2002年11月下

●2002年11月30日(土)

最近の私の時間はめちゃくちゃ。
ゆうべは10時(夜の)にどうしょうもなく眠くなったので昼寝をし、1時から起きてパソコンの前に座り、仕事をした。そして明け方に寝たんですが、おもしろい夢をいっぱいみました。
トイレに起きた時、その夢のニュアンスに包まれたままだったので、それを抱いたまま寝たら、続きがみれました。あまりにも変な夢だしちょっとスケベなのでここには書きませんが。
波照間の良美ちゃんからゴーヤ(良美ちゃんはゴーヤーと言う)と島大根が届きました。黒糖ピーナッツというのはよくあるが、黒糖大豆というのがおまけで入っていた。今、お茶をいて食べてみたんだけど、大豆の苦味がひなびていておいしい。良美ちゃんが生ゴミを畑にまいておいたら、ゴーヤが勝手に出てきたんだそうだ。ゴミの中に種が混ざっていたのだろう。
豚肉をよく炒めてゴーヤを加え、塩と胡椒だけで炒めたら、すごくおいしかった。ゴーヤは小さいものだが、パリパリとして歯ごたえがいい。
ところで、今スイセイは何をしているかというと、部屋でなんだかんだ作っているのです。ちくちくと針仕事なんかもしている。12月の暮れに四国にお遍路さんに行くのだそうだ。だから、防寒具を縫ったり、背負子(しょいこ)のようなものを自分で発明して作ったりしている。私が仕事をしていると、その背負子をかついで見せにくるのだ。モデルさんのように腰に手を当てたりして、いちいちポーズをつけながら。
ごはんの時にも、背負子を壁に立て掛けてうっとりと眺めているスイセイ。
そういえば昨日、川原さんの夢をみていたら電話が鳴って川原さんからでした。
そろそろ私の脳は、ゆるんできて良い感じになっているかも。だって、本の作業が山場の頃は、まったく夢をみなかったもの。

●2002年11月29日(金)

今、夕方さいごの光が窓の外にさしています。電気をつけていないので、部屋の中は薄暗い。いしいしんじ著の「ぶらんこ乗り」を読み始め、夢中です。
温かいんだけど、悲しみがピリッと底にいつもある感じ。
行間や、て・に・お・は・にいたるまでまったく無駄がない。というか、流れているものが言葉を越えちゃっている。本という物と自分がつながっていることを、ひさびさに感じた本でした。図書館の本だが。
そして、おととい買った、たかし君の「ひとりぐみ」をかけてみたら、ありゃありゃここにもおんなじ種類のものがありました。声が言っているのだ。声が冗舌なのだ。
さあさ、これから私も仕事にかかりましょう。連載の文章が書けそうな感じなので。
今夜はハウスバーモントカレー中辛だ。

●2002年11月28日(木)

昼には起きて、昨日の宿題のつづき。
今、りうも卒制のためのシナリオに四苦八苦しているので、ふたりして同じ顔つきになっている。パジャマのまま、顔も洗わずに、歯もみがかないから、なんとなくパサッとした感じなのだ。
食パンを焼いて、生クリーム入りのおいしいオムレツを作り、ふたりで食べながら励まし合う。りうは今日、自分の部屋のカーテンを洗濯して窓までみがいていました。ここに住むようになってから初めてのことらしい。何かにぐっと入りこんでいる時って、まったく別のことをたまにやってみたり、昼寝したりするのが脳にはいいそうだ。
私も夕方ちょっと昼寝をしたら、なんか良い夢をみた気がする。内容は忘れてしまったが、夢のムードというか空気感が温かく、心地よいものだった。
スイセイがラーメンを作ろうとしている音がしたので、ぼぞぼぞと起き出し、夜ごはんは白菜と鷄肉入りの煮込みうどんと、この間作って冷凍しておいた、これまた白菜と香菜が入ったぎょうざをゆでて、3人でおいしく食べました。
ところでゆうべりうが作った味噌汁は、れんこんとほうれん草の具だ。すごい斬新だが、れんこんの輪切りの味噌汁って、料理研究家としては「それいただきっ」ていう感じだった。しかも皮つきでかっこいい。ちょっとアクが出ていたが、水でさらしてからやればだいじょうぶだろう。
食べ終わってからまた宿題のつづきをやり、今、丹治君に送ったところ。
まだ1時半だが、今夜はこのへんにしてそろそろ寝ようかな。
そういえば、最近私はノーワックスのみかんの皮を、食べては干し食べては干ししているが、いつものお茶を煮出す時にちょっと混ぜてみたら、ほんのり香って良い感じだった。ほうじ茶をベースにして、枇杷茶、ふるさと万年茶(ハトムギやらどくだみやら、何でもかんでも入っている)、しょうがの皮、そしてみかんの皮だ。

●2002年11月27日(水)

