2005年1月下

●2004年1月31日(月)すごい晴れ

11時から撮影。
料理を作っているうちに、どんどん晴れてきて、春みたいな光になった。
今日は春野菜のページだから、ちょうどよかったな。
しかし、空豆がもう出ていたから使ったが、さやにはふたつくらいしか入っていないし、薄皮が食べられそうに青々して厚みがある。
申し訳ない気持ちで皮をむくと、小学生くらいの膨らみのまだ青い豆が出てきた。
子豚の丸焼きというのを一度だけ食べたことがあるが、柔らかくジューシーでおいしいんだけど、申し訳なくて気が気でなく、唾液がとまってしまうような、そんな感じだ。
八百屋には、枝豆を売っているのも見かけた。
3時過ぎには終わり、ヒラリンとちょっと打ち合わせなどする。
そのうちに、空がすごいことになっていた。
下はまだ青空なんだけど、上の方だけに雲が厚く固まって、金色に照らされている。
金色の範囲が広いのは、夕陽がでっかいということなんだろうか。
それも、刻一刻とどんどん様子が移り変わってゆくのだ。
スイセイに報告したら、写真を撮ってくれた。
安心して、明日の撮影の買い物に行く。
夜ごはんは、太刀魚の煮付け、めじ鮪のお刺し身、クレソンの辛し酢みそ、蕪の葉のおひたし、そら豆塩ゆで(撮影の残り)、ハマグリの潮汁、玄米。
太刀魚の煮付けは、子供の頃、お腹をこわしたり風邪をひいたりすると、祖母がお粥といっしょに作ってくれた。
だし汁を入れずに、酒、しょうゆ、砂糖だけで煮る、甘辛い味だ。
そして、食べ終わったらお湯を入れて骨スープにして飲むのも決まりだった。
「今夜はおいしいもんばっかりじゃのう」とスイセイは喜んでいた。
このところ、外食や適当なごはんが続いていたから、うちのごはんに私も飢えていたのです。
本当に全部おいしくて、食べ過ぎて、胃が痛くなったほどだった。
しかも、お食後には編集さんにいただいた「うさぎや」のどら焼きを、熱いほうじ茶といっしょにおいしく食べた。

●2004年1月30日(日)気持ちのいい晴れ

すごくいい天気。
風も暖かい。
スイセイは、昨夜明け方まで布団に入ってこなかったが、今日もまた起きてすぐに自分の部屋で何かを作っている。
ゴシゴシと、やすりで削るみたいな音がしている。
アノニマのパーティーで、スイセイはいろんな女の子から声をかけられていた。
「ファンです」なんて言われて、いつものスイセイの2倍のスピードで行ったり来たりして、ずっとにこにこしていた。
とっても単純だけど、人は人に褒められると、すごく元気になる。
今日は夕方から、スイセイと郁子ちゃんのライブに行く。
それまでに、明日の撮影の準備や買い物をしておこう。
そして、原稿を1本仕上げる予定。
行って来ました。
すごく良いライブだった。
あー、行って来て本当に良かっただ。
音楽を聞きながら、何度も涙が出て、あふれて仕方なかったが、お客さん皆がそうだったんではないだろうか。
最後は、スタンディング・オーベイションになった。
郁子ちゃんは、何も惜しまず出し切った。
メンバー全員が良かったのだが、とくにドラムがすごかった。
抑えていたものが、だんだんに強く激しくなってゆく。
でも暴れているわけではなく、リズムは正確で、強い響きだ。
あー、泣いた泣いた。
アリヤマ君も、なんとなく目が潤んでいるようであった。
吉祥寺にまっすぐ帰って来て、「みなり」に行く。
スイセイとふたりで、野菜たっぷりのプルコギを黙々ともりもり食べ、ビールをふたりで1本だけ飲んで、爽やかに帰って来ました。

