2006年6月下

●2006年6月30日〔金)曇り、夜になって雨

12時まで寝てしまった!。
でも、文のことを考えながら寝ていたので、夢の中でも書いていた。
自分が書き上げたものを、手紙を読むみたいに、夢の中で何度もくり返し読んだ。忘れないようにと思って。
目が覚めて、1フレーズだけ書きとめました。
脳を縦にすると忘れてしまいそうだから、できるだけ寝ぼけたまんまの状態で、頭を横にして起き、机の上のどうでもいい紙と鉛筆をつかみ、布団にもどって書いた。
スイセイは、あちこち銀行に行っていたらしい。
汗びっしょりで帰ってきました。
なので、お昼に夏野菜のスパゲティを作ってやる。
私は、フィッシュマンズの懐かしいビデオを見たりして過ごす。
泣いた。
言葉にならないこの気持ち。
これを、どうやって書こうか。
夜ごはんは、カルビ玄米チャーハン(清水さんのゴーヤ、白ごま。青じそ、万能ねぎをたっぷり刻んでのせた)、胡瓜とトマト(清水さんの。塩をふりかけただけ)、刺し身蒟蒻(生姜醤油、わさび醤油、みょうが添え)。
風呂から上がって、またビデオ。
夜になって、ザーーーッと洗い流すような雨。

●2006年6月29日(木)快晴

真夏日。
でも、クーラーはまだつけない。
今日もまた、雑巾がけで始まった。
1時から打ち合わせ。
『小説すばる』のカメラを、郁子ちゃんの妹の奈々ちゃんにお願いした。
うちに来てもらって、初めてちゃんと話しました。
終わってから、「ええ子じゃったのー」とスイセイと言い合う。
郁子ちゃんもゆっくり低い声で話すけど、奈々ちゃんの方がもっとゆっくりで、もっと低音。
ひとつのことに対し、じっくり感じて考えてから、反応するみたい。
小説の中に出てくる料理を私が作り、奈々ちゃんに撮ってもらう。
郁子ちゃんの『ツーリズモ』を読んで、写真を見て、奈々ちゃんにお願いすることにしたのです。
撮影はまだ先だけど、ドキドキするなあ。
1時間くらいで終わり、大急ぎで買い物に行く。
ハルは、大家さんの玄関のタイルのところに腹ばいになって、伸びていた。
頭を撫でてやっても、なんだかショボショボして元気がない。
毛並みもツヤがなく、痩せて見える。夏バテだろうか。
3時からは、新聞のインタビュー。
「旅する絵本」という コーナーで、『ドリトル先生のサーカス』を紹介しました。
旅つながりで、『フランス日記』についても少し聞かれた。
早めの夕方、シャワーを浴びて、近所のお蕎麦屋さんに行く。
なので、夜ごはんはなし。
スイセイとふたりで、ビール3本に日本酒1合。
まだ明るいうちに、てろてろと歩いて帰ってきました。
仕事がちょいと一段落したけれど、スイセイはまだまだやらねばならないことがあるらしいので。
私の方は、明日から原稿を1本書き始めようと思う。

●2006年6月28日(水)快晴

朝7時半に、広島の母ちゃんから電話がある。
「いくちゃん(スイセイのこと)の誕生日は、7月2日だったかいねえ? はあ? そうですか、やっぱり2日ですか。間違って覚えとるといけんから思うてねえ、皆、元気ですか?」。
私は半分寝ぼけていたんだけど、晴れ晴れとした、母ちゃんの元気いっぱいな声に、目が覚めてしまう。
なんだか、母ちゃんが起こしてくれたような気がして、もう起きてしまうことにした。
風呂に浸かって目を覚まし、もういちど、『たべるしゃべる』の見直しをやる。
これで、ゲラの校正は最後。
すっきりした頭でやれたし、もう、思い残すことはない。
11時からは、テレビの打ち合わせ。
ディレクターさんと一緒に、清水さんがいらっしゃってびっくり驚く。
夏野菜をいろいろもいできてくださった。
胡瓜2種、トマト、ピーマン、青唐辛子、水茄子、ゴーヤ、葉っぱつき泥つきの人参。
いつも畑の中にいる清水さんだから、うちの中で見るのが、なんか照れくさくもあり、変な感じであった。
打ち合わせは1時に終わり、梅干しを漬ける。
2時からは、『たべるしゃべる』の作業。
編集さんと、お互いの直しの確認をやる。
ふー。終わりました。
夏本番という感じ。
スイセイも、蒸し暑い部屋の中で事務仕事をしたり、あちこち出掛けたりして、早くも夏バテ気味みたい。
おやつに、清水さんにもらった胡瓜、トマト、人参をモリモリ食べる。
私も体が火照って、水風呂で体を冷やさないとやってられない。
さっぱりして、『ドリトル先生のサーカス』を寝ころんで読む。
明日、新聞のインタビューで児童書を紹介するのがあるので、昨夜から、また読み直しているのです。
すごくおもしろいし、やっぱりこの巻が私はいちばん好きだ。
ベランダに雨粒が当る音がしたような気がして目を凝らすが、降っていない。
え? と思って顔を出した途端に、雀が飛び立った。
砂浴びに来ていたのだ。
しまった。うーん、また見逃した。
夜ごはんは、ちらし寿司(清水さんの胡瓜たっぷり、みょうが、青じそ、白ごま、実山椒のつくだ煮、ヅケの残り)、水茄子(清水さんの)と生姜の塩もみ、鮭のハラス、ピーマン(清水さんの)の網焼き。

