2004年2月下

●2004年2月29日(日)薄曇り

昨夜は、「アボンリーへの道」を4本見て、すっかり夜更かししてしまった。
スイセイが隣で寝ているので、ヘッドホンをしてながら、4本中3本はだらだらと泣いた。
だからというわけでもないが、今日は4時まで寝てしまった。
日曜日だし、だらしない気持ちになって「いいの、いいの」と思いながら寝た。
そして、自分が住んでいる家の夢を3パターンみた。
最後のは、ベランダに出ると、下はずっと遠くまで畑で、黒い地面に粉雪が舞っていた。
ちょっと物悲しい場所で、頬にあたる雪と風の感触が、すごくリアルだった。
起きてラーメンを作る。
サッポロ1番のみそと塩のミックスだ。
これは、ばななさんの「ハゴロモ」の中のを再現したもの。
いちおう仕事の試作です。
これから、丹治くんに借りた佐藤さとるさんのシリーズを読み倒す予定。
夜ごはんは、キャベツたっぷりソースやきそば、黒米玄米おにぎりとたくわん、にんじんの塩もみ。

●2004年2月28日(土)晴れ、暖かい

最近、洗濯物がすぐに乾くようになってきた。
タオルなんかは2〜3時間で乾いてしまう。
さて、今日は畳の部屋で資料を広げ、本のメニュー立てをやった。
最近始まった本とはまた別のもので、カメラマンは日置さん、デザインは茂木さんとご一緒する本だ。
撮影は4月末の連休前。
こちらもまた、すごく楽しみだ。
どんどん頭が冴えて、ずいぶん形ができてきた。
陽の当たる部屋いっぱいに広げて、思う存分やっていたら、「おこんじきさんをやっとるんか。みいは、それが仕事でよかったのー」とスイセイに笑われる。
「おこんじきさん」というのは、私が子供のころ母や祖母によく言われていたこと。
押し入れから洋服を部屋いっぱいに出して、母の服や父の服も混ぜこぜに重ね着をして、ファッションショーのようなことを空想しながらひとり遊びをしていると、「やーだよー、なおみちゃんはまたおこんじきさんやってる」・・・という感じで言われていたんです。
おこんじきさんというのはホームレスのことで、重ね着がそこにつながるのだと思うが、部屋中いっぱいに持ち物を広げて、ひとりで空想している状態・・というのも、おこんじきさんの特徴らしいのだ。
私って、子供の頃から変わっていないのだな。
夜ごはんは、本マスのムニエル、マスタードしょうゆソーズ(じゃが芋丸ごとゆでたのを、厚切りにして焦げ目がつくまでいっしょに焼いたら、とてもおいしかった)、茄子の醤油炒め煮、れんこん、にんじん、こんにゃくの薄味煮、新玉ねぎのスライスオニオン(しらすをのせて酢じょうゆで)、新たまねぎの味噌汁、黒米入り玄米。
デザートに大粒のいちごを食べる。
今夜は、「アボンリーへの道」を4本まとめてやる。
いつもより早めに始まるのだ。うわーい。
早めに風呂に入って布団をしいてスタンバイしよう。

●2004年2月27日(金)晴れ、暖かい

風呂場の下の杏、蕾がピンクにふくらんできている。
一昨日、青山で沈丁花が咲いているのも見たし、世の中はどんどん春めいてきているのだなー。
それに比べて、なんとなしに冴えない私。
別に、何がどうというわけでもないんだけど。
夕方、おいしい魚屋さんへ買い物に行く。
カワハギの刺し身(肝つき。ポン酢で食べるといいよと言われた)、しじみ、ほたるいか、アイナメ、本マスを買う。
アイナメは春の魚だ。今夜煮つけにでもしようと思って。
マスは、明日バターソテーにして食べよう。
夜ごはんは、カワハギ刺し身、ほたるいかの辛子酢みそ和え、アイナメの煮つけ、カラシ菜と油揚げの煮浸し、しじみの赤だし、玄米。
夜になってじわっと元気が出てきたので、「日々ごはん」のまえがき、あとがきを書く。

●2004年2月26日(木)晴れ、暖かい

2時より打合わせ。
1時間ほどで終わりました。
リビングの大テーブルにいっぱい資料を広げ、本についての頭の整理をする。
この間の打合わせで分かったことは、本に対するビジョンが、私にほとんど見えていなかったことだ。
柱になる想いは強くあるので、私はそれでいいのかと思ってぼんやりしていた。
有山君のひとことで、それが分かりました。
「高山さんは、まだ見えてないってことですね〜」というやさしい言い方だったけど、ぐさっときた。
当たり前のことだが、著者が見えていなければ、スタッフたちに伝わるわけがないではないですか。
そして、じわじわと見えてみました。
夜ごはんは、今日もまた買い物に行かずに、冷蔵庫整理のメニュー。
海老の炊き込みご飯(パエリア風。ちゃんと海老の頭でだしをとった)、じゃが芋とねぎのスープ(牛乳味)、大根サラダ。

