2006年2月下

●2006年2月28日(火)曇り、夜になって雨

また冬にもどったみたいに、すごく寒い。
今日はスイセイの取材なので、掃除をしたり、街へ買い物に出たりした。
食材もいろいろ買ったけど、春向きの服を、どんどん選んでどんどん買った。
パンツも買った。
5時から、長野君と田中君がきて軽く打ち合わせをし、夜ごはんを作りながら取材をします。
夜ごはんは、鰤のヅケ、とろろ芋、春人参の塩もみ、蒟蒻のピリピリ、いかのワタ炒め、菜の花の辛子和え、大根の味噌汁、もちきび入り玄米。

●2006年2月27日(月)曇り

天気予報は当たらなかった。
暖かいけど、ぼんやり雲っています。
昨夜から浸けてあった大豆を火にかけ、茹でながら原稿書き。
3時くらいに書き上げてお送りし、味噌の仕込み。
スイセイに写真を撮ってもらいながらやる。
今日みまた、「ohana」のCDをかけながらやる。
大豆をとんとんつぶすのにも、なぜか似合う「ohana」。
うきうきと、楽しい気持ちでやる。
もう、春もそこまできている。
終わったら、あちこち掃除機をかけて雑巾掛け。
ワックスまで塗った。
明日は、長野君と田中君がいらっしゃって、スイセイの取材です。
郵便局に行った帰りに、スイセイは農家の野菜を買ってきてくれた。
お願いしないのに買ってきてくれた。
ほうれん草、ブロッコリー、泥つきの人参だ。
夜ごはんは、牛こま、玉ねぎ、ブロッコリーの中華炒め、ほうれん草のお火だし〔ポン酢醤油と柚子こしょう)、人参の千切りサラダ、大豆のゆで汁のみそ汁、玄米、焼きそば(お昼の残り)。
人参が、すごくおいしい。
千切りにして、塩をふってしばらくおき、ごま油をちょっとかけただけなのに。
甘いだけじゃない、グルタミン酸のようなうまみが混じっている。
もう春人参なのだろうか。

●2006年2月26日(日)雨

朝早くから、スイセイは下諏訪に出掛けて行った。
作品のお届けだそうです。
川原さんも一緒に行って、運んでいるところの写真を撮ってもらったりするそうだ。
朝、トイレに起きた時、スイセイの荷物の上に焼酎の瓶が置いてあった。
遠足の前みたいに、昨日からすごく嬉しそうにしていたから、きっと電車の中で飲むつもりなのだな。
さーて、私は私で原稿を頑張らねば。
沁みるような雨だし。
1日中、原稿を書いていた。
夜ごはんは、カップヌードルを、『まる子』を見ながら食べました。
原稿は、どうにか形になってきた。
夜中に帰ってきたスイセイと、納豆ごはんと豆腐と葱の味噌汁を食べる。

●2006年2月25日(土)晴れ

オナガがたくさん来ている。
藤色で、尾っぽも長くスマートで、姿はとても美しいのに、声は汚いオナガ。
錆びたはさみみたいな音。
ポカポカと暖かく、まったく春のようです。
きっと、オナガも気持ちが良くて、ついあんな大声を出して鳴いているのだろう。
昨夜、『ククーシュカ』というフィンランド映画のビデオをまた見た。
コメントの仕事がきているので、先週も見たんだけど、やっぱり、すごく好きだった。
男ふたりと女ひとりの織りなす、神話のようでもある。
いろんな意味が含まっているような、同時に、アッケカランとつきぬけているような。
ああいうのを見ると、女がもともと持っている、獣じみたたくましさを感じる。
山や川のように厳しいし、優しい。
波照間島の良美ちゃんのことを思い出しながら見ていたけれど、自分の中にも、そういうのを感じます。
自分の料理を作りたい気持ちって、そういうところから出ている気がする。
さて、今日もまた原稿書き。
アリヤマ君のことを書いています。
「ohana」をエンドレスで聞きながら。
アリヤマ君のことを思い出す時、「ohana」がぴったりくるから。
この間のカトキチ&アムの時は、郁子ちゃんが忘れて行った、ブロッサム・ディアリーという女の人のピアノをずっとかけていた。
夜ごはんは、塩鮭、トマト、ハムとオニオンスライス(倫子ちゃんがこの間作ってくれたのの真似)、新じゃがの肉じゃが、なめこの赤だし、玄米。

