2009年     めにうへ

●2009年12月26日(土)曇りのち晴れ

10時半に、母の電話で起きた。
うちの母は、今年80歳になったのだけど、新しく出た本を送ったり、「真夜中」や「暮らしの手帖」を送ったりすると、興奮気味に電話をかけてくる。
つらつら書かれたファックスの手紙のこともあるし、電話のこともある。
だいたいは、私のことをほめてくれるんだけど、途中からすっかり自分の話になって、きのうは教会の集まりがあってどうした、今日はこれから何があるだのと、おしゃべりが止まらない。
ペラペラと一通り喋って、「あらやだよー、今からいいテレビが始まるだから。じゃあね。なーみちゃんまたね。いくおさん(スイセイのこと)によろしく」。
ガチャンと切られる。
きのうは、地元の新聞に投稿する文を読んでみてくれと、電話&ファックスがあった。
今朝の電話は、「今、あんたのを見ながら、きのうの文を直してるだよ。じゃあね。また送るから読んでみて。感想をよろしくね」、ガチャン。
あんたのというのは『ホノカアボーイ』の特典映像のこと。
遅ればせながら、先日DVDを送ったのだった。
ところで、母の書く文章は、学校の教材のお手本みたいに、うますぎるくらいうまい。
文を書く時、たぶん母はちょっと気取っているのだと思う。
前に、手紙の書き出しで、「グリーン・テラスからこんにちは」というのがあった。
「グリーン・テラス」といったって、うちの古ぼけた廊下のことだ。

24日は、ひさしぶりにみんなが集まって、クリスマスごはん会のつもりだったのだけど、夜の12時に近づく頃、やけにみんながソワソワし始めた。
タカシ君が、ワインのコルクでろうそくみたいなのを作っていて、台所からは、ケーキを焼いている甘い匂い。
それで、(あっ!)と思って、なんとなく分かってしまったんだけど…  。
スイセイがバタバタとあちこち電気を消したら、三ちゃんがローソクを立てたケーキ抱えて出てきた。
ビーさんのケーキみたいに、まわりをいちごで飾ってあって、粉砂糖がかかっている。
「タカシ君、ギターギター! 」と郁子ちゃんが言って、タカシ君が流しのお兄ちゃんみたいになって、「ハッピーバースデー」をみんなで歌ってくれた。
薄暗がりのなか、なんか、みんな立ち上がっちゃって、まわりに集まってきていて。
照れくさいのと、ジーンときてるのと、どっちを優先したらいいのか分からなくなっちゃうような。
なんか、ありがたくてもったいなくて、涙がにじんだ。
ふだん、クリスマスはスイセイとふたりきりで、「クウクウ」を辞めてからは、誕生日なんて祝ってもらったことないし。
わたし、51歳になりました。
クリスマスのメニューは、長ねぎのマリネ&生ハム&スモークサーモン、ブロッコリーのオリーブオイル蒸し(アンチョビ入り)、ミートローフ(ケンタロウ君のレシピで川原さんが作ってくれた。ものすごくおいしかった!)、マッシュポテトとタラのグラタン、白菜&クレソン&ルッコラのサラダ(バルサミコしょうゆドレッシング)、小淵沢のチーズ&馬のハム(郁子ちゃんのおみやげ)、ハーブ入りスコーン(奈々ちゃんが焼いてきてくれた)&白チーズ、三ちゃんの焼きたて食パン&バースデーケーキ(小豆とチョコ入り抹茶バターケーキ、いちご添え)、スウィーティー、シャンパン(ロゼ、白)、赤ワイン、シードル、ビール。

さて。
今日は、「ともすけ」で太陽バンドのライブ&ディナーで夕方から川原さんと出掛けます。

●2009年12月20日(日)晴れ

ゆうべは、あまりの眠気にあらがえず、10時に寝た。
ぐっすり眠って、今朝は11時に起きた。
なんか、長い長い夢をみたような気がする。
このところ、あんまりよく眠れてなかったので、まあよしとしよう。
今年は、18日の打ち合わせで仕事納めだった。
いつもの年よりも早めに仕事納めができたことが、とてもありがたい。
それで、少しずつ大掃除を始めようと思っている。
クローゼットや押し入れまわりも、いるものといらないものをきっちり整理しようと計画中。
ビデオも整理して、こんどDVDに落としてもらおう(りうにお願いする予定)。
近々、スイセイにジープで「無印」へ連れていってもらい、収納グッズを仕入れよう。
今日は、ネットで調べものをいろいろして、午後からナツコの家に行ったり、「百年」へ『チクタク食卓・下』のサインをしに行ったりした。
「東急」で買い物をして出てきたら、外はもう真っ暗。
仕事をしていないと、1日はアッという間だなあ。
それでも、「まる子」には間に合った!。
夜ごはんは、手巻き寿司(いか、平目、サーモン、ひき割り納豆)、菜の花のおひたし。

●2009年12月12日(土)冬晴れ

秋晴れとはよくいうけれど、冬晴れなんて言葉、あるんだろうか。
きのうしっかり降ってくれたおかげで、今日はものすごくいい天気。
風もなく、太陽の光がまっすぐに降り注いでいる。
シーツを干しながら、空の青さにたまげた。
なんという青なんだろう。
蒼でもないし… 碧っていう字が、そういえばあったなあ。
さーて、今日は「真夜中」の最後の校正と、「ふとんシネマ」をやろう。

明日は、いよいよ青山ブックセンターでトーショー。
「暮らしの手帖」の連載「気ぬけごはん」にまつわることを、松浦さんと対談します。
その前に、松浦さんからの提案で、お互いに10の質問を用意してくることになっているので、もしかしたら質問だけで終わってしまうかもしれないけれど。
というか、質問のいくつか目で脱線してしまってもいいかなって思っている。
興味のいく方へいく方へと、ふたりで転がってゆけたら、それがいちばん。
なにしろ松浦さんと、お話ができると思っただけで、うれしい。
あー、ちょっと緊張してきた。
夜ごはんは、秋刀魚の灰干し、大根おろし、温やっこ(菊菜、しいたけ)、しらす入り卵焼き、白菜漬け(自家製)、玄米(押し麦入り、私)、白米(スイセイ)。

●2009年12月6日(日)快晴

茨城から帰ってきたら、すっかり冬になっていた。
今日も、昼間はポカポカだったけど、日が暮れたとたん、風がとても冷たくなった。
いつの間にやら、もう師走だものな。
茨城へは、りうのお産で行っていた。
12月3日の夕方6時51分に、無事女の子が生まれました。
私とスイセイは、病院の近くのビジネスホテルに2泊した。
翌日、帰る前にもういちど会いにいったら、「ゆうべ、みいは、自分が産んだみたいな顔になってた。やり切った!っていう顔してたよ」と、りうに言われた。
うわあ。
そういえば私は、肩と背中がやけに凝っていた。
陣痛の時、りうが痛がると、私もいっしょになって息を吐いたり吸ったりしていたからだろうか。
とにかく、五体満足の女の子が無事産まれ、りうも元気だと旦那さんが知らせにきてくれた時、体の奥からホッとして、肉の塊みたいに、頑丈でゆるぎない嬉しさがこみ上げてきた。
泣かなかったのが自分でも不思議だったけど、あんまりホッとすると、人って泣いたりしないんだなと思った。
生まれたての赤ん坊は、透き通るようで、もう、どうしていいか分からないくらいにかわいかった。
りうも、スッキリした顔をして、ピチピチと美しく、ものすごく元気だった。
親バカだなあ。
血はつながってないけど。
そのあと、病院を出てから、向かいにある「お風呂センター」みたいなところへ行って、湯上がりにつまみをいろいろとった。
スイセイと差し向かいで日本酒を飲んでいるうちに、ようやく泣けてきた。
目の前に見える病院の、小さな窓のひとつに、りうと赤ん坊がいると思ったら。

というわけで、きのうは1日中、布団の中で過ごした。
今朝はずっかり疲れもとれ、朝からあちこち掃除。
美容院へも行った。
『チクタク食卓』下巻も、ようやく刷り上がったことだし。
よっしゃー、これからまた前へ進むぞ。
夜ごはんは、みそ味の鶏だんご鍋(長ねぎ、菊菜(京都の)、白菜、おぼろ豆腐、柚子)、白いご飯(スイセイ)、黒米入り玄米(私)。

●2009年11月30日(月)雨のち曇り

今朝は寒かったので、ソーセージは炒めずに、キャベツとスープ煮にした。
朝ごはんを食べながら「今日、寒いよね」と私が言ったら、「『ある愛の詩』みたいな天気じゃのう」とスイセイが答えた。
空は白く冷え冷えとし、赤茶色いどんぐりの葉っぱの色と、ベランダの柵についている雨粒が、なんともいえず切ないんだそう。
私の仕事場の窓は今、紅と黄色と茶色にグングン占領されている。
ものすごくきれい。
そこへ、今日はオナガがたくさん遊びにきて、ギャーギャーと汚い声で鳴いている。
まっ黄色の銀杏の木にとまって鳴いているオナガは、自分たちが薄紫色で、とても映えていることを知っているんだろうか。

