2008年2月下

●2008年2月28日(木)快晴

朝からくしゃみが出るけれど、ハリハリと準備をする。
洗濯もした。
12時半ごろ、「三鷹ハウス」へ。
今日は、「リビングデザイン」の木皿さんとの連載の、撮影場所として使わせてもらうのです。
では、行ってきまーす。
3時半くらいに無事終わり、買い物をして帰ってくる。
昼間はポカポカだったけど、夕方になるとやっぱり風が冷たい。
でも、仕事も終わって、まだまだ明るくて、すがすがしい気分でてくてく歩く。
うちの杏の蕾は、まだ小さいながらもピンクになってきている。
お米屋さんが配達にきた時、ひなあられの小さな袋をおまけにくださった。
ひな祭りにはひと足早いけど、今夜はちらし寿司だ!。
夜ごはんは、ちらし寿司(ひじき煮、ずわい蟹、いくら、カンパチのヅケ、錦糸卵、海苔)、長葱と椎茸の網焼き炒め(それぞれ網で軽く焼いてから、ごま油と塩で炒めた)、豆腐のおすまし、赤蕪の漬物。
のどがかゆい。
鼻水も出るけど、これは風邪ではない気がする。
花粉症だと思われる。
でも、本当にひどい人のことを思うと、きっとこんなのは花粉症の足もとにも及ばない。
目はぜんぜんかゆくないから。

●2008年2月27日(水)快晴

温室のように温かい部屋で、惰眠をむさぼった。
2時まで。
カーテンの外は、カラリと晴れ渡っているようだったけど、洗濯もせず、ごはんも食べず、気分はダラダラ。
明日からまた忙しい日がちょっと続くから、これでよしとする。
スイセイは、自分でラーメンを作って食べていた。
ふと思いつき、6時くらいにプールへ。
20分ほど集中して泳ぎ、サッパリと帰ってくる。
夜ごはんは、中華焼きそば(小松菜、きくらげ、目玉焼き、オイスターソース味)、人参の千切りサラダ、スープ(干し椎茸、万能葱)。

●2008年2月26日(火)薄い晴れ、風強し

朝方、けっこう寒かった。
もう体が春向きになってるのか。
今朝は、筋肉痛もなく、体が軽いような気がするくらい。
そういえば、昨夜寝る前に思ったこと。
うちのプールは25メートルなのだけど、ターンをする時に、「もうひとふんばりガンバロー!」と、自分に拳を入れながら息継ぎをし、また泳ぎ始める。
それで、ふっと思い出した。
小学生のころ、私にはこれといって得意なものがなかった。
図工は好きだったけど、よく宿題を忘れたし。
夏休みに毎日プールに通っているうち、いつの間にか、ゆっくりだったら平泳ぎでいくらでも泳いでいられるようになった。
50メートルのプールを足をつかずにターンする時、「もうひとふんばりガンバロー」と自分を励ます。
そうすると、今泳ぎ始めたばかりのような、新しい気持ちになった。
ちょっと苦しいけど、自分の体に直接返ってくる実感の確実さに、また励まされて進む。
たぶんその感じが、体に染み込んでいた。
大人になった私が、本のための原稿を校正している時、何度も何度も見直しをくり返す時、体の中から声がする。
「もうひとふんばりガンバロー!」。
両手で水をかき、足を蹴りさえすれば、じわじわと着実に前に進む感じ。
それは小学3年生の時に刻まれた、体ごとの記憶だったんだな、と思った。
あちこち掃除をし、朝ごはんを食べている時、「みいは今日元気じゃろう?」と言われる。
「なんでか教えてやろうか。それはの、フィッシュマンズがかかっとるから」。
確かに、そうかも。
わざわざ奥の方から探し出して、『宇宙 日本 世田谷』をかけていた。
1時から、インタビュー。
終わったら、しおりちゃんとミカちゃんが、新しく出る本を持ってきてくれる。
そのあと、川原さんが来て、『チクタク』の打ち合わせ。
ひさしぶりに3人で近所の蕎麦屋に行き、軽く飲む。
豆腐サラダ、板わさ、とろろの海苔揚げ、ホタルイカの沖漬け、板蕎麦(粉の違う2種類の蕎麦を、それぞれのつけダレで。カレー(ス)、おろし(川)、とろろ(私))。