●2006年2月24日(金)曇りのち雨

11時から「ダ・ヴィンチ」のインタビュー。
ひさびさに赤澤さんに会えた。
今朝は起きるのがちょっとが辛かったのだけど、会ったとたんに赤澤さんの元気が移ってきました。
青空が広がって、気分がすがすがしくなるような、そんな感じだった。
今日なんか、雪が降るかもしれないようなどんよりした天気なのに。
つかの間だったけど、楽しかったな。
赤澤さんに会うと、また一緒に本を作りたいという思いが、じわじわと湧いてくる。
さてと、またこれから原稿書きに入ろう。
のってきたので、夜ごはんは、お寿司の出前をとる。
白菜の蒸し煮と、わかめのおすましだけ作って、フィギアスケートを見ながら食べました。

●2006年2月23日(木)薄い晴れのち曇り

雲っているわけではないけれど、今日は光が弱い。
鳥たちが、チュパチュパとよく鳴いています。
風もなく、ぼんやりと温かいけれど、洗濯物が乾きにくい天気です。
午前中から原稿書き。
けっこうはまって書く。
ふと見ると、下の公園で、おじさんがお弁当を食べている。
コンビニのではなくて、ちゃんとハンカチに包んであるお弁当。
お腹へったなー。
スイセイは自分で何かを食べ、走りに行った。
もうちょっとがんばったら、私もお昼にしよう。
というわけで、昨夜の残り物をつめ、レトルトのハンバーグと卵を焼いて急きょお弁当を作り、一瞬だけふたをしてすぐに食べた。
夕方までやり、またアリヤマ君のテープを聞く。
夜ごはんは、白和え(昨夜の炒り煮に茹でた人参を加えて)、かますの干物、板わさ、もやしと水菜の炒め物、大根の味噌汁、納豆、玄米。

●2006年2月22日(水)晴れ

春のように暖かい。
ヒヨドリがピーチーと、高らかに鳴いている。
ひさしぶりに晴れたので、たっぷり洗濯をし、あちこち掃除機もかける。
買い物にも行く。
うちの杏の蕾は、ちょっと割れたところから桃色がのぞいている。
大家さんの沈丁花も、蕾がふくらんで、今にも匂ってきそうな感じ。
午後からは、原稿書き。
とりこんだ布団に寄っかかりながら、取材テープを聞くのは、なんとも言えず幸せだ。
アリヤマ君の事務所での空気に、どっぷりと浸る。
あの日も、天気よかったなー。
最近は、国立の紅茶屋さんで買った、おいしいダージリンでミルクティーをいれるのが流行っている。
ほうじ茶も水筒にたっぷり作ってあるけど、気合いを入れる時にはミルクティーだ。
ではまた続きをやり始めます。
夜ごはんは、牛肉と舞茸と白滝の炒り煮、鮪のお刺し身(新わかめ添え)、とろろ芋、水菜と青じそのサラダ(柚子こしょうドレッシング)、なめこの味噌汁、もちきび入り玄米。

●2006年2月21日(火)曇り

昨夜は、とてもとても楽しかった。
インタビューのことは、まだここには書けないが、タカシ君は、いい話をたくさん聞かせてくれた。
「ニチニチ」の厨房に入らせてもらったのも、とても良かった。
ヤーノに手伝ってもらって、あれやって、これやってと指示する感じも、「クウクウ」時代みたいで、とても懐かしかった。
若返った感じがした。
夜、郁子ちゃんも来てくれて、皆して車で移動する時なんか、めちゃくちゃ楽しかったな。
ぎゅうぎゅうで、タカシ君は運転しながら鼻歌うたっていて。
それに合わせて郁子ちゃんも、私も歌って。
BGMなんかいらなくて。
中学生に戻ったみたいな楽しさだった。
林間学校に行くバスの中みたい。
長野君と私と組んで、いろんな人の所に出掛けて話を聞いてみたい、というこの本のもともとの気持ちが、昨夜はとても盛り上がった気がする。
長野君とふたりで、人の心の波に潜ってサーフィンしているみたいな感じになった。
原稿を書く時には私ひとりで潜っていくけれど、編集の田中君も、書き上がった文章にじっくりと貼りついて、やっぱり潜ってくれる。
長野君がカメラを構えている様子を頼もしく思いながら、私は自分のやるべきことをやる。
田中君は、自分も楽しみながら、驚きながら、その現場に一緒にいて見守っていてくれている。
たぶん、それぞれが自分の本業のことをやりながら、一緒の場にいられるのが楽しいのだ。
というわけで、アリヤマ君とタカシ君の余韻に浸りながら、今日はずっと布団の中にいた。
私は、ふたりから何をいちばん感じたのだろう… とイメージしながら、寝たり起きたり、また寝たり、メモを書いたり。
暗くなるまでそうしていた。
夜ごはんは、中華丼(スイセイ。むき海老、鶏肉、干し椎茸、きくらげ、白菜、人参、れんこん)、レトルトハンバーグ&カレー(私)、冷やしトマト。



日々ごはんへ めにうへ