●2006年6月27日(火)快晴

雑巾がけで始まった真夏日。
お昼はカレーライスにするが、食べ初めてから、そうめんにすべきだったと悔やまれる。
スイセイは、けっこう喜んで食べている。
『たべるしゃべる』のゲラ、最後の仕上げをやる。
『日々ごはん7』も、レシピやあとがきの仕上げ。
図書館にも行った。
子供たちがたくさんいて、夏休みか? と一瞬思ってしまった。
なんとなく、もう7月のつもりでいたのです。
スーパーに行き、南高梅のほどほどに大粒のがあったので、3キロ買う。
ひと晩水に浸けておいたら、ちょうどいい黄色になるような、ほどよい熟し方。
帰ってから、さっそく水に浸けると、プーンと甘い果物の香りがした。
シャワーを浴びてさっぱりし、借りてきた絵本をたて続けに読む。
ガブリエル・バンサンの、『パプーリとフェデリコ1、2、3』と、『セレスティーヌ、アーネストとの出会い』。
ページをめくりながら、拭いても拭いても涙が出てくるので、ティッシュのすき間から文字を追うような感じ。
夜ごはんは、コロッケ(スーパーの)、キャベツサラダ(昨夜の残り)、鮪ぶつ切りのヅケ、山芋、トマト、水菜とチンゲン菜とみょうがのおひたし、浅蜊の潮汁、玄米。
ガブリエル・バンサンの絵本、今またページをめくっただけで、字を読んでないのに、涙がこみ上げてくる。
絵の線がすごいのだ。
今夜は早めに風呂に入って、読書三昧。

