2006年5月中

●2006年5月20日(土)晴れ、風強し

晴れた〜! 天気予報は嬉しい大はずれ。
窓をいっぱいに開け、あちこち掃除機をかけて11時より撮影です。
ベランダに出て、しばし風に吹かれる。
いつもの、NHKの撮影メンバーに会えるのが嬉しい。
ヒラリンにも、ひさびさに会える。
2時前には終わってしまった。
やっぱり、撮影は楽しいなー。
このところ、ずっと文を書いてばかりいたからな。
ああ、やっぱ、手足を動かして仕事をするってのはいいもんだな、と思いながらやった。
味も、いつもよりすごくよく感じたような気がする。
天気も夏みたいで、ゴーヤー日和だった。
終わってから、ヒラリンとビールで乾杯。
ベランダが気持ちがいいので、陽に当りながら飲んだ。
そのうちに、だんだん暗くなって、大降りに。
嵐のようになった。
しぶきをまき散らしながらの、土砂降りだ。
木も、体中をしならせている。
でも、いやがっているように見えない。
風に吹かれ、枝をしならせて運動しているみたいに見える。
窓を閉めて、そのすさまじい雨模様を見物しながら、梅酒やグレープフルーツ酒を飲んだ。
「急にくる雨は、急におらんようになる」とスイセイの言う通り、あっという間に上がりました。
上がってからが、またすごかった。
6時だというのに青空で、西陽が強烈に当り、遠くの緑の陰影までくっきり見える。
それを残したくて、何枚も写真を撮ったけど、この空気までは写せなかったと思う。
ドラマチックな天気だったなあ。
(今、皆見てるかな…)と、いろんな人のことを思ったりした。
私はヒラリンとふたりで、すごく楽しめたからよかった。
夜ごはんは、ホッケの開き、たたききゅうりの梅種醤油、水菜の塩ごまおひたし、トマト、納豆、スジコ、玄米。

●2006年5月19日(金)雨のち曇りのち雨

はっきりしない天気が続いて、東京は寒いくらいだが、アムたちがいる北海道は、最高気温が25度とかだ。
天気予報を見る時、沖縄、高知、東京、北海道のもチェックするくせがついている。
今日もまた、原稿の直しやらレシピの直しやら。
レシートの整理までやった。
4時半くらいに、明日の撮影用の買い物に出る。
ジャスミンと、栗の花の匂いがした。
本当なら、今の時期はムンムン暑いはずなんだけどな。
湿気が多いから、髪の毛とか顔の肌とか、なんとなしにブハーッとむくんでいるのがいやだったのだが、道行く人たちも、皆同じようになっていました。
どろーんとして、爽やかな顔の反対。
ゴーヤのりっぱなのが、ロンロンにありました。
こう寒いと夏の料理をするのがけっこうつらいが、明日の撮影は、気持ちで乗りきろうと張り切っている。
帰りには、雲の切れ目から晴れ間ものぞいてきた。
ちょっとでも、洗たく物を外に出す。
刻々と、素晴らしい夕方になってきた。
全体的に水色で、遠くの方まで緑がよく見える。
桐の花の紫とのコントラストが美しい。
夜ごはんは、肉豆腐(牛コマ、白滝、焼き豆腐)、するめいかの刺し身、スズキの刺し身、小松菜おひたし、じゃが芋の味噌汁、玄米。
夜になって、また雨。

●2006年5月18日(木)雨のち曇り

昨夜は、『マイライフ・アズアドッグ』をまた見てしまった。
途中で寝ようと思っていたのに、スイセイが参加してきて、最後まで見てしまう。
やっぱり大好きだ。
でも、何度も見過ぎて、せりふの感じや、それを言う時の表情まで覚えてしまっている。
しばらく忘れて、あと10年くらいしたらまた見よう。
今日は、1時から打合わせ。
ひさしぶりに「レタスクラブ」の撮影だ。
雑誌自体がものすごくひさびさなので、なんか新鮮だった。
終わって、図書館と買い物に行く。
雨が上がり、歩いている人たちが急に動き出したように、元気な空気があふれていた。
私も、それに参加している。
歩いているだけで、気持ちがいい。
帰ってから、じゃが芋をゆでながら、『記憶のスパイス』の原稿のことをやる。
ぐんぐんやる。
このお芋、北海道の長期貯蔵メイクインだそうで、ほんのり黄色がかり、甘味があってねっとりおいしかった。
越冬じゃが芋というのとは、また違うのだろうか。
ちょうど、ペルーのじゃが芋の話を校正していたので、ナイスタイミングだった。
夜ごはんは、ゴーヤのサラサラカレー、キャベツときゅうりとカニカマのサラダ、ゴーヤとみょうがの梅じょうゆ和え、玄米。

