリとくださった。
いただいた時、私は驚いて2cmジャンプした。
夜ごはんは、とり肉とコーンの混ぜご飯、筍の薄炊き(きのう、大家さんにいただいた、80センチくらいの堀りたての大きい筍で、ゆうべ作った。
一昨年ももらって思ったけど、大きく育った筍ならではのおいしさがあるなぁ。
真ん中と先の方が、厚い皮で守られていたみたいにほっそりして、柔らかい。実の周りの皮膚が、少し厚く黄色くなって、40歳くらいのしっとりしたおいしさだ)、にんじんとクレソンとレタスのサラダ。

●2009年4月23日(木)晴れのち曇り

最近、わりと早起きが続いている。
カーテンを開け、窓を開けると新しい空気が入ってくるのが気持ちよくて。
あちこち掃除機をかけ、ぞうきんがけ。
きのうは、布団を干しておいたら、大家さんのどんぐりの木の花が風で飛ばされて、毛布やらシーツにいっぱいついていた。
ベランダのすのこの上にも落ちていた。
この間まで、西日に照らされて金色に光っていた花の房が、ただの茶色く枯れた房になって、風に飛ばされてゆく。
でもそのかわり、若緑の葉っぱが、にょきにょきと見る間に大きくなっ ている。
今年も、杏の実が梅の実ほどにふくらんで、赤みもさしてきた。
お昼を食べてスイセイと散歩。
道ばたのサツキの花を、ちょっとばかしもらった。
今、書いている文にサツキのことが出てくるので。
出かける時間が早かったせいか、中央公園はまだ人も少なくて、いい風が吹いていた。
今の季節、どこもかしこも緑がサワサワしている。
もし私が男だったら、こんな広々したところで素っ裸になって、大声で歌ったり叫んだりしたい気持ちも分かる気がする。
帰りに、農家のところで絹さやを買う。
帰ってから文章書きの続きと、『日々ごはん11』の校正もやり始めた。
夜ごはんは、鯵の開き、ほうれん草のおひたし(だし汁、薄口しょうゆ)、マカロニサラダ(お昼にトマトソース和えでゆでたペンネを半分とっておいて、マカロニサイズに切り、玉ねぎ、きゅうり、ゆで卵、マヨネーズ、ねり辛し)、かぶの塩水漬け、うに塩辛、いかなごのくぎ煮(三ちゃんのお母さんにいただいた)、絹さやのみそ汁、玄米。
この間、美容師さんに教わったかぶの塩水漬けがパリパリしてとてもおいしい。
皮ごとのかぶを、1センチの厚切りにしてボウルに入れ、沸かした塩水(唐辛子があったら加える)をかけるだけ。
塩水は冷ましたりせず、熱々のまままわしかけるのがポイントだそう。
どういうわけだか、本当にいつまでもパリパリしている。
うちには唐辛子がなかったので、昆布をちぎってボウルの方に加えた。
塩水は海水くらいの塩辛さです。
こんど、島らっきょうでもやってみよう。

●2009年4月19日(日)晴れ

朝ごはんを食べ、りうは10時に爽やかに帰っていった。
日曜日だけど、11時から、『チクタク食卓、上』の作業で、川原さんと田中くんがいらっしゃる。
表紙カバーの見本ができてきた。すごい!!。いえい!!。
さすがは川原さんだ。
ちゃんと、理由があってそうなった革新的なデザイン。
いいのができたし、天気もいいしで、私はすっかり風通しのいいところで陽に当たっているような気分となり、カレーライスを食べながらハワイのビールを飲む。
みんなが帰ってから、『まる子』。
『サザエさん』をみながら、猛烈な眠気がやってくる。
あんまりお腹がすかないけれど、スイセイにせがまれて、夜ごはんは蕎麦をゆでる。
ざるそば、(小松菜もゆでて添えた)、とろろ。
風呂から上がって、今夜もまた『ウルトラミラクルラブストーリー』をみる。
今日でたぶん6回目。
まだ、何度も何度もみて、体に注入し、焼きつけたい。
陽人さん(松ケン)のしゃべり方や、映画の中の空気を、体で暗記したい。
エンディングの歌も、歌いたい。
この映画は、6月に封切りだそうです。
もうコメントは書いて送ったのに、まだDVDを借りたままです。
水曜日に返す予定。
私は今日、川原さんと田中くんといる時、陽人さんのぶっちぎりのまっすぐさや明るさや、どうにかなるべえ的な感じが、のりうつっていたのかも?と思った。
『今日のおかず』もようやく刷り上がり、ピッカピカの大満足だし。

というわけで、なんとなく今日から、「日々ごはん」を週に1日だけ始めてみようと思います。

●2009年4月9日(木)

ナツメロの番組って、当時の声がすっかり出なくなっているのに、せいいっぱい若づくりして出てくる歌手ばっかりで、ほんとにイヤんなっちゃうんだけど、さくらと一郎の「昭和枯れすすき」だけはぜんぜん違った。
年をとることで、歌がますます鍛え上げられ、磨かれて、大道芸とかサーカスみたいになっていた。
感動して泣いた。

●2009年4月4日(土)

