2002年11月中

●2002年11月20日(水)

テレビの打ちあわせが終わったのが4時半。休憩している暇もなく明日の撮影のレシピを書き、そして仕入れ。帰ってからまたレシピの続き。
本の方はとりあえず一段落ついたけれど、それでもたらたらと原稿をめくっている私。何か間違いがないかどうか、蛇女のようなしつこさで眺めている。
今夜もりうが夜ごはんを手伝ってくれた。
鰯の梅ねぎたたき、大トロ刺し身、豚肉・小松菜・エノキの炒め煮。ちくわとソーセージ炒め、豆腐とねぎの味噌汁。小松菜の根元を切って泥を洗うのと、鰯のたたきをりうがやった。昨日、アジの腹の出し方を教えたので、それつながりで鰯もさばいてもらった。

●2002年11月19日(火)

昼までぐっすり寝て、テレビの打ちあわせ用のメニューを考えたり、撮影用のトリガラスープをとりながら、ずっと原稿を書いていた。
とちゅう、川原さんの家に自転車でつっ走り、イラストと原稿をつきあわせる。
また大急ぎで帰って来て、原稿を仕上げる。またもやミキちやんに来てもらい、仕上がるまで待っていただき、文字を入れた原稿をお渡ししたのは、夜中の1時をまわっていた。編集者を家で待たせるなんて、そんなえらそうなことを初めてしてしまいました。けれど、若い娘を夜道に送り出してしまう申し訳なさだ。
そんなわけでめいっぱい作業していたので、今夜はりうが夜ごはんを作ってくれました。
アジのムニエル、小松菜とのりのおひたし(有元さんのレシピに忠実に)、カニカマのマヨネーズ和え、豆腐とセリの味噌汁。うーん、おいしかった。特にアジのムニエルが、塩、胡椒の加減も焼き加減もバッチリでした。小松菜はちょいとゆですぎだったが、それがまたものめずらしくおいしかった。私はいつもすごくシャキシャキにゆでてしまうから、飽きていたのかも。これからもまた時々作って欲しいものだ。

●2002年11月18日(月)

早起きして本の原稿をやる。
そしてミキちゃんにまた来ていただいて、手渡し。
実は、これを書いている今は19日です。2日続けてバタバタと脳作業をしたので、細かいことを思い出せないのです。夜ごはんは何だったんだろう。
思い出しました。ビーフシチューでした。もちろんインスタントの。それと大根の塩もみとゆで卵だけ。

●2002年11月17日(日)

クウクウに行く前に、2時間ほど川原さんと打ち合わせ。
今日のクウクウは暇でした。
ミキちゃんが早々と原稿を届けてくださったので、帰ってからバリバリと直しをやった。
明日の昼までに送れるように。

●2002年11月16日(土)

すごい二日酔いで、6時までしっかり寝た。
ゆうべはご機嫌でべろんべろんになり、朝方帰って来ました。
まだ暗かったけど、歩いているうちにだんだん明るくなり、ウォークマンでオザケンを聞きながら、ふらりふらりと帰って来た。
とちゅう、また寝転がってしまいました。並木道の欅があんまり奇麗だったので。木の根元のへこんだ所にすっぽり入り込んで、はるか高い所で網の目のように重なり合っている、葉っぱが揺れるのを眺めていたのです。起き上がった時、ちょうど自転車で通った男の子がいて、ビクッと驚かせてしまった。
しかし、夕方のニュースで知ったのだが、今朝5時頃、吉祥寺で女の子2人がナイフで切りつけられる事件があったらしい。ちょうどその頃私は街を歩いていた。ふらふらと千鳥足で。酔っぱらって自転車に乗るのも危険、ひとりで歩くのも危険ということか。
夜ごはんは、どうしても鍋焼きうどんが食べたくて仕方ないので、スイセイにお願いしてパソコンで近所のそば屋を探しあて、注文してもらった。「みいは、わがままじゃのー」と、心底そう思ったように、不平をもらしていたスイセイ。まるで私の秘書みたいなことをやらせちゃったと私も思うので、ちょっとだけ反省したが、スイセイってそう言いながらも、けっこう喜んでやってくれたりするのだ。

●2002年11月15日(金)