●2006年5月17日(水)雨が降ったりやんだり

眠たい。
いくらでも眠れる感じ。
布団の中で、手の平と足の裏がボーッと温かいのです。
このところ、はっきりしないお天気が続いているからだろうか。
それでも、エイッと12時に起きた。
今日もまたパソコンに向かう。
原稿の直しや、明日の打合わせの準備や、レシピ書き。
早めに夜ごはんの支度をして、また続きをやる。
締め切りがゆるめなので、のんびり構えているけれど、今のうちにやっておかないと次のもそこまで迫っている、という感じ。
そういえば、このところずっと買い物に行ってない。
塩豚を少しずつ使って、活躍しています。
夜ごはんは、ウズベク風炊込みご飯(塩豚、赤ピーマン、長葱、オイル漬けのドライトマト)、ごぼうのイタリアン、大根とレタスのサラダ、アスパラと絹さやのオイル蒸し。
ごぼうのイタリアンは、前にともすけが作ってくれたのを、みようみまねでやってみた。
ともすけのは山ごぼうで、歯ごたえもすごくよくておいしかったな。
新ごぼうを長めの棒切りにして酢水にさらし、オリーブオイルで軽く炒めて、刻んだアンチョビとケッパーを加え、ほんの少し水を加えて蒸し煮。
ごぼう、うまくいきました。
スイセイに大好評。ふたりで2本をぺろりと食べてしまった。

●2006年5月16日(火)小雨

今日やっと、(何もない)っていう気持ちで目が覚めた。
だらだらした気分で、飽きるまで寝る。
12時に起きました。
窓の外は雨。
沖縄は、もう梅雨に入ったそうだ。
目の底に、波照間島の緑濃い湿った景色が浮かんでくる。
皆、元気だろうか。
締め切りはまだだけど、やることはある。
休んでもいいんだけど、ついついまた今日も仕事を初めてしまう。
夜ごはんは、人参の塩もみサラダ、塩豚焼きキャベツ炒め添え、納豆オムレツ、おいしい明太子(丹治くんのお土産)、油揚げと葱の味噌汁、玄米。

●2006年5月15日(月)薄い晴れ

昨日の『ohana』は、すごいことになっていた。
想像を越えていました。
郁子ちゃんが色っぽくてびっくり。
タカシ君も、オオヤさんも、なんか全体的にプッと笑ってしまうような、明るく楽しい感じだった。
私は踊りたかったが、二階席だったし、周りも皆踊ってなかったので、躊躇してしまった。
とちゅう、一階の若者たちの方に紛れ込みたかった。
ウィー・アー・ザワールドが、すごーくよかった。
アフリカ人みたいに、縦に跳ねるような音楽。
ずーっと聞いていたかったし、私も一緒に跳ねたかった。
終わってから、スイセイ、リーダー、ナツコ、リーダーの友だちの女の子と吉祥寺に帰ってきて、炭焼きのホルモン焼き屋さんに行った。
ひさびさにたっぷり肉を食い、焼酎を飲んだ。
おいしかったなあ。
近所にこんなにいい店があったなんて。
ヤーノに前から誘われていたところだ。
塩だけで、何でも食べる。
というわけで、ちょいと二日酔いなので、11時半までしっかり寝た。
あちこち掃除をし、ツナサンドを作って食べる。
2時からは、『記憶のスパイス』の打合わせ。
今まで撮影した写真を、畳の部屋にずらりと並べ、皆で意見を言い合う。
ひさびさに会った斎藤君は、すごく痩せて、精悍な顔になっていた。
とちゅうビールを出したくなったが、斎藤君は病み上がりだし、私だって二日酔いなのだからぐっと我慢する。
続いて、『フランス日記』の帯と『日々ごはん7』の打合わせ。
『フランス日記』は、いよいよ6月3日に発売だそうです。
打ち合わせが終わったら、けっこうフラフラであった。
スイセイが、何も言わないのに洗い物をやってくれた。
早めに夜ごはんにする。
焼きそば(塩豚、小松菜、豆苗、オイスターソース)、たたききゅうり。
いろんなことがひとつずつ片づいて、次に進んでゆくのが嬉しい。
ホウキでサッサッと履いて、真っすぐな地面が下から出てきているような感じ。
そしてまた、新しい道スジを地面に彫っていくのだ。