フィッシュマンズの新しく出たCDがすごすぎる。
とくに「ロングシーズン」と「8月の現状」が。
高音質って何だろうかと思っていたけど、佐藤君がすぐそこで歌っているみたい。
とり肌立って、ざわざわして、何度も後ろを振り返ってしまう。

●2009年3月29日(日)

ブンタンピール、好評につき(スイセイに)6個分も作った。
氷砂糖で煮てみた。
今日もまた『チクタク食卓』の読み込み。

●2009年3月22日(日)

『今日のおかず』、いよいよ陣痛が始まった。
三ちゃんに言ったら、「高山さん、 ヒーヒーフー ですよ」 とメールが届いた。
今日は大豆をゆでながら、最後の校正を心ゆくまで打ち込んだ。

高知からダンボール箱いっぱいのブンタンが送られてきた! 皮の下の白いブカブカしたところをゆでている。
ブンタンピールを作ろうと思って。

●2008年3月15日(日)

きのうの「ホノカアボーイ」初上映で、マラサダを157個作った。
映画が、みなさんのところへ飛んでいきました。

今まで、あんまり夢もみてなかったような気がするけど、このところ2日続けておもしろい夢をみている。

●2009年3月8日(日)

いくら忙しいっていっても「トムソーヤの冒険」を見ながら餃子を巻いたりできるんだから。
三ちゃんはパン屋&ケイタリング&お弁当で大忙しだそう。
あとで餃子弁当を届けてやろう。
リーダーが「ニチニチ」に映画のポスターを届けてくれた。
星野くんは今、自分のことを「ホシノカーボーイ」と名乗っているらしい。

●2009年2月28日(土)

ハワイから帰ってきたら、書類がいっぱい届いていた。
もういいかげん戻ってきて先ヘ進みなさい、と ビーさんに背中をはたかれました。

ああ、虹が消える。

あと2週間で、いよいよ「ホノカアボーイ」が封切りです!

●2009年2月21日(土)

いま、ハワイ島です。
ハワイに来ると、三ちゃんと私はふたりとも変わる。私は平たくなって、間口が広くなるような、どんなことでも受け止められるようなおっかさん的感じ。
三ちゃんは、だんぜんおもしろくなる。
ふたりとも力がぬけて、声が低くなって、いつまでもいろんなことをしゃべっている。
1年に一回、『めがね』のかき氷屋のような店を、ふたりでやっている感じ。

●2009年2月15日

ひさしぶりにスイセイと散歩に行った。中央公園は、いろんな人がいっぱいだった。
おじさんたちのサッカーチーム、丘に座ってひとり詩吟を浪々と詠うおばちゃん。
木にぶら下がっているおばちゃん。足下でじっと待っている子犬。
なんだかすっかり春めいていた。
晩ごはんは鯵の開き、ポテトサラダ、小松菜とほうれん草のおひたし、新ワカメの刺身、焼きそば(ゆうべの残り)、ぬか漬け、土鍋で炊いた白いご飯、なめこ汁。

「ホノカアボーイ」のサイトがリニューアルされました。
私もスタッフのコメントを書きました!

●2009年2月8日(日)

ポッカポカの春みたいないち日。
きのうはインタビューのあと、ちよじとリーダーがきて少しお酒を飲んだけど、私だけ先にバテてしまった。
皆が帰ってからお風呂に入り、そのあとがんばって原稿を書く。
今朝も早起きして続きをやった。
それが、楽しくてたまらない。
何をやっているかというと、「ホノカアボーイ」のパンフレットのことです。

●2009年2月1日(日)

ひさしぶりに近所のスーパーに行ったら、すっかり改装されていた。
あちこち白っぽくて、新しい匂いがして、店員さんたちもなんだかハリハリして。
お父さんと小学生の息子が買ったものを袋に詰めながら、「固いものから先に入れるんだぞ。豆腐なんかいちばん下に入れたらな、うちに帰ったら豆乳になっちゃうんだからな」 なんて。
帰り道、シジュウカラが道を歩いていて、なんとなく春の匂いがした。

●2009年1月24日(土)

このところ、『チクタク食卓、下巻』の打ち込み作業をやっていて、気がついたら、日が暮れている。
今日は、小雪がちらついているのを眺めながらやった。
原稿もひとつ書いた。
とちゅうでたまらなくなり、スイセイを誘って散歩に出る。

●2009年1月15日(木)

『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』 の文庫版の校正を、このところ毎日やっている。えんえんと。
フィッシュマンズを聞きながら夢中でやっていて、気がつくと、いつも陽が傾いているのだった。

●2009年1月11日(日)

ゆうべは「太陽バンド」のライブに行った。
畑さんが「ユニコーン」を歌い始めたとき、足から腕、頭の先まで鳥肌がのぼってきて涙が吹き出した。
ともすけのおいしい料理とワイン。連絡をし合ったわけでもないのに、会いたかった人たちがそこにいて。みんな笑っていて。

●2009年1月3日(土)

三十日に『誰も知らない』を、元旦に『生きる』をみた。
すごかった。
なんで私はもっと早く観なかったんだろう、とも思ったけど、今だからこそちょうどよかったような気もする。
映画っておもしろいな。もっともっとたくさん観たい。
とりあえず今夜は、『HERO』が楽しみ。キムタクキムタク。



いままでの日々ごはん

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