ここ何日かは、「ふとんシネマ」の原稿を書いていました。
さっき仕上げて、ぎりぎりでお送りした。
さて、今日は何をやろう。
ゲラの校正でもやろうかな。
夜ごはんは、麻婆白菜を作ろうと思う。
今夜は早めにごはんを食べ、7時からのテレビを見る予定。
ピアニストの、辻井伸行さんのドキュメントです。
この間、辻井さんが国際コンクールで賞をとった時のドキュメントをNHKでやっていた。
それが、ものすごくよかった。
大勢の中から勝ち抜いてきた強者たちが、さらにしぼられてゆく厳しい審査の中、審査員のひとりのおじいちゃんが、インタビューでこんなようなことを言っていた。
「リスト、ショパン、ベートーヴェン、バッハなど、偉大な作曲家たちは昔、素晴らしい曲を生み出しました。彼ら自らが演奏し、世に発表された時、聴衆の感動はどれほどだったでしょう。ピアニストの仕事は、同じ種類の感動を、現代に蘇らせることです。ですから、ピアニストはある意味において、聖職者でなくてはならないのです。偉大な作曲家たちが残した音楽を、深く解釈し、演奏するのです」
辻井さんは、ただたんたんとピアノを弾いて金賞をとった。
みんな、驚くほどの技術と才能を持ち合わせていたけれど、勝ち残った人たちはみな、自我にまとわりつく欲のようなものに打ち勝っているような気がした。

●2009年11月21日(土)秋晴れ

夕方、買い物から帰ってきたら、部屋中がまっ黄色になっていた。
そんな中、スイセイがお粥を作り、湯気を上げながら台所から出てきた。
そこら中が、黄色というよりみかん色。
西陽のせいだ。
さっき、ひさしぶりにスイセイと散歩に出たら、中央公園を出たところの銀杏も、すっかり黄金色になっていた。
あっちこっち、黄色、みかん色、茶色のオンパレード。
秋って、こんなに激しい色合いだったっけなあ。

しつこくやっていた『チクタク食卓・下巻』の作業も、ゆうべの田中君との電話のやりとりで、ようやくすべて終わった。
今日は、「真夜中」のゲラに赤を入れ終え、さっきポストに入れてきた。
ああ、いろいろ終わったなあ。
『チクタク食卓・下巻』は、12月14日に発売予定だそうです。
今回は、上巻とはまた少し違った趣になりました。
それはなぜかというと、積み重ねてきた毎日が、少しずつ移り変わっているから。
できるだけそのままにと、いかすようにしていたら、自然とそうなった。
作っている、リアルタイムの私の気持ちの状態も相まって。
季節の保存食に変わって、わが家の正月料理のプロセス写真も載せました。
夜ごはんは、ちくわの天ぷらうどん(スイセイ)、ごぼうのかき揚げうどん(私)、蒸し大根(近所の農家の)のゆずみそ、ほうれん草の煮浸し。
寝る前に、布団の中で本を読んでいて、スイセイのメガネもついでに拭いてあげていたら、「なんか、はずかしいけえ。あんまり拭かんでええけえ」といやがった。
湯上がりの自分の体を、あちこちすみずみまで拭かれているようで、いやなんだそう。

●2009年11月15日(日)快晴

ピッカピカのいい天気。
クルクル君も大忙し。
あっちを向いたりっこっちを向いたり、クルクルクルクル回っている。
ペットボトルの羽に、光が透き通ってすごくきれい。
スイセイが作った風車です。
ひさしぶりに毛布を洗濯し、ベランダに出て洗濯物を干した。
天を仰げば真っ青な青空。
そういえば今まで、うちの中で洗濯物を干してから、ベランダに出すようにしていた。
寒い日が続いていたからな。
1回戦で洗ったので、2回戦を干すころには、もう毛布はほとんど乾いていた。
あちこち紅葉している木々を眺めながら、物干しざおの毛布にくるまって頬ずりしてみる。
う〜〜ん、最高だ。

ハワイ島へいっしょに行った郁子ちゃんが、前回の「ふとんシネマ」のことを日記に書いてくれました。
http://blog.itumo.cc/
さて。
次回の「ふとんシネマ」の最後の仕上げも、がんばってやってしまおう !。
夜ごはんは、ハンバーグの予定。
もう、きのうのうちからひき肉に玉ねぎを混ぜて練ってある。
夕方、小淵沢で合宿をしている郁子ちゃんから、川原さん経由で秋の恵みが届いた。
くり茸、肉厚しいたけ、黄色いりんご。
眺めているうちに、いてもたってもいられなくなり、きのこの処理をしてバターで蒸し煮した。
香りがあって、本当に、肉みたい。たまらなくおいしい味。
スイセイにも味見してもらうと、「こういうのの味をなんて言うか知っとるで。あのの、きのこのトロ」。
きのこスパゲティーにしたいところだが、ハンバーグに添えていっしょに食べることにしよう。
夜ごはんは、ハンバーグ、きのこのバター蒸し煮、マッシュポテト(カリフラワー入り)、ほうれん草とルッコラのソテー。
マッシュポテトをたっぷり作ったので、ご飯は炊かなかった。

●2009年11月8日(日)曇りときどき晴れ

うちのマンションは外壁工事が終わって、おとつい足場がはずされた。
ずっと被さっていた幕もはずされ、ようやくいつもの景色が戻ってきました。
幕がはずされてすぐは、部屋中がこんなに明るかったのか! と驚くほどのまばゆさだった。
明るくなってみると、いかにぼんやり薄暗い中で暮らしていたかが分かる。
スイセイは、ひと月近くもこんな中で過ごしていたのだな。
『チクタク』の作業が、ひとつ、またひとつと順調に片づいてゆく。
今日は、本文中に入る文章を2つ仕上げてお送りし、「暮らしの手帖」の原稿も書きはじめた。
夕方、ベランダに出て、マキコちゃんから送っていただいた、もぎたてのりんごを食べる。
甘いだけでなく、酸味もあって、キュッとひきしまったリンゴだった。
おいしいなあ。
ハワイでもよく食べたけど、果物のおいしさって、野菜や他の食べ物とはちょっとちがう。
なんというか、ありがたい授かり物のようなおいしさだ。
家の前の大きな水たまりに、西陽が反射するのを見ながら食べた。
ここは、なんていいところなんだろうと思いながら。
夜ごはんは、しめ鯖、真鯛のお刺身、ゆうべのとりスキ焼きの卵とじ、もやしたっぷりスープ餃子(みそ味)、浅漬けたくわん、玄米(私だけ、大豆と押し麦入り)、白いご飯(スイセイ)。
風呂から上がったら、原稿の続きをやる予定。明日が〆切なので。

●2009年11月1日(日)晴れ

ハワイ島からは26日に無事帰ってきました。
しかし、バタバタとやることがあって、ずっと日記が書けませんでした。
「ふとんシネマ」はおとつい、「真夜中」の原稿もきのうようやく書き上げ、お送りした。
ゆうべからは、『チクタク食卓・下』の校正の続き。

ハワイ島から帰ったら、防水工事とかで、うちのマンションのまわりは足場がはりめぐらされていた。
ベランダも壁もすっかりきれいになって嬉しいけど、パソコンに向かっていると、男の子の職人さんが、何も前ぶれもなくいきなりベランダに現れたりする。
ベランダの柵をヒラリ! と超えて、気がついたらもう間近にいる。
それが、ちょっとドキドキする。
20代だったら、恋してしまったかもなあ。
さ、仕事仕事。
今朝も、ごはんの前から『チクタク』の続き。
今がんばらなくて、いつがんばるんだ?! という気持ち。
ちょっと鼻血が出そう。
夜ごはんは、ひさしぶりに出前のお寿司をとろうかな。

●2009年10月17日(土)快晴、風強し

今、ハワイ島に来ています。
映画の撮影の時と同じコンドミニアムに泊まって、あさってからはホノカアへ引っ越しする。
郁子ちゃん、奈々ちゃん(郁子ちゃんの妹)、川原さん、三ちゃん、私の女5人旅。
うひゃ〜〜。
ハワイ島は、思っていたより暑く、湿気もある。
おとつい着いたのだけど、予想もしていなかったことが、毎日いろいろ起こる。
いろんなことが起きると、誰かに出会って、またそのつながりで誰かに出会う。
5人は、水が流れるように、スイスイと運ばれてゆく。
みんな、それぞれですごくおもしろい。

きのうは、ホノカアへドライブして、グレイスさん(映画にも出てくる、アンンティーク屋の女主人)に会って、コテージを見に行って、予約してきた。
こんなところがホノカアにあったんだーという、コテージ風のB&B(朝食付きのハワイ風民宿)。
ビーさんの隣人のポールさんが大家さんらしい。
帰りに、ワイメアのいつものスーパーに寄って、買い物をして出てきたら、でっかい虹が出ていた。
出始めのところがはっきり色が濃く、きれいな半円形。
雨が降りながら、出ている。
みんなが、霧雨の中で夢中で写真を撮って(奈々ちゃんはプロ)いるうちにも、どんどん全体の色が濃くなって、気がついたら2重の虹になっていた。
虹の始りは山裾のこちら側で、少し歩けば触れそうなくらいのところから出ている。
ワイコロアに向かって車を走らせているうち、ふと、虹が後ろ方向になっていた。
なーんだ、くぐれるんじゃん虹。
さて、これから、マウナケアへ天体観察のツアーにいってきます。
ものすごい寒いそうなので、ユニクロのヒートテック上下を持っていく予定。

●2009年10月11日(日)秋晴れ

ポカポカと暖かい。
全体的に平均して暖かいのではなく、太陽の光が当たるところが暖かい。
そうそう、秋ってこういう感じだったな。
太陽が低くて、眩しくて目を開けていられない感じ。
布団や洗濯物でベランダはいっぱいだし、白菜まで干している。
今朝、母からファックスが届いた。
私はすっかり忘れていたのだけど、今日は祖母の命日だそう。
このところ「真夜中」の文を書いていて、私は祖母のことをずっと思い出していた。
こういうことってあるんだな… 。
というわけで、今日もまた「真夜中」にダイビングだ。
夜ごはんは、鯵の干物、干し白菜と豚肉のクタクタ煮(柚子こしょう)、えのきの佃煮(おととい作った。えのきを3cmくらいに切ってほぐし、酒で軽く蒸し煮にしてから、みりんと醤油で炒りつけた。ビン詰めのものより甘くなくておいしい)、温やっこ、納豆、玄米(私)、白いご飯(スイセイ)。

