2003年3月上

●2003年3月10日(月)

ゆうべ作った「うなぎ蒲焼きのスパゲッティー」がすごくおいしくできたので、ここに書いておきます。甘じょっぱいタレも使うが、洋風のテイストにしたくて、まずにんにくと玉ねぎ(みじん切り)を炒めた。うなぎ(3人分で1枚半)のざく切りを加えて軽く炒め、酒をちょっと加えてタレ2袋とさんしょうの粉も加え、塩(ちょっと多め)とバターと黒こしょうを入れておく。パスタのゆであがりちょっと前に菜の花のきざんだのを入れ、ざるに上げてうなぎソースにからめる。皿に盛りつけ、万能ねぎたっぷりと、生クリームをちろっとほんのちょっとだけかける。菜の花の苦味と黒こしょうがすごくいい感じだった。
午後からは、器関係の取材の打ちあわせ。
終わってウキウキと図書館に行く。陽がいっぱいに当たったロビーで、雑誌などぼんやり読みふける。なぜか、今日は祭日か?というほど人がいっぱいだった。例によって10冊借りて来ました。「ドリトル先生」とか「ふたりのロッテ」とかも入っている。
夕方、買い物から帰って来る時、やけに遠くの景色がはっきりくっきりと見えた。なんでだろう。空気が澄んでいるんだろうか?それとも私の目のせいなのか。
料理教室のことを、この日記に書いて昨日アップしたのですが、思った以上の反響があり、スイセイとふたりして驚いています。新刊の感想なども書いてくださって、ほんとうに嬉しく、ぐっときてしまい、ちょっと泣きそうにもなりました。どうもありがとうございます。
夜ごはんは、こんにゃくとれんこんのにんにくナンプラー炒め、ゆでブロッコリー、いんげんのおかか炒め、目刺し、油揚げとニラの味噌汁、玄米。

●2003年3月9日(日)すごい快晴、夜は冷え込み星がたくさん見えた

今日はリビングの大掃除。天井近くの壁や梁も拭いた。家具もどけて掃除機をかけ、窓も磨いて床にワックスまで塗った。
まだやりたりない所(本の整理、書類の整理、パソコンまわりの整理)はあるが、かなりきれいになった。部屋がきれいだと、なんか元気になるなー。やる気というものがムクムクと沸いてくる。
夕方、カレーチャーハン(目玉焼きのっけ)を作ってサザエさんを見ながら食べた。私は、ずっとサザエさんを見たかったんだと気がつきました。今まで、日曜日はあたりまえに仕事だったから。最近、日曜日の平凡な幸せというものが、すごく幸せに思う。ウルルンも見れるし・・・ さあ、ではそろそろ原稿を書くことにします。
夜ごはんは、うなぎ蒲焼きのスパゲッティーとレタスとにんじんのサラダにする予定。
スパゲッティーは、生クリームをちょっと入れて万能ねぎをたっぷり散らそうと思う。

●2003年3月8日(土)すごい快晴

あまりに天気が良いので、りうは洗濯大会。私は大掃除だ。
春めいてくると光が明るくなるから、壁や天井の埃がやたら目につくのです。ほんとうはこういうことは年の暮にやらなければいけないんだろうが、今日みたいにポカポカと暖かい日にやって、春を迎えるというのは、なかな良いもんだよと思う。元気になるし。
とりあえず、今日は寝室をばっちり掃除した。洋服ダンスの裏まで。
夜ごはんは、カレー、そら豆の春巻き。
夜は夜で、たまった雑誌を次々整理し、ファイリングしてゆく。
明日も大掃除の続きをやる予定。なんでこんなに掃除に熱を入れているかというと、原稿が書けないからだと思う。

●2003年3月7日(金)雨、夜になって強い風

雨の中を歯医者へ。ムーバスを待っている時、バス停前にある学習塾で子供がずっと泣き叫んでいた。声からするとかなり小さい子供みたいだった。塾なんて行きたくないんだろうなと思っていたら、「勉強するから、帰らないでー、ここで待っていてー」とお母さんに必死で何度も訴えている。ほんとうは勉強なんかしたくないだろうに、なんて健気なんだろう。私までちょっと泣きそうになった。
歯医者が終わってタクシーで帰りたいところだが、ぐっと我慢して電車に乗って帰って来ました。雨の中、吉祥寺からてくてく歩いて。
帰ってからは、本格的に原稿書き。
けっこうはまって原稿を書いていたので、今夜はスイセイが晩ごはんを作ってくれることになった。うわーい! 冷や奴、塩豚(なんと、2週間熟成もの)を油をひかずに焼き、同じフライパンで長ねぎを焼いたもの(焼き鳥のねぎって感じで、超おいしかった)、レタスとクレソンとウインナーのサラダ、ニラ玉(私が作った、ちょっと甘め)、玄米、豆腐とニラの味噌汁。
スイセイの豆腐の味噌汁は、豆腐がきっちり1センチの賽の目切りになっていた。