●2005年1月29日(土)雨だったらしい

11時頃にいちど起き、スイセイの作ったもやしラーメンをちょっともらい、また寝る。
夕方、お腹が空いて目が覚め、こんどはスイセイが素うどんを作ってくれる。
食べきれないので、半分とっておく。
そしてまたぐっすり眠り、完全に復帰したのは夜の9時半であった。
ひさびさの強力な二日酔いだ。
反省して穴に篭るように、ひたすら寝ていた。
またこれがよく眠れるんだ。
昔飼っていた猫や、ずっと前に死んだおばあちゃんがお化けとして出てきて、励まされるような感じの夢をみた。
昨夜は、会いたい人たちに会えたのが嬉しく、楽しすぎて、赤ワインを飲みすぎた。
そして最後には、来ていた知らないお客さんの言ったひとことに反応して悲しくなり、悪酔いして泣いてしまった。
これは私の非常に悪いところだが、酔っぱらうと、感覚的なアンテナだけで感情に溺れ、理性がきかなくなる。
それで、楽しい場の空気を少し汚してしまったような気がする。
帰りのタクシーで吐いてしまった。
川原さんが、ビニール袋を用意してくれたり、遠くから見守るように介抱してくれた。
ああいう所で会うと分かるけど、川原さんて、私にとって友だちを越えているなと思う。
心の親戚という感じがする。
倫子ちゃんは、「高山さんといると、いつも私が男になる。なんでやろな〜」と言っていたが、倫子ちゃんの手は、白くて小さくてスベスベしている。
頬っぺたも、白く冷たくスベスベしていて、それなのに、ひとりぼっちで崖っぷちのぎりぎりに立ってカメラを構えている。
小さな女の子の健気さを感じるので、ついべたべたと手を握ったりさすったりして、私は守ってあげたい気持ちになる。
これこそが男の気持ちだろうに、なんで倫子ちゃんも男なんだろう。
とにかく昨日は、アリヤマ君、みどりちゃん、安原さんと次の本の打ち合わせをしている時から舞い上がっていた。
終わってからもみどりちゃんと離れがたく、昌太郎くんが新しくオープンする恵比寿の「タミゼ」までくっついて行った。
2月5日にオープンなので、まだ準備中で荷物が積み重ねてある状態だけど、壁も床も天井も、店の中はもうすでに昌太郎くんの匂いになっていた。
寒い部屋で、ラジオをかけながら、誰にも手伝ってもらわずにひとりでコツコツと棚のペンキを塗っていた昌太郎くん。
綺麗な、いいものを見せてもらった気がしました。
というわけで、今夜はごはんを作らなかった。
スイセイは何も文句を言わずに、自分で蕎麦をゆでて食べていた。
後で見たら、食器も全部洗ってくれてある。
夜おそく、素うどんの残りを温め直して卵を落とし、ひとりで食べた。
風呂から出てきたスイセイは私の顔を見て、「ふたりともカッパみたいな顔になっとるのう」とつぶやき、自分の部屋に帰っていった。

●2005年1月28日(金)快晴

今日の撮影が別の日になったからというのを、アシスタントのヒラリンに伝えるのを忘れていた。
それも今朝、ヒラリンの電話で気がついた次第。
ついこの間も同じようなことがあり、反省したばかりなのに。
本当に申し訳ない。
私は頭がボケすぎだ。
スケジュール調整みたいなことをやってくれる人が、欲しい!。
けど、いつもいつもこんなに忙しいわけではないから、人を雇うこともできない。
最近バタバタと忙しくて、1日の時間が短すぎる・・・と思っていたけれど、単に早起きすればいいのだ、ということにさっき気がついた。
5時からアリヤマ事務所で打ち合わせがあるので、それまでにひと仕事してしまおう。
それが終わって、8時からアノニマ・スタジオの新年会だ。
アリヤマ君もみどりちゃんも一緒に行くし、たぶん倫子ちゃんにも会えるだろうなー。
うーん、楽しみだ。
あさっては、郁子ちゃんのソロ・ライブだし。
忙しい忙しいとぼやきながら、遊びも組み込んでいるから、さらにたいへんなのだ。