●2006年6月26日(月)雨のち曇り

昨日は、とても楽しかった。
みどりちゃんの、結婚おひろめパーティーだったのです。
みどりちゃんは、レースがカジュアルについた、コム・デ・ギャルソンの白いTシャツと、白いパンツに、白いズック。
お相手(秘密です)は、白いシャツにチェックの半ズボンで、衿もとに細いリボンを結び、ヨーロッパのお坊ちゃん風。
鎌倉にある、古い銀行を改造したバーでやった。
お客さんは、雑誌でお見かけするようなお洒落な人ばかりで、知っているのは、キャシーちゃん、滝本さん、日置さんと米沢亜衣ちゃんと、鈴木るーみんと、岡どんと、「F'аve」の引田さんくらいでした。
全部で20人くらいだろうか。
私もスイセイも、最初はちょっと緊張していたけど、乾杯してシャンパンを飲み始めたら、すっかりくつろいで、楽しくなった。
それは、手づかみで食べた、おいしい料理のせいもあるかも。
途中からは、時間が過ぎてゆくのが、切ないような気持ちでした。
銀行といっても、今の銀行を想像したらダメです。
詳しくは知らないけれど、明治や大正の、頑丈な金庫が置いてありそうな、街の小さな銀行。
壁も天井も、ほとんどそのまま残してあるらしい。
真ん中を仕切る大理石は、銀行時代に受付けカウンターとして使われていたもの。
待ち合いみたいな四畳半ほどのフロアーに、黒いソファーが置いてあり、大理石のカウンターの向こうは、もうひとつカウンターがあって、壁一面にいろんなお酒が並んでいる。
完全なバーみたいだから、もしかして、料理はおつまみみたいなものかも? と、私は一瞬ひるんだ。
お腹を空かして来たのです。
ところが壁の向こうに厨房があるらしく、そこから次々と、料理の大皿が運ばれてきました。
大胆でカッコいい料理は、まず、チーズいろいろとオリーブと生ハムの前菜。
すぐりのジャムと栗の花のハチミツを、チーズにちょっとのせて食べた。
次は、鎌倉の地野菜盛り合わせ。
トマトやラディッシュや胡瓜や人参やら、ふだん草やサラダほうれん草(赤緑っぽい葉っぱ。初めて見たので、亜衣ちゃんに聞いたら教えてくれた)やら。
そのままのブリッとした形でみずみずしく、丸い水槽みたいなガラスの器でドーンと出てきた。
冷たい水が下に入って、生け花みたいだし、井戸水に浮かべてある野菜みたい。
生野菜は、塩かバーニャカウダにつけて、手づかみでモリモリ食べる。
それと、フォカッチャ。
メインは、ラムチョップのグリルと新じゃがいも。
これも手づかみで、モリモリ食べた。
香ばしくて、野生味があって、どれも心からおいしかった。
みどりちゃんたちはふたりとも超照れ屋さんだから、ケーキカットの時に、妙に体が離れていておかしかったな。
このケーキも、まわりは何もない真っ白な円柱のかたまり。
ナイフを入れたら、中は細かい段々になって、赤い水玉が並んでいる。
これがまた、すごくおいしかったんです。
クリームチーズが混ざったようなクリームで、カステラもしっとりふわっとしているのに、中のフランボワーズだけがシャリシャリほどよく凍っている。
ワインを飲み始めたら、普段は甘いものなんかあんまり食べないのに、微妙な甘味で大人っぽく、けっこう食べてしまった。
あと、小鯵のフリットもおいしかったな。
あれは、何の粉をまぶしてあったんだろう。お米の粉か、コーンミールだろうか。
デザートは、どこまでも細長い器に盛った、マチェドニア。
メロン、グレープフルーツ、チェリー、パパイヤだったかな?。
最後はもう胸がいっぱいで、真剣に向かえなかったけど、ガラス作家の辻さんとふたり、頑張ってできるだけ頬ばった。
ビンゴとかスピーチとかぜんぜんなくて、それぞれが勝手にくつろいで歓談していたのも、とても良かった。
最後は、花束贈呈と、ふたりの挨拶と、締めの手拍子だけ。
それらがぎゅっと凝縮され、そこにいる全員が向かい合い、心から祝福していた。
スイセイは大理石カウンターの前で、ふたりの挨拶をじっと見ながら聞いていて、どんどん顔が真面目になり、感動しているのがまる分かりの表情。
いつ泣いてもおかしくないような顔になっている。
スイセイと、挨拶をしているみどりちゃんの、ツルツルに幸せそうな顔を見て、私はもらい泣き。
本当に、私はとても嬉しいのだ。
辻さんも、「もー、ほんとに、よかったですよねー。嬉しいですよねー」とか言いながら、ずっと涙を拭いていた。
引田さんがやった、締めの手拍子もとても良かった。
最初、小指と小指を合わせてたたき、次に薬指が加わり、中指が加わって三本指の手拍子になる。次はひとさし指までの4本。
皆、輪になってたたいているから、だんだんに大きな音になって響いてくる。
最後は、手の平全部で、私も思いっきりたたいた。
お腹に響くような音だった。
これから先、まだまだいろんなことがあると思うけれど、毎日こつこつと、末永く、ふたりが幸せでいられますように。
そういう願いをこめた、手拍子だった。
日置さんは、そんな最中も、ずーっと写真を撮っていた。
キャシーちゃんの司会も、最後まで慣れなくて、緊張していて、初々しくて。
でも、それがとても良かった。
盛り上げようとか、はったりみたいなのがぜんぜんなく、精一杯で。
私も人前が苦手だから、もしも自分がやっていたら、きっと、まるっきし同じように緊張していたと思う。
パーティーは3時にお開きになったんだけど、まだいたい人は、そのまま残った。
バーの普通営業が始まって、近所のおじさんたちがスタンドに飲みにくる感じとか、日が長くて、いつまでも暮れない感じとかを味わいながら、岡どんとひさしぶりに話したり。
辻さんと、初めていろいろ話したのも楽しかった。
平松さんとも、ちょっとだけお話できた。
夜になって、オレンジ色の光が灯って、ずらーっと並んだお酒のビンが光っていて。
みどりちゃんたちは、7時から会食に出掛けたけど、ひとり帰り、ふたり帰り、最後は日置さんとスイセイと3人になった。
みどりちゃんが結婚したことを、親族みたいな気持ちで、じっくりと喜び合う。
帰り道、3人ともがみどりちゃんに会いたくなり、電話したりして。
というわけで、今朝は二日酔い。
1時半までぐっすり眠った。
風呂に入って髪を洗い、納豆ご飯を食べる。
スイセイは早起きして、日記をアップしてくれ、市役所と法務局に出掛けていった。
昨夜、帰りに道で手折ったあじさい(近所の道に咲いていた)が、とっても綺麗。
まだ小さくて、花びらの縁だけが薄い紫だ。
夜ごはんは、カレーライス、キャベツとクレソンのサラダ、生春巻き(春雨サラダの残り、レタス、青じそ、ニラ)。