●2004年2月25日(水)晴れ、暖かい

ちと二日酔いだし、原稿を書き終えたお祝いとして、今日は休日と決める。
布団の中でだらだらする。
お昼にスイセイが卵粥を作ってくれた。
卵しか入っていない塩味のお粥だが、よけいなことをしてなくておいしい。
私はしらすをのっけて食べた。
今日の楽しみは、丹治君が貸してくれた10冊の文庫本。
佐藤さとるさんのシリーズで、丹治君が中学生の頃に読んだという、いい感じに古びた本だ。
枕元に10冊積み上げ、つぎつぎ読みながらバタンと寝てしまい、また続きを読むというくり返しだった。
なんか、小学生の頃に学校を休んでずっと本を読んでいる私・・という感じ。
読みながら、子供の頃のことをいろいろ思い出した。
運動会のリレーの選手に選ばれたことなどいちどもない私だったが、選ばれる子たちというのは、他のことでにも積極的で、外向的で、私とは正反対の人種だったな。
家の姉はそういうグループにいた。
私はというと、ひとりで地面に穴を掘って遊んでいた。
べつに、外向的な人たちの仲間に入りたいなんて、夢にも思わなかった。
そんな自分を思い出していたんだけど、けっきょく私ってぜんぜん変わんねーなーと、そのことに感心した。
変わったのは周りの反応だと思う。
ひとりで穴を掘っている遊び=私の仕事になったから、好きなだけはまっていても、今では誰にも怒られない。ほめられるほど。
そんな感じだ。
そういえば最近私は、「アボンリーへの道」という海外ドラマにはまっている。
NHKで深夜にやっているんだけど、おもしろくてたまんないというわけでもないんだけど、ほとんど毎晩見ている。
アボンリーというのはカナダにある島の名前で、「大草原の家」みたいな感じのドラマだ。
夜ごはんは、白菜の麻婆風(豆板醤、XO醤、ガラスープ、オイスターソースで味つけ)、小松菜とほうれん草のナムル風、大根の味噌汁、納豆、玄米。
白菜の麻婆風がとてもおいしくできた。スイセイに大好評。
白菜の真ん中で作ったので、柔らかく、自然の甘みがあって、それが薄味の麻婆にバッチリ合っていた。
そういえば、風邪治ったかも。

●2004年2月24日(火)晴れ

風邪はなかなかしつこい。
咽と鼻の間の膜は、まだはったまま。
いくら鼻をかんでも、うがいをしてもそれが取れない。
けど、気持ちはけっこう元気だ。
11時より撮影。
花見弁当を作った。
見た目は地味だが、しっかりと実質的なおいしさ。
テーマが、女同士の花見弁当なのです。
私は、弁当でいろいろ工夫するのがあまり好きでない。
海苔がフタにはりついたような鮭弁がいちばんと思っている。
鷄の唐揚げとか、ウィンナーとか、天ぷらの残りを甘じょっぱく煮たのとか。
まあ、今回は花見だからもう少しちがうものにしたけど。
1カットだったので、1時には終わりました。
4時半からアノニマ・スタジオで打合わせなので、ちょっと休憩して準備をする。
昨夜大量に煮た、豚バラ大根をお土産に持って行こうと思っています。
打合わせが終わってから、どこかにご飯を食べに連れて行ってもらうので、今夜スイセイは留守番だ。
スイセイ用には弁当(撮影の残り)を詰めておく。

●2004年2月23日(月)曇りのち晴れ、すごく寒い

昨夜は、ものすごい風だった。そして久々の雨。
なんか、私は水を求めていたように思う。なんとなく。
雨の音を聞いて、とても安らかな気持ちになった。
嵐の音を聞きながらひとりで寝るのっていいもんだな。
ハイジの気持ちだ。
さて、風邪はほとんど治ってきた。
あとは、のどと鼻の間に1枚膜が張っている感じ。
これがなくなれば完治なのだが。
わりあい気分がいいのでリビングを掃除し、ワックスも塗る。
きれいになったところで原稿書きだ。
夕方、すごい風の中を、明日の撮影の仕入れに行く。
夜ごはんは、大根(清水さんにいただいた本当に大根足みたいな太さ)、豚バラ、厚揚げのソーキ煮風、紋甲イカゲソの刺し身、大根の柚子香漬け、麩とねぎの味噌汁、白いご飯。
早めに風呂に入って、また原稿の続きをやらねば。
ふー。

●2004年2月22日(日)晴れ、風強し

ちょっとはいいようなので、起きて風呂に入る。
お湯がビリビリするのは、どういうわけなんだろか。
邪で、肌が敏感になっているのか?。
フラフラするけど頑張って掃除機をかけ、洗濯もする。
風が強いので、シーツがすぐに乾いた。
3時からは打合わせ。
今、終わりました。6時半です。
今夜は、寿司の出前をとることにする。
布団に入ったら、また寝込んでしまいそうなので、これからレシピをちょっとやる予定。

●2004年2月21日(土)曇り

やはりダウンしました。
熱は37℃だけど、腰も痛いしけっこうつらい。
今回の風邪は咳ではなくて、鼻水なのが救いだ。
昨夜からほとんど寝っぱなしだったが、それでも「ハゴロモ」を読み終えました。
今は、「アムリタ」を読んでいる。
こんど、ななさんの小説の中の料理を作るっていう仕事をやるのだ。
なんてたのしみな仕事だろう。
私はいつも読みながらよだれをたらしていたし、味を想像しながら読んでいた。
だからすでに頭の中でレシピができていたけれど、小説の中の空気をもういちど味わいたくて読んでいる。
まあ、本が読めるくらいなんだから、風邪もたいしたことはないんだろう。
夕方、スイセイが何が食べたいか聞きに来て、買い物に行ってくれた。
いちごのヨーグルトと言ったら、いろんなメーカーのいろんな種類のを買ってきてくれました。
そして、アルミホイルの鍋に入った鍋焼きうどんを作ってくれた。
ねぎと卵も入れてあった。
起きているとやはり辛いので、また寝ます。



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