赤澤さんは昼から別件の仕事なのに、朝からのメディアファクトリーの作業に参加。ぎゅっとがんばって出掛けて行きました。それからは丹治君とふたりでがんばり、終わったのは11時をまわっていた。
大急ぎで近くの韓国料理屋に駆け込む。12時までなので、丹治君、ミキちゃんと3人で、猛烈な勢いで飲み食いした。そしてペラペラとよく喋りもしたのに、時計を見るとまだ30分しか経っていない。調子に乗ってまたマッコリをおかわりしてしまった。
エゴマのキムチには麦ご飯がついていて、ご飯を炊く時にちょっとだけ入れるんだろうなというくらい、ほんのりしたごま油の香り。豚足のソーセージはカンボジアでも同じようなのがあるけど、ここのは酢みそではなくてアミの塩辛が入ったちょっと酸っぱいタレだった。豚足ソーセージを生にんにくと青唐辛子といっしょに、レタスやエゴマの葉っぱで包んで食べるのだ。そして豚の頬肉というのも塩焼きでおいしかったー。
すごい勢いだったのでテンションが上がってしまい、とりあえずは今日の作業が終わったことだし、そのまま吉祥寺に流れて飲みに行くことになった。今ごろまだまだたいへんな作業をしていらっしゃる、立花君と川原さんにはほんとうにごめんなさいと思いながら。
丹治君もミキちゃんも、ものすごいハードなスケジュールで動いているのに、ばかな私のために付き合ってくださった。なんだかとっても楽しい夜でした。

●2002年11月14日(木)

ゆうべ失敗した大根と白菜の煮物は、水をいっぱい足してトリガラスープの素を加えたら、おいしいスープになった。汁ビーフンに良いような味。
昼ごはんを食べていたら、スイセイが「光る線」と言った。
窓の外を見ると、ものすごくはっきりした飛行機雲だった。ベランダに出てみると、空の端から端まですごく長く伸び、今まさに飛行機が飛んでいる近くの雲は、金色の糸の束のように輝いている。空を走る亀裂のよう。私は「光る亀裂」と名前をつけました。
スイセイは「こういうのを吉兆と言うんで」とも言っていた。確かに、空を走る龍のようにも見える。ほんとうに良い兆しかもと、私もなんとなく思ったりした。
夕方からメディアファクトリーへ。本の作業をしに行ったのだが、終わったら夜ごはんを食べに連れて行ってくださるかも、と秘かに期待していたのだが、とんでもなかった。
やっと半分終わった時にはもう頭クラクラで、11時になっていた。大急ぎで近くのラーメン屋に行って餃子とラーメンをかっこみ、戻って来てまた作業。
ぜんぜん終わらないので、あとは明日ということに。
私と赤澤さんは「しいたけラーメン」というのを食べたんだが、すごくおいしかった。干し椎茸を八角とかで濃く煮てあって、スープはあっさり塩味。ネギの千切りと小松菜がのっている。丹治君が食べたやきそばも、豚バラや海老の入ったあんかけでものすごいおいしそう。私は意地汚いから、何度もチラチラと見た。心の中で、「ちょっと食べますか?って言ってくれないかなー」と思ったりもした。こんど来た時は、ぜったいにやきそばだ。

●2002年11月13日(水)

黒豆をゆでるのに私は2時間半かけた。
昔、祖母が煮豆をこしらえていたのをちらっと思い出したが、ひがな1日じゅう火鉢にのっけて煮ていたような気がする。黒豆を煮ているすごく良い匂いを嗅いでいるうちに思い出した。豆は、ほんとうにとろ火でゆったりと時間を忘れて煮るものだなと改めて思う。けど、子供の頃は豆が嫌いだった。豚の竜田揚げとか酢豚とか、豚の脂身のところが特に好きで、給食が心底楽しみだったなー。
次の撮影のメニューをちんたら考えたり、校正をしたりして調子よく過ごす。豆を煮ている匂いがすると、なんとなくしあわせで、家族に対しても優しい気持ちになる。
夜ごはんは、銀だらの味噌漬け、しめ鯖(昨日よりおいしくなっていた)、れんこんのきんぴら(甘辛くするのではなく、油でよく炒めて薄口しょうゆと酒を加えて煎りつけ、黒こしょうをひいた)、白菜と大根の干し海老煮、豆腐とわかめの味噌汁。
白菜と大根の煮物は、煮物の話を書こうと思って作り始めた。書いている間じゅう台所からことことと小さい音がするのを聞きながら、その気になってはまって書いていたので、ちょっと煮すぎてしょっぱくなってしまった。最後に加えたナンプラーが命取りだったと反省。煮込み物は、ちょっと薄いかな?というくらいでやめておくのが鉄則なのに。

