●2008年2月19日（火）晴れ ■■■スイセイ留守ごはんX10・2日目■■■ ところで、昔のホットドッグにはさんだような安っちい細長いオレンジ色のソーセージ（たぶん魚肉の）がスーパーになかった。消滅したのか。 ほうれん草とウインナ乗っけやきそば。

●2008年2月18日（月）晴れ ５時に起きた。 朝起きて、風呂に浸かって目を醒まし、まだ暗い中で着替えている時。 ふと自分が、秘密の恋人に会いにきて朝帰りをする女のようだと思った。 今朝もまた、タクシーに乗るまでスイセイが見送ってくれる。 では、行ってきまーす。 ■■■スイセイ留守ごはんX10・1日目■■■ そうして家人が出ていき、留守をする。 家人が出ていったとたん、うちの壁が崩れてあたりの景色が見えてくる。 ここは、荒野だ。 日常と荒野を比べると、はるかに荒野の方が頑丈だ。 少しの風で、湯気のように日常が空に溶ける。 ま、ま。 作り置きのカレーライス。 作り置きのカレーライス。 作り置きのカレーとパン。

●2008年2月17日（日）薄曇り 昨日とはうって変わり、とても寒い日曜日。 北風が冷たい中、スイセイと散歩がてら、「三鷹ハウス」を見学に行った。 もともとアパートだったところを丸ごと借りて、自分たちで改造し、アトリエ兼住まいに作り替えたそう。 壁もなく、天井もない（梁がむき出しで白く塗ってある）ひろびろしたキッチン＆リビングがあるかと思うと、音楽の小部屋や、本の小部屋もある。 ２階に上がるとアトリエになっていて、温室みたいに飛び出た部屋には、キョウコちゃんのミシンが並んでいた。 天気のいい日は、ここはよっぽど陽が当たるんだろうな。 窓を開けると、下に庭が見える。 アトリエの奥の、鍵のかかった戸を開けて、５歩くらい歩くと隣のアパートの玄関。 この部屋もまたツバサ君ちの別宅で、高知から来た友だちは、この間、ここに泊まったらしい。 玄関が別だから、外階段をトントンと上って、直接入ることもできる。 布団もたくさんあって、トイレつき、キッチンつきの、下宿のようなゲストルームだった。 キッチンは１階の窓辺にあって、踊れそうに広い。 クリーム色のホーロー製みたいな調理台は、もともとついていたものを磨いたそうだ。 明るくて、風通しがよくて、しょっちゅう料理をしたくなるようなキッチン。 なんか、おもしろい家だなあ。 部屋の中で迷子になりそうな。 世間から、１０cmくらい浮いているような。 部屋の中に、すでに世界のすべてがあるような。 「部屋の中でも息が白くてゴメンね」と、ツバサ君が言った。 寒いけど、こたつもあるし、石油ストーブもある。 家って、自由なんだなあ。 うちに帰ったら、こんどはチヨジが遊びにきた。 包丁の研ぎ方を教えたり、身の回りのことをボツボツ話したり。 なんだかひさしぶりに、嫁に出した娘が里帰りしたみたいだった。 チヨジが帰って、『まる子』を見ながらカレーを作る。 夜ごはんは、カレーライス、サラダ（紫キャベツ、サニーレタス、ワカメ、豆腐）。 明日からまた、中国だ。 早起きなので、今夜は早く寝る予定。

