2006年4月上

●2006年4月10日(月)雨が降ったり止んだり

スイセイの原稿を書き始めるが、どうも覇気が出ない。
お腹は痛いし、お腹は空かないし、体が冷えている。
生理なのだ。
仙骨のところにホカロンを貼って、布団の中で構想を練る。
そのまま寝てしまいたい気分でもあるが、眠れない。
さあ、もうひとがんばり、やれるところまで頑張ってみよう。
スイセイは雨の中、今日も工房に行っている。
帰りに、お寿司を買ってきてとお願いする。
どうも変だと思って熱を計ったら、7度2分あった。
夜ごはんは、スイセイの買ってきてくれたお弁当。
ちゃんとだしをとって、豚汁だけは作りました。
中華弁当(スイ)、ハンバーグ弁当〔私)、豚汁。

●2006年4月9日(日)曇り

昨夜は、ひさびさに楽しい夜だった。
りうは、映像関係に就職が決まり、その報告に来た。
もう先週から働いているそうで、張り切っているみたい。
重たい機材をかつぐので、筋肉痛だそう。
私は、お酒もひさびさだったので、すぐに酔っぱらってしまった。
スイセイは、私とりうが話している様子を、「おばあちゃんと孫みたいじゃの」と言っていた。
母親と娘だと生々し過ぎて、あんまり腹を割ったような話はしないんだけど、おばあちゃんにはけっこうなんでも話す。っていうことらしい。
たまにしか会えないけれど、家族ってやっぱり格別だ。
3人で気ままに酔っぱらって、幸せな夜だった。
というわけで、今朝は12時まで寝た。
目は覚めていたんだけど、(たまにはいいじゃん… )と自分に言い聞かせながら。
起きて、あちこち大掃除。
ワックスも塗った。
『フランス日記』の校正は、どうにか終わった。
少しねかせておいて、もういちど見直す予定。
今日は、『記憶のスパイス〔翼の王国)』のアイデアをまとめたり、本の原稿の直しをやったり。
夜ごはんは、鶏の空揚げキャベツ添え(葱甘酢ダレ)、大根おろし、とろろめ、豆腐と葱の味噌汁、玄米。
大根おろしがずいぶん水っぽかった。
白菜も、いちおう売ってはいたけど、外葉が固そうだったし、冬の野菜はそろそろ終わりだ。
明日からまた、原稿書きを頑張ろう。

●2006年4月8日(土)曇りのち晴れ時々雨

不思議な天気。
晴れていたかと思ったら、みるみる曇りに。
そして、気がついたらすごく晴れている。
物干しざおに雨粒が残っているから、いつの間にやら雨が降ったのだ。
それとも天気雨だったのだろうか。
『フランス日記』に夢中になっていて、見逃した!。
それにしても、素晴らしく爽やかな晴れ方です。
さっきの雨で冷やされた空気。
透き通っている感じ。
と、思う間もなく、見る見る曇ってきて、またポツポツ降り出した。
今日の天気は見逃せない。
りうが夕方から来るので、ひさびさに買い物に出た。
もしかして、1週間ぶりに外に出たかも。
桜は、年増を通り越し、初老の域に入っていた。
風に花びらが舞い、道路のところでクルクルと竜巻になっている。
ちょっと茶色がかって、このくらいの桜もまた美しい。
夜ごはんは、空豆、たこ刺し、水菜とみょうがのサラダ、しめじとエリンギのオリーブオイル炒め、トマト、カジキマグロの照焼き、筍ご飯。

●2006年4月7日(金)曇り

寒いです。
今日もまた原稿書き。
昨夜は、体の底でワクワクが膨らんでいるのを、寝ながら感じた。
完全に眠っているのだけど、これはたぶん、創作の喜びみたいなものだと思う。
料理本の撮影の前の日とか、よくこういうふうになるけれど、今はひとりの作業なのに同じようになっている。
この空気に穴を空けたくないので、今日もまた買い物に出掛けないつもり。
『フランス日記』の校正も、今日から始まった。
夕方、洗濯物を入れようとベランダに出ると、アンテナのところに、ぷっくりした鳥が2羽とまっている。
おしりをこっちに向けて、くっついて並んで、ずーっととまっている。
超かわいい。
夜ごはんは、焼きそば(小松菜、豚肉入り、オイスターソース味)、ウドとわかめの酢味噌、カレー(残り)玄米。
すごいメニューになってしまった。
冷蔵庫に鯵の干物の残りがあったので、出そうとしたら、さすがにスイセイにいやがられました。
明日はりうが遊びにくるから、買い物に行こう。