●2005年1月27日(木)ぼんやりした晴れ

レシピ書き。
美容院に行き、帰ってからも試作をしたりレシピを書いたり。
なんだかぐっとくたびれた。
電話もたくさん、ファックスもたくさん。
ちょっと今月は仕事を詰めすぎたな。
あれよあれよという間にたまってしまったが、本の仕上げのこともあるのだから、本当は余裕のよっちゃんにしておくべきだった。
夜ごはんは、キャベツと豚バラの重ね蒸し、タラとうどのフリッター、菜の花お浸し3種、うどとクレソンのサラダ、白菜の漬物、玄米。味噌汁はなし。
今、風呂から上がってこれを書いているが、もう眠くて目がくっつきそうだ。

●2005年1月26日(水)雨のち曇り時々晴れ

2時半から打ち合わせ。
1時間ほどで終わり、パソコン仕事をして、4時から次の打ち合わせ。
4時からの編集さんは男の人で、よっぽど外が寒かったらしく、熱いお茶を3口くらいじっくりと飲んでいてほほ笑ましかった。
ほとんどの編集さんは、打ち合わせがある程度進んでから、「いただきます」とひと口目を飲むけれど、すでにその頃には冷めてしまっているのだ。
それは礼儀なのかもしれないけれど、熱いうちに飲んでくれることの方が、私はとっても嬉しい。
「今朝は雪が舞っていた」と、最初の編集さんもおっしゃっていた。
ずっと家の中にいるし、午後には陽が射したりしていたから、今日は暖かいのだとばかり思っていた。
夕方、買い物に出たら、本格的に寒くてびっくり。
帰ってすぐに、試作をしながらレシピ書きをやる。
夜ごはんは、鷄肉とかぶの煮物、刺し身盛り合わせ(まぐろ、カンパチ、いか)、かぶの酢みそサラダ、春キャベツと帆立の炊込みご飯、落とし卵の味噌汁。
スーパーで、もう春キャベツが出ていたのを迷わず買う。
198円也。
うーん、なんだか今日は充実していたぞ。
けっこう電話もあって、それをこなしながら、打ち合わせ、試作、レシピ書きと1日中フル回転だった。
まるで料理家の日常みたいな日だったな。

●2005年1月25日(火)晴れ

りうから久々に電話があって、引っ越し先をもう決めてきたので、保証人になってくれないかという話。
もう26歳なんだから当然のことなのだが、不思議な気持ちだ。
親が自分たちのことにかまけている間に、りうはりうで仲間を作り、彼氏も作って、何でも自分でどんどん決めて、いつの間にやら独り立ちしてしまった。
淋しいような、頼もしく嬉しいような、なんとも言えない気持ちだ。
きっとスイセイも同じだろう。
どこにも出掛けずに、明日の打ち合わせの準備や、次の本の構想をまとめたりして過ごす。
電話もファックスもたくさんきて、中断されながらもけっこう集中してできた。
夜ごはんは、鰤の唐揚げねぎソース(下にレタス、キヤベツ、人参をしいた)、じゃが芋とミートソースのチーズ焼き、蕪の葉の煮浸し、かぶの味噌汁、白いご飯。
食後にりんごを剥いて食べる。
最近、夜ごはんの写真をデジカメで撮っている。
「はーい、笑ってのう」と言いながら、シャッターを押していたスイセイ。

●2005年1月24日(月)晴れ時々曇り

11時から撮影。
お弁当の撮影だし、晴れているので、近所の公園で写してもらう。
1時前には終わりました。
お昼に、スイセイはひとりでカレーライスを食べたらしい。
ミなので、ルクティーをいれて、ハンバーガー弁当を自分ひとりでパクつく幸せ。
夜ごはんは、昨夜のカレーと昨夜の玄米。
作ったのは、蕪とレタスのサラダだけだ。
今日はのんびりしようと思って。