●2009年10月3日(土)雨のち晴れのち曇り

朝起きて窓を開けたら、緑の中に雨がまっすぐ降っていた。
きのうよりもさらに、しっかりした雨。
昼近くになって、晴れ間が出てきた。
向こうの道を、すぼめた傘を片手に、小学生の男の子が大股歩きで通ってゆくのが見えた。
傘は、めちゃくちゃに巻かれ、力任せにとめてある。
風に吹かれて、木がサワサワと大きく揺れています。
夏の間ずっと書いていた「真夜中」の文に、今回もまた、合田ノブヨさんが絵をつけてくださった。
レイアウトされたのを先週初めて見せてもらったのだけど、すごいことになっていた。
合田さんは、うちの前の景色を見たことがあるんじゃないか? と思うくらいに、私から見える景色(頭の中のイメージも含む)にそっくり。
それ以上かもしれない。
次回の文章で、書こうかどうしようか迷っていることがあった。
それを書くには、ちょっと勇気がいるし、私の手にはおえないかもしれないと思って。
でもなんだか、その絵を見たら、「書きなさい」と言われているような気がしてきた。
そうか、書いてもいいんだ…  と。
本当をいうと、「真夜中」の文を書くことは、今の自分にとってとても重たい。
毎回、書けるか書けないか分からないようなところで書いている。
苦しいけど、そういうものだと思って書いている。
とても時間がかかる。
書いている時は、そのことしかできないから、他の仕事は入れない。
これまで、ずっとやらずに押し入れにしまっておいた宿題に、今ようやく立ち向かっている。
そんな感じ。
でも、書き上がると、何ものにもかえがたい喜びがある。
大きなタイトルを、「押し入れの虫干し」といいます。
スイセイがつけてくれました。
きのうあたりから、そろりそろりと次回の原稿を書きはじめた。
さーて、今日もまた始めよう。
夜ごはんは、カレーライス(鶏肉、じゃがいも、人参、玉ねぎ)、サラダ(大根、きゅうり、レタス、パセリ、玉ねぎドレッシング)。

●2009年9月26日(土)晴れ

二日酔いで、ひさしぶりに2時まで寝て起きた。
10時ぐらいから目が覚めていたのだけど、夢と現実の間をユラユラ漂うような感じで寝ていた。
風呂から上がって頭をスッキリさせ、仕事をする。
明日は日曜日だけど、『チクタク・下』の打ち合わせ&作業があるので。
夕方、スイセイと散歩に出る。

ゆうべは、「ホノカアボーイ」DVD の打ち上げで、「太陽」に行った。
ひさしぶりの「太陽」は、いい具合に力が抜けていて風通しよく、やっぱりいいお店だった。
おまかせの料理も、ぜんぶとてもおいしかったなあ。
野菜がたっぷりで、お店の味というより、料理上手なお母さんがていねいに作ってくれたような味。
みんな、とても喜んでいた。
集まったのは、だいたいいつものメンバー。
映画が終わってからも、なんだかんだと会っていたから、特別にひさしぶりなわけでもないけれど、撮影の頃の話になると、やっぱりとても懐かしい気持ちになった。
プロジェクターで特典映像を観たり、すどうさんが編集した「続・勝手に情熱大陸」を観たり。
1曲分くらいの短い映像なんだけど、見終わると「もう1回みよう〜〜!」となって、みんなで何度も何度もくり返しみた。
集合写真の時、カメラマンのまなべちゃんが自動シャッターをセットして、走って列に加わって… それからしばらくみんなジッとしていて… シャッターが切れたとたんに、全員が笑ったり喋ったりながらバラバラと動き出すシーン。
そのままフェイドアウトして、画面が暗くなり、終わるのだけど、そこを観るたんびに、映画を初めて観た昔の人のような感じになった。
映像のうまみのようなものが、きっとそこにはいっぱい詰まっている。
脳みそを使ってなくても、思わず目が吸いつけられてしまうような。
ああ、もっとずっとこれをスローモーションのようにして観ていたい… と思わせる何かが、そこには写っていた。
ハワイ島で暮らしながら、みんなで映画を作ったという、めくるめく想いのイメージが、凝縮されてそこに写っていたような気もする。
ひとつのものを創り上げる目的のために、さまざまな個性の、国籍も年齢もバラバラな人たちが集まって、ハワイ島の太陽を浴び、そこに集まっていたという。
これはスタッフ用のメイキング映像だから、DVD には収録されてないけれど、すどうさんはすごいものを作ったなあ。
それにしても、「太陽」の良太君たちは、あんまり私たちがくり返して観ていて、あきれたんではないだろうか。

散歩から帰って、私は「チクタク」の続きをやる。
今夜は、スイセイがトマトスパゲティを作ってくれるそう。
夜ごはんは、トマトスパゲティ(白菜、豚肉)、サラダ(キャベツ、きゅうり、貝割れ、人参)。
スパゲティ−が、ものすごくおいしかった。
豚肉を炒めて、生のトマト3個を煮込んでソースにし、白菜も入れてあった。
味つけは塩とこしょうだけ。
イタリアの農家で出てきそうな、やさしい味。
私だったらオリーブオイルもたっぷりにして、ハーブとかにんにくとか、いろいろ加えてしまいそうなのに、スイセイのはおいしくしすぎない。
それが逆に、パスタのおいしさとか野菜のおいしさとかを尊重していて、結果的にとてもおいしいのだった。
食べ進むにつれ、減ってゆくのが惜しいほどだった。 また作ってほしい。

●2009年9月20日(日)快晴

今朝も朝の散歩に行った。
いつもより遅く、9時半くらいだったけど。
夕方の散歩を朝にかえたおかげで、さいきん私は調子がいい。
スイセイを誘っても行かないので、いつもひとりでテクテク歩いている。
だいたい1時間の道のり。
今朝は、上水沿いの道に、木漏れ日が映ってユラユラしていた。
今のところ、7時に起きて7時半に出るのがちょうどいい感じ。
帰り道が、小学生の通学時間に合わさり、寝グセの頭でボーッとしたまま歩いている子供とすれ違ったりする。
それがたまらなくかわいい。
今日もまた、「チクタク」の作業。
いかの欧風カレーの試作をしながらやる。
10月にハワイに行くことになったので、このところ根をつめてやっている。
それにしても、最近私は老眼が進んだみたい。
眼鏡をかけていても、辞書の文字が見えないので、さらに虫眼鏡を当てて見ている。
作業が終わると、すごく目がくたびれている。
そろそろ、新しい眼鏡を作れっていうことかも。
今日は6時までがんばった。
なんか、鼻血が出そう。
『まる子』と『サザエさん』を見て、洗濯物をたたみながらくつろぐ。
夜ごはんは、いかの欧風カレー(中クリームをたらり)、コールスロー(キャベツ、人参、きゅうり、ディル、パセリ、ゆで卵)。

●2009年9月13日(日)快晴、暑いくらい

この間、川原さんに教わったのを思い出し、起きてすぐに散歩にいった。
6時に目が覚めたので、布団の中で少しうろうろし、顔も洗わずひとりで行ってきた。
青空が少しだけのぞいて、これから晴れそうな感じだったので。
朝起きてすぐに軽い運動をすると、頭がハッキリして、その日一日中調子がいいそうだ。
脳内物質のなんとかが出るんだと、川原さんは言っていた。
ほんとうに、すごく気持ちよかった〜〜。
6時半くらいって、まだすっかりは明るくなりきっていない、みずみずしい空気。
きのう雨が降ったからだろうか。水けをたっぷり含んだ緑が、朝の息をしている。
上水沿いのクサギの木は、もう青い実ができていた。
中央公園のあたりで、すっかり明るくなってきた。
ヒコーキのおじさん(おじいさん?)たちは、ポツリポツリともう集まって、青い空に仰向いてゴムを引っぱり、ビューンと飛ばしていた。
さーて、今日は何をしよう。
とりあえず、このスッキリした頭で、ゲラの校正をやろう。
それにしても、この空の青さ! 高さ!。
4時くらいにお腹が空いて沖縄風焼きそばを作ったので、夜ごはんは軽めに。
鯵の干物、大根おろし、わかめのお刺身、しらたきと椎茸の甘辛煮、玄米。
最近、うちはプロジェクターを買ったので、部屋を暗くして壁に写し、毎晩映画鑑賞をしている。
「シネマ高山」だ。
ゆうべは、送っていただいた『ホノカアボーイ』のDVDをみた。
半年以上が過ぎ、ようやく落ち着いて、ふつうの感受性でみられるようになった。
気がつくと、映画の中に流れている空気がとても軽やかで、ユーモアとか温かさがのれん越しにそよいでいるような、いい匂いのいい風が吹いてくるような。
今まで、ささいなことにも感動し、涙が止まらなかったのは、私の脳みそと心が酸欠状態だったのかもしれない。
ビーさんがいなくなる朝、レオのことをじっとみつめている寝室のシーンで、とてもよく知っている懐かしい匂いがした。
それはきっと、何があっても怒らず、いつまでも見守っていてくれる、温かく乾いたおばあちゃん的な匂い。
タンスの樟脳の匂いのような、血管が透けてみえる、白くて薄い皮膚のような。
たぶん世界中のおばあちゃんに当てはまる、普遍的な匂いのイメージ。
そんなこと、今まではまったく感じなかった。
ニュートラルな感性でみた「ホノカアボーイ」は、やっぱりものすごく好きな映画だった。
何も知らずにレンタルビデオ屋さんで借りたら、「ああ、いいものをみた。得したなあ」と感じ入り、返却日のぎりぎりまで、ラストで涙が出なくなるまで、きっと見続けたただろうな、と思った。