●2002年11月12日(火)

風呂上がりに梅酒の水割りをキューッと飲んだら、すごくおいしい。自分で漬けた梅酒だから、自画自賛だ。甘味もほど良く酸味がけっこう強くて良いお味。
今日はヤノ君に起こされた。電話でだけど、窓を開けたら下にいた。しっかりとパジャマ姿のねぼけ顔でベランダに出て会話した。「ううん、これは柿の葉っぱだよ」などと。ヤノ君はリュックに何かの葉っぱを枝ごとつきさし、これから爽やかにクウクウに出掛けるところでした。
今日思ったこと。何人かでひとつのものを作ろうとしている時、たとえばひとりの人が自分の作業に没頭して自分の密度を高めている時、そういうことってテレパシーのように伝染するというか、高め合うことができる。何がおもしろいって、その高め合いだなと。
このテレパシーは、没頭している同志にしか伝わらないのだけれど、高め合いの中で相乗効果が生まれて、ひとりひとりの中に自分でないような馬鹿力が出て、すごく良いものができちゃったりする。
あの大げさな番組「プロジェクトXを」見ていて、ふとそう思ったのだが、今日の川原さんからの電話は、そういう感じがした。
私はというと、また今日もレシピとにらめっこだった。目を皿のようにしてというか、脳をぎゅっと固めて集中して。
夜ごはんは、昨夜のチリ鍋のスープで味噌ぞうすい、しめ鯖、なすといんげんの炒め煮。
しめ鯖はいまひとつだったなー。こんど森下に教わろう。いつだったか森下が作ってくれたちらし寿司がすごくおいしくて、そこに入っていたしめ鯖も超おいしかったのだ。「テキトウにやっただけだよー」と、森下は言っていたが。
黒豆を水に漬けてそろそろ布団に入ります。明日は黒豆のゆで方とゆで加減の分かりやすい言い方を発明するつもりです。

●2002年11月11日(月)

洗濯をして美容院へ。
私が行っている美容院の先生は漬物作りが上手。今日も、大根の浅漬けと白菜漬けをお茶といっしょに出してくれました。大根の方は千六本に切って葉といっしょに塩でもんだだけというのだが、皮つきのまま切ってあって、大根らしい味がすごくする。よく聞いてみたら、漬物機というのか、ギューと締めて水を切るやつを使っているらしい。どうも私はあのプラスチックの色と形が好きではないのだが、私もあれを買おうかしらとちょっと思ってしまった。ほんとうに買うかもしれない。白菜の方も甘くておいしかった。柚子らしいものが1切れだけ入っていたが、そういうところがいいなと思う。私だったらもっとたくさん柚子を入れてしまいそうだもの。
帰りにおいしい魚屋さんで、鯖、かんぱちのお刺し身、あさりなどを買っていたら、真鱈のアラのおいしそうなのが目についてしまい(400円也)、思わず追加してしまった。おかげで夜ごはんはちょっとおいしいものが多すぎた。大粒のあさりは水と酒で蒸し、口が開いたら、ざくざく切ったキャベツを加えて蒸し煮に。これは「のらぼう」のメニューにあったものだが、いちど貝をはずしてからキャベツを煮た方がもっと良かった。すごいおいしいんですこれ。あさり500gくらいに水300cc、酒大サジ1、塩ひとつまみ。キャベツは半分くらい使って、まだ半生くらいの状態で火を止め蓋をしておくとちょうど良い歯ごたえ。
真鱈のアラは豆腐といっしょにチリ鍋にし、ポン酢で食べました。肝もプリプリと新しく、日本酒が飲みたくなるような旨さだった。
鯖は塩をたっぷりして、今冷蔵庫に入っています。しめ鯖を作ろうと思って。

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