●2003年3月6日(木)どんよりした曇りのち雨

こういう曇りの日は、ほっといたら惰眠してしまう私だが、えいっと起きました。
やることがあるので。
ゆうべ、自分が出ているビデオや、他の先生たちのビデオを見ていて、自分の料理というのが客観的に見えてきたんです。それで、こんどのテレビ番組について、いろいろと考えをまとめてみた。
あとは、のんびり原稿書き。
3月後半からちょっと仕事が詰まっているので、今のうちにやれることはやっておこうと思う。とろとろと助走を始める感じだ。
ところで、私は自宅でもって小さい料理教室をやろうかな?と最近ぼんやり思っているのですが、このホームページで教室に来たい方を募集してみようかと考えています。日曜日の昼間に2〜3時間と思っているのですが、どんなもんでしょうか。

*この日の日記に対して、思っていた以上にたくさんの方々からメールをいただきました。ほんとうにありがとうございます。とても嬉しかったです。改めて3月23日昼12時に、このホームページ上にて料理教室のご案内をアップいたします。興味のある方は、そちらをご覧になってください。(3月11日午後4時記ス)

●2003年3月5日(水) 晴れ

ゆうべというか今朝は、4時くらいに帰って来ました。
完全な二日酔いだったが、12時より撮影なので、10時に起きて風呂にしっかりと浸かり、顔をごしごしこすって酔いを飛ばす。
「みい、まだちょっと酒くさい」とりうに言われたので、正直に二日酔いですと発表してから撮影を始めることにした。
今日は料理ではなく、リビング系の撮影なのでセーフです。そして二日酔いなくらいの方が舌がよく動くので、インタビューではぺらぺらとよく喋った。そういえばライターさんが教えてくれたのだが、家の斜め前にある大木は「桐」だそうだ。夏になると薄紫の房のような花が咲いて、夕暮れとかめちゃくちゃ奇麗なのです。そうかー、あれが桐かー。私はずっとライラックだとばかり思っていた。いいことを教わった。
3時には無事終わり、泥のようになって布団にへばりつく私でした。
ゆうべは調子に乗ってちょっと飲みすぎたのだ。川原さんも呼び出して、3軒もはしごしちゃったんです。今日は飲むぞー!と拳を振り上げる感じで、たのしい夜だったなー。
夜ごはんは、ムキえびとしょうがの炊込みごはん、買ってきたコロッケを甘辛く煮て卵でとじた(ばななさんのホームページを読んで、たまらなく食べたくなったのです)、小松菜おひたし、えのきと油揚げの味噌汁。

●2003年3月4日(火)晴れだがとても寒く、風も強い

午後から歯医者に。
ひさびさに先生たちに会えて嬉しかった。私が行っている歯医者は西荻にあるのだが、自転車をこいで20分以上かかっても、ぜったいにここじゃないとイヤッていう歯医者なのです。歯医者って怖さが伴うものなのに、ここはまったく怖さがない。まず、先生も看護婦さんもマスクをしていない。そして、椅子にすわるとひととおり世間話をして笑い合い、それから治療に入る。治療中でも話しかけられることがあり、患者さんは口を大きく開けたまま「ウー」とか「オオエフエ(そうですね)」とか答えている。なんか下町っぽいんです。
初めてこの歯医者に行った時、歯医者ぎらいでぜんぜん治療してなかった私は、怒られるんじゃないかとビクビクしていた。「血液型は何ですか?」とまず聞かれ、「やっぱりBですか。私もBなんですけど、Bはのどもとすぎればの性格だから、治療も長続きしないんですよねーふふふ」なんて、歯を調べながら笑われた。
そういう歯医者だから、虫歯がなくても、年に2回の定期検診にもちゃんと行って、歯石をまじめに取ってもらっている。親戚の家が偶然歯医者をやっているから、会いたくなると行って、ついでに治療もしてもらうっていうノリなんです。待合室には、私の本も置いてある。スイセイももちろん通っているし、いち時クウクウのスタッフ全員が通っていたほどだ。
お気に入りのコーヒー屋「どんぐり」に行って、おいしいカフェオレを飲みながらひと仕事。次の本のためのメニューをイラストつきでどんどん描いていった。はかどりました。
帰ってからちょっとのんびりしていたら、立花君から名刺が出来上がったという電話。
もちろん名刺も嬉しいが、せっかく会うんならと、飲んじゃうことにして「のらぼう」で待ちあわせ。スイセイとりうの夜ごはんの下ごしらえ(かじきまぐろをしょうがじょうゆに漬け、味噌汁の昆布とにぼしを水に漬けた)をして、今夜はりうに作ってもらうことにしました。では、これから行ってきまーす。