ゆうべは、あれから上がってきたデザインと原稿のチェックをしていたら朝になってしまいました。昼に起きてもういちどざっと見直し、夕方から国立へ。バタードッグのたかし君のライブに、前から郁子ちゃんに誘われていたので。
あの鼻声の歌声も、曲も、歌詞も、すごくよかった。私はばりばり泣いていました。特に、明るい曲で泣けてしまうのです。カバーを何曲かやっていて、またそれがよかったんです。人の曲のカバーって、こういうものなのだ。たかし君が歌うと、たかし君の音楽になっている。お茶の間で、「ねー、あれ歌って」なんておねだりする時に、あんな歌い方でカバーをやってくれたら、もう私は泣いちゃうよ。オザケンの「いちょう並木のセレナーデ」や、あがた森魚の「おーさむ街」(?)は、めちゃくちゃ懐かしくもあり、何度も言うが、たかし君の鼻声と声の厚み、ギターの音、最高でした。
いっしょに行ったミキちゃんが、「昼に私ハンバーグを食べたんっすよー。しかも250グラムの大きいやつを」と言っていたのを聞いたからだと思うが、ライブが終わってからの打ちあわせがデニーズだったので、確信的にハンバーグをたのんでしまった。ジュージューいわせてグリルで出てくるやつを。フライドポテトとコーンとブロッコリーが添えてあって、タルタルソースがのっかった海老フライが2本もついているやつをだ。
満腹した後は、丹治君、赤澤さんとぐっと集中して作業だ。けっこうハイテンションのまま最後までできたのは、たかし君のライブのおかげだと思う。それと丹治君が、集中の空気を作ってくれるおかげ。私は彼と作業している時、原稿の中に丹治君がぐーっと入っていく様子が、いつも目に見えるのだ。両手で頭を抱えこんで、ぐーっと原稿に近づいて、紙の上に脳みその触手が触っているのが。そして、顔を上げて眼鏡をさわり、静かにひと言つぶやくのです。「こうした方がより良いと思います」などと。
時計を見ないようにしてやっていたが、ふと気がついたら2時をまわっていました。新しく作文の宿題をもらい、フラフラとタクシーを拾って家路へ。
くたびれてはいたが、帰ってから宿題のさわりだけでもやっておこうと思ったら、部屋の中のモチベーションが下がらない感じで、つらつらと良い考えが浮かんできた。けっきょくまた朝までパソコンの前に。これも、もしかしたらたかし君ライブのせいかもしれないが、立花君のデザインが、私を奮い立たせちゃっているのもある。だって、何度も何度も見ているだけで、イメージがどんどん沸いてくるのですもん。

●2002年11月26日(火)

3時から雑誌の打ちあわせ。
終わったら、もう外は暗くなり始め、あっという間に真っ暗だ。そろそろ食量が底をついてきたので、いつもの商店街に買い物に行き、帰って来たらそのまま図書館に。
そして9時ごろ、ついに本のデザインが上がってきました。ジャーン!! 胸がいっぱいで、うまく言い表せません。立花デザインのその素晴らしさについて。
夜中にぎょうざの皮をねり始めてしまい、だったら具も作って巻かないともったいないので、けっきょく本式にぎょうざを作ってしまった。
夜ごはんは、ひき肉と豆腐の飛龍頭、いかのワタ炒め(スイセイの大好物)、ほうれん草のおかか和え、えのきの味噌汁。今日は玄米に押し麦をこっそり入れてみた。ほんわり柔らかくて良い感じでした。スイセイは押し麦が嫌いだけど、気がつかずに食べていた。

●2002年11月25日(月)

うすぼんやりした雨が降っていると、ぜんぜん起きる気がしない。
布団の中で、去年のリトルモアを読んだりして過ごし、起き上がったのは2時をまわっていた。カーテンを開けると、裸になったライラックの木に鳥がたくさん来ている。ひよどりかな?と思ってしばらく見ていたが、窓を開けてよく見ると、ひよどりにしてはぷっくりと太っているし、お腹のところも白っぽい。鳴き声は、キューピー人形を押さえた時みたいな、キューキューいう声だ。
昼ごはんに卵うどんを食べたら、とたんにお腹がピーピーだ。このところ、どうも私は調子が悪い。雨のせいだろうか。
寝たり起きたりしていたが、暇だったのでクッキーを焼いた。
夜ごはんは、春雨とひき肉の炒めもの、キャベツとセロリのマヨネーズサラダ、大根味噌汁、玄米。

●2002年11月24日(日)