●2005年1月23日(日)曇り

朝、布団の中でぬくぬくしていたら、ピ一一ピ一一と近くで鳥の鳴き声がした。
もしかしてと思い、カーテンの隙間からそうっと覗くと、物干し竿の上にひとりでとまって鳴いている。
頬っぺたが朱色で、背中は濃い灰色、お腹の方は薄い灰色に白い斑点模様。
目は黒く、クリッと可愛いひよどりだ。
辺りを見回してキョロキョロしたり、背伸びして体をむくっと膨らませたり、頭の羽を毛ばたさせたりしながら鳴いている。
随分しばらくそうしていたが、木の方へ飛んで行ってしまった。
後でスイセイに報告したら、「とまりやすいんかのう」なんて言って、感心していた。
物干し竿をスイセイが作ったからだ。
しかしベランダを見ると、デッキにしっかりうんちをしてありました。
昨日は、もうひとつ嬉しいことがあった。
夜の9時頃に宅急便が来て何かと思ったら、下田直子さんに注文していたバッグが届いた。
花畑みたいな、いろんな色のモチーフがつながったぷっくりバッグ。
嬉しくていつも見ていたいので、ソファーの上に置いてある。
早くこれを使いたいが、こんどのお出掛けはもう少し先だ。
暗くなる前に、明日の撮影用の仕入れに出た。
自転車をこぎ始めると、小雪がちらついてどんどん寒くなったが、気にせず走る。
紀伊国屋さんは、すっかりリニューアルされて品物も増えたようだが、どうも落ち着かない空気だった。
日曜日でお客さんが多かったせいもあるだろうが、欲の(食とお金)の渦みたいなのを感じてしまった。
前の方が、のんびりガラーンとしていて好きだったな。
夜ごはんは、ハンバーグ(マッシュルームソース、粉ふきいも添え)、みずの生姜じょうゆ、玄米、ねぎの味噌汁。
試作でカレー(ココナッツミルク入り)も作ったので、玄米にかけて食べる。
今夜の『ウルルン』は、紹興酒の旅だったので、徳光さんはお土産の紹興酒ですっかり顔がピンクになっていて、かわいかった。

●2005年1月22日(土)きれいな晴れ

11時に起きて風呂にゆっくり浸かる。
昼ごはんを食べる時は、陽ざしが強くて眩しいので、スイセイはいつもカーテンを半分しめる。
薄暗い部屋でめかぶうどんを食べていたら、カーテンと窓の間を切り取ったみたいに、青い空と洗濯物(白い布巾だけ)が光って見える。
あまりに綺麗なので、写真を撮った。
「チーチーチュイ、チーチーチュイ」とムクドリが鳴いている。
撮影はあさってだし、レシピはもう書いてあるので、今日は休日ということにする。
夜ごはんは、新じゃがの肉じゃが(汁だくで)、塩鮭、アスパラのフライパン焼き(塩、黒こしょうで)、人参サラダ、浅蜊の味噌汁、玄米。
この前借りたビデオ、1本は不作だったが、もう1本に期待しよう。
早めに風呂に入って、布団を敷いて見るつもりだ。
今、見てきました。
もう、サイコーの恋愛映画だった。
前に、倫子ちゃんが「クウネル」で紹介していた『パンチドランク・ラブ』だ。
主人公は馬ヅラ兄ちゃんで、女の人も別に美人ではないし、特別ドラマチックな内容でもない。
だけど気が利いている上に、すっとぼけていて、すごくかっこいい映画だった。
映像に不思議な間があって、音楽も変だし、なんでハワイなのかも分かんない。
なんで、いつも同じダサダサの青いスーツを着ているのかも分からないし。
からみのシーンでも、服を着たまんま、胸から上だけしか写らない。
しかも逆光だったし。
だけど、いつもビシッと着ている青いスーツの、襟元のボタンをひとつはずして、少し布がよじれているだけなのに、セクシーで、ロマンチックで、ちょっとムラムラした。
女の人も、色っぽかった。
とにかく兄ちゃんが、馬鹿で、真面目で、正直で、不器用で、いびつで、なんか私の仲間だと思った。
もう、しょうがないくらいどんくさいし、馬鹿くさくていやんなっちゃうのに、最後なんか、筋肉質でバカ強くて、超かっこよくて涙が出た。
私たちのヒーローだ。
工場の善良なおじさんも、岩みたいな顔をしていて、それが真っ正面から写るから、出てくるたびに笑った。
笑えるのに、心臓がドキドキして熱い涙がピューッと出ちゃうみたいな、見終わった後、胸がせいせいして、生きる元気がむくむくと漲るような、ほんとに不思議な感動だった。
しかし私は馬鹿だから、日本語吹き替えの方を借りてきてしまった。
こんど、英語版の方を借りてきて、またもう一回見よう。