●2006年5月14日(日)曇り

窓を開けると、ジャスミンの匂いがする。
大家さんの柵のところのが、満開なのだ。
生け垣に咲く白いジャスミンの花も、開き初めていたし。
曇り空や、しとしと雨がよく似合う花だな。
梅雨になるとくちなしが咲くけど、やっぱり雨の中で香るのが似合う。
さて今日は、夕方から『ohana』のライブだ。
リーダーたちと行ってきます。
それまでに、ひと仕事やってしまおう。
天気予報では曇りマークたけど、ちょっと晴れ間も出てきました。
桐の花も、満開。
遠くで子供の声がするくらいの、静かな日曜日だ。

●2006年5月13日(土)雨

昨夜は、アキ・カオリスマキの『浮雲』を見た。
よかったなあ。
ラストシーンが最高だった。
この人の映画って、暗いように見えて、すごくクールで、あんがい笑える。
前に違う映画を見た時にも思ったけど、不幸が度重なり、どん底までいっても、たいして驚かず、淡々としている。
そして最後には、いつもハッピーエンドだ。
おとぎ話のよう。
そのあと、『マイライフ・アズア・ドッグ』もまた見る。
何度見たか分からないけど、スイセイと一緒に見るのは初めてだった。
見終わって、感想を言い合いながら寝た。
今日は、一日中、しっとりした雨です。
原稿は、夕方にはどうにか形になった。
締め切りまで少し間があるので、ちょっと寝かせることにして、今夜は、ともすけパイのお楽しみだ。
夜ごはんは、ともすけパイ(アンチョビと春野菜)、ふきのとうと春野菜のちびラザーニャ、大根のマリネ、レタスのサラダ。

●2006年5月12日(金)晴れ

11時から打合わせ。
昨夜からなんとなく目まいがするので、貧血かもと思い、レバーとひじきを買いに出た。
ひさびさに晴れ渡り、気持ちがいいので、遠回りして農家のところで絹さやを買う。
まだまだ気持ちがいいので、中央公園まで散歩。
たらたらと一周した。
まるで泉の水を飲むみたいに、水道をみつけると、手の平ですくって飲んだ。
人も少なくて、いつもは野球をやっているグラウンドでは、じじばばがゲートボールをしているくらい。
あとは、凧揚げのおじさんと、コーラをテーブルに置いて、ハーモニカを吹いている暇そうなお兄さん。
折畳みのテーブルセットを桜の木の下に出し、カップヌードルを食べているおじさんがひとり。
あとは、主婦が子供を連れて散歩にきているくらいだ。
芝生もすっかりわさわさで、クローバーも勢いがいい。
その上をわしわしと歩く。
ムクドリが、何かをついばんでは歩いている。
桜の木はすっかり葉が繁って、よく見ると、まだ緑色だけどサクランボがなっていた。
「サクランボの実る頃」を歌いながら歩く。
なんか、視界が狭くなっているような、ちょっとふらつく感じなのだけど、ふわふわと、緑の中をどこまでも歩いて行きたいような感じなのだ。
部屋にこもってずっと書き物ばかりしていたから、きっと体のすみずみが、外の空気に触れたがっているんだろう。
毛穴から、ふわーっと外に出たがっている。
何が?。
帰ってから日記を書き、こんどは街へ買い物に。
夏服をいろいろ買って帰ってくる。
ビデオも借りてきた。
ああ、今日はよく歩いただ。
夜ごはんは、とろカツオの刺し身(にんにく醤油、みょうが、青じそ)、ひじき(大豆、油揚げ)、レバニラ炒め、ゆで絹さや、トマト、大根の味噌汁(昨夜の残り)、玄米。
私のレバニラは、鳥レバーを一口大に切って、にんにく、しょうゆ、酒、きび砂糖少しでしばらく浸けておき、小麦粉を薄くまぶしてごま油で焼く。
レバーが香ばしく焼けたら、ニラを加えて炒めあわせ、塩とこしょう。
レバーは、強火で周りをカリッと焼いたら、完全に火が通ってないくらいでニラを加えるのが丁度いい。
豚レバーはあの舌触りがちょっと苦手だが、鳥のはキメが細かくて好き。

●2006年5月11日(木)曇り、時々小雨

梅雨みたいにべたべたするので、あちこち掃除する。
雑巾がけも念入りにやって、ワックスもたっぷり塗った。
床を歩くと、キュッキュッという。
きれいになったところで、作文の続き。
これが終わったら、とりあえずは一段落。
あとは、15日までに別件の原稿をひとつ書けばいいのだ。
雨上がりに、チュルチュルといい声の鳥が鳴いている。
夜ごはんは、スイセイのリクエストに答えて、中華丼(海老、豚肉、赤ピーマン、エリンギ、小松菜、玄米)、豆腐サラダ(トマト、胡瓜、小松菜)、大根の味噌汁。



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