クウクウの日。日曜日は料理の出し方が遅いとホールに注意されたので、厨房組は頑張って次々作っていった。
今日は、美穂ちゃん(中井)もいらっしゃったし、丹治君が川内倫子さんとリトルモアの竹井さんを連れて来てくださった。
美穂ちゃんは、病気をしたと聞いていたから心配していたが、顔がつるつるしていて元気そうで、ほんとうに良かった。
帰って風呂に入ってから、前の日記を読みふけってしまい、目がしょぼしょぼしているのにやめられず、5時になってしまった。自分の書いた日記なのに、もうずいぶん忘れていたからものめずらしく、おもしれー!と思ってしまった。ばかだなー私は。
なんでこんなことをしていたかというと、ずっと前に私はスープの味見をする夢をみて、それを今年のクリスマスパーティーの時に作ろうと日記に書いたのを、しおりちゃんが憶えていて、「高山さん、あのスープ作るんですよね」と、この間言われたからだ。
書いた本人はすっかり忘れていたが、夢の中で味見をして、起きてからもその味を憶えていたというやつだ。思い出しました。味もなんとなくまだ憶えています。
今考えたんだが、羊の骨とラム肉とくず野菜でスープをとって、いろんなスパイスを微妙に組み合わせ、トマトを薄く効かせて、サフラン(少し黄色っぽかったと書いてあったので)もちょっと入れてみようと思う。具はほとんど何も入っていないのに、いろんな味がする感じのスープ。ディルと香菜とねぎを最後に散らそうかな。

●2002年11月23日(土)

まだまだ疲れがとれないので、今日も寝たきりをしていた。
こういう時って、何も食べたくない。
5時くらいにとりあえず起きて風呂に入り、夜ごはんの支度をした。
さんまの干物、小松菜とえのきのお浸し、豚汁、玄米。
それぞれが食べたい時に食べるということにして、また寝た。

●2002年11月22日(金)

今日はもうぐっすりと、いつまでも寝ていていいのだと思いながら寝くさっていたのだが、2時くらいに丹治君からの電話で起きました。「なんか変なお仕事ですみません」と言われたけど、ほんとにそれは変な仕事の依頼でした。おもしろそうだからもちろんやってみるが。
あまりに散らかったままなので、ふらふらしながら片づけていてふと窓の外を見ると、木々がすごいことになっていました。どこもかしこもいっぺんに、橙色や黄色や茶色になっている。いつの間にこんなことになっていたのだろう。
私は本のことで頭がいっぱいで、ぜんぜん木を見ていなかったのだな、と思う。洗濯もしていたし、ベランダにも出ていたんだから見ていたはずなのに、ぜんぜん目に入ってこなかったのだなと、つくづくそう思った。
そして窓を開けた時、ベランダのデッキの隙間のところに雀が3羽くらい丸まっていたのが、パーッと飛び立って行った。目の前の電線に留まってはいるが、なんとなく私の方を見て気にしている。何にもしないからまたもどって来てねと心で会話する。
後でその話をスイセイにしたらけっこう興味を示し、「ええ子たちじゃのー」と雀のことを褒めていました。
今日は時間が過ぎるのがものすごくゆっくりな感じがした。やらなくちゃならない事がまったくない日というのは、こんな時間の過ぎ方をするものかと改めて発見。もしかして二日酔いのせいもあるのだろうか?そして5時前には薄暗く、6時にはもう真っ暗になることも、今日初めて知った。このところ、いったい私はどこに行っていたのだろう。忙しい忙しいとバタバタして、頭の中もバタバタしていた。忙しいという国に旅行に行って帰って来たような感じだ。
ごはんは、昨日のスープの残りを雑炊(私)、ラーメン(スイセイとりう)をそれぞれが食べたい時に自分で作って食べました。

●2002年11月21日(木)

ゆうべは5時に布団に入ったが、なかなか寝つけなかった。本の原稿はもうぜんぶ暗記してしまったほど。ほんとにしつこいし、神経質でもある蛇女の私だ。
一昨日も眠れなかったが、なんでか分かりました。背中から首にかけて、がちがちにこっているのでした。ひさびさに、チンする枕を温めて背中にあてて寝てみたら、やっと眠れそうなムードに。
今日は1時より撮影でした。カメラマンは小泉さん。深い意味はないが、もうちょっとで「小泉さんて結婚してらっしゃるんですか?」と聞いてしまいそうだった。カメラの機材を置く部屋は、寝室の6畳間。その真ん中にスーツケースみたいなカメラカバンをどーんと広げ、フイルムを取り出した後のゴミを、ひとまとまりにバーッと無造作に散らかしているのだが、フイルムのごみって白地に緑と赤でかっこいいし、なんとなくその散らかり方にも秩序があって奇麗だった。他のカメラマンのやり方は気にしたことがないけど、たぶんゴミはすぐ袋に捨てているのでは。
撮影のメニューは、スープばかり6品。インスタントではなく、鷄ガラと塩豚でとったスープだ。ひとつひとつに野菜類を加え、味の違うのを作りながら、それぞれのおいしさにびっくり。野菜のだしって、けっして華やかではないけれど、肝っ玉かあさんのようにづ太い底力があることに、ほんとうに驚きました。ゆうべ仕込んでおいた肉からとったスープは、ただのおいしいスープっていう感じだったのに。
撮影が終わり、スープもいろいろ残ったので、川原さんを呼んだ。
ワインくらいでやめとけばいいものを、ビールから焼酎へと、またまたしっかり飲んでしまった私。

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