●2009年9月4日(金)曇り

撮影も、出掛ける用事も終わったので、ようやく今日から「チクタク・下」に本腰を入れられる。
その前に、まずはあちこち掃除。窓拭きまでやった。
この間の撮影の時、あまりに窓が汚れていることに気づいたので。
そういえば、ずいぶん長いこと(たぶん半年くらい)磨いていなかったな。
朝ごはんに、おいしいチーズとソーセージとドイツのパン。
チーズは、ウォッシュタイプの周りがオレンジ色の。
「紀ノ国屋」で買ったフランスのチーズ。ほどよい臭みで、なめらかでとてもおいしい。
「ショーム」という名前。忘れないように、ここに書いておこう。
スイセイを「ルウム」へ送り出す時、玄関のところに大きなヒキガエル(15センチくらい)を発見。
雨水が通るみぞのへこみに、ちょうどはまってじっとしている。
鼻(カエルに鼻があるのかしらないけど)の3センチほど先に、死んだ蛾がいるのだけど、どうやらそれをねらっているらしい。
ヒキガエルは死んだように動かないが、目は半開きで、頬のあたりがほんの少し上下している。前にまわって見ると、のどの下のたるみも動いている。
気持ちが悪く、恐ろしいのだけど、吹き出物とシミだらけのような、ブヨブヨしたゴムみたいな肌を、吸い込まれるようにして見る。
ヒキガエルって、濃い茶色をしていたと思うのだけど、芥子色に茶色が混じったような色。
もしかして、壁のレンガと保護色になっているのだろうか。
目が離せないので写真を撮る。
洗濯物を干し終わり、また玄関を開けて見てみると、顔が反対側に動いていた。
また写真を撮る。
玄関のところにカメラを置いて、今これを書いている。
今また見にいったら、ほとんど動きはないが、目を閉じている。
ナルコレシピーだろうか。
しばらくしてまた見にいったら、ほとんど動きがない。
蛾をつかんで、口もとに寄せてやったらどうなるんだろう…、でもそんな、自然に逆らうことはやらない方がいいよな。
その時、向こうから風が吹いて、ヒキガエルの瞼の上に我がのっかった。
うわっ!。
瞼が上下に動くのに合わせ、蛾も少しだけ動いている。
今、また見にいったら、そのままじっと固まっている。瞼も動いていない。
死んでしまったんだろうか。
箸でつついてみたいが、スイセイが帰ってくるのを待つことにする。
「チクタク・下」をやらないと。
もう1回だけ見て、仕事を始めよう。
4時くらいに川原さんの家へ打ち合わせにゆき、6時に帰ってきたら、まだいた。
蛾は遠くに飛ばされ、ほとんど食べてない。それは、出掛ける前の様子とほとんど同じ状態。
おーい、そのままで、そこでどうするんだよう。
夜ごはんは、おでん(じゃがいも、コンニャク、人参。おとといの残りを温め、ゆでた小松菜も加えた)、厚揚げのフライパン焼き(ねぎ、みょうが、しょうが)、塩鮭、納豆、ぬか漬け(きゅうり、人参、茄子)、玄米。みそ汁はなし。
夜、寝る前にもういちど見たら、階段を下りようとしていた! 30センチは移動している。
夜行性なのだろうか。

※おまけ。
翌朝6時半に起きて見たら、ヒキガエルはもうどこにもいなかった。

●2009年8月2日(日)雨時々曇り

朝から雨。サワサワと降っている。
木々も緑の枝をしなだれせ、すっかり濡れそぼっている。
窓をいっぱいに開けて、水分を吸い込んでいるうちに、本当は私も、ずっと雨が降ってほしかったんだなと思った。
このところ、どっちつかずの天気だったから、早く晴れてほしいと願ってはいたのだけど。
降ったら降ったで、こんなにすがすがしい。
湿り気を、体の中が欲していたような感じ。
午前中から、「真夜中」の作文の続き。
ときおり、ベランダの柵の上に雀が雨宿りにきているのを見ながらやる。
チュンチュンと首をかしげ、網戸のこちら側を覗き込んでいるかと思うと、飛び込むようにして、どこかへ飛んでゆく。
そのうちにまた1羽がやってくるんだけど、同じ雀だろうか。
お昼を食べてからも、またすぐに続きをやる。
ひたすらパソコンに向かっているうち、ほんのりと全体の形が見えてきた模様。
ウィッス!!。
夕方になったら雨も上がり、薄明るくなってきた。
蝉が鳴いています。
スイセイは散歩に出掛けた。
さーて、もうひとがんばりしたら、『まる子』と『サザエさん』だ。
夜ごはんは、山かけ(きのうから漬けておいたマグロのヅケと長いもで)、砂肝の塩炒め(出てきた脂で小松菜とゴーヤを炒めた)、ぬか漬け(水なす、きゅうり、人参)、しらすおろし、茄子のくったり煮、落とし卵のみそ汁、玄米。

ところで、来週から8月いっぱいまで、この日記をお休みします。
新潮社の「yomyom」という雑誌で、8月の日記を書きませんかという依頼をいただいていて、いろいろ考えたのですが、「出張日々ごはん」のようなのをやることにしました。
ですので、私の8月の日々は、9/27日発売の「yomyom」にて、お伝えいたします。
どうぞ皆さま、楽しみにしていてください。

●2009年7月24日(土)晴れ

今日から、文章を書き始めようと思っていたのだけど、あんまり天気がいいのでやめにした。
お昼を食べて、川原さんちに自転車をこいでゆく。
このところずっとジメジメしていたのが、嘘のようなカンカン照り。
青きみと3人で、「Fe‘ve」までてくてく歩いて、赤澤さんの展示に行った。
まるで、ハワイの空を赤澤さんが連れてきたみたいだねーと言い合いながら。
展示は、古着のアロハシャツで作ったスカートやパンツやバッグ。
赤澤さんは、ハワイに通うたんびに、ずっと前から古着のアロハをコツコツ集めてきたそうだ。
私は、入ってすぐに目に飛び込んできた、明るい色のテロンとしたスカートを買った。
明るいのに、はっきりしないような微妙な色合いがツボにはまったので。
川原さんはサーフィン柄のバックを買っていた。
私のスカートも川原さんのバッグも、どこか気がぬけていてなんか可愛い。
コテコテのハワイじゃないところが、きっと赤澤さんのハワイなんだろうなぁ。
「紀ノ国屋」に寄って、チーズ、サザエ、イカなどを買って帰る。
帰り着いてもまだ晴天だったので、今日、新しく洗濯したものをとり入れ、出かける前にとり入れた大量の洗濯物(このところずっと部屋干ししていたもの)をまた干し直た。
なんだか、それくらいしないともったいないような風なのだ。
サワサワと、シーツやバスタオルがひるがえっている。
ひと仕事しようと、パソコンにちょっとだけ向かったのだけど、あんまり空が青いのでもう仕事はあきらめた。
陽が傾きゆく空を仰ぎながら、エビスの缶ビールを飲む。
キョンキョンになったつもりで。
ああ、今は夏をもっと楽しもう。
こんな風や空は、今しかないのだから。
目の前が空き地になっているおかげで、さらに空が高くて広いのだけど、ここだっていつまでこのままでいられるのか分からないのだし。
アンテナのてっぺんにオナガが1羽、西の空をじっと見ている。
私もそれに習って、ベランダの柵に足をのっけたりしながら、真上に広がる空をじーっと仰ぐ。
ハワイアンをかけて。
クジラか、でっかいナマズのような雲が、少しずつ形を変えて青っぽいグレーに刻々と染まってゆくのを。
スイセイは今、本作りの佳境なので、邪魔しないように。
サザエを焼いて、私だけベランダで食べた。
誰かを誘ってこの空をいっしょに見たいけど、きっと、自分のうちだからいいんだろうなと思う。
いくら空がすごくたって、人んちのベランダなんだから、私ほどには心からリラックスできないだろう。
どんなに小さい窓でも、自分の家から見える空がいいに決まってる。
夏の空は、同じように、でっかいんだから。
夜ごはんは、サザエのつぼ焼き、いかのワタ炒め、冷やしつけ麺、おぼろ豆腐(塩で)、農家のミニトマト、水なすとゴーヤのぬか漬け。

●2009年7月19日(日)曇りのちぼんやりした晴れ

曇ってはいるけれど、サワサワと風が吹きぬける。
きのう、『赤ずきん』という絵本を送っていただいて、寝る前に読み始めた。 朝起きて、すぐに続きを読んだ。
風呂から上がって、青汁を飲みながら、もういちど最初から読んで、泣いた。
すごくいい。
すごく匂いがある本。
いろんなものが混じっているのに、どことも混じり合わず、孤独で、爆発的で、笑っちゃうし、おもしろすぎるのに、切ない。
いしいしんじさんが文を書いて、ほしよりこさんが絵を描いている。
すごいなあ。だから本っておもしろいんだよ!。
長い間、読み継がれてきた「おはなし」とは、まったく別の物語を、改めて語り直すというシリーズの1册だそうです。
朝からちょっと興奮気味。
さあ、私もがんばらねば。
できることから、ひとつずつ。
ところで今日は、土用の丑の日だろうか?。
あとで散歩がてら買い物にいって、今夜はうなぎのちらし寿司でも作ろう。
散歩から帰って、『まる子』を見ようとしたら、すぐ近くで蝉が鳴き出した。
ベランダに出て探すと、大家さんのどんぐりの木に1匹とまっている。
「ジ〜〜〜〜〜〜〜」。
部屋に戻ると、テレビの中でも蝉が鳴いていた。
タマちゃんが、「土用の丑の日にうなぎを食べると、その年1年間、元気で暮らせるんだって」と言っていた。
夏バテ予防なんていうより、ずっといい言い方だな。
夕方、陽が沈む前、いっせいに辺りが黄色くなって、すばらしい夕焼けとなった。
夜ごはんは、うなぎのちらし寿司(いり卵、みょうが、きゅうり、新しょうが、青じそ、ごま、ゆかり)、ぬか漬け(大根、人参、茄子)、しじみの赤だし、ざる蕎麦(スイセイだけ。どうしてもとせがまれたので)。
ところで今、スイセイは自分の本を作っている。
カウブックスから、リトルプレスの依頼をいただいたそうです。
この間、できかけのものを見せてもらった。
思わず、ブッ!!と、破裂するように笑ってしまったり、涙がにじんだり。
すごくおもしろい。カッコイイし。
8月1日から展示が始まるらしいです。乞うご期待!