●2006年4月6日(木)快晴

鳥が、喜んでいるみたいに鳴いています。
いつの間に、こんなにあちこち若緑になったのだろう。
目の前も、遠くの方にも黄緑が。
朝から、いしいさんの原稿の続き。
やっと形になり、田中君にお送りし、カレーライスを食べる。
お腹を減らしたまま集中し、ぐっとひと息。
この感じがたまらない。
下の公園では、おじさんがふたり、向かい合って缶ビールを飲んでいる。
ツルツル頭のおじさんは、頭のてっぺんまで赤くなっています。
夜ごはんは、目刺し、うどのきんぴら、ほうれん草のおひたし、ひき割り納豆、わかめと葱の味噌汁、玄米。
今、うちには醤油がない。
このところ、いったい何日外に出てないのだろう。

●2006年4月5日(水)雨

寒くて暗い。
けど、心は軽い。
今日もまた原稿書き。
宅急便が、たくさん来た。
まずはいしいさんの写真、カト&アムの手紙、斎藤君の縦書き原稿、斎藤君からのCDR. ぜんぶ、とても嬉しい。
スイセイは、ケイタイ電話を買いに出掛けている。
さっき、嬉しそうな電話がかかってきました。
原稿を書きながら、またケーキを焼いた。
ジンジャー・シナモン・ケーキだ。
どうやら、頭を使うと甘いものが食べたくなるみたい。
夜ごはんは、海老の洋風カレー、キャベツサラダ、ゆで卵。
玉葱のみじん切りをしっかり炒め、人参のすりおろしも炒めて、真面目にカレーを作った。
立派な大正エビは、オリーブオイルで焼いて、ほとんど煮込まない。
海老好きのスイセイは、煮込んでない焼いただけの海老を、モリモリ食べていた。
7匹は食べただろう。
ごはんを食べながら、ケイタイ電話の説明書を読みながら、ついつい声が大きくなっていたスイセイ。
嬉しいのだ。

●2006年4月4日(火)快晴

昨夜の続きで、『フランス日記』周りのことをやる。
お弁当を食べ、原稿書きの続き。
鳥が、騒がしいほどに鳴いています。
杏の木も、いつの間にやら若葉がいっぱい。
どうも集中できず、スイセイにお好み焼きを焼いてやる。
この間、リーダーにもらったお好み焼き用の粉だ。
松本の根曲がり葱をいっぱい刻んで、じゃこ、天かす、サバ節入り。
とてもおいしくでき、スイセイ喜ぶ。
さあ、私は続きをやり初めよう。
夜ごはんは、とろろ芋(松本の)、鯵の開き、蒟蒻(松本の)の刺し身、蒟蒻の炒り煮、人参塩もみポン酢醤油、姫皮の味噌汁、玄米。
松本の山芋は、ねっとりふんわりして、とてもおいしかった。

●2006年4月3日(月)快晴

あちこち掃除をし、スイセイの部屋のホット座布団を干して、蒲団たたきでたたいてみた。
ものすごい埃が出る。
埃と言うか、砂埃。
掃除機で吸いながら、これでもかこれでもかとたたいていたら、ピンクの花びらが舞い落ちた。
上を見ると、ヘリコプターから落としたビラ(子供のころの思い出)のように、空の高いところから、ひらひらチラチラと舞っている。
空はまっ青です。
今日辺り、どこもかしこも桜吹雪なのだろう。
しらすの飛行機も飛んでいる。
よっぽど空気が乾燥しているのだな。
たまった洗濯物もして、さて、11時から『きょうの料理』の打ち合わせです。
打ち合わせが終わり、お弁当と筍煮を食べて、原稿の続きをやる。
とちゅう、あまりにベランダに陽が当たっているので出てみると、ハルが腹ばいになっていた。
木陰が映ったハルの背中を、接写にして撮る。
さあ、もう一頑張りだ。
4時半からは、丹治君と浅井さんがいらっしゃつて、『フランス日記』の作業をやる予定。
作業をやりながら、休憩で夜ごはんを皆して食べました。
筍ご飯のおにぎり(ちりめん山椒をのせて食べる)、小松菜とわかめの梅醤油、板わさ(いしいさんのお土産の山葵漬けで)、鶏の塩焼き。
集中する作業も、4人でやるとテンションが下がらない気がした。
10時にはすべて終わり、ぐっとくたびれた。