●2008年2月16日（土）快晴 ハ〜〜と、ため息が出るほど暖かい。 もう、このまま春になってしまいそうだなあ。 大家さんのどんぐりの木は、芽がたくさん出ている。 杏の木も、芽がちょっとふくらんできているような気がする。 電話を１本して、朝ごはんの前に『チクタク』の続きをちょっとやる。 ２時からリトル・モアの打ち合わせで出掛けるので、帰ってからゆっくりやろう。 今日の打ち合わせは、近所のカフェに、熊谷さんが来てくださる。 打ち合わせは１時間ほどで終わった。 絵本、ますますすごいことになっていて、驚く。 どんな姿になるのか、製本がとても楽しみだ。 外に出ると、ちょっと薄暗く、一気に寒くなっていた。 夕方、スイセイと買い物へ。 道路の向こうに見える蒼い雲の固まりが、信州かどこかの山々のように見える。 夜ごはんは、玄米キムチチャーハン（豚こま、ニラ、青じそ、目玉焼き）、ほうれん草のおひたし（ゆべの残り）、紫キャベツのサラダ、豆腐とワカメの韓国風スープ。

●2008年2月15日（金）快晴 今日もまた、ポッカポカ。 昨日よりさらに暖かい。 洗濯物を干す時、下をのぞくと、ハルがタイルの上に足を伸し、腹ばいになっていた。 これはもう、かなり暖かいっていうこと。 ハルの毛も、腰のあたりがなんとなしにボソボソして見える。 もしかして、冬の毛が抜けかわろうとしているんだろうか。 こういうのんびりした日と同じように、のんびりと仕事ができることが、とても嬉しい。 これから原稿を１本確認するのと、『チクタク食卓』の３月分の見直しをやる。 「リトル・モア」の熊谷さんから、『アン・ドゥー』についての電話があり、明日お会いすることになった。 熊谷さんて、刑事コロンボみたいだとスイセイが言う。 たぶん、原稿をいつも持ち歩き、何度も何度も見直しているんだと思われる。 締め切りぎりぎりまでそれを繰り返し、何かがひらめいてはそれを試し、あちこち駆けずりまわっている。 この人が犯人にちがいないと決めたら、とことんまで追いかけ、頭をひねり、ねばり通す。 犯人がやっとうちに帰り着き、シャワーでも浴びようとバスルームの戸を開けると、そこにはコロンボがいて、腰を曲げた格好で、何かに目を近づけている。 私はまた、すばらしい編集者に出会えたのかもしれない。 スイセイは、毎月の検診で病院に行っている。 私は、せっせと机仕事。 夕方になって、急に冷えてきました。 夜ごはんは、塩鮭、ごぼうと糸こんと舞茸の炒り煮、ほうれん草のおひたし（白ごま）、とろろ芋、キムチ＆青じそ、玄米。

●2008年2月14日（木）快晴 ポカポカと暖かい。 昨日の寒さは、どこへやらだ。 木皿さんの原稿（「リビングデザイン」の）が届いた。 料理をどうしようか、ポカポカの畳の部屋で、頭の中まで陽に当てながら考える。 お昼を食べて、美容院へ。 自転車をこいでいても、風がぜんぜん冷たくなかった。 井の頭公園の木々はまだ裸だけど、春を待ちかまえているような、なんとなしにピンクがかっているようだった。 本当にもう、春はそこまできているのか？。 帰りに「紀ノ国屋」で買い物。 ナツコにもらったバウムクーヘンが、すごくおいしい。 これこそバウムクーヘンだ！という、昔ながらの味がする。 卵とバターがたっぷりで、黄色っぽくて、周りの茶色いところがしっとりと濡れている。 紅茶をいれて、少しずつ、楽しみに食べる。 夜ごはんは、鷄のハンバーグ（トマトソース、オレキエッテ）、キャベツと白菜のコールスロー。 夜、リンツのチョコをスイセイにあげたら、「ふぐの薄造りみたいなチョコレートじゃのう」と言った。