●2009年7月18日(土)曇り、蒸し暑い

さいきん、早起きになった。
遅くても8時半にはスイッと起きている。
そして私は、青汁ヨーグルトを作って毎朝飲んでいる。
この間、「紀ノ国屋」で試飲販売をしていたのを買ってからというもの、ヨーグルトと水で割って飲むのがずっと続いている。
おかげで、毎朝すばらしいうんちが出る。
今日もまた、『日々ごはん11』の校正の続き。
この間から根をつめてやっていた、『ホノカアボーイ』DVDのブックの原稿がやっと入校になったので。
おまけでつく本なのに、つかれたようになって、夢中でやっていた。
ビーさんに「あんた、今がんばんないでいつがんばるのよ」と、背中を押されているような感じだった。
おかげで、とてもおもしろいものができました。
この映画に関わって、吸収したすべてのことを、ウエーッと吐き出し切ったような感じ。
どうか皆さん、楽しみに待っていてください。
校正の途中で、息抜きにふらりと図書館へ。
そのままコンビニに寄って、アイスやビールも買ってきた。帰って、また続きをやる。
昨日から、パソコンのメール機能が壊れていて、受信できなくなっていたのをスイセイは朝から修復していた。
この暑い中を、「ヨドバシカメラ 」にも行ってくれて、何かを買ってきた。
3時ぐらいに、無事、うまくつなげることができ、ふたりで拍手する。
「なんだか今日は、時間が経たないような気がするのう」とスイセイが言っていたが、私もまったく同じことを思っていた。
図書館とコンビニから帰っても、まだ4時だ。
たぶんきっと、このお天気のせいだと思われる。
雲が厚くて朝から同じくらいの薄暗さだから、お昼くらいからずっと夕方のような気がしてしまうのだ。
まだたっぷり時間があるので、校正の合間に雑巾がけをした。ワックスも塗った。
遠くから、盆踊りの音楽が聞こえてくるのを聞きながら。
夜ごはんは、冷や奴、冷やしトマト&胡瓜、卵チャーハン、ワンタンスープ(この間冷凍しておいたワンタンで。ニラ、もやし入り)。

●2009年7月12日(日)曇りのち晴れ

朝方はぼんやりしていたけれど、だんだん晴れてきた。
とちゅう、天気雨もぽつりぽつり。
きのうに引き続き、DVDブックの原稿書き。
映画のサントラ版を聞きながらやっていたら、すっかりホノカアに行っていた。
草の色とか、壁のペンキの色とか、いろんなことを思い出しながら、なんだかすごいテンションで、息をつめてパソコンを打っていたらしく、部屋の中がユラユラしているような感じになった。
ちょっと下げようと思い、あちこち掃除機をかけ、雑巾がけもした。
風呂に浸かってさっぱりし、また続きをやる。
きのうは、有里枝ちゃんがスイセイのところに来て、写真を撮っていった。
私は手が離せないからお茶しか出せなかったけど、なんだかんだとスイセイと話しながら、時折パシャ!と、シャッターをきるいい音がしていた。
今夜は、7時からマイケルジャクソンのテレビをスイセイと見る約束をしている。
なので、いつもより早めの夜ごはんにする予定。
チキンカレー(ゆうべのゴーヤと茄子のカレーに、ゆでた鶏肉と、ゆで汁とルウを加えた)、コールスロー(キャベツ、きゅうり)。

●2009年7月3日(金)曇りのち小雨

このところ、ぼんやりした天気が続いている。
それでも洗濯ものを干すので、窓辺はいつもいっぱいだ。
1時から打ち合わせ。
じつは今、『ホノカアボーイ』のDVDを準備していて、そのおまけにつく小さな本を作ることになりました。
それで、この間から打ち合わせを重ねています。
「高山なおみのビーさんの料理(仮)」という、小さな料理ブック。
ロールキャベツ、マラサダなどのちゃんとしたレシピの他、映画には映らなかった料理の写真&簡単なレシピ、撮影時のメモ書きや小話などを載せます。
コラムも書きます。
脚本の高崎さんが、おもしろいことをなんだかんだと考えていて、特典映像も、いろいろ楽しいのがつくみたいです。
2枚組らしいです。
9月16日の発売なので、どうぞ楽しみにしていてください。
というわけで、打ち合わせはいい調子に進み、ブックの姿形がどんどん見えてきた。
3時過ぎまで集中してやった。
終わってからは、『日々ごはん11』のおまけレシピを書く。
夕方、広島の母ちゃんから電話があった。
「ハー、みなさんお元気ですか? きのうはいくちゃん(スイセイのこと)の誕生日じゃったから、電話しました。おめでたいことじゃから、思うて」。
私はきのう、誕生日のことをいつものことながらすっかり忘れていた。
夜中の11時半くらいに、読者さんからいただいたメールで気がついて、「おめでとう!」とスイセイの部屋へ言いにいった。ぎりぎり間に合った。
母ちゃんはさすがだなあ。
夜ごはんは、ラムステーキ(岩塩、オリーブオイル、おろしにんにく、黒こしょうで昼間からマリネしておいた。赤ワイン&バルサミコ酢ソース)焼きじゃがいも添え、コールスロー(キャベツ、人参、ゆで卵)、水茄子と大根のぬか漬け、豆腐と葱のみそ汁。
和洋折衷の変な献立になったけど、ご飯は炊かなかった。つけ合わせのじゃがいもがたっぷりあったので。
水茄子を初めて自分でぬか漬けにしてみたのだが、とてもおいしい。
噛むと、ちょっと酸っぱいようなおいしい水分がたっぷり出てくる。
今年はいっぱい食べたい

●2009年6月28日(日)曇りのち雨

ぼんやりした曇り。
窓を開けたら、向こうの道を小学生の姉妹が絡まりながら歩いていくのが見えた。
妹は両手を大きく振り上げ、大股歩きでふざけている様子。
お姉ちゃんは図書館の黄色い袋を持っている。
今日は日曜日だから、朝ごはんを食べ終わって、午前中の空いている時間にふたりだけで図書館に行くんだな。
お母さんは掃除でもしているのかもしれない。
曇ってはいるけど、夏休みみたいな景色。
午後、雨の中をスイセイの散歩についてゆく。
緑がみずみずしく、傘をさして歩くのもまた気持ちがいい。
向こうから歩いてきたお母さんと小学生の女の子が、すれ違いざまに、私とスイセイのことをかわりばんこにジッと見ていた。
それで気がついたのだけど、今日の私たちの格好は、上下が色違いのペアルックだった。
紺色のランニングに黒い短パンのスイセイと、黒のTシャツに紺色の短パン姿の私。
ネイビーブルーといおうか、紺色の色あせ具合もそっくりだった。
帰ってシャワーを浴び、もうひと仕事する。
『日々ごはん11』のおまけレシピを書いたり、原稿の校正をやったり。
夜ごはんは、まぐろと真鯛のヅケ(ゆうべの残り)、つる紫のオイスターソース炒め、冷や汁(炒りごま、おぼろ豆腐、みそ、だし汁、みょうが、青じそ)、しらす、トマト(リーダーの実家から送ってきたのをもらった)、茄子の丸煮とモロッコいんげん煮(ゆうべの)、玄米。

●2009年6月18日(木)小雨のち曇り

最近、私は自転車を買った。
今まで15年以上乗っていた自転車が、丈夫な作りで、まだまだ乗れそうだったんだけど。
ちょうどリーダーの自転車が壊れたそうで、無事もらわれていったので。
ここ何日か、いくつか自転車屋さんをめぐっていろいろ追求していたら、最後に西荻にある手作り自転車のお店のことが気になった。
それでこの間、西荻までスイセイとてくてく歩いていったのだけど、そのとちゅうにあった自転車屋さん(本当に自転車が好きそうなおじいちゃんがやっていた。でもとりたてて何のヘンテツもないお店)で、すごく希望にピッタリのものをみつけたので、けっきょくそこで買った。
手作り自転車のお店まで、いちおうは行ってみたんだけど。
外に並べてある自転車も、じっくり見てみたんだけど。
どうも私にはおしゃれすぎるような気がして。
その自転車が、とても調子いい。
きのうも、買い物にいった帰り、スイスイスータララッタ と帰ってきた。
電灯だって、スイッチを入れなくても、暗くなるのに反応して自然につくのだ。
タイヤに当たらないから、音もしないし。
変速機が簡単に入るので、坂道でも楽勝だし。
自転車がスイスイ走ると、いろんなことがうまくいくような気がする。
というわけで、今日から『日々ごはん11』の校正を始める。
『チクタク食卓・下巻』の作業が、ようやく終わったので。
ちょっと肌寒いので、スパッツをはいて長い靴下も履いて、ぐっと集中してやる。
きのう、本まぐろのお刺身をヅケにしておいたのがあるから、しらすとたらこを混ぜて、今夜はちらし寿司にする予定。
うちの近所のスーパーは、最近とてもがんばっている。
もともといい魚屋さんが入っていて充分満足していたけど、近ごろは、まぐろの解体までして、店頭に並べている。

