●2004年7月20日(火)猛暑
 
 
お昼に蕎麦をゆでてスイセイと食べるが、ふたりともいまひとつ食欲がない。 
東京は、今日39度の猛暑だそうだ。 
寝室だけクーラーをつけ、ごろんと寝転がる。 
本を読んでいたんだけど、気がつくとまた寝ていた。 
丹治くんからの電話で起きました。 
「歩きながらかけてるので、騒がしくてスミマセン」と丹治くん。 
「暑いでしょー、たいへんだねー」と声をかけると、「暑いですけど、なんだか楽しいですよー」。 
暑いのが大好きな丹治くん。 
去年の夏にも、「僕は、でも、暑いのはぜんぜん平気だなー」と、渋谷の歩道橋の上でつぶやくように言っていた丹治くん。 
さて、夕方になってちょっとは涼しくなったのだろうか。 
部屋の中は、むわーんとお湯の中を歩いているみたいな感じ。 
クーラーで冷えた体には、なんだか気持ちいいが。 
昨夜は楽しいお酒だったので、二日酔いも爽やかな、きれいな気分。 
カトキチの奥さんのアムちゃんが、稀に見るきれいな(純粋)な娘だったし、ふたりの関係が、ふたりでひとりの人間みたいに、ずっと捜していてやっと巡り合えたようなカップルだったから(カトキチはサラリーマンを辞めて、アムちゃんとおいしいプリン屋を始めたのだそうだ。吉祥寺と国立で、ライトバンで売っているらしい)。 
そして星丸君のお店が、とっても良かったからだ。 
星丸君の店は、道から中がすっかり見渡せるような、開けっぴろげの風通しがいい明るいお店だった。 
地元の人たちが散歩がてらぶらりと入るような、「今夜は『日日』でごはんを食べようか」と、子供連れの家族が愉しみに出掛ける、そんな感じの店だ。 
手伝っているのは、クウクウの弟たち。 
サン、新井君、ヤノ君だ。 
クウクウの厨房で使っていたベコベコにへこんだ鍋や、まわりが黒く焦げたボウルを、きれいに磨き上げて使っている。 
泡立て器も、ステンレスのビーカーも。 
お皿も全部クウクウで使っていたまんまだし、メニューにはあのチベタン・モモ(ネパール風揚げ餃子という名前になっていた)もあった。 
クウクウがなくなって、もう二度と食べられないと思っていたチベタン・モモが、辛子マスタード醤油のまったく同じタレで、同じ器にのって出てきた。 
料理は、コロッケ、鷄の唐揚げ、ポテトサラダ、しらすチャーハンとか普通のものもあるし、焼きビーフンや豚の角煮や、生春巻き、上海焼麺もある。 
どれを食べても丁寧に作ってある味で、すごくおいしかった。 
クウクウとはもちろんぜんぜん違うけれど、私は涙が出るほど嬉しかった。 
なんだか、クウクウの子供が生まれたような感じがした。 
サンも、新井君も、いつか自分の店を出したがっているから、どんどん兄弟が増えていくのかもしれない。 
こんなことってあるんだなー、なんか、感無量っていう気持ちで、これを書いている今でも涙がにじんでくる。 
女の子たちは5人も赤ん坊を産み、皆健康でスクスク育っているし。 
すごいぞクウクウ。 
夜ごはんは、韓国風のり巻き、しいたけのお清し。 
韓国のり巻きは試作で作ってみた。 
実は巻きすを使うのは初めてなんだけれど、けっこう簡単にいい具合にできた。 
のり巻きって、ずっと難しいものだと思っていたけど、案外簡単だ。 
こんどはお寿司ののり巻きを、いろいろ作ってみよう。
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