●2008年2月13日（水）晴れ 洗濯物を干す時、空が真っ青だった。 雲がひとつもない。 陽は当たっているのに、風が冷たい。 見た感じからいくと、とても暖かそうなのに、すごーく寒い。 今日は、この冬いちばんの寒さだと、ゆうべのうちからスイセイに聞いていた。 本当にその通りになった。 電気ストーブをつけ、『チクタク食卓』の続きをやる。 来週からまた中国なので、それまでに３月分を仕上げてしまおうと思って。 最近、あまりに夕方が冷え込むので、走りにいくのがおっくうになっている。 夜ごはんの支度をしている時も、台所の足下がとても寒かった。 靴下を２枚重ねてやった。 今年の冬は、けっこう寒いような気がするなあ。 夜ごはんは、牛丼（玄米で）、菜の花と舞茸の炒め物、温奴、紅生姜、長いもと青じその味噌汁。 夜、木枯らしの中、階段を昇る音がしてピンポンが鳴ったかと思ったら、毛糸の帽子をかぶったナツコだった。 北海道へ、スノボーをしに行っていたそうで、バウムクーヘンのお土産をもらう。 中に入っていた手紙には、「おつかれさん。ありがとう。」とだけ書いてあった。 日記をやめることについて、だろうか。 嬉しかったので、飾っておく。

●2008年2月12日（火）曇りのち雨 なんとなしにどんよりして、布団の中で本を読もうかと思っていたのだけど。 天気も悪いし。寒いし。 電話がいくつかあったので、起きてしまう。 あちこち掃除機をかけ、しっかりめに雑巾がけ。 こういう日は、かえって体を動かすといいみたい。 雨の中、図書館に行き、本を持ったまま買い物にも行き、大荷物で帰ってきた。 エッサ、エッサとかけ声をかけながら。 お茶を飲んで、『チクタク食卓』の続きをやる。 夜ごはんは、わかさぎのフライ、レタスとクレソンのサラダ（塩、レモン汁）、舞茸のオイスターソース炒め、豆腐の味噌汁、玄米。 この間、北国の暮らしのテレビで、湖の氷に穴をあけてわかさぎを釣っているのを見たばかり。 なので、スーパーでわかさぎをみつけ、思わず買った次第。 ピチピチと銀色に光っていたので。 とてもおいしく、スイセイもパクパク食べていた。

●2008年2月11日（月）晴れ タカシ君が『笑っていいとも！』に出るというので、楽しみに見る。 「スカンク兄弟」から、でっかい花輪が送られてきていた。 「トネリコ」のもあった。 そうかー。そういうものなのか。 私はあんまり『いいとも！』を見たことがなくて、ぜんぜん知らなかった。 これは、おめでたいことなのだ。 タモリって、芸能のゴットみたいな人だものな。 タカシ君、いい声だったなあ。 きっとこの時間、タカシ君の歌を知らない人もたくさん見ていて、北国のおばあちゃんとか、おじいちゃんとかも、（いい歌だなあ…　）と思った人がたくさんいるだろうな。 初めてこの歌を聞いて、胸にぐっときて、泣いた人もいるかもしれない。 それはやっぱり、とてもありがたく、めでたいことだ。 午後から、『チクタク食卓』の新しいフォーマットで、バリバリとパソコン作業をやる。 画面が整理されているので、楽しいし、面白いし、３年前のことを懐かしく思い出しながら夢中でやる。 ３月１日から始め、１５日までやったところで、洗濯物をとり入れに行った。 窓を開けたら、ひんやりした空気。 目玉が冷たい空気にさらされて、ヒカヒカとした。 ミルクコーヒーを飲んで、続きをやる。 ６時まで夢中でやって、目が霞んできたので、今日はこれで終わりにする。 昨日アップした「日々ごはん」の２月４日の日記について、読者の方々からお返事をたくさんいただいています。 それを読んで、うっ、と私も涙ぐむ。 本当にありがたいお便りを、皆さん長々と書いてくださって。 自分のことを削るようにして、心の中まで書いてくださって。 手紙をくださった方々は、淋しがってばかりではなく、どなたも皆、私と同じく、ぼんやりと明るいところに向って階段を昇ろうとしているのを感じました。 それはなんと、かけがえのない、ありがたいことだろう。 夜ごはんは、塩豚焼いただけ（大根おろし＆貝割れ＆柚子こしょう）、水菜のおひたし、ラーメン（煮卵、コーン、葱）、玄米。

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