●2009年6月11日(木)雨のち晴れ

朝、曇っているのかと思ったら、窓を開けてよく見ると、細かい雨が降っている。
緑がサワサワ濡れている。
ピチピチチーチーに混じって、ときおり「ホーーー ホケキキョ…」。
厳かに鳴いている。
こんな季節にほととぎす?  その声が、こだまみたいに響いている。
曇り空の日は、音が遠くまで響く。
雲に音が反響するからというのを、何かの本で読んだことがあるけど、ほんとなんだな。
みずみずしい窓辺。
涼しいジャングルみたい。
11時から、「暮らしの手帖」の打ち合わせ。
新しく始まる連載のことを、思いつくままにいろいろ話し合った。
スルスルといいアイデアが湧いてきて、終わった。
続きはこんどまた、松浦さんがいらしてから。
楽しみだなあ。
原稿の続きを書いて、美容院へ。
ひさしぶりに、「紀ノ国屋」でおいしいものをいろいろ買って帰ってきた。
夜ごはんは、生うに、ながらみ(生きていた)の塩ゆで、レバニラ(ゴーヤとピーマンも加えた)、人参の塩もみ(きび酢&薄口醤油&いり胡麻)、なすのくったり煮、キムチ、玄米。
さいきん、スイセイも私も食欲がいまひとつで、お粥やうどんが続いていた。
なので、なんとなしにパンチのあるものが食べたくなって、キムチの盛り合わせを買って帰ったんだけど、スイセイもジープで出かけた帰りに、キムチ屋さんで白菜キムチを買ってきてくれた。
スイセイのキムチは、すごくおいしかった。
白菜漬けの味がちゃんとして。
最近のキムチって、まわりの赤いところがやけに濃くて、甘くて、ごまかされてるみたいな味がするけど。
立川の道路っぱたで、おじさんがやっているキムチ屋さんだそう。
道を聞こうとして立ち寄って、味見をしたらおいしかったし、いいおじさんだから買ってみたそう。
スイセイは、めったにお土産を買ったりしないから、嬉しかった。
うちのお父さんも、日曜日にたまに散歩に出ると、果物屋さんでりんごやナシを買ってきてくれた。
夜ごはんを食べ終わってからも、原稿書きの続き。
〆切が明日なので。

●2009年6月7日(日)快晴

ひさしぶりにきれいな晴れ。
朝から、エバ子が杏とりにきた。
庭の垣根に咲いている、やまほろしの白い花を持って。
今年もまた、杏の季節がやってきたなぁ。
スイセイはフリーマーケットに行っているので、エバ子ひとりで杏の木に登り、枝をゆすって下に落としていた。
きのうのうちに、大家さんが緑色のネットをはってくれてあったので。
私は掃除機をかけたり、洗濯物を干したり、杏酒用の保存ビンを日光消毒したり。
風がよく通るベランダにしゃがみこみながら、雑巾がけもした。
ゲラの校正をみっちりやったら、今日の仕事はおしまい。
スイセイが帰ってきて、エバ子の杏を体重計で計ってみたら、13キロくらいあった。
これからアパートに帰って、エバ子はジャムを煮るそうだ。
夕方、図書館へも行った。
トーベ・ヤンソンの『少女ソフィアの夏』を借りてきた。
「人生の扉を開けたばかりの少女ソフィアと、人生の出口にたたずむ祖母。七十も年齢の違うふたりが、思うままを対等に、率直にぶつけ合いながらも、互いにさりげなく思いやる一。北欧の魅力にあふれる書」と、扉に書いてある。
パラパラとめくってみても、なんとなく、こういうのを今まさに読みたかったような気がする。
スーパーで青梅も買ってきた。
あとで『まる子』を見ながら、梅酒と杏酒を漬けよう。
夜ごはんは、もんごういかとヒラメのお刺身、ししゃも、新じゃが(りうの嫁ぎ先のおばあちゃんが育てた)のあっさり煮、小松菜のおひたし(おかか醤油)、ぬか漬け(パプリカ、茄子、きゅうり、大根)、大根のみそ汁、玄米。
新じゃがは、堀りたてのをりうがきのう送ってくれたんだけど、土がきれいに洗ってあって、ビニール袋に入っていた。
ばあちゃんは、土がついているのが恥ずかしいからと、きれいに洗ってしまったそうだ。

●2009年5月28日(木)明るい雨

朝からずっと雨。
部屋の中が百合の匂いでいっぱいだ。
きのう、りうの結婚式でもらった花束です。
茨城の小さなホテルで、結婚式と披露宴をやった。
うちは、りうのお母さんとスイセイと私の3人が親として出席した。
お母さんの友だち1人と私たちで、りうの身内は4人だけ。
あとは、彼の方の親族が30人ばかり集まって、友だちも呼ばずに、ささやかな会だった。
カラオケで4人くらいが歌ったけど、親戚の人たちの歌が上手いこと。
北島三郎なみに上手なおじいちゃんもいた。
ただ上手いんでなく、歌に真心がこもっていて、私はこのおじいちゃんのことを大好きになった。
感動して、笑って、涙がにじんだ。
料理もおいしく、親戚の人たちも温かく迎えてくれて、皆や隣のスイセイの様子を見ているだけでとても楽しく、あっという間に時間が過ぎていった。
披露宴の最後に私も呼ばれ、お母さんとスイセイの間に立った。
なんだか、不意打ちだった。
りうがひとりづつに手紙を読んでくれて、花束を手渡された。
こんなことがあるなんて、私は想像していただろうか。
子供を産んだこともない私が、本当の親みたいにしてもらえて。
私なんか、誰とも血がつながっていないのに、りうが結婚したことで新しい家族ができた。親戚もできた。
りうのお母さんにも会えた。
今朝は、余韻を抱きながら、ひさしぶりに12時まで寝てしまった。
りうはめったに泣かない娘だけど、手紙を読んでいる時に泣いていた。
スイセイも、挨拶の手紙を読む前、ボトボトと涙の粒が落ちていた。
始めて会ったのは、りうが小学校4年の時だった。
スイセイに出会ったら、りうがおまけでついてきた。
あれから20年、スイセイの子供がりうで、私はほんとによかったなあ。
夜ごはんは、もやしとニラの塩炒め、ラーメン(ゆで卵、メンマ、ねぎたっぷり)、新しょうがの炊き込みご飯(「のらぼう」のお土産)。

*じつは、2008年11月に書きとめておいた日記(21日〜30日)が見つかったので、それもいっしょにアップします。

●2009年5月24日(日)小雨

サワサワと明るい雨が降っている。
サバンナの雨みたい。
そんな中、チュパチュパと鳴き声が沁みわたる。
シジュウカラだ。
最近は、9時には起きてゆっくり掃除をしたり、身支度をしたりしながら朝ごはんの支度をして、12時にのんびりごはん。
午後からは集中して書き仕事。
そんな毎日。
今日は、昼前に「百年」君がサイン本をとりに来てくださる。
エバ子のジャムが、ものすごくおいしかった。
国産グレープフルーツとブンタンの皮のジャム。
えらそうなことは言えないが、ローズマリーとタイムも入っているみたいだけど、ほとんど香らないくらいにうまくまとまっている。
「苦みも、酸っぱみもちょうどようて、甘みがぜんぜん浮いてなくて、はちみつみたいになめらかでうまいのう」と、スイセイはパンにこってり塗っていた。
お昼を食べて、小梅を漬けた。
それからは、『まる子』が始まるまでずっと原稿を書いていた。
スイセイも大テーブルでポップ工作に熱中していたので、なんとなしに、部屋の中に漂う、もの作り密度が濃くなっていたもよう。
とちゅう、雨が上がって光が射したけど、今はまたもとにもどった。
たまには、こういうしっとりした日もいいもんだな。
夜ごはんは、真鯛の味噌漬け(ゆうべ漬けておいた)、ほうれん草とわかめのおひたし(ゆうべの残り)、にんにくの芽とピーマンとセロリの中華炒め(シュウマイのあんの残り入り)、よせ豆腐と三つ葉のみそ汁、玄米。

●2009年5月23日(土)  晴れ、夜になって一時雨

3時前に散歩に出る。
中央公園のグラウンドは、クローバーの花がいちめんに咲いていた。
その上を走る小型犬、紙飛行機を飛ばしているおじさんたち、サッカーボールを蹴り合う子供たち、木陰でギターをつまびきながら、控えめに歌っているおじさん。
そして、水道の近くにはバーベキュ−のグループもたくさん来ていた。
帰ってから、近所の3人娘たちがバラバラに来た。
リーダーがスカートの仮縫い合わせに来てくれた。
その後、三ちゃんが原宿の豆大福を持ってきてくれた。
三ちゃんが帰ったら、すぐにエバ子から電話があり、ブンタンの皮(このあいだ、冷凍しておいたのをあげた)のマーマレードと、おいしそうな田舎パンを持ってきてくれた。
今日私は、キムタクの新しいドラマが始まる時間に合わせて、一日を過ごした。
夜ごはんは、親子どんぶり(スイセイのリクエストで)、ほうれん草とわかめのおひたし(しらすのっけ)、ぬか漬け(ゴーヤ、大根、茄子、きゅうり)、エシャロットの即席塩漬け。
スーパーに小梅があったので買った。
今、水に浸けているのだけど、すごくいい匂いがする。
甘酸っぱい花のような、南国のフルーツのような香り。
黄緑色にところどころ赤みがさし、とてもかわいらしい。