●2006年4月2日(日)曇りのち雨

朝起きて、いしいさんのテープをじっと聞き込みながら、どんどん書き出してゆく。
午後からは原稿書き。
小雨だったのが、気がついたらしっかりした雨に。
この雨で、桜は散ってしまうだろうな。
夕方までやって、『まる子』を見る。
今日は、10年前の『まる子』をやった。
まず、お母さんが優しいのにびっくり。
髪形は同じだけど、顔つきがちがう。
いつも台所にいて、おでんを煮ていたり、次の日は筑前煮だったり、大根の皮をむいていたり。
そういえば、おかずも地味だなあ。
洗濯物をとり入れるお母さんに変わって、まる子がクツクツ煮える筑前煮を見守りながら、たまちゃんのことを思い出して涙を流すシーンが、ものすごく良かった。
私も思わずもらい泣きした。
涙の粒が、ちゃんとぽろぽろこぼれる。
おじいちゃんのズッコケも、ダメさ加減も、今よりずっと度を越えていて、哀愁さえ漂っていました。
ストーリーはシンプルなのに、豊かだったなあ。
せりふにも気持ちがこもっていた気がする。
10年前って、そういうことがちゃんと伝わる時代だったんだろうか。
今は、同じ時間で2話分もやっているのだ。
スイセイは、今夜はちよじの家でおよばれなので、安心して私は原稿書きに打ち込む。
昨日茹でておいた筍を、あとで煮てごはんにしよう。
夜ごはんは、若竹煮(筍とわかめ)、鯵の干物〔昨夜の残りを裂いた)、ちりめん山椒(京都のお土産)、わさび菜の甘酢和え(昨夜の)、玄米。
筍をひとりで食べ過ぎて、お腹がぴーぴーとなる。

●2006年4月1日(土)快晴

昨日は、帰ってきた時に、杏の花がすっかり散って、食べ終わった葡萄の房みたいになっていた。
昨日、おとといといろいろなことがあって、もうずいぶん前の出来事だったような気がします。
とにかく、とてもとても楽しかったし、刺激的な取材だった。
いしいさんに教わったお蕎麦屋さんも、とてもおいしかった。
蕎麦もその場で打つみたいで、出来立てを運んでくれた大将の手に、粉がついていた。
天ぷらもおいしかったなあ。
ふきのとうとか、筍とか、今の時期だったらこぞって皆がやりそうだけど、ここのお蕎麦屋さんは、海老とキスの他に、長芋、ブロッコリー、牛蒡、茶色いエノキなんかが、たっぷりついてきた。
たぶん地元の野菜なのだろう。
野菜はどれも大振りに切ってあって、歯触りも絶妙だった。
狙ってそうしているのではなく、無作為で大らかな感じがした。
昨夜は、とにかくたくさん寝た。
寝ながら、夢もみながら、遠くでいしいさんのことをずっと反芻していた。
もぐもぐもぐもぐ。飲み込んではまた、もぐもぐもぐもぐ。
11時までしっかり寝てしまった。
いったい、何時間寝たのだろう。
17時間か?。
さっそく原稿を書き始めようと思うが、桜のことがとても気になる。
満開の姿を見てあげなければと思う。
なのでスイセイと、これから近所を散歩してきます。
スイセイの工房を見に行きながら、あちこち遠回りして、中央公園に行く。
どこの桜も満開でした。
公園は、花見の人たちよりも、犬の散歩や、お父さんと息子がキャッチボールやサッカーをしている方が多かった。
芝生の上に座って、カレーパン、ソーセージパン、卵パン、ピーナッツバターのコッペパン、ジャムパンを、スイセイと分け合いながら食べる。
帰りに筍を買った。
うちに着いたら、すぐに筍を茹でる幸せ。
今日はおかずがたくさんあるので、茹でるだけやっておいて、明日作ろう。
夜ごはんは、鯵の干物(りうのお土産)、わさび菜の甘酢和え、水菜のおひたし〔柚子こしょう、白ごま)、豚と葱(松本の根曲がり葱)の塩炒め、うどの味噌汁(園子さんの味噌)、玄米。
松本の葱はねっとりと甘くて、とてもおいしかった。
豚肉をもっと少なくしてもよかったくらい。



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