●2008年2月25日(月)快晴

眠たくなるような暖かさ。
風もなく、黄色い光が満ちている。
そんな中、ワックスを塗った。
あまり張り切りすぎずに、リビングだけやろうと思っていたのだが、ふと気がつくと、玄関も自分の部屋も、スイセイの部屋まで(入り口だけ)やっていた。
楽しみにしていた『チクタク』の2月分のデザインが上がってきたので、畳の部屋でじっくり眺める。
いいなあ。
アサノさんというデザイナーさんにお任せしたのだけど、この本の空気感をとても理解してくださっている。
今まで、川原さんとふたりだけで詰めてやっていたところに、新しい感性のそよ風が吹いてきた。
今回、川原さんはアートディレクターだけど、打ち合わせの時に、「この本は、よっぽど内容に入り込まないとデザインできないんです。だから、アサノさんも自然と入り込むことになるだろうけれど、せっかくなので、こうしたらもっといいんじゃないかな?っていうような新しいアイデア出てきたら、どんどん遠慮なくやってみてください」というようなことを言っていた。
なんと大盤ぶるまいのアートディレクターだなあと、横で感心していたけれど、デザインが上がってきた今、こういうことだったのか!と思う。
4時に市民プールへ。
このところずっと、いつ行こうかどうしようかと気にしていたが、思い切って出掛けた。
平泳ぎで何度も往復。
西日がプールの水の中までさしている中、ひたすらゆっくり泳いだ。
その、気持ちのいいこと。
水泳帽を耳までかぶってゴーグルをはめると、スーッとひとりになれる。
水の泡のブクブクの他は、音もあんまり聞こえないし、目もあまり見えない(水の中はくっきり見える)。
たまにクロールをしたりして、苦しくなると平泳ぎにかえ、そのまま横泳ぎになって天井の空を仰ぐ。
心臓のドキドキを、自分の体だけを感じながら、こんなに自由に泳げるとは。
知らなかった。
ひとつだけ難点なのは、おでこのところにくっきりと帽子の線がつくこと。
なかなかもとに戻らない。
明日はインタビューで顔写真もあるのに、もとに戻るだろうか。
夜ごはんは、ラム・ステーキ、マッシュポテトのムサカ風(ほうれん草、新玉葱、トマトソース、粉チーズ)、キャベツとサニーレタスのサラダ。
昨夜の『ウルルン』はブルガリアで、じゃが芋を使ったムサカがチラッと映った。
ヨーグルトがなかったし、ラムの添え物だったのでひき肉は入れなかったけど、見た目はそっくりになった。
玉葱を炒めてほうれん草を加え、くったりとよく炒めたのがポイント。
やわらかめのポテトをナイフで切り分け、フォークですくって食べるのがいかにもブルガリアの家庭風で、とても満足。
骨がついたラムチョップではなく、ステーキ用の赤身肉でやったら、やわらかくてとてもおいしかった。
中はほんのりレア。
おろしにんにくとオリーブオイル、塩、黒こしょうで、早めにマリネしておいたせいもあるかも。
ふつうにフライパンで焼いて、両面焼けたところで酒少しをまわしかけ、醤油を少し。
バターを加えなかったのに、ソースにもまずまずコクが出たのは、塩を早めにまぶしたせいで、肉汁が肉のまわりにからまっていたからかも。
スイセイは、「牛肉よりうまいのう」と、大気に入り。
また作ってやろう。

●2008年2月24日(日)快晴

昨日の突風は、春一番だったそう。
それにしても、嵐のようだったな。
床がザラザラするのが気になるので、あちこち念入に掃除機をかける。
玄関の廊下は、昨夜のうちに雑巾がけをしておいたのに、すぐに真っ黒になる。
新聞受けのところと、ドアのすき間から風が吹き込んでいるのを発見。
どうやらここから砂が入り込むらしい。
新聞紙を挟んだりして、入り口をふさいだ。
いつか砂漠のような荒々しい景色のところで暮らしてみたい、などと思っているのだけど、風が強いところは私はダメだな。
そういうところに憧れるけど、暮らすにはきっと並々ならぬ苦労があるだろう。
すぐに風呂に入りたくなってしまうものな。
ステンレスのくもりが気になり、灰汁の洗剤であちこち磨く。
そういえば『あ・うん』の中に、「小使いの大友夫婦に心附けをはずみ、台所の灰汁洗いや、当座の所帯道具を調える手伝いをさせた。」という一文があった。
灰汁洗いって、まさにこういうことなんだろうか。
お風呂を薪で焚いているから、出てきた灰を利用しているのだろうか。
3時くらいに「紀ノ国屋」へ買い物。
陽は射しているけど、風は真冬なみの冷たさだった。
帰りは向かい風。
エッサエッサと声を掛けながら、目に砂が入るのをよけるようにして自転車をこいだ。
いつものように、『まる子』と『サザエさん』。
昨日から、ウーロン茶と黒ウーロン茶の新しいコマーシャルをやっている。
コマーシャルの時間になると、やらないかなーとじっと待っているので、用もないのに昨日からずっとテレビばかり見ている。
ウーロン茶では、前回はドーナツを作りました。
黒ウーロン茶にも参加しました。
夜ごはんは、しめ鯖、鮪の中落ち、あさつきの辛子酢みそ、スライスオニオン(新玉ねぎ)、小松菜おひたし、赤蕪の漬物、大根の味噌汁、玄米。