●2003年3月3日(月)晴れのち雨、春いちばんが吹いた

ひな祭りなので、今日はちらし寿司を作ろうと、朝から干ししいたけをもどしておく。
昼間の空気は芯まで暖かく、春のようだった。1時から藤原さんと打ちあわせ。
終わってから美容院に行くが、帰りにはものすごい土砂降りに豹変していて、何度も傘を飛ばされながら、髪をふりみだして自転車で帰って来ました。超冷たい風だったけれど、これが「春いちばん」だったのだろうか。
帰りにおいしい魚屋さんで、しめ鯖、煮あなご、ぼたんえび、ムキエビ、はまぐりを買う。ちらし寿司を作るんですと言ったら、しめ鯖を花びらのようにそぎ切りにしてくれた。あなごも肉厚なのを出してきてくれた。そして、帰ってから気がついたのだが、しょうがの甘酢漬けもおまけで包んでくれてありました。
はまぐりの潮汁に入れる三つ葉を買おうとしたら、糸三つ葉が売り切れでした。かわりに小さめの根三つ葉を買うことになったのだが、今日、たくさんの家庭のごはんが同じメニューだということが、なんだか嬉しいような気持ち。私は、ひな祭りのご馳走を作るのなんて、生まれて初めてです。
しいたけ、かんぴょう、にんじんを甘辛く煮て、れんこんも酢ばすにして、薄焼き卵もうすーくきれいに焼いて、割烹着を着たお母さんが作るようにていねいに作りました。合わせ酢にゆずもちょっと絞ってみた。
すごくおいしくできました。りうもスイセイも大満足。だけど、けっこう手間がかかったなー。やっぱりこういうものは、1年に1回作ることができれば充分かも。
今日はこのホームページの開設記念日でもあったので、お寿司にして正解でした。

●2003年3月2日(日)きれいな快晴

ゆうべの嵐のせいで、今日は新鮮な青空だ。鳥たちも一直線に飛び交っている。
布団を干し、洗濯ものを干し、昼ごはんを食べながら窓の曇りが気になったが、窓拭きはやらないことに決める。休日ということにして。
そして、畳の部屋で毛布にくるまり、ひたすら読書タイムだ。
とちゅう、冷凍しておいたクッキーを焼いたりもした。プレーンな生地だったので、周りにザラメとシナモンを混ぜたのをはりつけて焼いてみた。
読んでいた本があまりに感動的だったので、3回くらいだーだーと涙が出て、せっかく干した布団のシーツをぬらしてしまった。おそろしく甘い匂いが畳の部屋までもれてきて、洗濯物の合間から青空がのぞいている。
本は、「卵の緒」瀬尾まいこ著。
表紙の絵が、去年から何度も目についていたんだけど、この間本屋に行った時に何気なく買った。「ぼくはすっかり、この作品のファンになってしまった」と、高橋源ちゃんも帯文で書いているけど、ほんと私もすっかりファンになってしまいました。なんか、清潔感があるんです。
最近私は、似たような設定(若いお母さんと、小学生の子供が出てくる話)の小説を偶然5冊くらい連続して読んでしまっているが、「卵の緒」はとびぬけていた。
今夜はウルルンがあるので、夜ごはんを早めに食べる。塩豚の焼いただけ、クレソンとレタスのサラダ、ごぼうのきんぴら、大根の味噌汁、納豆、玄米。

●2003年3月1日(土)ずっと雨、夜中に嵐になった

ゆうべの変な夢、変すぎて恥ずかしいが、料理家らしい夢なので書くことにします。
かぼちゃを8等分に切ってワタを取りのぞいたものを、股にカポッとはめられた夢だ。スケベでもなんでもなく、どこかにご飯を食べに行ってかぼちゃ料理を注文したら、気がつくと自分の股にかぶさっていたという・・ゆうべ、夜ごはんでかぼちゃを煮たからにちがいない。
スケベで思い出したけど、クウクウ現役時代にみた夢も変だった。それは、クウクウの男の子たちが3〜4人ずらっと並んで踊っていて、全員がそろってパンツを下ろすという夢。ハッ!と期待の視線を向けると、彼らの股間には、肉厚のカラーピーマンを半分に切ったものがぶら下がっていた。私は夢の中で「なーんだ」と、がっかりした覚えがある。この話はけっこう女子の間でうけたけど、セクハラシェフだ。
さて、また今日も打ちあわせでした。新しいテレビ番組の。
初対面のディレクターさんは、良い感じがした。なんとなく直感だけど、収録が楽しいものになりそうな予感がしました。自宅で撮影をする時にはとくに、こういうのってだいじなことなのだ。動物同士が匂いを嗅ぎ合って確かめてから、じゃれ合うような。
夜ごはんは、塩鯖、油揚げとしいたけのさっと焼き、きのうのかぼちゃ煮、大根と青じその塩もみ、あさりの味噌汁。昆布とにぼしでだしをとってあさりの味噌汁を作ったんだが、これがばかうまかった。貝でだしをとるわけではないから、味噌を溶き入れてから貝の口を開かせるようにしたのだ。あさりはぷりっぷりでした。



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