●2009年5月15日(金)晴れ

「暮らしの手帖」の撮影2日目。
きのうが1日目だったんだけど、今日もきのうもたっぷり時間をくださったので、ひとつずつのんびり作っていった。
のんびりというか、頭の中が風通しよく。
そういう中での集中というのは、プツ、プツと、細々したことに気がまわって、いいアイデアがわいてくる。
作ってくれる人がどんなことを難しいと思い、どんなことをやりやすいと思うかなど、編集さんとひとつひとつ確認しながら、ヒロセに写真を撮っていってもらった。
試作も重ねたし、打ち合わせの段階でも万全だったけど、さらにその場で気がついたことを流動的にはさんでいけた。
さすがは「暮らしの手帖」だ。
おかげでくたびれもなく、何をやっても充足した感じだった。
とちゅうで「百年」君が『チクタク食卓・上』のサイン本を受け取りにきてくれたので、試食をしていってもらった。
ちょうど松浦さんもいらっしゃって、「百年」君を紹介できたのもグットタイミングだった。
ふたりとも本が大好き同士だし、松浦さんは古本屋さんの大先輩だから。
スイセイも、ゆうべからめずらしくハイテンションで、すごく楽しそうだった。
なんでテンションが高いかというと、スイセイは今、本屋さんに置いていただく『チクタク食卓』用の立体ポップを作っているから。
もう、「え? うわ〜〜〜!」っていうくらい、見たことないものを作っているのです。
川原さんはポスター担当で、全体のADでもある。
ふたりとも、もちろんボランティアで。
川原さんは今忙しいのに、この間もアノニマで終電まで作業していたらしい。
すごいなあ。ありがたいことだ。
スイセイは、「チクタク熱の伝染病じゃけえ」なんて言っている。
撮影が終わって、布団を入れたり洗濯ものを入れたりしていたら、今日ってすごくいい天気だったことにようやく気がついた。
空気が乾いていて、風がスーッと軽やかで。
「え、今いつだったっけ? っていうような空ですね」ってリーダーが言っていたけど、言われてみれば本当に、天高い秋のような空だった。
リーダーが撮影の残りでなんとなくつまみを用意してくれて、ふたりはなんとなくビールを飲み始め、私は畳の部屋で『チクタク食卓』のサイン本を100冊作った。
終わって、カンパイ!
スイセイは絶好調で、ギャグを飛ばしながら、話もピョンピョン跳ねながら、みるみる酔っぱらっていった。
リーダーのお刺身の切り方が、豪快でおいしそうだったな。
ひとつのお皿に2種類をいっぱいに盛るのが、瀬戸内っていう感じだった。
海辺の食堂の刺し身定食みたいな。
夜ごはんは、撮影の残りのご飯もの&つまみ&ビール。
お刺身盛り合わせ(スズキ、ホタテ)、枝豆(塩、ごま油、すだちを小皿に合わせ、つけて食べるのをリーダーが発明した)、キムチの残りにみょうが、ゴーヤ、塩らっきょうを刻んでまぜたもの、ぬか漬け。

●2009年5月10日(日)快晴

いい天気だなあ。
風もなく、穏やかな日曜日。
「真夜中」の原稿が、どうして書き進められないのか、ゆうべ寝ながら考えていた。
明け方、そのことにハッと気がついた。
今朝は、スープを火にかけながらそのことを実践して、書いていた。
気がついたら、スープは焦げていた。
焦げくさい匂いもしなかったし、朝ごはんを食べずに書いていたこともすっかり忘れていた。
私は、ここでない場所に行っていた。
おーし。
ようやく分かった気がする。
今日は、夕方からリーダー、三ちゃん、川原さんを呼んでごはん会をやる。
ごはん会といっても、私の試作を食べてもらう会。
ごはんものばかりなので、スイセイひとりで食べさせるのが気の毒だし、そういうことを気にしながらだと、どうも勢いのある料理ができないので。
みんなにはお弁当箱持参できてもらう予定。
まだ明るい夕方に集まって、この間「ダ・ヴィンチ」の岸本さんにいただいた、スペインのおいしい白ワインを飲もう。
では、これから仕入れに行ってきます。
メニューは、撮影ものなのでここにはまだ書けません。
ごはんものの他には、大根と青じその塩もみ、塩らっきょう、ぬか漬け(大根、きゅうり、にんじん、ゴーヤー)、冷やしトマト。

●2009年5月8日(金)曇り時々晴れ、時々雨

朝から「真夜中」原稿書きの続き。
試作をしながらやった。
ごはんものを2種類やったので、三ちゃんのところにいるリーダーに電話した。
今日は、三ちゃんはパン屋さんだから、お弁当にして届けてもらおうと思って。
夕方、天気雨があった。
空はところどころ水色に晴れているのに、点々が見えるほど大粒の雨。
ベランダに出ると、栗の花の匂いもむわ〜〜っとする。
遠くに見えるビルの窓から、人ふたりばかし、こっちの方をずっと見ている。
え?
と思って、見ている方向を見てみたら、虹が出ていた。
とても大きく、完璧な半円形。
昼間から「ホノカアボーイ」のサントラを繰り返しかけていて、ちょうどキョンキョンが歌っているところだった。
すごい。
三ちゃんにすぐ電話した。
スイセイに知らせたいけど、留守。
この虹は、都心の方でも見えているんだろうか。
武蔵野でしか見られないんだろうか。
などと思いながらじーっと見るが、そわそわしてきて、見るのに飽きるような感じにもなる。
何度もいったりきたりしながら見た。
最後に見た時、虹はほとんど消えかっていた。
20分か30分くらい長持ちした。
夜ごはんは、まぜごはん2種、おでん(筍、かぶ、こんにゃく、厚揚げ、フランクフルトソーセージ)、鯖の照り焼き。

●2009年5月3日(日)晴れ

ゆうべは、『ホノカアボーイ』の高崎さんと、「ダ・ヴィンチ」の対談だった。
おもしろすぎて、気がもっていかれてしまい、料理があんまりうまくできなかったけど、すごーく楽しかったのでよしとする。
カメラも、『ホノカアボーイ』でいっしょだったまなべちゃんにお願いしたし、三ちゃんが手伝いにきてくれたので、ハワイ島の気分が蘇ってきた。
撮影の休みの日は、コンドミニアムの私と三ちゃんの部屋が「バー高山」になった。
みんなでおいしいごはんを食べ、そのうち酔っぱらってくると、たいした話もしないのに、いっしょにいるだけで楽しかった。
悪ガキたちが集まって、ふざけ合っているみたいな感じ。
高崎さんが変な顔をしたり、人のしゃべり方を真似したりするのがすごいおもしろくて、ばかばかしくて。
ゆうべ、最後のころ、気がついたら、コンドミニアムの四角い部屋のそういう空気だけ切り取って、ボカンと高山家に運ばれてきたみたいな感じになっていた。
そんなハワイの家族たちに、ゆうべはスイセイも加わって楽しんでいた。
そういえば昼間、窓をいっぱいに開けてハワイアンをかけながら掃除をしている時から、すでにコンドミニアムにいる気分になっていた。
夕方から集まるみんなのために、料理の下ごしらえをしたり、床をぞうきんがけしたり、洗濯物をたたんだりする感じが。
三ちゃんが来て、台所に入ったとたん、そのレベルはキューーッと上がった。
ああ、ほんとに楽しかった。
ハワイでなくても、コンドミニアムごっこは日本でできるんだなあ。
というわけで、今日はひさびさの二日酔い。
ゆうべのちらし寿司を食べて、お茶をいっぱい飲んで、寝たり起きたり。
夜ごはんは、そうめん、小松菜の茹でたの、白うりとみょうがのカリカリ和え(ゆうべ、出すのを忘れた)、ぬか漬け。

●2009年4月29日(水)快晴

ポッカポカ。
あちこち緑がわんわん伸びてきた。
大家さんの垣根のジャスミンの花が、今年も咲き始めた。
白いのではなく、ピンクが混じった、上品な甘い匂いの方のジャスミン。
昔、「クウクウ」のシタ君が、シロップ漬けにしようといろいろ実験していたのを、花が咲くたんびに思い出す。
時間がとまったみたいに、静かだ。
今日は、祝日だから、車が少ないのかな。
思い出したように、遠くでカラスが鳴いているくらい。
干してある布団の毛布のところに手をはさんで、深呼吸する。
さあて、今日は読書の日にしよう。
きのうから読み始めた本が、とてもおもしろい。
堀江敏幸さんの『未見坂』。
2年ほど前、『雪沼とその周辺』を読み終わってから、堀江さんのずっとこういう小説を待っていました。
もう1冊、『ブロデックの報告書』も、とても楽しみ。
こちらは、『リンさんの小さな子』の、フィリップ・クローデル著。
ちょっと前、新刊の紹介が新聞に出ていて、なんとなく気にしていたら、おととい編集の方が偶然くださった。
玄関のところで、帰り際に、「もしよろしかったら…」とサラリとくださった。
いただいた時、私は驚いて2cmジャンプした。
夜ごはんは、とり肉とコーンの混ぜご飯、筍の薄炊き(きのう、大家さんにいただいた、80センチくらいの堀りたての大きい筍で、ゆうべ作った。
一昨年ももらって思ったけど、大きく育った筍ならではのおいしさがあるなぁ。
真ん中と先の方が、厚い皮で守られていたみたいにほっそりして、柔らかい。実の周りの皮膚が、少し厚く黄色くなって、40歳くらいのしっとりしたおいしさだ)、にんじんとクレソンとレタスのサラダ。