●2008年2月23日(土)曇り

片づけなどやるが、頭がぼんやりしているので、ゆっくりとしか動けない。
大量の洗濯物をたたんでいたら、大きな音とともに、ものすごい突風が吹いてきた。
木が幹ごと揺らされて、窓の外が砂嵐で黄色くなっている。
え?、これは何!?。
大急ぎで洗濯物をとりこむが、西の空が黄色い。
辺りの空気は、引っ越した日に水道をひねった時に出てきた水のように茶色ぼったい。
『バクダットカフェ』のよう。
そのあとしばらくしたら、パーッと晴れ渡った。
強風で雲が流されたのだろうか。
春先というのは、なんて激しいのだろう。
まだ微熱があるので、今日も仕事はやらない。
フワフワするので、寝ます。
6時過ぎまで寝てしまった。
夜ごはんは、クリームシチュー(手羽先、えび、豚肉、白菜、きくらげ、うずらの卵、キャベツ)、オレキエッテのトマトソース和え、サラダ(大根、ルッコラ、サニーレタス)。
今夜のシチューは、手羽先のナンプラーバター煮と中華うま煮の冷凍してあったものにキャベツを加え、クリームシチューの素で味をつけた。
たぶん、『おかずとご飯の本』の撮影のころ試作をし、冷凍しておいたもの。
冷凍庫には、あと、きのこの炊込み玄米ご飯らしきものと、パン1枚しかない。
明日こそは、買い物に行かなくちゃ。

●2008年2月22日(金)快晴

昨夜は11時に寝た。
たっぷり眠ったし、疲れもとれて元気なのだけど、頭の中がフワフワとたよりない。
朝から山ほど洗濯もして、体はハリハリしているようだけど。
気持ちばかりが水っぽく、胸に葛湯がたぷたぷしている。
飛行機の中では、向田邦子さんの『あ・うん』を読んでいた。
ドラマでは見ていたけれど、本に書かれた言葉を読むのは初めてだった。
読みながら、場面が立ち上がり、登場人物の表情や立ち居振る舞い、たくわんを噛む音など聞こえてきて、ちょっとしたところですぐに涙が吹き出してくるので困った。
時々はさまれる、子供っぽいくらいに簡素で、乱暴にも思える言い回し。
でも、あまりにぴたりときて、生々しくて、匂いまで伝わってくる向田さんの表現にドキドキしながら、シャンパンを飲むのも忘れ、夢中になって読み進んだ。
「こういう夜は、さと子はなかなか寝つかれない。電気を消すと、部屋の空気が黒くて四角い羊羹のように重たく感じられる」。
「こわばった右手が、白く乾きかけた唇にゆき、苔の浮いた舌が親指のハラをなめた。一枚かぞえて、しめりをくれ、二枚かぞえて、またしめりをくれた。最後の力をふりしぼって、札に手をのばし、力つきた。」 「葱や大根を抱えて上がってゆくと、うちの中の空気が、たった今掻き廻したという具合に、揺れている。」 今日も、畳の部屋で続きを読みながら、手にとるように場面が浮かんでくる。
人間がそこにいて、しかもその姿形の中には感情が透けて見えているので、どこを読んでも、簡単に涙が出てきてしまう。
こんなに陽の当たる部屋で、だらだらと涙が止まらない。
いったい私はどうなってしまったのか。
それともこの小説が、めちゃくちゃに素晴らしいんだろうか。
夕方、暗くなる前に、スイセイを誘って走りにゆく。
ひさしぶりなので無理をせず、走ったり歩いたり。
帰ってきたら、どーんと心地よい疲れ。
風呂から上がってテレビを見ているうちに、すっかり寝こけてしまう。
体が怠く火照っているので、どうもおかしいと思い、熱を計ると7度1分あった。
夜ごはんは、鯵の開き、白菜と厚揚げの煮物、たくわん、キムチ、わかめとにらの味噌汁、玄米。
もういちど風呂に入って温まり、早めに寝る。

●2008年2月21日(木)晴れ

■■■スイセイ留守ごはんX10・4日目■■■
たぶん、今年一番のあったかさ。
こーりゃ、春だな。
洗濯、布団干しなど。
きょう、家人帰宅予定。
こうしてしばし「日々ごはん」に間借りをしたが、ついに「スイセイ留守ごはん」も終わってしまう。
・・・。
こんどは皆さんが綴ってみたらどうでしょうか。

お暇した。
どうれ、うちに帰るか。

食パンと牛乳。
■■■スイセイ留守ごはんX10・終わり■■■

6時半に、吉祥寺に帰ってきました。
いつものように、近所の蕎麦屋でスイセイと待ち合わせ。
板わさ、揚げそばがき、ほたるいかの沖漬けでビールを軽く飲み、ざる蕎麦でお腹いっぱいとなる。
サービスで出してくれた、ノビルの天ぷらがとてもおいしかった。
塩をちょっとだけつけて食べた。
モクモクとした白っぽい味。
中国料理もおいしいけれど、懲りすぎていて、こういう味がないんだよなあ。
9時ちょっと前に、うちに帰り着く。
玄関の階段のところで、ぽっかり浮かんだ白い満月。
月に向って、杏の枝々が、バンザイをしてるようになっている。
中国に出掛ける前には、枝ぶりが横にひろがっていたような気がするけど。
急に温かくなったから、天に向って伸びたのだろうか。
芽もぷっくりと固く膨らみ、枝ごと漆を塗ったようにツヤツヤとして、伸び上がっている。
盛りのついた高校生みたいな元気さ。
やる気満々っていう感じ。



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