●2006年6月25日(日)曇り

どよよーんとした曇りだけど、楽しみなことがあるので、気持ちは明るい。
わくわくして、寝ていられなくて、7時くらいからずっと目が覚めていた。
でも、エネルギーを溜めておかないとと思い、目をつぶってじっとしていた。
9時になったので起きる。
では、これから支度をして、鎌倉に行ってきます。

●2006年6月24日(土)ぼんやりした晴れ

昨夜、読者カードを読んでいて、『日々ごはん6』の表紙について、「あれはまな板ですよね」と書いてきてくださった方がいた。
本屋さんで手にとって、この木は何だろう?と思っていたら、傷に目がいった。
それで、「まな板だ!」と、思わず声を出してしまったそう。
そうです。その通りです。
3年前にスイセイが作ってくれた、卓上まな板です。
今日もまた、梅雨の中休み。
シーツやらバスマットやら、ありがたくたっぷり洗濯する。
そして、ゲラの校正にまたはまる。
2時ごろ、煮詰まってきたので、あちこち掃除機をかけ、風呂場を洗い、また続きをやる。
夕方、天気雨が一瞬だけ降った。
気がつくと7時を過ぎてしまい、大急ぎで夜ごはんを支度する。
頭がフラフラっていうより、足腰までフラフラだった。
集中すると、酸欠みたいになる。
1冊分の空気感が大事だから、同じテンションをキープしながら通してやるんだけど、私は、脳の許容量が小さいのかも。
作家の人たちは、どうやっているんだろう。
小説なんか、話にならないくらい、もっともっと大変だろうに。
スイセイが、台所にやってきて、ほぐしておいたとうもろこしをつまんでいる。
「このトウモ、甘いのう」なんて言って。
たのむから、固有名詞を何でも省略するの、やめて欲しい。
今朝も、朝ごはんを食べながら、何かについて省略していた。
何だか忘れてしまったけど、その言葉だけで、いちいち気が抜けてしまう。
夜ごはんは、春雨サラダ(ハム、新玉葱、とうもろこし、胡瓜)、カニ玉(昨夜の残りのほぐしておいたカニと、アスパラ入り)、水菜のおひたし、干し椎茸とチンゲン菜のスープ、玄米。
風呂から上がって、ゲラの続きをやる。
明日は、楽しみな楽しみなパーティーなので、今夜のうちに、がっつり終わらせてしまう予定。

●2006年6月23日(金)曇り

昨夜はめずらしく、なかなか寝つけなかった。
スイセイも、ずっと布団に入ってこなかったけど、きっとサッカーを見ていたのだな。
それでも、10時には爽やかに起きました。
洗濯したり、新聞を読んだり、ぼーっとしたり。
1時からアノニマで作業なので、そろそろ行ってきます。
5時くらいにはだいたい終わった。
『日々ごはん7』の表紙の絵も、すごく好きだった。
独特な世界がある。
原画を見せてもらったが、色の使い方といい、質感といい、何もかもがいい。
私の心のツボに、ぴったりとはまった。いくらのズレもない。
ナカノヨーコさんという方だが、他の作品もぜひとも見てみたい。
展示会をやったらいいのにな。
丹治君の話によると、彼女が自分で勝手に表紙を作り、いしいさんの『麦ふみクーツェ』にかぶせているんだそう。
私は、そういう人が好き。
誰に何と言われようと、迷うことなく、つい描いてしまうような人が。
吉祥寺に着いて、「ロンロン」で買い物。
蟹がけっこう安くあったので買う。
アスパラもおいしそうだったので、2束買う。
今は、国産のアスパラが時期なのだな。
帰ってから、すぐにシャワーを浴び、とうもろこしを茹でて、熱いうちに食べる。
窓を開け、外の景色を眺めながら。
これは、子供のころからの、とうもろこしを食べるスタイル。
夜ごはんは、ずわい蟹、冷麺(ゆで卵、レタス、キムチ)、トマト、焼き茄子、茹でアスパラ。
風呂から上がってのお楽しみは、アノニマからもらってきた読者カード。
たくさんいただいて、ありがたいことです。
今夜はゆっくり充電して、明日からまた、『たべるしゃべる』の校正だ。