●2005年1月21日(金)快晴

11時から撮影。
今日はリーダーがアシスタントをやってくれた。
2時には終わり、赤澤さんとレシピの詳しいまとめをやって、アリヤマ事務所へ。
みどりちゃんの車に乗って、3人で行った。
本のデザイン見本が上がってきたので、見に行ったのです。
デザインは、バッチシだった。
偉そうなことは言えないが、私の文にぴったりくる字の形、大きさ、写真との余白。
それらに奇抜さはカケラもなく、程好い頃合いのデザイン。
こういうのが、本当のデザインというものだ。
これから次々に仕上がってきて、デザインされたページの上にのった自分のレシピや文章を、新しい気持ちで読み直すことを思うと、とても楽しみで幸せな心地。
レシピは、私ひとりでやったわけではない。
どうやったら分かりやすく伝えられるか、赤澤さんと何度もやりとりをしながら、ああでもないこうでもないと、推敲を重ねたものだ。
それをまた、しつこくしつこく読み込もう。
しかも、このレシピをもとに、アノニマスタジオで女の子が試作をしてくれるのだそう。素晴らしい!。
「せっかくやるんだったら、厳しく意地悪なくらいの気持ちで試作をして、分かりにくいところや、味つけで感じたことなんかも全部教えてね」と、丹治君にお願いした。
ところで、アリヤマ事務所もまた、とても良かった。
何というか、ひと目で分かる良い空気が集まっている場所だった。
本がたくさんあって、レコードもぎっしりたくさんあって、きっと全部が有山君の好きな物々だろう。
木の机もパソコンも、大きい液晶テレビも椅子も、どれもがとってつけたみたいでは全然なく、この部屋にしっくり馴染んでいる。
それら全部が、有山君のことを好きな人が作った物、みたいな気がする。
というか、テレビやパソコンやレコードや本なんかの物々が、みんな心の中で有山君のことを好きだと思っていて、ここにいる幸せを感じ、棚の中で福々している、みたいな。
そういう物に囲まれるように、有山アニキの机は独立していて、落ち着けるいいムードを醸し出していた。
机の上で、ちびた鉛筆がペン立てにささっている様子は、お風呂に浸かってのびのびしているみたいだった。
この鉛筆を握って、有山君は紙の上にスーッスーッと線を引くのだな。
向こうの砦には、女の子3人の机とパソコンが広々とあって、それぞれの仕事をやっている。
小さく使いやすそうな台所と、広いトイレに洗面所。
頑丈そうな、古いマンションの一室だ。
この場所から、良い仕事が次々生まれてくることに、とっても合点がいった。
終わってから、丹治君とふたりで祝杯を上げに、渋谷の「やさいや」さんへ。
料理はおいしいし、熱燗はおいしいし、丹治君とも久々にいろんな話ができて、とても嬉しく楽しい夜だった。
今年もまた、丹治君と良い本を作れることの幸せをかみしめました。
帰ってから、スイセイにデザイン見本を見せたら、ひと目見るなりぐっときてしまったらしく、つい盛り上がって、飲み会(二次会だ)になってしまった。
「『高山なおみの料理』がみいの中の男だとしたら、この本は女じゃの」とか、「なんか、アーミッシュとか、修道院みたいじゃのう」とか、名言をいっぱい吐いていたスイセイは、嬉しさのあまりどんどん声が大きくなりながら、氷をガシガシ入れて泡盛を飲んでいた。
ずっと飲むのを控えていたスイセイの体から、気持ちのお湯がとめどなく溢れ出して止まらないのが、肉眼で見えるようだった。



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