●2009年4月23日(木)晴れのち曇り

最近、わりと早起きが続いている。
カーテンを開け、窓を開けると新しい空気が入ってくるのが気持ちよくて。
あちこち掃除機をかけ、ぞうきんがけ。
きのうは、布団を干しておいたら、大家さんのどんぐりの木の花が風で飛ばされて、毛布やらシーツにいっぱいついていた。
ベランダのすのこの上にも落ちていた。
この間まで、西日に照らされて金色に光っていた花の房が、ただの茶色く枯れた房になって、風に飛ばされてゆく。
でもそのかわり、若緑の葉っぱが、にょきにょきと見る間に大きくなっ ている。
今年も、杏の実が梅の実ほどにふくらんで、赤みもさしてきた。
お昼を食べてスイセイと散歩。
道ばたのサツキの花を、ちょっとばかしもらった。
今、書いている文にサツキのことが出てくるので。
出かける時間が早かったせいか、中央公園はまだ人も少なくて、いい風が吹いていた。
今の季節、どこもかしこも緑がサワサワしている。
もし私が男だったら、こんな広々したところで素っ裸になって、大声で歌ったり叫んだりしたい気持ちも分かる気がする。
帰りに、農家のところで絹さやを買う。
帰ってから文章書きの続きと、『日々ごはん11』の校正もやり始めた。
夜ごはんは、鯵の開き、ほうれん草のおひたし(だし汁、薄口しょうゆ)、マカロニサラダ(お昼にトマトソース和えでゆでたペンネを半分とっておいて、マカロニサイズに切り、玉ねぎ、きゅうり、ゆで卵、マヨネーズ、ねり辛し)、かぶの塩水漬け、うに塩辛、いかなごのくぎ煮(三ちゃんのお母さんにいただいた)、絹さやのみそ汁、玄米。
この間、美容師さんに教わったかぶの塩水漬けがパリパリしてとてもおいしい。
皮ごとのかぶを、1センチの厚切りにしてボウルに入れ、沸かした塩水(唐辛子があったら加える)をかけるだけ。
塩水は冷ましたりせず、熱々のまままわしかけるのがポイントだそう。
どういうわけだか、本当にいつまでもパリパリしている。
うちには唐辛子がなかったので、昆布をちぎってボウルの方に加えた。
塩水は海水くらいの塩辛さです。
こんど、島らっきょうでもやってみよう。

●2009年4月19日(日)晴れ

朝ごはんを食べ、りうは10時に爽やかに帰っていった。
日曜日だけど、11時から、『チクタク食卓、上』の作業で、川原さんと田中くんがいらっしゃる。
表紙カバーの見本ができてきた。すごい!!。いえい!!。
さすがは川原さんだ。
ちゃんと、理由があってそうなった革新的なデザイン。
いいのができたし、天気もいいしで、私はすっかり風通しのいいところで陽に当たっているような気分となり、カレーライスを食べながらハワイのビールを飲む。
みんなが帰ってから、『まる子』。
『サザエさん』をみながら、猛烈な眠気がやってくる。
あんまりお腹がすかないけれど、スイセイにせがまれて、夜ごはんは蕎麦をゆでる。
ざるそば、(小松菜もゆでて添えた)、とろろ。
風呂から上がって、今夜もまた『ウルトラミラクルラブストーリー』をみる。
今日でたぶん6回目。
まだ、何度も何度もみて、体に注入し、焼きつけたい。
陽人さん(松ケン)のしゃべり方や、映画の中の空気を、体で暗記したい。
エンディングの歌も、歌いたい。
この映画は、6月に封切りだそうです。
もうコメントは書いて送ったのに、まだDVDを借りたままです。
水曜日に返す予定。
私は今日、川原さんと田中くんといる時、陽人さんのぶっちぎりのまっすぐさや明るさや、どうにかなるべえ的な感じが、のりうつっていたのかも?と思った。
『今日のおかず』もようやく刷り上がり、ピッカピカの大満足だし。

というわけで、なんとなく今日から、「日々ごはん」を週に1日だけ始めてみようと思います。

●2009年4月9日(木)

ナツメロの番組って、当時の声がすっかり出なくなっているのに、せいいっぱい若づくりして出てくる歌手ばっかりで、ほんとにイヤんなっちゃうんだけど、さくらと一郎の「昭和枯れすすき」だけはぜんぜん違った。
年をとることで、歌がますます鍛え上げられ、磨かれて、大道芸とかサーカスみたいになっていた。
感動して泣いた。

●2009年4月4日(土)

フィッシュマンズの新しく出たCDがすごすぎる。
とくに「ロングシーズン」と「8月の現状」が。
高音質って何だろうかと思っていたけど、佐藤君がすぐそこで歌っているみたい。
とり肌立って、ざわざわして、何度も後ろを振り返ってしまう。

●2009年3月29日(日)

ブンタンピール、好評につき(スイセイに)6個分も作った。
氷砂糖で煮てみた。
今日もまた『チクタク食卓』の読み込み。

●2009年3月22日(日)

『今日のおかず』、いよいよ陣痛が始まった。
三ちゃんに言ったら、「高山さん、 ヒーヒーフー ですよ」 とメールが届いた。
今日は大豆をゆでながら、最後の校正を心ゆくまで打ち込んだ。

高知からダンボール箱いっぱいのブンタンが送られてきた! 皮の下の白いブカブカしたところをゆでている。
ブンタンピールを作ろうと思って。

●2008年3月15日(日)

きのうの「ホノカアボーイ」初上映で、マラサダを157個作った。
映画が、みなさんのところへ飛んでいきました。

今まで、あんまり夢もみてなかったような気がするけど、このところ2日続けておもしろい夢をみている。

●2009年3月8日(日)

いくら忙しいっていっても「トムソーヤの冒険」を見ながら餃子を巻いたりできるんだから。
三ちゃんはパン屋&ケイタリング&お弁当で大忙しだそう。
あとで餃子弁当を届けてやろう。
リーダーが「ニチニチ」に映画のポスターを届けてくれた。
星野くんは今、自分のことを「ホシノカーボーイ」と名乗っているらしい。

●2009年2月28日(土)

ハワイから帰ってきたら、書類がいっぱい届いていた。
もういいかげん戻ってきて先ヘ進みなさい、と ビーさんに背中をはたかれました。

ああ、虹が消える。

あと2週間で、いよいよ「ホノカアボーイ」が封切りです!

●2009年2月21日(土)

いま、ハワイ島です。
ハワイに来ると、三ちゃんと私はふたりとも変わる。私は平たくなって、間口が広くなるような、どんなことでも受け止められるようなおっかさん的感じ。
三ちゃんは、だんぜんおもしろくなる。
ふたりとも力がぬけて、声が低くなって、いつまでもいろんなことをしゃべっている。
1年に一回、『めがね』のかき氷屋のような店を、ふたりでやっている感じ。

●2009年2月15日

ひさしぶりにスイセイと散歩に行った。中央公園は、いろんな人がいっぱいだった。
おじさんたちのサッカーチーム、丘に座ってひとり詩吟を浪々と詠うおばちゃん。
木にぶら下がっているおばちゃん。足下でじっと待っている子犬。
なんだかすっかり春めいていた。
晩ごはんは鯵の開き、ポテトサラダ、小松菜とほうれん草のおひたし、新ワカメの刺身、焼きそば(ゆうべの残り)、ぬか漬け、土鍋で炊いた白いご飯、なめこ汁。

「ホノカアボーイ」のサイトがリニューアルされました。
私もスタッフのコメントを書きました!

●2009年2月8日(日)

ポッカポカの春みたいないち日。
きのうはインタビューのあと、ちよじとリーダーがきて少しお酒を飲んだけど、私だけ先にバテてしまった。
皆が帰ってからお風呂に入り、そのあとがんばって原稿を書く。
今朝も早起きして続きをやった。
それが、楽しくてたまらない。
何をやっているかというと、「ホノカアボーイ」のパンフレットのことです。

●2009年2月1日(日)

ひさしぶりに近所のスーパーに行ったら、すっかり改装されていた。
あちこち白っぽくて、新しい匂いがして、店員さんたちもなんだかハリハリして。
お父さんと小学生の息子が買ったものを袋に詰めながら、「固いものから先に入れるんだぞ。豆腐なんかいちばん下に入れたらな、うちに帰ったら豆乳になっちゃうんだからな」 なんて。
帰り道、シジュウカラが道を歩いていて、なんとなく春の匂いがした。

●2009年1月24日(土)

このところ、『チクタク食卓、下巻』の打ち込み作業をやっていて、気がついたら、日が暮れている。
今日は、小雪がちらついているのを眺めながらやった。
原稿もひとつ書いた。
とちゅうでたまらなくなり、スイセイを誘って散歩に出る。

●2009年1月15日(木)

『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』 の文庫版の校正を、このところ毎日やっている。えんえんと。
フィッシュマンズを聞きながら夢中でやっていて、気がつくと、いつも陽が傾いているのだった。



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