●2006年6月22日(木)雨のち曇り

物干しざおに水滴がついているけど、朝方雨が降ったのかな。
けっこう明るい曇りで、天気予報がはずれて嬉しい。
午前中に、原稿を書き始める。
お昼に昨夜の残りものを食べ、雨が降らないうちに、美容院へと行ってしまう。
帰りに、紀ノ国屋で買い物。
スプマンテにしようか、シードルにしようか悩み、瓶のデザインでシードルにした。
夏の昼間、ビールでない、キラキラしたものが飲みたくなったので。
高知産の鰹のたたきも買ってみた。
去年、高知に行った時に、飲み屋で食べた味が忘れられないので。
今日から『すいか』をやらないのが、夏が終わってしまったように淋しい。
まだまだ、これからが夏本番なのに。
クラムボンのカバーアルバム、このごろ毎日聞いている。
繰り返し、何度も何度も。
ひたひたと、体の中に押し寄せて、今では鼻のつけ根あたりまでどっぷり浸かっている。
さーて、原稿の続きをやろう。

●2006年6月21日(水)雨のち曇り

今朝、トイレに起きる時、のどの奥の一点が痛かった。
仕事の電話で10時に起きたんだけど、ひさびさに寝足りないような感じもあったし、 もしかして風邪?。
今日もまた、雑巾がけから1日が始まりました。
梅雨の時期は、足の裏の感覚が敏感になるのかな。
それとも、湿気のせいで床のペタペタ度がいつもより増しているのか。
昨夜の炊き込みご飯をおにぎりにして、朝ごはんに食べる。
1時からは、『フランス日記』のインタビュー。
編集者さんも、ライターさんも、カメラマンさんも女の人だったので、くつろいだ気持ちでやれた。
アシスタントをしている男の人が、カメラマンさんの旦那さんだというのもほほ笑ましく、可愛らしかった。
1時間ほどで終わり、帰りに、皆に小梅のカリカリ漬けのお土産をあげた。
とても喜ばれました。
うちでは食べ切れないから、よかった。
スイセイが市役所に行くと言って出掛けたので、あとから私も追いかける。
こういう時、ケイタイ電話って便利だな。
テレパシーみたい。
農家で、フサフサの葉っぱの大根があったので抱えて歩いていたら、遠くの方にスイセイの姿が見えた。
手を振り合う。
「ブックオフ」について行ったが、私には分からない会社の本や、機械の仕組みの本などをじっくり捜していてつまらない。
私もあちこち眺めるが、すぐに飽きてしまった。
大根は重たいし、葉っぱはチクチクするし、冷房が効きすぎて寒いし。
私が図書館にひとりで行って、好きなだけじっくり眺め回すのと同じなのだ。
もう、スイセイの「ブックオフ」には、二度とついて来るまい。
『すいか』の最終回。
涙がポタポタと畳に落ち、何度拭いてもまたこぼれる。
やっぱり、素晴らしいドラマだった。
木皿泉さんが、まだ現役でいらっしゃることが、ものすごく嬉しくありがたい。
これからまだ、きっと新しいドラマが見られるのだ。
前に新聞のインタビューで読んだけど、木皿さんは、あんまりたくさん仕事をしないらしい。
じっくりと向き合ってひとつのドラマを作るから。
だから、こんなにすみずみまで考え抜かれたシナリオが書けるんだろうな。
ひとつのことを言っているようで、同時にいろんなことも言っているような、普遍的な物語でないと、もう視聴者は騙されないよ。
これは、表現の世界の最低の約束ごとだと思う。
ケストナーの、『点子ちゃんとアントン』にも書いてあった。
さ、スペアリブと大根を早めに煮始めよう。
大根の葉っぱは、油揚げと炒め煮にする予定。
今日は、夏至だそうだ。
1年のうちで、いちばん日が長いんだって。
夜ごはんは、豚スペアリブと大根の煮物(だし汁、梅醤油、醤油、酒、きび砂糖。残りの大根は、塩をまぶして即席漬けに)、大根葉と油揚げの炒め煮、キャベツとレタスと胡瓜とカニカマのマヨネーズサラダ、にらの味噌汁、玄米。



日々ごはんへ めにうへ